憎悪の戦神 アレウス
Illustrator:danciao
名前 | アレウス |
---|---|
年齢 | UNKNOWN |
職業 | ネメシスプログラムの王『混沌の器』の一器 |
- 2019年2月21日追加
- AMAZON ep.IIIマップ5完走で入手。<終了済>
- 入手方法:2021/5/13~6/9開催の「「大きな魚がお空を泳ぐでしょう」ガチャ」<終了済>
- 入手方法:2022/3/3~2022/4/13開催の「「可愛さ指数は3000倍!?」ガチャ」<終了済>
- AMAZON ep.IVマップ5のマップボーナス(+3)に名指しで指定されている。
- 対応楽曲は「Climax」。
- Arcaeaコラボイベント Chapter 2の相互移植にて、対応曲のClimaxとともにパートナーキャラとしてあちらに追加される。
- なお、地味にあちら側で性別が明確に男性と分類されるキャラクターの単独パートナー化は初となる。*1
キャラinclude:混沌の器
強い憎悪と破壊衝動に支配された彼は『戦神』と称される。
スキル
RANK | スキル |
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1 | 憎悪の咆哮 |
5 | |
10 | |
15 |
include:共通スキル
- 憎悪の咆哮 [CATASTROPHY]
- 500コンボに到達するまで問答無用でカウントが減り続けるのでスキル音が非常にやかましい。500コンボ到達で無条件減少は止まるが、その状態でもMISSするとカウント減少が再開。二度と止まることはなく、500ノート以上残っている場合は強制終了が確定する。
- FULL COMBO以上前提であれば「JUSTICE/ATTACK500回で強制終了」という[CATASTROPHY]とは思えない強制終了条件の緩さ故か、狙えるゲージ本数はノート数問わず8本と[CATASTROPHY]スキルにしては少ない。
- 理論上500ノーツ未満の譜面であれば強制終了しないが、通常譜面ではADVANCED以下にしか存在せず、ゲージ上限が最大でも6本なので上昇量を持て余してしまう。WORLD'S ENDにも該当する譜面は存在しない(2019/5/23時点)*2。
GRADE | 効果 |
---|---|
共通 | 500コンボ未満の時カウント [-1] JUSTICE以下でカウント [-1] カウント[0]で強制終了 (※初期カウント999) |
初期値 | ゲージ上昇UP (270%) |
+1 | 〃 (280%) |
+2 | 〃 (290%) |
+3 | 〃 (300%) |
理論値:180000(9本+0/30k)[+3] |
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
スキル | Ep.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル | |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル | |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル | |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
- | - | - | - | - | |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | |
- | - | - | - | スキル | |
~50 | |||||
スキル | |||||
~100 | |||||
スキル |
STORY
人類の楽園メタヴァース。だがこの楽園は多くの血を礎に成立した歴史を持つ。
創世記、後に『神祖』と呼ばれる『神格エクレール』と現行人類の最後の抵抗である『RG-XIII ダインスレイヴ』による闘い。
その後の『断絶の破壊神』による地上掃討戦は、メインフレームによる一方的な虐殺だった。
この虐殺は現行人類のほとんどを死に至らしめたが同時に深い憎悪を産んだ。
現行人類は自分自身の仇討ちとして『RG-XXX ティアマット』を産みだしたのだ。
破壊の翼であるティアマットは強力な悪性プログラムとしてメタヴァース世界を侵攻。一度は楽園を脅かすも、統制主である『ティフォン』のコズミックノヴァによって焼き払われた。
