アシャクァトル・思い出
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アシャクァトルの思い出とボイス
思い出1
――それは遥か昔のこと―― |
男
アシャクァトル!
アシャクァトル
ん?
男
選ばれたそうだな!
<蛇>の戦士に!
アシャクァトル
ああ……選ばれた。
男
どうした? 名誉なことだぞ?
もっと嬉しそうにしろよ?
アシャクァトル
嬉しいとも。これで、
太陽のために戦い、死ねる。
アシャクァトル
貧しい出の俺に、
これ以上の誉れはない。
男
本心か? そうは見えないな。
アシャクァトル
そうか。
アシャクァトル
……俺は、<蛇>の大戦士に
なりたい。
男
大戦士だと!?
アシャクァトル
ああ。
男
望みすぎだ!
正気かアシャクァトル!?
男
大戦士は、次の長だぞ!?
誰よりも多く駆け、
誰よりも多く殺さねばならない!
男
数多の戦士を押しのけ、
屍の山の頂に
登らねばならないんだぞ!?
アシャクァトル
そうだな。
男
驕ったか!
いくらお前が強かろうとも、
上には上がいる!
アシャクァトル
そうではない。
上があるのなら目指す。
アシャクァトル
それが戦士だと思うだけだ。
男
……お前は単純だな。
アシャクァトル
ふん。
男
天との戦が近いというのに。
アシャクァトル
なんだそれは?
男
風の噂だ。
アシャクァトル
噂になど興味はない。
アシャクァトル
俺は里で生まれ、
里のために戦い、里で死ぬ。
アシャクァトル
それで十分だ。
男
……つまらない男だ……
思い出2
――太古の森。 |
<蛇>の戦士アシャクァトルは、 己の肉体を鍛え続けていた。 |
アシャクァトル
…………
男は考えることが 好きではなかった。 その必要性を、 あまり感じていなかった。 |
生きるとは、戦いに勝つこと。 |
彼の肉体は芯から実感していた。 |
アシャクァトル
…………
しかし智恵がないわけではなかった。 むしろ、里の者たちの中でも 飛び抜けて明晰だった。 |
肉体の構造を細部まで把握していた。 星の瞬きから吉凶も読めた。 |
世界がどう成り立っており、 どのような<均衡>を 保っているのかも。 |
その気になれば書物にも出来た。 |
アシャクァトル
…………
その上で、彼は自分自身に 言葉を削ぐことを課した。 思考を止めることを課した。 |
素養と願望は別なのだから。 |
彼は里を愛し、 そこに生きる民を愛していた。 |
愛するものを守るため、 自分のなすべきことは 戦うことだけ。 |
ゆえにそれ以外を削いでいた。 |
アシャクァトル
…………
それではいけないことを、 彼はまだ知らなかった―― |
思い出3
――里の民は、戦いの部族。 |
遠征から凱旋した戦士たちは、 熱狂をもって迎えられた。 |
アシャクァトル
…………
男
おい、アシャクァトル、どうした?
アシャクァトル
なにがだ?
男
民たちが戦勝を讃えている。
胸を張るだけでなく、
笑顔も作れ。
アシャクァトル
戦士に必要か?
男
嬉しくはないのか?
アシャクァトル
嬉しいとも。
だが、顔に出す必要はない。
男
あるさ。民たちが喜ぶ。
アシャクァトル
民は勝利を喜んでいるのだ。
男
それと英雄の帰還をな。
アシャクァトル
俺は誰よりも殺しただけだ。
男
里のためにな。
アシャクァトル
それで、英雄か。
男
何か不服か?
アシャクァトル
…………
男
……ほら、民がお前を見ているぞ。
笑顔で手を振り返してやれよ。
アシャクァトル
…………
男
不愛想な奴だな、お前は。
アシャクァトル
愛想が戦士に必要ならば
身に着けもしよう。
アシャクァトル
だが、俺はそうは思わない。
男
……ま、勝手にするさ。
アシャクァトル
…………
………… |
…… |
アシャクァトル
…………
アシャクァトルは無心となり、 鍛錬を続ける。 |
そのうちに、いくつかの 矛盾にも答えを出していた。 |
それは思考というよりも、 肉体が導いた予知のようでもあった。 |
彼が岐路で迷うことはないだろう。 |
答えは己の血肉が導く。 彼はそれに従う。 |
そこに意思は介在しない。 |
アシャクァトル
……?
