「必解する固卵」ハードエッグ コメント一覧 (2ページ目)
-
-
さすらいの癒術師さん
112020年04月04日 13:24 ID:hshztpsk''ギア''「……そうか。」
''ギア''「これ、食べても構わないか?」
''ハードエッグ''「もちろん、そのために持ってきた。」
''ギア''「いただこう。」
''ギア''「……。」
''ハードエッグ''「どうだ?」
''ギア''「……固ゆでだ。」
''ハードエッグ''「まぁな。」
''ギア''「黄身がパラパラと口の中で崩れていく。懐かしい食感だ。」
''ハードエッグ''「……マスターの作ったものだったか?」
''ギア''「いいや。」
''ギア''「わずかにだが、差異がある。その詳細は私にはわからないが。」
''ギア''「これは、ショーンのゆで卵ではない。」
-
-
さすらいの癒術師さん
102020年04月04日 13:23 ID:hshztpsk''ギア''「そもそも『スクリーン』には、機械の記録など映し出すことはできない。」
''ハードエッグ''「では、なぜ。」
''ギア''「簡単な話だ。それはお前にとって、記録ではなく記憶だから。」
''ギア''「心に刻んだ、忘れがたき思い出だからだ。」
''ハードエッグ''「……心か。」
''ギア''「獲得したのだろう、ここに至るまでに。」
''ハードエッグ''「どうだろうな。俺はただ、自分の正体を隠すために、人を模倣し続けてきただけだ。」
''ハードエッグ''「だが……ああ、そうだな。理解したいとは、思っていたかもしれない。」
-
-
さすらいの癒術師さん
92020年04月04日 13:22 ID:hshztpsk''ハードエッグ''「君が目覚めた時に、食べさせてやれと仕込まれていてね。すっかり忘れていた。」
''ハードエッグ''「だが『スクリーン』の中で彼女の声を聞き、失ったと思っていた記録が呼び覚まされた。幸運だったよ。このまま出発するところだった。」
''ギア''「……。」
''ハードエッグ''「やはり君はすさまじい技術者だ。900年以上も記録を行える機械を作れるとは。」
''ギア''「いいや、それは違う。お前が設計通りなのであれば、100年以上の記録は古い物から抹消されていくはず。」
-
-
さすらいの癒術師さん
82020年04月04日 13:21 ID:hshztpsk''ハードエッグ''「え、俺も? 俺はいいんだ、丈夫だから。」
''ミスター''「ぴっよー!」
''ハードエッグ''「つつくな、つつくな。すまんかった。」
''ギア''「……それで、今日は出発の報告に来てくれたのか?」
''ハードエッグ''「ああ、それもなんだが……、これを差し入れようと思ってな。」
''ギア''「卵……?」
''ハードエッグ''「いいや、ゆで卵だ。黄身までカチカチの固ゆで卵。それを君に食べてもらう必要があった。」
''ギア''「なぜ?」
''ハードエッグ''「彼女の願いだからだ。」
''ギア''「……ショーン。」
-
-
さすらいの癒術師さん
72020年04月04日 13:20 ID:hshztpsk''ギア''「……。」
''ギア''「ありがとう。」
''ハードエッグ''「その決断をしたヘキサルト嬢に言ってやれ。俺達は指をくわえてみているしかできなかった。」
''ハードエッグ''「だがまぁ、ヒヤッとはしたがね。結果的にうまくいったのは良かったが……。」
''ギア''「そうだな。ヘキサルトなりには勝算があったようだが……、」
''ギア''「彼女には私からも伝えておこう。カプナートもいるのだし、あまりそんな無茶はするなと。彼女は自分を低く扱いすぎているきらいがある。」
''ハードエッグ''「それは君もだぞ。」
''ミスター''「ぴよよ。」
-
-
さすらいの癒術師さん
62020年04月04日 13:19 ID:hshztpsk''ハードエッグ''「……ギア、そう自分を恥じるな。」
''ハードエッグ''「確かに、お前の持っていた能力は素晴らしいものだ。それは誰もが……、もちろんヘキサルト嬢も理解していたこと。」
''ハードエッグ''「だが、彼女は人格を優先して取り込んだ。技術や知識よりも大切だと、彼女はそう思ったわけだ。……俺も、まったくもって同意見。」
''ミスター''「ぴよ!」
''ハードエッグ''「ほら、ミスターもこう言っている。ミスターは正直者だ。信じたほうがいい。」
''ハードエッグ''「だから、今の自分を恥じることはない。君の人格は守られてしかるべき価値のあるものなのだから。」
-
-
さすらいの癒術師さん
52020年04月04日 13:18 ID:hshztpsk''ギア''「ヘキサルトが望んでくれたこととはいえ、やはり……心苦しい部分はある。」
''ハードエッグ''「……。」
''ギア''「知識と技術が残っていれば、すぐにでも代替えのボディを準備できたのだがな。今の私は、何もできないただの少女だ。」
''ギア''「……すまない、少女という歳ではないな。」
''ハードエッグ''「いや、正直に『900歳は越えてます』なんて言っても、相手を混乱させるだけだ。」
''ギア''「そうか。」
-
-
さすらいの癒術師さん
42020年04月04日 13:17 ID:hshztpsk''ギア''「ああ、状態自体は何も問題ない。ヘキサルトとも、やり取りする方法を確立した。」
''ハードエッグ''「ほほぅ、いったいどんな方法だ?」
''ギア''「日記帳を共有している。相手に伝えたいことはそこに書き記しておけば、次に目を覚ました時に確認することができる。」
''ギア''「会話、とまではいかないが、意思疎通の手段としてはそこまで悪くはない。」
''ハードエッグ''「そうか。問題がないようでなによりだ。」
''ギア''「……いや、ないわけではない。」
''ギア''「私がこの体にいる以上、どうしても彼女の時間を奪ってしまう。……今も、彼女の意識を眠らせてしまっている。」
-
-
さすらいの癒術師さん
32020年04月04日 13:16 ID:hshztpsk<時間経過>
''ギア''「……なるほど、国を出るのか。」
''ハードエッグ''「ああ、しばらくは戻ってこられない。その前に挨拶をしておこうと思ってな。」
''ギア''「そうか。……お前はもう、完全に私の手を離れてしまったな。」
''ハードエッグ''「そう寂しいことを言ってくれるな。俺にとって、君は母親のようなものなのだから。」
''ギア''「母親、か……。」
''ギア''「だっこでもしようか、息子よ。」
''ハードエッグ''「いや、残念だが遠慮しておこう。ヘキサルト嬢の体で耐えられるとは思えん。」
''ハードエッグ''「彼女とはどうだ? うまくやれているか。」
-
-
さすらいの癒術師さん
22020年04月04日 13:14 ID:hshztpsk<機械の国>
''警吏の男性''「面会時間は1時間です。」
''警吏の男性''「それ以上は、申し訳ありませんが……。何分まだ、対応を審議中なものでして。」
''ハードエッグ''「承知している。こちらこそ、忙しい時にすまないな。」
''ミスター''「ぴよよ。」
''警吏の男性''「いえ。それでは……、」
''警吏の男性''「お入りください。」
「……。」
''ギア''「よく来てくれたな、ハードエッグ。」
-
-
さすらいの癒術師さん
12020年04月04日 13:14 ID:hshztpskユニストが長くて構文入力エリアに書き込めなかっため、こちらに貼ります。