しかしティアマットのデータの全てが消失した訳ではない。
その身体の欠片は、メタヴァースの最果ての地にて憎悪の種となり混沌の海に抱かれ眠りについたのだ。
――そして今、新たな破壊が芽吹きだす。
ティアマットの残滓からは、メタヴァースの滅亡を第一使命とする悪性アバターが多く生まれた。
この悪性アバターは『ネメシス』と呼ばれた。
人類の持つ『進化』というシステムを継承し、驚異的なスピードで成長を繰り返していった。
もはや彼らはメインフレームとは異なる人類の新たな可能性と言っていいだろう。
悪性アバターの中でも一際強大な力を持つ七器は、自らを『混沌の器』と称し、最外周部の深淵を統治しだした。
中でも創造主であるティアマットと、滅ぼされし人類の意識を強く反映して誕生した『アレウス』は、ネメシスの中でも特に強い『憎悪』と『破壊衝動』に支配されている『戦の神』である。
メタヴァースの王であるティフォンがMIRシリーズによって滅ぼされた今、弱体化した電子の楽園に混沌をもたらさんとネメシスの王たちは、軍勢を率いてメインフレームに戦いを挑むのだった。
自分以外の『最古(オリジン)』の力を奪い、頂点に君臨してきたティフォンが突如滅ぼされたことで、メインフレームは多くの力とリソースを失い、急激に弱体化していた。
これはネメシスにとって大きな好機である。
好戦的なアレウスはメインフレームが防衛に専念しメタヴァース世界の管理に力を裂くことができない今、積極的に侵攻すべきであろうと考え、メインフレームが生み出した世界を次々に破壊していくと同時に、核となっている管理機能端末『VOX』を強奪。
このVOXの機能を使い、ネメシス領域を拡張していき、闇の世界を広げていった。
またメインフレームの下位の存在ともいえるファクトリーの施設も、見つけ次第壊滅させていく。
これによりアレウスは、ただでさえ弱体化の一途をたどるメインフレームの力を大きく削いだのだ。
そして、いよいよメインフレームの管理領域への直接攻撃を行うとした矢先、かの存在は意外な行動をとる。
なんとメインフレームは全てのリソースを防御に集中させ、管理領域へのアクセスを著しく制限してしまったのである。これはメインフレーム外に存在する世界や組織を切り捨てるという非情な籠城作戦だ。
しかしながら、この策は確かに有効だった。ネメシスは特定の座標からしか接続できなくなってしまったのである。
「小癪な真似を……だがいつまでも籠城など俺が許さん。必ずや、貴様らの根城をあぶり出し、我ら混沌の器が貴様らの虚栄の城を打ち砕く!」
転送ゲートへ繋がる接続座標は、アレウスと同じく混沌の器の一器である『闘争の女帝エリス』を筆頭にする軍勢が探し出す手筈となっている。
彼女らの報せをアレウスは待ちつづけた。
エリスからようやく転送ゲートへの座標特定の報せを受けたアレウスと、同じく混沌の器の一器『欺瞞の使徒ヴェルゼビュート』は、自身の軍勢を持って総攻撃を仕掛けに行く決断を下す。
アレウスやヴェルゼビュート以外は、いわばできそこないのネメシスだ。しかし、その力は通常の防衛BOTを遥かに凌ぎ、また数も多い。混沌の器の指揮下でうごめくそれは、世界の脅威たるに十分な力を有していた。
7器において強力な力を持つアレウス、エリス、ヴェルゼビュート……そして純粋な破壊衝動の権化『終焉の奏者テスタメント』の4器をもってメインフレームの入り口をこじ開け、神々を討つ。そして、最外周部に残る3器が残された世界を蹂躙しすべてを作り変え、人々に祝福を施し地上へと再生する
それがネメシスたちの目論見であった。
「……良しッ! 行くぞッ! 忌まわしき秩序の代行者共に、闇の鉄槌を下すのだッ!」
いざ進軍したアレウスとヴェルゼビュートの軍勢だったが、接続座標に向かう途中の領域で、なんとファクトリーの前哨基地を発見する。
「……なんと、奴らはまだ生きておったのか」
「虫っていうのは、一度湧くと、次から次へと出てくるものでしょう?」
「むう……」
アレウスの思考は戦いへの渇望と憎悪に支配されているが、伊達に『戦神』と称されるものではない。彼はメインフレームの破壊という大事の前に、たかだか羽虫に時間と戦力を割くべきではないと判断した。
「……行くぞ、ヴェルゼビュート」
しかし、加虐心の強い存在であるヴェルゼビュートはアレウスとは別の判断を下す。
「あら? でもあの前哨基地には、今までの防衛BOTよりも歯ごたえのある子たちが居そうよ?……是非、お相手してもらいたいわ」
