【百鬼異聞録】蒼海紀行【イベント】
イベント概要
期間 | 2023年11月9日(木)メンテ後~11月23日(木)1時 |
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- イベント期間中、イベント画面での受け取りや対局などで「紀行の欠片」を獲得できます。
- 一定数の「紀行の欠片」を集めると、紀行の巻を開放でき、「塵世の輪廻」絵巻の物語を体験し、塵世の輪廻秘巻、ローディング壁紙、「紀行の巻」などの報酬を獲得できます。
- 一定数の「紀行の巻」を集めると、塵世の輪廻秘巻、対局スタンプ、墨玉、瑠璃石、百錬石などの報酬と交換できます。
イベントアイテム
紀行の巻 イベント「蒼海紀行」で紀行を開放すると獲得するアイテム。報酬交換に使用できる。イベント終了時に回収される。 | |
紀行の欠片 イベント「蒼海紀行」でデイリー任務をクリアすると獲得するアイテム。紀行開放に使用できる。イベント終了時に回収される。 |
紀行の欠片の入手方法
入手方法 | 個数 | 回数/日 |
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イベント画面ログイン | 10 | 1 |
対局勝利(ランクマッチ/フリーマッチ/カジノ/怪談研習社/商店街戦闘/百聞棋に限る) | 15 | 2 |
塵世の輪廻シリーズの式神を使い対局勝利 | 15 | 1 |
毎日初回チャージ | 20 | 1 |
報酬
- 紀行開放報酬
紀行の欠片 必要数 | 報酬 | |
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絵巻一 | 100 | 紀行の巻×15、塵世の輪廻秘巻×1 ローディング壁紙「帰途」 |
絵巻二 | 200 | 紀行の巻×15、塵世の輪廻秘巻×1 ローディング壁紙「破陣」 |
絵巻三 | 300 | 紀行の巻×15、塵世の輪廻秘巻×1 ローディング壁紙「刹土」 |
絵巻四 | 400 | 紀行の巻×15、塵世の輪廻秘巻×1 ローディング壁紙「草木生い茂る」 |
絵巻五 | 500 | 紀行の巻×15、塵世の輪廻秘巻×1 ローディング壁紙「羽を広げる」 |
- 交換報酬
アイテム 必要数 | 報酬 | 上限 |
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×6 | 塵世の輪廻秘巻×1 | 4 |
×6 | 対局スタンプ「三つ目-羨ましい」 | 1 |
×6 | 対局スタンプ「三つ目-ハート」 | 1 |
×3 | 墨玉×5 | 4 |
×3 | 瑠璃石×5 | 4 |
×3 | 百錬石×5 | 4 |
×1 | ダルマ銭貨×20 | 99 |
ローディング壁紙「帰途」
やがて怨念が消え、黄泉の岸辺に行き着く。 |
ローディング壁紙「破陣」
果てしなき海原に殺意が漂う。楼船は敵陣を切り裂き前へ進む。 |
ローディング壁紙「刹土」
この身を捨て、浄土に生まれ変わり、世を照らし出す者となる。 |
ローディング壁紙「草木生い茂る」
月は満ち欠けを繰り返し、季節は巡り巡って命を育む。 |
ローディング壁紙「羽を広げる」
彼女は優雅に踊り出す。そのしなやかな手先と動きは、言葉では言い表わせないほど美しい。 |
対局スタンプ
イベントストーリー
塵世の輪廻・一