ふと、鍛錬中のアシャクァトルは 視界の端に白蛇を見た。 |
白蛇はすぐに藪に隠れた。 |
アシャクァトル
…………
去った方角へ、しばし祈りを捧げた。 |
ここは<太陽と蛇の民の里>。 蛇は時を経て、 守り神になるかもしれないのだから。 |
思い出4
<蛇>の戦士アシャクァトルは、 ある日、長に呼ばれた。 |
アシャクァトルは 地位を望んではいなかったが、 大戦士として長を尊敬していた。 |
長は既に、戦場に立つことの 叶わぬ老齢に達していたが、 目の光は若い頃のままだった。 |
アシャクァトルは生まれて初めて 畏怖に近い感情を覚えた。 |
アシャクァトル
…………
彼は沈黙して言葉を待った。 如何なる場においても 戦士であるべしと決めていたから。 |
長
…………
長はしばらく彼を見つめていたが、 厳然として告げた。 |
長
大戦士にはなれぬな。
アシャクァトル
!!
それを聞き、 さしものアシャクァトルも 思わず口を開いた。 |
アシャクァトル
なぜ!?
長
敵を討つのに迷いはないか。
アシャクァトル
ありませぬ!
長
なぜない?
アシャクァトルは言葉に詰まった。 質問の意味がわからなかった。 |
長
曇った眼は里に害を為す。
続けられた言葉の意味など 尚更わからなかったが、 アシャクァトルは 先の質問にようやく返答する。 |
アシャクァトル
敵を前に逡巡すれば、
それこそ里に害を為します!
アシャクァトル
里を脅かす外敵に、
慈悲などありません!
アシャクァトル
それが戦士ではないのですか!?
長は、最後には質問へと変じた アシャクァトルの叫びには 応じなかった。 |
ただ黙って目をつぶった…… |
………… |
…… |
アシャクァトル
…………
アシャクァトルは決して 驕ってなどいなかったが、 それでも長の言葉は衝撃だった。 |
事実、彼以上の戦士はいなかった。 だから周囲の者も、自然、 彼を次の大戦士とみなしていた。 |
その自分が、 長にあのような言葉をもらうとは。 |
アシャクァトル
……俺の眼は……
アシャクァトル
曇っているのか……?
アシャクァトルにはわからなかった。 |
自分は矛盾や迷いを排してきた。 それは曇りを晴らすための 行為だったのではないのか? |
それが誤りであるなら、これまで 積み上げてきたもの全てが…… |
アシャクァトル
…………
アシャクァトルは、 己の肉体が答えを導くのを 待とうとしたが…… |
その答えに疑念を抱いた今、 ただ待つことが正しいのだろうか? |
アシャクァトル
…………
随分長い間、思考を削いできた。 |
アシャクァトル
……一晩で答えが出るなど、
都合の良いことはないか……
戦士は大地を踏みしめ、 夜に向かって呟いた。 |
――彼の結論に反し、 それは存在する。 |
時間が問題なのではない。 その一晩に何が起こるかなのだ―― |
思い出5
――突然だった。 |
太陽と蛇の民の里が、 炎に包まれたのだ! |
それは捕虜たちが 一斉奮起したからだと思われた―― |
アシャクァトル
――敗北者どもめ……!
なぜ潔く膝を屈さぬ!
アシャクァトル
命がいらぬか!
戦士アシャクァトルは、 その務めを果たすべく、 目についた全ての 他の部族の捕虜を斬る。 |
アシャクァトル
里に害為す蛮族どもがッ!
戦鬼と見まごう奮迅に、 アシャクァトルの視界から 動く敵はすぐに消えていく。 |
長の元へ。 |
里の中心へと駆けていく彼は、 その男を目にした。 |
アシャクァトル
お前は……?
男
……さすがだな、アシャクァトル。
お前が来る前に、
終わらせたかったが。
男は里の同期だった。 アシャクァトルとも、幾度も 言葉を交わしたことがある。 |
男
いや、構わないか。
お前は里の民のため戦う。
男
俺もそれに含まれるだろう?
アシャクァトル
何を言っている……?