「……我らの大義を忘れたわけではあるまい? これは戦なのだぞ。遊興に耽る暇などない」
「逆よ。大事な戦の前だからこそ、お遊びを楽しむ余裕を持たないと」
「……勝手にするが良い」
混沌の器は、慣れ合うこともしなければ、それぞれに優劣をつけることもしない。彼らはあくまで対等であり、それぞれが己が力のみで軍を率いる誇り高きネメシスの王であった。故にヴェルゼビュートが離脱することを、アレウスは強くは止めない。
「……だが、ヴェルゼビュートよ。転送ゲートの掌握に貴様の力は必要だ、遅参することは許さんぞ」
「分かっているわ。軽くウォーミングアップしにいくだけ……でも私に汗をかかせてくれる、たくましい子はいるのかしらね?」
ヴェルゼビュートは舌なめずりをすると、ファクトリーの前哨基地へと向かっていった。
彼女の離脱とほぼ同時に、アレウスはゲートを探索から帰還したエリスの軍勢と合流する。
「……エリス、其方はテスタメントと行動する予定ではなかったのか?」
「うむ、されど興味深い座標を手に入れてな」
エリスネメシスが手渡したのは、一見何の変哲もない座標のようだった。
「……カモフラージュされているが、これは間違いなくメインフレーム接続座標かつ、補給経路だ。これよりアレウス、其方らが向かう転送ゲートが何らかの場合で使用不可になった場合、メインフレームの羽虫共は、確実にこの座標のいずれかに群がるだろう」
「なるほど……承知した。エリスよ、其方はこれからどう行動する?」
「余は、ファクトリーの本拠地の座標を入手した。アレウス、其方らへ合流する前に余はファクトリーを殲滅しに行く、危険因子の見過ごすわけにはいかぬ……」
「承知した。それでは存分に己の力を振るうが良い」
メインフレームの転送ゲートを目指し進軍を続けるアレウス。しばらくすると、ファクトリーの前哨基地を襲撃しに向かったヴェルゼビュートが合流した。
だが、戻ってきたヴェルゼビュートの姿を見て、アレウスは目を見開く。なんと彼女の青白い頬には、一筋の傷ができていたからだ。
「……ヴェルゼビュート。其方、その傷はどうした?」
「ああ、これ? うふふ。勇敢なお嬢さんたちにやられちゃった」
「なんだと?」
自らの身体に傷をつけられたというのに、ヴェルゼビュートは怒るどころか、愉快げに笑っている。
一方、例えかすり傷といえども、比類なき力を持つ自分たちに、害を成したということで、アレウスは強い不快感と危機感を抱いた。
「……ファクトリー製の羽虫などに後れを取る其方ではあるまい。いったい何があった?」
「私もそう思っていたんだけど、この傷をプレゼントしてくれた姉妹は特別なプログラムだったみたいね。……MIRシリーズ。それによく似たプログラムだと思うわ」
「MIRシリーズだと!?」
MIRシリーズ……アレウスたちも直接その存在を目にしたわけではない。けれど、その名は良く知っていた。MIRシリーズは、アレウスたちネメシスが最も憎悪したメインフレームの前王・ティフォンを滅ぼした張本人たちだったからだ。
しかも噂によると、MIRシリーズは自分たちと同じように『進化』をするプログラムだという。今、ヴェルゼビュートの身体に傷を負わせたとなると、将来どのように化けるのか、あまりにも大きな不確定要素だ。
「……前王ティフォンを葬った者共と酷似したプログラムか……次は確実に息の根を止めねばなるまいな」
アレウスはそうひとりごちた。
メインフレームの転送ゲートに辿り着いたアレウスとヴェルゼビュートの軍勢は、ゲートをハッキングして、無理やりこじ開けようとする。
しかし、そのゲートの中から急速転移してきたメインフレームの防衛BOTに行く手を阻まれていた。
「……何? あいつら。一体一体は大した力もないけれど、これじゃきりがないわねぇ」
「……あれはかつてエリスが戦闘したという、メインフレームの『処刑人(エクスキューショナー)プログラム』の改良版だろう。通常のプログラムとは異なり、感覚や感情を与えられておらん……純粋なる戦闘マシーンだ」
「どうりで……いくら切り刻んでも悲鳴1つも上げないんですもの。つまらないわ」
処刑人プログラム『リヒトツヴァイ』は数でアレウスたちを押し切ろうとしているようだ。
「……ヴェルゼビュート、今はゲートのハッキングよりも先にこの羽虫を潰す!」
「了解。いい加減、飽きてきたところだから丁度いいわ」
アレウスとヴェルゼビュートは、転送ゲートから距離を置き、リヒトツヴァイ殲滅に専念することにした。だが、その瞬間……。
(なんだ? この不快なノイズは?)