蜃気楼 『どこへ行こう?』 ▼『東に向かう』 └ 蜃気楼は方向を変え、東へ向かった。 ▼『南に向かう』 └ 蜃気楼は方向を変え、南へ向かった。 ▼『北に向かう』 └ 蜃気楼は方向を変え、北へ向かった。 どれくらい経っただろうか。 天空を漂っていた船は次第に進みを止め、蜃気楼は霧が立ち込める小島の上空に浮かんでいた。 |
三つ目 『うわあ、またこの霧だ……こんなところに下りなきゃいけないのか?わざわざこんなときに下りる必要はないだろ、一度引き返そう。』 五丸 『ドンドンと音がする、誰?撤退の太鼓を叩いているの。』 一条 『蜃気楼が何度もここに止まることに、なにかわけがあるはずだ。立派な武士が、こんなことでビビッてていいのか?』 三つ目 『べ、別にビビっているんじゃないぞ!大局を見て動くのが、立派な武士だろ?無鉄砲に動くわけにもいかないしな!』 一条 『三つ目!』 一条に睨まれた三つ目は、慌てて青行燈の後ろに隠れた。 青行燈 『三つ目の言うことも一理ある。』 一条 『館主までそう思うのか?』 青行燈は笑いながら、後ろに隠れた小猫の逆立った毛を優しく撫でた。 青行燈 『武士たるもの、攻めも守りも臨機応変に対応できなければならない。一条、三つ目、五丸は蜃気楼の守護を手伝うほうがよかろう。』 白沢 『そうだな。我の心配事をなくしてくれるのなら、これ以上のことはない。』 一条 『攻めの守りってことか。良い案だな。三つ目、五丸、ついてこい。』 三つ目 『僕のアイデア、そんなにすごいか?へへへ。』 五丸 『五丸は青行燈お姉ちゃんと一緒がいい!』 一条 『早くついてこい。』 小猫たちの姿が見えなくなると、妖怪たちの面持ちが急に暗くなる。 ▼『どちらに進んでも、またここに戻ってきてしまう。』 └ 蜃気楼 『どちらに進んでも、またここに戻ってきてしまう。』 影 『船団まるごとここに閉じ込めるなんて、すごい法陣だな。』 |
島の上空に立ちこめていた霧が、ゆっくりと流れていく。 三本の赤く光る光の柱だけが、獲物を待ち構えるかのように、そこに佇んでいる。 季 『引き返す道がないならば、前に進むしかない。』 季 『あの三か所はどうも怪しい、破陣の方法を探さないと。』 青坊主・塵境 『目指す先は遠く、帰る道もない。』 判官・墨浮かせ 『恐れることはない、この閻魔帳に、拙者たちの名はない。』 影 『なら、三方に分かれ、皆で探そう。』 青行燈 『あたいの灯についてきて、あんたたち、くれぐれもはぐれないでね。』 孔雀明王 『安心して、わたしがこの船を守る。佳き知らせが聞けるよう、幸運を祈る。 話し声が途絶えたころ、慌ててこちらに向かってくる人影がいた。 |
縁結神 『ま、待って!』 縁結神は両手を膝の上にあて、ぜえぜえと息をしている。 縁結神 『これを結んで。』 縁結神が右手を開くと、掌に赤い糸が現れ、彼女はそれを妖怪たちの小指に結んだ。 縁結神 『道に迷ったら、無理せず、引き返してね。』 一同は頷く。きっと、彼女を安心させるためであろう。 船はゆっくりと下降していき…… 周囲の霧は次第に濃くなり、少しだけ寒さが増す。 波の音もどんどん大きくなっていく。 |
青行燈 『この霧、何か見覚えのある感じがしない?』 白沢 『……確かに、あの方士のやり方に似ている。』 青行燈 『今回は果たしてあなたが原因か、それとも結果なのか。』 白沢は手に持った書簡で手中を軽く敲いたあと、それを強く握りしめた。 白沢 『どちらにせよ、見ればわかる。』 |
塵世の輪廻・二
