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正定八大碗・手紙

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最終更新者:uehisakita

目次 (正定八大碗・手紙)

半分風雅


主人公名:

名匠になるには、腕がいいことはもちろんだが、理論や知識も疎かにはできないぞ。とは言え、近ごろは忙しくて、あんたのそばで直接指導することができなくてな。だから、長年集めてきた秘蔵の書物を貸そう。これを読めば、きっとよい学びが得られるだろう。8日後、あんたの研究の成果をテストしようと思う。ハハッ、またあんたに試験を出すことになるな。


<手紙と一緒に読書リストが送られてきた。『天工開物』、『古玉図譜』、『考工記』など手工芸の著作を含む、8冊分のリストだった>



鄭定


同袍同沢


主人公名:

試験合格おめでとう。あんたは空桑で厳しい「訓練」を受けたと聞いたよ。やはり抜群の記憶力だな。約束どおり、手紙と一緒にお祝いを贈るよ。


空桑には手工芸に興味を持つ友人も少なくない。中には才能に恵まれた人も多くてな。最近は、彼らに手工芸品の制作方法を教えているんだ。もしヒマがあれば、手伝いに来てくれ。免許皆伝となったあんたなら、おれの代わりに教えることもできるだろう。あんたがいれば、生徒たちも一層やる気を出してくれるに違いないしな。


く手紙と一緒に数珠が送られてきた。「万頃瑠璃色」と刻まれており、何かの詩の前半部のようだった>



鄭定


以心伝心


主人公名:

やはりあんたは聡明だ。おれが贈った数珠が、実はもう1つあることに気づくとは。おれはあの詩の、下の句を自分の数珠に刻んだんだ。あんたとおれとで1つずつ。ベアになる物だよ。この小さな数珠を作るのには、けっこう工夫も凝らしたんだぞ。例えば表面の字は、現代のレーザー彫刻技術で刻んである。表面は傷がつかず、字がすり減ることもない。おれがこれほど高度な現代工芸技術を理解できたのも、あんたと出会ったおかげだ。あんたがおれを「琳琅幻境」から出してくれたおかげで、より広大な世界が見れたし、手工芸の歴史や発展を学ぶこともできた。まさに「万頃琉璃色、玉龍游八極」ってやつだな。おれはあんたを幻境に招きたい。そして、共にこの千年続く芸術の至宝を守りたいと思っている。人々の繁栄と共に、その数珠のように輝きたいんだ。あんたは……おれと一緒にいてくれるか?




正定八大碗


金蘭之契


主人公名:

昔は、伝統工芸を守るのはおれ一人で十分だと思っていた。人ってもんは皆、私欲にまみれ、破壊するばかりだからな。だがあんたは、そんな考えが浅はかだったと気づかせてくれた。この世には、おれと共に伝統工芸を守ってくれる人間がたくさんいる。あいつらと、あんたとおれが一緒に精進すれば、きっと伝統の技は受け継がれ、絶えることもないんだろう。


思うに「本当の宝物」とは、時間に埋もれることを恐れず、いつまでも新しくあり続けるものなんじゃないだろうか。そして「本当の情け」とは、歳月による洗礼を恐れず、仲間と歩む時間の中で生き生きと輝くものなんだろう。おれと手を携えてくれる人間が、あんたでよかった。この長くつらい守護の道も、孤独な道ではなくなったよ。


ところで、あんだはよくおれの収蔵品に驚いていたが、一つ伝え忘れていたな。今おれの心の中には、もっと大事な博物館が存在するんだ。そこには、きらびやかな宝物はない。唯一の収蔵品は、ある人の名前さ。大切な物は心を込めて守り抜く。

それは大切な「人」であっても同じことだ。心の中に収めて、すべてを賭けて守り抜いてやるよ。




最高の宝の守護者


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