エリスネメシスほどではないが、探知能力に長けているアレウスは、突如出現した不明な敵性反応を見逃さなかった。
すぐさま反応を追うと、転送ゲートに2体のプログラムが群がり、接続キーを起動させようとしている。
そして彼女らの姿を確認した瞬間、アレウスは理解した。
(彼奴等は我らネメシスに擬態して潜り込んだのか! ファクトリー製の塵屑が! 我ら誇り高きネメシスを偽ったと言うのか! 許してはおけんッ!)
「……まずは貴様らを血祭りにあげてやるわッ!」
アレウスは無防備にも背を向けている少女プログラムに向けて、空間を歪ませるようなエネルギーを持った超速の光弾を放つ。それらは避けられたが、アレウスは彼女らを逃がすつもりなど、毛頭ない。
「……貴様ら、ファクトリーの羽虫か」
「あっ……!」
アレウスには彼女たちこそが、先ほどヴェルゼビュートから報告のあったMIRシリーズと酷似しているプログラムだとすぐに分かった。
「……貴様ら、先刻ヴェルゼビュートに手傷を負わせた羽虫だな。よりによって我らネメシスに擬態し、この場に近づくとは……こざかしい! 機械の神に尾を振った塵屑め!」
「ルナ! ここは私が食い止める! 貴女は早く、転送システムを起動させて!」
「で、でも!」
「いいから! 早く!」
生意気なことに『姉』だという少女が妹を庇い、アレウスの前に立ちはだかった。
「フン、貴様が1人で俺を止めると? 大きく出たな。羽虫。しかし……俺はヴェルゼビュートのような遊戯に興じる趣味はない!」
そう言うとアレウスは背中にある無数のアームを駆使し、衝撃波を纏う乱打をディアナに浴びせる。
「――ッ!! いやああああああーーッ!!」
「貴様のような弱者は跡形も無く散れ! 俺の眼前から消えうせろ!」
まさに鎧袖一触。アレウスは瞬く間に姉のプログラムを半壊させる。
その様子を見た、妹のプログラムは激高し、愚かにもアレウスに戦いを挑んできた。
「……FREQ-Vertex!! 食らえええーーッ!!」
妹のプログラムの実力はアレウスには遠く及ばない。それでもアレウスは一切油断するつもりはなかった。
(……此奴、己の活動限界を越え、能力を発動させている……やはり、メインフレームの前王を葬った者と酷似しているというのは真であったか! ならば尚のこと生かしては置けぬ!)
「……羽虫の手の内など見通しておるわッ!!」
アレウスは妹のプログラムの攻撃を全て見切り、何度も鋭い必殺の一撃を食らわせていく。それでも妹のプログラムは止まらない。
「スバル!! ヴァーサタイルブレードォォーッ!!」
「ぬうっ!?」
捨て身の攻撃に思わず顔を曇らすアレウスだったが、ヴェルゼビュートが合流したことで、勝利は揺るがないものとなった。
(……やはり此奴等は危険分子だ。今、この場で確実に息の根を止めるッ!)