穏やかに流れる霧を抜け、白沢、蜃気楼、影は小島から少し離れた孤島まで来た。 孤島には草の一つも生えておらず、風の音すらない海岸に、波の打ち付ける音だけが響いていた。 影 『奇妙だ。この島に近づくとき、船はあんなにも揺れていたのに、どうして地上はこんなにも静かなのだ?』 白沢 『今しがた空に見えたあの赤い光が、跡形もなく消えている。』 影 『こんな小さな島でも、隅々まで探せば、きっと何か手がかりが見つかるはずだ。』 白沢 『そう焦るな、我が探ってみよう。』 そう言って白沢が指をひねると、口から金色の符文が吐き出されていく。それらは地に落ちると、木でできた卦象となった。 影 『どうだ?』 白沢 『……因果は交錯し、輪廻は巡る。その先に何があるかは我にもわからない。』 影 『なら、まずは探検してみよう。』 長い笛の音が鳴り響く。空を見上げると、船から発された信号のようだった。それは船が、もう一つの法陣へと向かっていることを示していた。 船が過ぎていくと、その大きな船体によって霧がかき分けられ、一筋の痕跡ができていく。立ち込める霧の中、白沢は解決の光を見出したようだった。 白沢 『満潮だ。』 白沢の視線の先を見れば、波はすでに先ほどの卦象のあたりに達しており、波がそれらをさらっていくように、何度もその上をかすめていた。 影 『奇妙なことだ、この木はどうして、全く濡れていないのだ?』 白沢 『もしや、周囲のこれは木ではないのか?』 真相が明らかになるにつれ、霧もまた散っていく。 それらは瑠璃のように固まり、そしてすぐに砕け散ってしまった。地に落ちた破片の中に天象が映し出されている。 嵐が近づいてくる。暗い空を伝う雷が、草も生えぬ土地を照らす。このとき二人はまさに岩の上に立っていた。 海岸に打ち付ける白波から、手が伸びる。亡魂は呻き、縋り、二人の脚をすくおうとしてくる。 影 『上を見ろ!』 雨の降ってくる方向を見上げれば、一本の赤い光の柱が、雷の轟く雲の中を貫いていた。 ▼『陣の目は空にある!』 └ 蜃気楼 『気をつけて!』 白沢 『白沢が呪文を口にすると、蜃気楼は実体化し、楼を占拠していたあの、長い触手の大怪獣を召喚した。』*1 二人は亡魂を退治し、空へと向かう影のために時間を稼ぐ。 攻撃するたびに地は揺れ、荒波が巻き起こる。しかし彼らが全力を尽くそうとも、退治できないどころか、抑え込むことすら困難だった。 そのままどのくらい経ったか、二人は疲れ果て、影は息を荒げながら戻ってきた。 駄目だ、空にあるのは鏡像だ!*2 影 『上に行ったら……赤い光がなくなっていた。映っていたのは二人の影だった!』 影 『……何か方法を考えなければ。』 白沢 『どうやら亡魂を殺しても死なないようだ。一度消えても、また集まってくる。』 白沢 『このままだとただ体力を消耗し続けるだけだ。我が相手をしている間に、そなたたちが方法を考えてくれ。』 白沢 『黙って白沢を見る』 ▼『早く、もう長くはもたない。』 └ 白沢 『白沢は因果の魂環を逆さに置いて三人を囲み、法陣で彼らを守る。』 ▼『わかった』 └ 蜃気楼は目を閉じ、意識を集中させる。大きな楼閣を乗せた巨大な船が、突如として海中から現れた。 一切は虚妄なり、形もなく消散す、万・陣・破! 蜃気楼 『船は十字の光を放つ剣となり、蜃気楼はそれを手に握った。楼閣はみるみるうちに崩れ落ちていく……』 眩しい白光が天を貫いて目の前にそびえ、虚構の赤色を突き刺していく。 |
塵世の輪廻・三
