オープニング・ストーリー
オープニング
これは至美なる存在を示す伝説――食霊
カレらは無数の命に存続の力を与え、
本来この世に満ちていた暗闇を越え、万物の働きを導く。
それゆえ、全ての生き物に謳歌された命の賛歌は、
伝承の原動力となり、幸せの源ともなる。
この星に付き添い、永遠まで……
「まだ、諦めてはいけません!」
「御侍様!」
「ライス……」
「無事で良かったです……!」
難関を乗り越えたいのか、ふーん?
まだ死なないの……?
あんたより先に死なない。
宿願が叶うまで倒すなんてありえない!
あんたこそ、
腕前をすべて発揮したの?
世界崩壊、そんな些細なことは……
あんたが手を挙げるとすぐ解決すると思った。
「救世主」?
「御侍様、ご命令を!」
「……みんな、まだ戦い続けますか?」
北京ダック「こんなこと聞く必要は無く…」
カニみそ小籠包「トラブルを解決することに手伝うと言ったんでしょう?」
フォアグラソテー「今回こそ、自分の運命をちゃんと把握する!」
B-52「戦う、そして、勝つ……」
湯圓「みんなの幸せのために!」
***
ライス「御侍様、私たちが敵を足止めしておきます。ここを離れれば、真相は明らかになるはずです!」
麻辣ザリガニ「それほど甘くはないぞ!」
???「おい!危ない!」
ライス「ヤァ――!!」
???「大丈夫か!」
ライス「……は、早く!」
???「だめだ、これ以上仲間を失いたくない!」
ライス「……そう言ってくだされば……私はもう満足ですわ、御侍様……」
ライス「それに……食霊として、堕神を倒し、人間を守るのが……私の宿命ですから。」
ライス「どうかご自身の使命を全うなさって、食霊と堕神、それにこの世界の未来を頼みます……」
???「おい!待ってくれ――!」
***
――その昔、神は眠りにつき、すべては静けさを取り戻した……
だが、それも長くは続かなかった。
堕神――すべての命を呑み込む怪物が美しい世界に降臨したのだ。
仲間たちや食霊とともに、運命に導かれて深淵のような暗黒に立ち向かうことになるのは、ずっと後のことだ。
***
星辰月二十一日
グルイラオ
第七海港、ヒレイナ――グルイラオ有数の景勝地で、世界中から貿易に集まってくる人たちによって、美食の都としても知られるようになった。
***
「新しいレストランオーナーさまですね。お待ちしておりました。さあ、こちらにご署名をっ!」
(名前入力)
***
そしてこの日、〇〇という若者も待ちに待ったレストランの営業許可を得て、新たな人生を始めようとしていた。
主人公「片付けも終わったし、さあ開業だ!」
???(オリビア)「………………」
主人公「いらっしゃいませ!」
???「……何してるの?」
主人公「え!?失礼いたしました……何名様ですか?」
???「注文を。」
主人公「はい、こちらがメニューで、今日は半額サービスです……」
???「じゃ、これらを。」
主人公「……かしこまりました。」
主人公「やりにくい相手だな、だが最初の客だしな。」
主人公「次の出方を考えなきゃ。」
***
主人公「お待たせしました。」
???「うーーむ」
主人公「(私の料理、気に入ってもらえたかな?)」
???「これこそ……私が求めていたものね。」
主人公「はい?」
???「何でもない、お勘定を。」
主人公「見たところ料理御侍のようだな……あの業界は変な人ばかりだからな……」
***
真夏二十二日
レストラン
主人公「ヒレイナのレストランは本当に儲かるな、食材の減りも早いけど。」
主人公「設備投資もかなりしたし、食材補給などの出費も計算すれば、赤字だな。」
???「仇討ちをするつもりか?」
主人公「あの、お客様は昨日の……」
オリビア「オリビアと呼んでください。こっちは食霊のティラミス。」
ティラミス「はじめまして。」
主人公「(食霊か?見た目は人間と同じ…)」
主人公「いらっしゃいませ。〇〇です。何かご注文されますか?」
オリビア「うむ、それよりさっきの独り言、聞かせていただいた。」
主人公「はぁ…… いや、調達費がかさむから、いい方法はないかと思って。」
オリビア「仕方あるまい。堕神がうろいているせいで、運送も命がけになった。」
ティラミス「食霊をもっていないのですか? 食材を集めてくれるから、調達の心配はいらなくなりますわ。」
主人公「もちろん、そうしたいけど、食霊の契約に必要な幻晶石を手に入れるなんて、いまはとても……」
ティラミス「そうだったのね……」
オリビア「じゃーん! この幻晶石を受け取るがよい。」
主人公「こ、これは?」
オリビア「おぬしの料理、素晴らしかった。ただそれだけのことだ。」