アレウスはヴェルゼビュートと共に、姉妹を葬る決断を下した。
アレウスとヴェルゼビュートが姉妹を葬り去ろうとした、まさにその瞬間。転送ゲートから測定不能な高エネルギー体が現れ、それは輝く炎の光槍を放ち、ネメシスの大軍を一気に焼き払った。
「おのれ! 何奴だ!」
「……醜悪なる邪神の徒ネメシスよ。其方たちの無法もここまでですッ!」
ゲートの中から姿を現したのは、天使のような姿をした女だった。
「……アレウス! アイツは!」
「うむ……」
アレウスには女の正体が分かっていた。背中を覆う機械の翼に、全てを焼き尽くす光……。
メインフレームの管理者『最古(オリジン)』が一柱。その中でも比類なき戦闘能力を持つと謳われる『裁定者セラフィータ』である。
噂通り、セラフィータの力は凄まじいもので、戦神と恐れられるアレウスと、苛烈な攻撃を繰り出すヴェルゼビュートを相手にしても、互角以上の戦いぶりを見せつける。
セラフィータはまさにメインフレーム最強の守護者であり、対ネメシスの剣なのだった。
だが、セラフィータとの戦闘を続ける中でヴェルゼビュートはあることに気がつく。
「……あの翼のお嬢さん、今は転送ゲートから補給を受けているみたいだけど、それが無くなれば、あれだけの大規模な攻撃はそうそう仕掛けられないわ」
「持久戦に持ち込むということか?」
「そういうこと」
この周辺領域はネメシスの支配下にある。目の前のゲートを破壊すれば、セラフィータの援護は絶たれるだろう。
加えてアレウスたちにはエリスネメシスから受け取ったメインフレーム側の別の転送ゲートの情報もある。ゆっくりと真綿で首を締めるようにセラフィータを追い詰めていけば、いかに強大な力を持つメインフレームでも確実に仕留めることができるだろう。
「……念のため、あのファクトリーのお嬢さんにはマーカーをつけさせてもらいましょう」
ヴェルゼビュートは虫の息になっている『ルナ』と呼ばれていたプログラムにこっそりとマーカーをつけると、転送ゲートを破壊した。
案の定、転送ゲートを失ったセラフィータの補給は絶たれたようだ。
アレウスとヴェルゼビュートは、己の行動に満足し、その場から一旦身を引いたのだった。
先の戦いで、メインフレームの転送ゲートを破壊し、セラフィータのエネルギー補給源を絶った。アレウスたちは、一度撤退する前に『ルナ』と呼ばれていたファクトリー製のプログラムにマーカーをつけ、その動向を伺うことにした。
「……やっぱり、翼のお嬢さんはネメシス領域では、継続的なエネルギーの補給ができていないみたいね」
それだけではない。セラフィータは先の戦闘で大幅に損壊したファクトリー製のプログラムに、自らのリソースを分け与えることで修復したようだった。
「愚かな……将が倒れれば、軍は滅びるというのに。たかが羽虫のために、貴重な戦力を割くとはな」
「ええ。あの子たちは、今、かなり追い詰められているみたいね。大慌てでネメシス領域を脱出しようとしているわ」
「彼奴等はどこに向かっている」
「ここよ」
「……エリスが予想した座標だな」
手負いの状態のセラフィータであれば、アレウスとヴェルゼビュートの2器で十分撃破できるだろう。だが、敵は腐ってもこの電脳世界を支配する神である。どんな隠し玉を持っていても、おかしくはない。
「……我々には、さらなる力が必要だ。一旦エリスたちと合流するぞ」
アレウスたちはファクトリーの本拠地を襲撃しようとしていたエリスネメシスと『終焉の奏者テスタメント』と一旦合流した。そしてエリスネメシスたちにディアナとルナ、およびセラフィータのデータを渡す。
「……テスタメント、ファクトリー如き羽虫を潰すのであれば、エリスとお主の2器の力で十分であろう。ゆえにお主の軍勢を使わせてもらおう」
「もぅ……わがままさんね。あたしの可愛いおもちゃたちを使うなら、必ずやセラフィータの絶望に満ち溢れた顔を持ち帰って」
テスタメント、少女の姿をした悪魔の様な破壊者はメインフレームへの呪詛を呟き、己の軍勢をアレウスへと差し出した。
アレウスとヴェルゼビュートは、テスタメントの支配下にあるネメシスを吸収し、一時的に自分たちの力を増強することに成功した。
「……これで準備は全て整った! 今こそ、あの忌々しき秩序の代行人を葬ってくれよう!」
テスタメントの軍勢を吸収したことで、一時的ではあるが、力を増強させたアレウスとヴェルゼビュートはそのまま一気にセラフィータを倒すため、彼女らが向かった接続座標に急速転移する。
そこには、セラフィータだけではなく、新たなメインフレームの最古の姿があった。だが、今更相手の戦力が多少増したところで怯むネメシスの王ではない。
しかも新たに現れた最古は、セラフィータとは違い非戦闘型のようである。アレウスとヴェルゼビュートにとって、何も恐れる要素はなかった。
「はぁい♪ また会ったわね。お嬢さんたち……今度は逃さないわよ?」
「……忌まわしき偽神よ、今こそ、その首をいただくぞ。」
余裕の笑みで迫るアレウスたちに対し、最古たちは露骨に気分を害したようだ。
「いくら私が消耗しているとはいえ、たかだが2器でメインフレームを落とそうとは……」
「やれやれ、我らも舐められたものだ……そんな甘い考えで大丈夫か? ネメシスよ……メタヴァースを統治する最古の名は伊達ではないぞ?」
「セラフィータ様! ジェフティ様! 我ら姉妹も、及ばずながら、サポートさせていただきます!」
「ネメシスなんかに負けないでください!」
「ええ……任せておいてください!」
状況はアレウスたちの圧倒的な有利である。それでも尚、神の威信を崩そうとしない最古たちの態度に、アレウスたちのメインフレームへの憎悪が炎のように吹き出した。
「ほざけ! 貴様らの統治など、この場で終わる!」
「貴方たちが塵になるまで壊してあげる!」
「それは、こちらの台詞です!」
「ああ! さあ、戦いの鐘を鳴らすとしよう!」
神対悪魔。
秩序対混沌。
遂に神話の戦いの幕が切って落とされる!