小島の中に、風が吹き抜ける竹林があった。絶えずパラパラという音が鳴っている。 青坊主・塵境 『不思議なことだ、この竹林に入ってから、あの赤い光がまったく見えない。』 判官・墨浮かせ 『もしかしたら、法陣の一部にすぎないのかもしれない。』 笛の音が長く鳴り響き、強風が竹林を吹き抜ける。竹は大きくしなり、葉がざわざわと揺れる。パラパラという音はさらに強くなり、判官の言葉を裏付けていた。 判官・墨浮かせ 『この竹林には、獣の一匹すら見当たらない。』 青坊主・塵境 『用心したほうがいいな。』 二人は竹林の中を歩き回り、方法を探した。竹林の中を歩いてどれほど経ったか、青坊主はその足を止めた。 青坊主・塵境 『そうかそうか。』 判官・墨浮かせ 『どうした?』 青坊主・塵境 『さきほど、ここの竹に印を付けておいたのだ。』 判官・墨浮かせ 『元の場所に戻ってきたということか?』 青坊主・塵境 『否。』 青坊主・塵境 『ここに至るまで、拙僧はあの印を見つけていない。』 判官が口を閉ざしたのを見て、青坊主は杖を胸の前で構えて手を合わせ、何かを唱え始める。 妖気は鋭い刃のように周囲の竹を凪ぎ払い、判官の顔隠を巻き上げた風がそれらを次々と倒していく。 竹が内へ外へと倒れていく中、青坊主は自身の説を確信した。 青坊主・塵境 『先ほどから、太陽の位置が変化していない。』 青坊主・塵境 『印を見つけられないのなら、より大きな印を使えばいい。』 間もなくして、倒れた竹がみるみるうちに再生していく、竹についた傷も消えていく。 竹林の中を風が吹き抜け、パラパラと音が鳴る。先ほどまでの出来事が、何一つなかったかのように。 判官・墨浮かせ 『この竹も空に浮かぶ太陽と同じように、偽物なのだ。』 真相が明らかになっていくにつれ、瞬く間に竹林は轟き、遠くの竹林から赤い光の柱が現れた。 竹の隙間に何かの影が見える。竹林の中から亡魂の手が伸び、呻き声を上げながら、二人の衣を掴んだ。 青坊主はすぐ亡魂を振り払った。そして、宝蓮の禅杖を地面に刺し、目を閉じて経を唱え始めた。しばらくすると、彼はあることに気づいた。 状況を把握した彼はすぐ別の呪文を唱え始め、数十枚の霊呪が浮かび上がる。 青坊主・塵境 『妖怪ども、消えろ!』 青坊主が目を開き、その数十枚霊呪が一斉に飛び出し、無理矢理に道を作り出した。 青坊主・塵境 『恐らく厳しい戦いになる。地獄の中でもがく魂よ、拙僧が引導を渡そう。』 閻魔帳を見ている判官も、その言葉に、手の動きを止めた。 判官・墨浮かせ 『閻魔帳にも、そいつらの名はない。』 青坊主・塵境 『なら先に進もう!』 青坊主は地面から抜いた宝蓮の禅杖を振り、亡魂と立ち向かうと同時に、判官は筆と墨を武器に、光の柱への道を切り開いた。 しかしそれでも、亡魂が途絶えなく次々と竹の中から現れ、光の柱の周りにたどり着いた二人を囲い込んだ。 青坊主・塵境 『……』 青坊主・塵境 『このままではいけない。法陣のほうは頼む。』 判官・墨浮かせ 『お前、まさか?』 青坊主・塵境 『拙僧がやらないと誰がやるのだ。』 金の光が現れ、巨大な法陣が青坊主の身を完全に覆った。そして、法陣からか、それとも空からか、詠唱の声が唱え始めた。 経文が強力な呪術となり、竹はその威圧で粉々に砕け散った。 痛みを感じていないのか、それとも経文に引き寄せられたのか、亡魂は判官を無視し、回山倒海な勢いで青坊主の方に押し寄せた。 |
塵世の輪廻・四