オリビア「さあ、さっそく最初の食霊契約をしてくるがよい。」
***
???「……………………」
主人公「あの、そこに知らない子が……」
オリビア「おや、ライスか?」
主人公「ライス? もしかしてこの子も…… 食霊?」
ティラミス「ライスちゃん、霊力を持っていませんね…からっぽのようです。」
主人公「からっぽ…… 堕神とは到底戦えないということだね。」
ティラミス「ええ。でも、育てていくこともできますし…」
オリビア「いずれにせよ、霊力のない食霊は誰も使いたがらないな。」
オリビア「通常ならば、契約を解除してギルドに帰らせるか、できて雑用程度か…」
主人公「うーん、契約解除が……」
オリビア「まあ、おぬし次第だがな。」
主人公「(そもそも、この子といつ契約したんだ? かといって、このまま見捨てていいのかな……)」
ライス「おんじ…さま」
主人公「え? いまなにか……」
オリビア「〇〇、ライスはおぬしが気に入ったようだな。どうする?」
主人公「そうします。〇〇です。よろしく、ライス!」
ライス「〇〇! 〇〇がわたしの御侍さま!わかりました!」
主人公「でも、こどもの食霊もいるなんて、知らなかったな。」
オリビア「うむ。ライスがこどもの姿なのは、過去の影響を強く受けているためだろう。霊体とはいわば、自身の過去を具現化したもの。」
オリビア「いずれにしても、しっかり見守ってやることだな。そのうち、記憶を取り戻すかもしれない。」
ティラミス「よかったです!可愛い子はそばに置いておきたいですものね!」
主人公「そ、そういうつもりで引き取るわけじゃ……」
ライス「御侍様?」
主人公「どうしたの?」
ライス「わたし、ここにいてもいいの?」
ティラミス「そうよ。ライスちゃんは、御侍さまの大のお気に入りですわ。」
ライス「御侍さまに気に入ってもらえるなんて、幸せです!」
主人公「おんじさま… なんだか照れるね。」
オリビア「食霊の契約者として認められたということだな。」
オリビア「おめでとう。これで心置きなくおぬしの料理を食べられるぞ。」
主人公「オリビアさん…… ありがとう。」
オリビア「では、さっそく食材の調達に行くがよいぞ。私はここで待つ。」
主人公「よーしライス、調達に行こう!」
午後
ヒレイナ郊外
ライス「はいどうぞ、御侍さま!」
主人公「うん、結構集まったね!ありがとう、ライス。」
主人公「食材の調達は、これで心配ないね!」
貪食女「ウ……ウウオオオオ…」
主人公「う、うわあ!!! 堕神! それも大きい……!」
ライス「おおおおんじさま、わわたしに、お任せを」
主人公「ラ、ライスはこっちへ下がって!」
ライス「でも、わたしを盾にすれば…」
主人公「ライス、落ち着いて、さっき契約した食霊たちを呼んで来よう。」
主人公「ライスを盾にするなんて、そんなこと考えられない。いまは無事にここを切り抜けよう!」
ライス「…… わかりました。ほかのみんなを呼んでくるね、御侍さま。」
***
貪食女「ソ…ンナ…… グワアアアアー!」
主人公「助かった…」
ライス「御侍さま?大丈夫ですか?」
主人公「大丈夫だよ。もうここに用はないし、急いで戻ろう。」
ライス「はーい!」
ライス「……この馬鹿と一緒にしないでもらいたいな。」
ライス「わたし、御侍さまの力になれてるのかな……?」
ティラミス「お帰り。」
主人公「ただいま。」
オリビア「うむ、調達はうまくいったか?」
主人公「オリビアさん。とんでもない強敵に出会ってしまいました。」
オリビア「そうか。よく帰ってこれたな。」
主人公「いえ、食霊たちのおかげです!」
オリビア「うむ。とにかく多くの食霊に出会い、協力して前へ進んでいかなければな。」
オリビア「食霊を育成するだけでなく、おぬし自身の腕も磨いておくことだ。」
オリビア「もちろん、私への料理のご奉仕も忘れずにな。」
主人公「はは…… それにしても、外の世界がこんなに危険だったなんて。」
オリビア「グルイラオだけでも、人間が動ける範囲はほんの一握り。堕神から人々を守るため、ギルドも躍起になって新たな料理御侍を探している。」
主人公「まったく予想外でした。なにか力になれればいいんだけど……」
オリビア「そう言ってくれると心強いな。考えておこう。」
主人公「はい、ぜひ! 料理御侍になれば食材は安く買えるし、いろいろ特権もつくし…」
オリビア「おぬし、意外とゲンキンだな…」
オリビア「ともかく今はレストランに励むことだ。ギルドには、私から伝えておこう。」
オリビア「それまでには、もっと強くなっておくんだぞ。」
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