アシャクァトルは状況を 一瞬で理解出来ぬはずは なかった。 |
ただ戦士は、時間稼ぎのために 問いを投げたに過ぎない。 |
男も、それがわかり、 うすら笑いだけで答えない。 |
アシャクァトル
裏切ったのか……!
男
なあ、<蛇>の戦士よ。
おかしいと思わないか?
アシャクァトル
何がだ?
男
なぜ争い、血を流す。同じ人間が?
アシャクァトル
里に害を為さぬなら、
命までは奪わん。
男
それがお前の言うことか?
誰よりも多く殺した、お前の?
アシャクァトル
俺は敵しか殺さぬ。
男
敵、か……
男は辺りに倒れ伏す 蛮族の亡骸を眺めた。 |
男
捕虜どもは、解き放たれて
逃げ惑っていたに過ぎぬ。
男
刃に意思があったのは俺一人だ。
男
お前は無辜の民を斬ったのだよ。
アシャクァトル
…………
アシャクァトル
……脱走は、罪だ。
男
ハッ! そうかい?
誰でも逃げるだろう!
男
お前は違うんだろうな!?
囚われのまま
贄になる日を待つというわけだ!
アシャクァトル
…………
男
……アシャクァトルよ。
遠征先の民たちは、
本当に敵だったのか?
アシャクァトル
激しい抵抗を受けた。
男
みろ、わかっていたではないか。
『抵抗』、だろうが?
男
攻めたのはどちらだ?
アシャクァトル
…………
――黒の王国の民は、 野蛮な蛮族ではない。 |
アシャクァトルも知ることだった。 だが――いずれこの里を 脅かすかもしれない。 |
ゆえに、先手を。 それが命令だったのだ…… |
男
さて……未来の大戦士よ。
男はふっと声を落とした。 怜悧な表情が張り付いていた。 |
男
お前には選択肢がある。
男
逃げ惑う蛮族を斬り、
英雄の名を高めるか。
それとも――
男
――俺とともに長を斬り、
黒の王国へ降るか。
男
……あるいは俺を斬るか、だが……
里の民を斬れば、お前も死罪だ。
アシャクァトル
!!
男
証言させようなどとは思うな。
そのときはすぐにこの場で
死体になってやる。
男
俺の亡骸の前で、
公正な裁きでも受けるんだな。
アシャクァトル
…………
男は一転、激しくなじるように 声を荒らげた。 |
男
さあ、どうする<蛇>の戦士よ!?
お前とて、命が惜しいだろう!?
アシャクァトル
そうだな。
アシャクァトルは 携えていた剣を捨てた。 |
男
そうそう、それでいい……!
男は下卑た笑みを浮かべながら、 一歩後ずさり―― |
――そして素早く地を蹴ると、 転がっている黒曜石の剣へと 飛びついた――!!! |
アシャクァトル
!!
思い出6
アシャクァトル
…………
男
――なぜ――
男
――俺を斬らない……?
黒曜石の剣はそのまま、 飛びついた男の手にあった。 |
男
……お前のことは知っている。
俺より先に剣を取り、
斬るのは容易かったはずだ。
男
情けか!?
俺も戦士の端くれだ……!
侮辱には耐えられんっ!
男
理由を言え! アシャクァトル!
アシャクァトル
理由ならば、お前が自分で言った。
男
なに……?
アシャクァトル
お前は里の民。
それ以前に、戦士だ。
アシャクァトル
戦士の死は、誇りの死。
アシャクァトル
誇りがなくなったのならば、
既に死んだも同然。
手を下すまでもない。
アシャクァトル
また、
誇りが死んでいないのならば……
アシャクァトルは 静かな眼で男を見つめた。 |
男
……お前は、まだ俺を
戦士として扱ってくれるのだな?
アシャクァトル
お前次第だ。
男
……ふっ……
男は黒曜石の剣を 目の高さに構え…… |
ヒタと喉に当てると、 音も静かに刃を滑らせた。 |
アシャクァトル
…………
男
礼を言う、アシャクァトルよ。
アシャクァトル
友を見届けるのは当然のこと。
男
……ふふふふ……
男
……大戦士……
……お前なら、きっと……!
