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【白猫】深淵の追撃者 Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

2017/04/14


深淵の追撃者

深淵の追撃者 Story0

深淵の追撃者 Story1

深淵の追撃者 Story2

深淵の追撃者 Story3




プロローグ




 私の体が、風になっていく。

 胸を焦がす思いも、頬を伝う涙も、全て――


 さようなら、愛しい人。

 あなたに幸せが――ありますように。



「いつもの夢か……

任務に、向かわないとね。」










story1 演習



<巡洋艦ルシャコム・艦橋。>


まだ見つからんのか、敵は。

はい……まるで幽霊です。

潜水部隊からの報告は!

ありません……!

デコイ発射から一瞬で、深海に逃れたのか――?

……なんという性能だ。これが演習でなかったら……!


 <――警報――>


艦長、6時の方向から、魚雷接近!!

――短魚雷発射!機関全速!!



 ***



 <潜水艦ドレットノート・発令所。>


魚雷、命中しました。

やりましたね、艦長。

ああ、みんなのおかげだ。

スゴイですね、この艦は……

ああ、すごい船だよ。このドレッドノート号は……

夜のように静かで、稲妻のように速い。まさに深海の亡霊だね。

ですが……少々得体が知れんですな……

彼女が聞いているぞ。気を悪くするかも。

またまた……

さあ、帰航しようか。ドレットノート……

 ――ポーン――

……今、返事を……?


…………

……


提督

流石だな、大尉。新造艦を完璧に運用しているようだ。

シン・シャーク大尉

部下達のおかげです。

部下の力を引き出すのが、君の仕事だろう。

彼らなら、誰の下でも上手くやれますよ。

私を負かした男は謙虚だな。ところで……例の件は聞いてるか?

これで十五隻ですか。

十六隻だ……重巡ブレビアもあいつにやられた。

〈深海の悪魔〉ですか……海底に棲む巨大な魔物という話ですね。

沈んだのは帝国の船ばかりだ。どうだ大尉。君とあの艦なら、件の魔物を仕留められるか?

もう少し情報が欲しいですね。

慎重な男だな、君は。

 w失礼、シン大尉はいらっしゃいますか。

本官であります。貴官は?


技術将校 マナ・ドリース中尉

海軍技術局より参りました。技術将校のマナ中尉です。

!(技術将校……?)

正式な辞令は後日になりますが、本官も大尉の艦にお世話になります。

よろしくお願いします。しかし、どういった理由で?

ドレットノート号は、乗員の皆様にも開示されていない極秘技術が使われています。

理解しています。ブラックボックスの塊なんですよ、あいつはね。

本官はドレットノート号の技術情報の詳細を把握しています。

……本当ですか、それは助かります。

貴官には、この艦を使いこなしていただきます。



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story2




魔都バビロン。この街にも、冒険家はいる。

だが、この街において、〈冒険家〉は、都合のいい表の肩書きにすぎない。


カノープス男爵は、そんな胡散臭い〈冒険家〉の一人。

冒険家といっても口だけ。男爵の位さえ、金で買ったものだという。

バビロンにはよくいる手合いの、似非冒険家である。


zヘイヘイ男爵殿~。もうちょっとチップを弾んでくださいよぉ~。

wああ、すまなかった……でも今月はちょっと、持ち合わせがなくてね。

zああ~ん!? 聞こえなかったなぁ!?

wこ、これで足りるかなぁ?

zフン、あるならとっとと出しやがれってんだよ!


w(……かわいい連中だな)

 男爵は、地面に捨てられた新聞を手にした――

w重巡洋艦ブレビア撃沈さる……か。

 男爵の義手が、新聞を握りつぶす。


 ***


P聞いたッスか、例の噂……

P深海の悪魔か――

Pまさかあれって……!

P黙ってろ。粛清されたいのか。


w(……ゆらり

かくれんぼは、得意なのです)



w(……オニさんが、きたのです)


…………

……


いかがですか、技術将校殿。我が艦の練度は。

――感心しました。恐らくあなた方は、世界でも有数の部隊なのでしょう。

高評価ですね~。

ですが、それも波の上での話。

我々に、不満がおありですか?

あなた方は過酷な訓練を、完璧にこなしたエリート。実践の経験も十分。

しかし貴官らが挑むのは、深淵の世界――波の上の常識は通用しません。

艦長、司令部からの通達です。

司令部から……?

……命令内容を受諾した。

艦長を支持します。この内容は……!!

マナ中尉は、この通達をご存知だったのですか――!

はい。

〈深海の悪魔〉と呼称される種族不明潜水艦の拿捕――

それを我が艦にやれと!

艦隊を用いては、敵に捕捉される危険性があります。

この艦の能力であれば単艦でも作戦に支障はありません。

艦長、貴官が愚か者でないことを祈ります。





絶海の侵略者 続編


あらすじ


新型潜水艦ドレッドノート号の船長に着任したシンは、技術将校マナと共に謎の潜水艦を追撃する。

二人の前に立ちふさがる<侵略者>の潜水艦。

深淵なる戦いの果てにあるものは――!



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