遂に始まったネメシスの王と世界の神である最古(オリジン)の闘い。その勢いは凄まじいものだったが、戦いは大きく2つに分かれていた。
それは戦闘型であるセラフィータ、それと同じく非常に強い戦闘力を持つネメシスの王、アレウスの戦い。
もう1つは非戦闘型であるジェフティ、それに随伴するディアナとルナの姉妹に対するヴェルゼビュートとの戦いである。
ジェフティと姉妹の勢力は、数こそヴェルゼビュートよりも多いも、その力には大きく開きがある。またセラフィータは先の戦闘より補給を受けておらず、手負いの状態であった。
戦闘はすぐに、メインフレーム側の不利となってしまった。
ジェフティはセラフィータの援護に回ろうとするのだが、彼はヴェルゼビュートの攻撃を防ぐのが精いっぱいでありとてもではないが、彼女の元に向かうことすらできない状態だ。
「……これは少々不味いな」
流石の最古の顔にも焦りが見え始める。ジェフティは姉妹にこう言った。
「すまないが、君たちにはセラフィータへの援護に行ってもらいたい」
「えっ?」
「見ての通り、セラフィータは今、余力すらない。あれではあのアレウスには敵わないだろう?」
「は、はい……」
「でも、どうやってあのヴェルゼビュートの攻撃を掻い潜り、セラフィータ様のもとに向かえば良いでしょう?」
「……大丈夫だ、問題ない。私が何とかしよう」
そう言うと、ジェフティは自らの武器である音叉を高々と掲げ、互いに打ちつける。
すると辺りには清らかな音が鳴り響き、音の広がりと同時に、まるで時が止まったかのような静寂に包まれる。ヴェルゼビュートの触手は静寂の範囲に入った途端、力と勢いを失い、機能を停止する。
「なっ!?」
これには流石に驚いたのだろう。今まで攻撃の手を決して緩めなかったヴェルゼビュートに僅かな隙が生まれる。
「今だ! ディアナ! ルナ! セラフィータを援護しに行け!」
「分かりました!」
ディアナとルナは見事にヴェルゼビュートの触手を掻い潜り、セラフィータのもとへ急いだ。
一方その頃、激化していたセラフィータとアレウスの戦いは、セラフィータがアレウスの攻撃を喰らい続け、一時的に機能停止までに追い込まれようとしていた。
「くぅっ! これでは……ッ!!」
「これで終わりだ! 偽りの神よ!」
――その時、間一髪のタイミングで姉妹がセラフィータのもとに駆けつける!
