営業報告・泳ぐ鯛焼き
鯛焼きを作る風景も哲学的だ。
確認出来ている式神:蛍草、金魚姫、かぐや姫、大天狗、酒呑童子
確認出来ている店:菓子屋
お客さんは鯛焼きの窓の景色をみながらぼんやりとし、悲しげに呟いた。「この鯛焼きは私と同じように、どうあがいても、ここから逃げ出すことはできないんだ。」
お客さんの話にどう答えよう?【完了】
《派遣式神》はお客さんに近づいて、答えた。「この窓枠は確かに少し小さいけど、この世界にたくさんある窓枠の1つに過ぎない。鯛焼きでもお客さんでも、必ず自分に合う窓枠が見つかるよ。
お客さんは聞くと、微笑んだ。「ありがとう。」
***
お客さんの話にどう答えよう?【大成功】
《派遣式神》はお客さんに近づき、微笑んで言った。「この方向からみると窓枠に見えますが、角度を変えたら、お菓子の海になるかもしれないでしょう?」
お客さんは聞くと、頷いた。「確かに、角度を変えれば……いろんなことの見方が代わる。」
***
お客さんの話にどう答えよう?【失敗】
《派遣式神》は眉をひそめた。そんな悲しい言葉にどう答えればいいか分からず、聞こえなかったふりをすることにした。
お客さんはまたしばらく静かに鯛焼き屋の窓の風景を見ていたが、いつの間にか菓子屋から消えていた。