アシャクァトル
…………
男の崩れる姿を、 アシャクァトルは唇を噛み、 じっと見守り続けた―― |
………… |
…… |
長
――共闘? 黒の民と、だと?
アシャクァトル
はい。
――後日。 |
アシャクァトルが 容疑をかけられることは なかった。 |
そして戦士は、里に残っていた 捕虜たちと、語り合った。 己の軽率な行動の謝罪も交えて。 |
捕虜たちも戦士を咎めなかった。 里が燃えていたのだ。 事実、逃げずに反撃を 企てた者もいたという…… |
蛮族という認識を改め…… 戦士は、捕虜からある一つの話を 聞いていた。 |
アシャクァトル
黒の王国では、<闇の王>の増長が
著しいのだと言います。
アシャクァトル
里の近くへ移り住んだのも、
そこから逃れてとのこと。
長
<闇の王>か……強大だぞ。
長
天に住まう<白の巫女>ごと、
白の王国すら
滅ぼそうとしているのだとか。
アシャクァトル
黒の民も、そう言っておりました。
アシャクァトル
なればこそ、敵とすべきは
<闇の王>です。
長
……かの戦、我らの里とは
無関係だ。
長
なぜ肩入れをする?
アシャクァトルは、 長の鋭い眼光を弾き返した。 |
アシャクァトル
民に、平穏を。
長
……ほう。
長
この里の民か?
アシャクァトル
はい。しかし――
アシャクァトル
――里の中を守るだけだは、
平穏は訪れません。
アシャクァトル
黒の王国を正すことが、
里にも平穏をもたらすのなら――
アシャクァトル
俺は戦います。
長
…………
長は立ち上がると、 アシャクァトルへと歩みより、 佩いていた短剣を差し出した。 |
アシャクァトル
これは……!
長
大戦士の証、<睡蓮の葉>。
長
意味するは<信頼>。
ふさわしい持ち主となれるか?
アシャクァトル
絶えず身に着け、戒めとします。
長
更なる功を立てるがよい。
<蛇>の大戦士、
アシャクァトルよ……
アシャクァトル
……はっ……!
――アシャクァトルは、 大戦士と認められた。 |
彼の持つ黒曜石の刃は、 必ずや<闇の王>を 討つと信じられた。 |
なぜなら、<蛇>の戦士には―― |
――<太陽>の 加護があるのだから――! |
???
我は中天に座する、
<黒き太陽>――
???
黒き陽の照るは――闇の大地――
それは、ずっとずっと昔のこと……! |
ボイス
状態 | ボイス |
---|---|
キャラ詳細画面 | 我は蛇の大戦士、だった者 |
Lvアップ | 戦士の誇りを |
スキル | 刻は破れた |
AS1 | ウオオオオオオ! |
AS2 | 蛇の怒りを知れ!太陽よ、堕ちるがいい! |
交代時(入) | フオォォォオ |
交代時(出) | フッ! |
クエスト開始時 | 一の時代の終わりを告げる |
クエスト中放置 | 我が牙は眠らぬ |
クエストクリア時 | 蛇舞う闇よ、安寧を |
戦闘不能時 | 蛇は…滅びぬ… |
タウン1 | 戦の刻だ |
タウン2 | 我がある限り、一族は滅びぬ |
タウン3 | 偽りの日はいらぬ |
タウン4 | 里の夜に、安息をもたらさん |
タウン5 | 戦士の死は、誇りの死 |
攻撃1 | やっ! |
攻撃2 | ほぉっ! |
被ダメ1 | ぐぅっ |
被ダメ2 | がはっ |
被ダメ3 | うおぁ! |
手を振る/お辞儀 | 戦の刻だ |
バンザイ/ハイタッチ | オオオオオオ!! |
土下座/頭を抱える | 過ちを認めよう |
温泉 | 骨に染みる… |
【キャラ説明】 <太陽と蛇の民の里>の大戦士。 人と生まれ蛇となり、そして神になった者。 |
【プロフィール】 本名:アシャクァトル (cv.佐藤拓也) 二つ名:[落陽を呑む忘我の毒蛇]→[天舞う四対の翼持つ大蛇] 種族:? 年齢:不明 出身地:太陽と蛇の民の里 |
ストーリー登場キャラ
The Shining Shadow 終章~落日の蛇~ 2017/6/23
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