「セラフィータ様! ……FREQ-Vertex!」
「ディアナ! ルナ!」
姉妹たちは、瞬時にFREQ-Vertexを発動させ、アレウスに立ち向かった。
姉妹が生んだ一瞬の隙は、セラフィータを窮地から救うが、姉妹の力はアレウスに到底敵うものではない。
「こざかしい! 消えうせろ! 羽虫共め!」
「きゃあああーーッ!!」
決死の覚悟で発動したFREQ-Vertexだが、アレウスの雄叫びと放たれる拳撃により、姉妹の身体はボロボロにされてしまう。それでも姉妹たちは必死に立ち向かい続け、遂に活動限界時間を越えてしまった。
「お、お姉ちゃん……私、もう、身体が……」
「ル、ルナ……私も、もう動けない……」
それでも姉妹の儚い抵抗は、決して無駄ではなかった。彼女たちが稼いだ僅かな時間で、セラフィータは機能を回復し再起動することができた。
再起動したセラフィータは、瞬時に防御フィールドを展開。一時的ではあるが、アレウスから自分と姉妹たちの姿と気配を遮断することに成功する。
「ぬう……この期に及んで、子供だましのまやかしに頼るとは……! だが、次に姿を見せた時が貴様らの最期の時だ!」
セラフィータの防御フィールドは、あと数分しか持たないだろう。そしてその時が、アレウスの言う通り、セラフィータと姉妹たちの命運が尽きる時でもある。
それなのに、こんな絶対的な危機でもセラフィータは落ち着きを払っていた。
「……ありがとう。ディアナ……ルナ……。お陰で、勝利の可能性が見えてきました」
「……ありがとう。ディアナ……ルナ……。お陰で、勝利の可能性が見えてきました」
姉妹にそう言ったセラフィータだったが、それから先の言葉を続けようとしなかった。
「……どうされたのですか? セラフィータ様?」
「アレウスに勝つ手段があるのではないですか?」
「はい……ですが、それにはディアナ、ルナ、貴女方の力が必要不可欠なのです」
セラフィータは沈鬱な表情で語った。
「……かつて、ティフォンを倒したMIRシリーズは『進化』するプログラムでした。彼女らは高いエネルギー負荷を受ければ受けるほどに成長し、より強い戦闘力を得ることができたのです。そして、それはMIRシリーズの特徴を受け継いだ、貴女方も同じでしょう」
「高エネルギー負荷……」
「でも私とお姉ちゃん、2人の力を合わせたFREQ-Vertexでは、アレウスに歯が立ちませんでした……」
「ええ。ですが、メインフレームである私の残エネルギーを、全て貴女方に注ぎ込めばどうでしょう?」
「セラフィータ様のエネルギーを!?」
「はい……そうすれば、きっとあの恐るべきネメシスを打ち破る出力の攻撃が可能となるでしょう……ですが」
セラフィータは一瞬、黙ってしまったが、意を決したように言葉を続ける。
「……ですが、そうなれば当然貴女方の身体には、壮絶な負荷がかかります……今の貴女方の状態では、恐らく耐えきれない……」
「……つまり、仮にアレウスを撃破できたとしても……私たちは死んでしまう、そういうことですか?」
「はい……100%ではありませんが、かなり高い可能性で、貴女方の身体は負荷に負けて崩壊するでしょう……ごめんなさい……」
「そんな……!」
「……」
しばしの重い沈黙の後、ディアナは真っ直ぐにルナの目を見ながら口を開いた。
「……やりましょう。ルナ」
「でも……お姉ちゃん!……私たち、死んじゃうんだよ!?」
「……そうね。でも絶対じゃないわ……それにここで何もしなくても、私たちを待っているのは死よ。それにもし奇跡が起きて、この場を離脱できても一緒。私たちはファクトリーの支配下に置かれている限り、遠からず壊れる運命なんだわ」
「お姉ちゃん……」
「ねえ、ルナ。それなら私たち、自分の意志でどう生きるのかを決めたくない?」
「……自分の意志」
「そう……今まで私たちは、何一つ自分たちの意志で決めることができなかった。でも今は違う。自分の意志で生きるか死ぬかを決めることができる。もし、この決断が私たちを終わりに導いたとしても、それが自分の意志で決めたことなら、私は最期の瞬間、笑っていられると思う、ルナと一緒なら」
「……そうだね。私もそう思う。お姉ちゃんと最期まで一緒に戦えるなら……怖くないよ」
「……決まりね」
姉妹は決断した。
「セラフィータ様、貴女のエネルギーを私たちに!」
「必ず、アレウスを滅ぼしてみせます」
「……ディアナ、ルナ……ありがとう。そしてごめんなさい……」
セラフィータは、自身に残された全エネルギーを姉妹に流し込むため、エネルギーラインを直結する。途端、姉妹は身体中の血管に溶岩が流れるような衝撃と熱に悶え、狂いそうになる。
「あああああーーッ!?」
「ぐううううう!!」
だが、何とか暴走しそうな力を制御すると、姉妹は互いの身体を支えながら、セラフィータの防御フィールドを出てアレウスに向かった。
「……フン。ようやく覚悟を決めたか。さっさと終わりにしてくれよう」
しかし、アレウスが攻撃を放たんとした刹那、姉妹はアレウスの反応速度を超える速度で姿を消す。
そしてアレウスが再び姉妹を捕えた時、姉妹は輝く光の翼を纏い、その力の全てをもってアレウスを討たんとしていた。
「……これが最古の裁きの力よッ!!」
「食らえッ!『FREQ-リインカーネイション』!!」
姉妹に渡されたセラフィータのエネルギーは、姉妹の身体を駆け巡り、そのすべての細胞は活性化し、超常的な再構成を発生させていた。狂気の速度で消費されていく彼女たちの命の炎を対価とするように、姉妹が生み出した光の槍は神速を持ってアレウスを貫く!