船縁で、縁結神がその霧に覆われる島を見つめて、眉をひそめていた。少しでも緩めば、糸の向こうとの連絡が途絶えてしまうかのように、彼女は赤い糸をしっかりと握り締めている。 それを目にした孔雀明王は彼女を慰めるため、彼女のきつく握った拳に手を重ねた。そして、縁結神がついに口を開いた。 縁結神 『さっき、蜃気楼が降り始めた時……』 縁結神 『われの気のせいかもしれないが、あの時、一瞬だけ赤い糸の様子がおかしかった。少し嫌な予感が……』 縁結神はきつく握った手を孔雀明王の前に開いた。 少女の手にある糸は確かに存在していて、何の変わりもない…… と思ったら、その中の一本がだんだん薄くなって、少し透明のように見えた。 孔雀明王 『誰の?』 縁結神 『そんな?季さんのよ!』 慌てふためいた少女に、孔雀明王が手を伸べた。 孔雀明王 『その糸、わたしにも結んで。様子を見に来るから。』 |
孔雀明王も小島に来た。同時に、彼女の手に二本の赤い糸がある。一本は蜃気楼まで伸び、もう一本は島の奥まで伸びた。糸がますます薄くなっていくのを見て、彼女は足を早めた。 ついに、森の奥深くに、彼女は季と青行燈を見つけた…… 季は既に意識を失い倒れていて、隣の青行燈は一人の力で亡魂と激しく戦っているが、苦戦を強いられていた。 孔雀明王 『見つけた!』 孔雀明王に気づいた青行燈は手を上げ、彼女と季を囲んでいた青灯の配列を変え、孔雀明王もその中に取り入れた。流羽のおかげで、三人はついに再会した。 青行燈 『罠にはめられた。』 青行燈 『なぜか、あの赤い光の柱を壊した途端、季は意識を失ってしまった。』 孔雀明王は季が無事だと確認した後、孔雀羽で舞い踊り、屏障を築き上げ、青行燈を援護した。そのおかげで、青行燈もやっと一息つけることができた。 孔雀明王 『青灯を、貸してくれるかしら?』 孔雀明王 『ちょっと危険かもしれないけど……彼女の夢境に入り、連れ戻せるかどう試してみる。』 青行燈 『わかった。』 そして、青行燈は青灯で道を導き、孔雀明王は花粉を媒介に、季の夢境に潜り込んだ。 |
それは生命の気配が全くない世界だった。 孔雀明王 『季!』 この静寂な世界の中心に、季は一つの種子に水をやることに夢中していた。 季 『目覚めよう。』 孔雀明王が四季のそばにつき、手を差し伸べ、彼女を連れて帰ろうとした。 孔雀明王 『目覚めよう。』 季は軽く頭を振った。彼女はただその趣旨を優しく見つめ続けた。 季 『この子、泣いてる。魂は既に去ってしまったけど、生命は空殻の中に閉じ込められている。』 孔雀明王 『この空殻が壊れたら?』 孔雀明王は一枚の羽で、その種を粉々に壊した。 しかし、粉々にされた種子の塵がまるで霧のように再び集まり、元の状態に戻った。 季 『無駄よ、その生命はまだ閉じ込められている。』 孔雀明王 『その魂を取り戻すためにここに来たの?』 季 『ううん、その魂はもう戻らない。私たちができるのはただその生命を呼び覚ましてから破壊するだけ。』 季 『生と死の輪廻は続き、四季は絶えず変化するように、誰かがこの子をこの冬に閉じ込めてしまった。』 瞬く間に、静寂の中から烈日が昇り、秋風が吹き、雪が降り始めた。刹那にこの静寂は雪の世界となった。 季 『たとえ冬でも、生命は賑やかでなければならない。』 そう言い終わると、季の胸から多彩な花が噴き出し、次には鳥、ウサギ、そして小鹿たちが次々と現れた…… 生命がこの荒れ果てた大地に咲き誇った。 季 『四季は巡り、万物は息を吹き返し、四季が生れ落ちる。』 その種子は芽を出した。 |
塵世の輪廻・五
