【黒ウィズ】バス・ラシュール
| バス・ラシュール |
バスの身体には、強力な竜の力が宿っていた。
遠い祖先が竜に挑み、契約の果てに得た力だ。
竜人の力は、契約した竜の強さに大きく依存する。
そして、バスの祖先が契約した竜は、きわめて強大な個体だった。
その力を受け継いだバスは、幼い頃から負け知らずだった。
自分なら、伝説の竜人と呼ばれるクロード一族にだって負けはしない。
バスは、そんな自信にあふれていた。
少年の頃、バスは多くの強者に挑み、勝利を飾るのを趣味としていた。
自分よりはるか歳上の相手を打ち負かすのが、楽しくて仕方なかったのだ。
そして、ある時、いかにも歴戦の猛者といった風格を持つ壮年の戦士に挑んだ。
結果はバスの敗北だった。手も足も出なかった。
それだけでも驚きだが――相手が竜力をほとんど使わず、純粋な武の技を
以ってこちらを圧倒したことにこそ、バスは心底から驚嘆した。
「確かに、おぬしは強い力を秘めておる」猛者は泰然と言った。
「されど、技量が伴っておらぬ。いかに強い力を持っていようと、
ああもぞんざいな使い方をするのでは、見切られるは必定と心得よ」
バスは感銘を受けた。竜力の強さこそ勝利の条件だと思っていた。
その常識を覆されて、悔しさよりも屈辱よりも、すごい、という素直な尊敬の念が湧き上がっていた。
次の瞬間には、バスは平身低頭、猛者に弟子入りを願っていた。
それからバスは、猛者のもとで武術の修業に明け暮れた。
武とは、持てる力を効率的に、かつ最大限に引き出すための技。
これまでバスは思うまま竜力をまき散らしていたため、狙いも適当で力のロスも大きかった。
しかし、先人たちが長い時をかけて編み出してきた武技を学ぶことで、
常に竜力を最適な形で振るうことが可能となった。
学ぶべきは戦いの技ばかりではなかった。師は、精神修養こそ武の本質であると告げた。
心は常にくもりなく、澄んだ水面のごとくあるべし。かくあればこそ、真の強者たるものの威厳と貫録が宿る。
武技を培い己の力を高めるは、いかなる事態にあっても平静を保つための手段に過ぎぬ。
確固たる強さと威厳を備えれば、自ずと誰もが強者と認めよう――
本能と力が支配する世界にあって、師の言は異質なものだと言えた。
だが、バスは抵抗なく受け入れることができた。
バスと戦った時、師は泰山のごとく動じず、冷静沈着にこちらの攻撃をさばいていた。
力で勝る相手を技で破ることができるのは、常に最適な技を繰り出す
明鏡止水の精神があってこそだと、バスは身に染みてわかっていたのだ。
やがて、バスは師から免許皆伝を告げられた。
「世界には数多の強者がひしめいておる。
彼らと拳を交えることで、おぬしはさらなる武の高みを目指すことができよう。だが――」
「承知。抱くべきは敬意であって憎悪にあらず。いかなる敵をも師と思い、存分に学ぶべし」
答え――青年となったバスは、ニッと悠然たる笑みを浮かべて見せた。
「いかなる強者と出会い、己を高められるか……それがし、待望の極みにござる!」
| フルネーム | 声優 | 登場日 |
|---|---|---|
| アデレード・シラー | Lynn | |
| イニュー・リェル | 愛美 | |
| リティカ・パス | 原紗友里 | |
| ザハール・サハロフ | 田所陽向 | |
| ミネバ・クロード | 明坂聡美 | |
| ザッハ・クロード | ||
| アリューゼ・ヴェローナ | ||
| レガート・クロード | ||
| 星竜デネブ | ||
| セト・バハムート | ||
| 邪竜ドグマ | ||
| アーリア・バハムート | ||
| アマイヤ | 五十嵐裕美 | |
| ラギカ・バルシス | ||
| アレンティノ | ||
| ナフィーヤ・ロドム | ||
| ケルク=ナダ | ||
| アニマ・アウローラ | 明坂聡美 | |
| ゾラスヴィルク | ||
| ミーレン・ドーソン | 愛美 | |
| イケル・ロートレック | 小林裕介 | |
| 炎竜レツィーユ | ||
| パメラ・ホーク | ||
| バス・ラシュール | ||
| スーチャ・ヨゥン | ||
| イェルノー・ケラス | ||
| 雷竜ゲドゥザ | ||
| 水竜ジャスクス | ||
| ガンボ・スヴォラク | ||
| シェオ | ||
| ルウガ |