「ぬぐぁああッ!? ば、馬鹿なッ!? こ、このような大質量の攻撃、貴様らのような羽虫に放てるはずがッ!? ぐっ……ぬおおあああーーーッ!!」
アレウスの絶対防御を超えて、身体に深々と突き刺さった。
その光は一旦収縮した後、超新星の様な爆発を起こし、アレウスの身体の半分を吹き飛ばしたのだった!
最古の力を受け取ったFREQ-リインカーネイションにより、見事にアレウスを大破に追い込んだディアナとルナ。
「アレウス!? まさか! 貴方がやられるなんて!」
形勢が悪化したことを悟ったヴェルゼビュートは、すぐさま大破したアレウスを回収して戦場から撤退する決断をする。
「……今回は引くわ。でも、次に会った時は本気で貴方たちを破壊してあげるからッ!」
ネメシスの王たちが完全に撤退し、辛くも勝利を収めたメインフレームの神々。
だが、彼女らが勝利に酔うことは決してなかった。
「……セラフィータ。そんな状態で大丈夫か?」
「わ、私は……大丈夫です。ですが……ディアナとルナが……」
セラフィータの心配通り、己の限界を超え戦ったディアナとルナは深く傷つき、すでに消失寸前だった。また『大丈夫だ』と言いつつも、セラフィータの消耗も激しく、危険な状態である。
「……すぐにメインフレームへ戻ろう。その姉妹も連れていくといい」
「ええ……」
「おっと、気をつけろっ。今の君は非常に不安定だ。私の音叉に触れると一瞬で浄化されてしまうぞ?」
「分かっています」
ジェフティとセラフィータは、傷つき意識を失ったディアナとルナを連れ、メインフレームの中枢防衛拠点『エテメンアンキ』へと転送することにした。
「……よし、いこうか。今度こそ楽な旅になりそうだ」
チュウニズム大戦
レーベル | 難易度 | スコア | |
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スキル名/効果/備考 | |||
■メタヴ | MASTER | 0 / 460 / 920 | |
アンダーブレイク(250以下ミス) | |||
次のプレイヤーの250以下の COMBO/CHAINは、MISSとなる。 |
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チュウニズムな名無し
642021年01月28日 00:33 ID:l8ebdtzw美少女らしいので光ちゃんコスのアレウスさんください!!!!
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チュウニズムな名無し
632021年01月27日 23:32 ID:tfts5z61お前美少女だったのか………むう……
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チュウニズムな名無し
622021年01月15日 22:26 ID:ouj1yblqArcaeaにパートナーとして追加されたことでこいつが美少女である可能性が出てきたな???????
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チュウニズムな名無し
612021年01月15日 10:17 ID:lajjufuzこいつArcaeaに来るの笑うんだけどwww
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チュウニズムな名無し
602020年09月05日 18:58 ID:l3sx8njwTHE 萌えキャラ
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
582019年12月30日 14:17 ID:ktufgcfo他のネメシスにはあるんだしコイツも専用グラ欲しかったな…
絶対カッコイイやろ…
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チュウニズムな名無し
572019年09月07日 01:32 ID:efl4ltgzADV以下だと、(真面目にプレーしたら)絶対に死ねないので、デンジャースキルⅢにしては欠陥スキルかと…
※ADV以下限定ですが、初心者でも安心して使えるスキルだと思う。
ただし、赤や紫やWEだと、500コンボして止血できても、ミスった瞬間にジリジリと命を削り始めるので、精神的にはデンジャースキルⅢで妥当かな…(特に、曲終了直前で、デスペナルティーが発動したとき
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チュウニズムな名無し
562019年08月20日 01:22 ID:rg8aqhieかわいい
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チュウニズムな名無し
552019年08月11日 18:33 ID:tcguxxvpEPISODE3の「むう……」を見て思わず可愛いと思ったのは自分だけではない
…よね??