孔雀明王が目を覚ましたのを見た青行燈は、無言のままに微笑んだ。今の彼女はもはや詳細を尋ねる体力も残っていなかった。 それらを目にした孔雀明王は急いで一本の長い羽で青行燈軽く持ち上げた同時に、数百の孔雀羽が矢のように、四方から押し寄せてきた亡魂に突き刺さる。 孔雀明王 『お疲れ様でした。』 季も目を覚めた。孔雀明王と目を合わせた後、二人は同時に頷き合った。 先ほど地面に突き刺さった孔雀羽が半空に昇り、混乱で不規則な構えで陣を組み始めた。孔雀明王の爪先が地面に軽く触れるにつれ、その羽たちは揺れ動き、銀の鈴のような音を発した。 一歩、また一歩。 蓮の池に舞う美人、その美しさは言葉では語り尽くせず。手の動きは孔雀が羽を広げるが如く、その細腰は羽のように風に揺れる。 孔雀明王 『籠の中の猛禽はこの世に何をもたらすのか。』 季 『四季が、生れ落ちた。』 羽に宿る花びらが、亡魂たちの胸に刺さった。生命のエネルギーが彼らの心で咲き誇り…… 生命のエネルギーが流れると共に、春のような暖かさの中で、彼らは灰のように粉々に砕け散った。 |
先ほどまで混乱していた空地を見ながら、青行燈は苦笑を浮かべた。 青行燈 『どうやら一件落着みたいね。』 季 『えぇ。』 青行燈 『本当に、危ういところだったわね。一体何が起きたのか、教えてくれるかしら。』 季 『彼らは全て、体に命を囚われた傀儡だった。完全に消滅させるには、まず生命の力で彼らの生命を呼び覚ます必要があった。』 季の体に結んだ赤い糸も元の色に戻った。孔雀明王はそれを掴み、蜃気楼の方向に伸びる糸を軽く引っ張った。 季 『どうかしたの?』 青行燈 『どこかの神様はもう心配で心配でたまらないのだろう。』 自分に向かって微笑んでいる青行燈と孔雀明王を見て、季はようやく気づき、顔が真っ赤になった。 短い休憩だが、三人は少し元気になった。しかし、彼女たちは知っている。この霧がまだ消えていないということは、仲間たちがまだ苦戦しているということを。 青行燈 『早くこちらの情報を伝えないと。』 季 『はい。』 孔雀明王 『うん。』 そして、青行燈は自らの命で燈を灯し、霧を突き破った。それにより、季も無事に四季の力で情報を二つのグループに伝えることができた。 無事に情報を受け取った妖怪が力を合わせ、戦況をひっくり返し、法陣を破った。 皆は島の中心にある洞窟の入口に集まった。 |
他の妖怪のみっともない様子を見て、皆は思わず笑った。 ▼『やはり百聞かるたをやるの方が楽だな。』 └ 蜃気楼 『皆無事で良かった。』 ▼『やはり蜃気楼で百聞かるたをやる方が楽だ。少なくとも戦場に行かなくて済む。』 └ 蜃気楼 『皆無事で良かった。』 青行燈 『三つの法陣を破壊した後、霧がすべてこちらに逃げ込んだ。どうやら本当の元凶はここに隠れているようだ。』 白沢 『すべての出来事には因果あり。行こう。』 青坊主・塵境 『善い哉、善い哉。この拙僧が自らの手で救済せねば。』 判官・墨浮かせ 『ちょうどこの閻魔帳にも一箇所の空白がある。』 季 『生命の輪廻を妨げるなんて、私は絶対に許さない。』 孔雀明王 『無実の民を危険にさらすなんて、許されると思うか。』 一行は次々と暗く狭い洞窟に入っていった。 初めはとても狭く、かろうじて一人が通ることしかできなかったが、数千歩行くと、かすかに光が見えた。 さらに数百歩行くと、鳥の鳴き声があちこちから聞こえる。 そして、急に目の前が開けて明るくなった。天から落ちる滝があり、飛ぶ鳥や動く獣、珍しい花や草がいたるところにある。まさに桃源郷だ。 |
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