営業報告・菓子の大義
この団子のあんこそが大義だ!
確認出来ている店:菓子屋
菓子屋のお客さんたちがおいしい甘味に舌鼓を打っている時、大風が吹いた。手に扇子を持った白髪の大妖怪が真っ黒な巨大な翼で羽ばたいて窓の外に浮かんでいる。「甘味などという人を弱くするものに溺れているとは。力のある妖怪は私ともに大義を追おうではないか!」驚いた客たちは不安に駆られ、騒ぎ出した。
この妖怪をどう説得すればよいだろう?【完了】
《派遣式神》は身を挺して大妖怪の前に立ちはだかり、自信をもって反論した。「甘味は人を弱くしたりなんかしません。この大福を見てください。柔らかい生地には弾力があり、一口ごとに歯と生地の間に緊張が生まれます。これは大義と諦めない精神を追求する修行の一種ではないでしょうか?」
「それも……一理あるな。我に大福を作ってくれないか。このような粘り強い食べ物こそ我が大義にふさわしい!」大妖怪はカウンターの前に下りると、しっかりとダルマ銭貨を支払い、恭しく大福1箱を手に持って去っていった。
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この妖怪をどう説得すればよいだろう?【大成功】
《派遣式神》は数種類の食材を大妖怪の前に並べ、ほほ笑み、毅然とした態度で言った。「寒天は海から、米粉は田畑から、果物は森から採れたもので、卵は天の子供です。これほど多くの種類の食材から作られる甘味は、四方の士を一堂に会させるという大義を象徴しているのではないですか?」
大妖怪は驚いて目の前の食材を眺め、考え込んだ「小さなお菓子の中にも正義の道理があるとは。ふん、ちょっとはお前たちを認めてやろう……」再び強い風が吹き、目を戻すとその妖怪の姿は消えていた。
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この妖怪をどう説得すればよいだろう?【失敗】
蛍草はイラつき、「大義」の二字が書かれた印を手に取ると、砂糖水に浸し、「バン」と饅頭に押して大妖怪の前に差し出した。「大義が欲しいんでしょう? ほら、『大義饅頭』。これでいいでしょう?」
「視野が狭い無知な輩め! 我の大義がそんなに単純なはずが――うっ!」大妖怪が口を開けている隙に、蛍草は饅頭を口に押し込んだ。大妖怪は怒って何口か噛むと、不本意ながら飲み込んだ。「ふん、この味に免じて……」大妖怪は翼を羽ばたかせて去っていった。