桜桃畢羅・誕生祝い

最終更新日時 : 2021/10/11 18:13

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餐庁のロビーに入る瞬間、踊り子たちが私に近づいて来る。

彼女たちの情熱の踊りに連れられ、私も踊り始めた。

踊り子たちが廻りながら退場し、ロビーには一人の優雅かつ高貴な少年が立っている――

桜桃畢羅

「誕生日おめでとうございます。○○、波斯の歓迎会、いかがでしょうか？」

【選択肢】

・ありがとう！びっくりした！

・まさかこれからはプレゼントタイム？

「喜んでいるのは果たして踊りなのか、それともボクなのか…」

「これからは、貴方により美しき贈り物を――」

「貴方のすべてを見抜く知性溢れる両目。

　これからはどんなことが起きようが、目を閉じないでください。素晴らしきあなたに捧げる――」

彼はテーブルの上にあるシルクを取り、下にあるのはハートに並べられている桜桃のケーキと鮮やかな宝石である。

畢羅と似たような錦織を着ているペルシャ猫がハートの真ん中に座り、静かに私を見つめている。

「空桑の若様へ誕生日の祝福を――」

まるで言葉が通じたように、ペルシャ猫は最も煌いている宝石をこちらに差し出した――

【選択肢】

・猫ちゃんありがとう

・猫ちゃん、名前は？

ペルシャ猫は静かに頷いた。その高貴な目はまるで皇族のよう…桜桃畢羅と幾分似ている。

「感謝はいりません。貴方に相応しいものですからと言っています」

「ふむ？」

「「しずく」と呼んでいます。いずれアナヒット様の元へ帰るからです。

　ペルシャ神話では、アナヒットは美と幸運を象徴する水の女神であり、世の中のすべての海、川、湖を統べています。

　ボクの中では、あなたは女神アナヒットと同等な存在です」

「ボクに似ていると？ならばボクの替わりに……ゴホン…ボクが言いたいのは――」

「この子はボクと同じく、優雅な王子であり、英勇な戦士です。

　もし受け入れるなら、これから貴方が彼の主人です」

「彼は……愛という名の元で貴方に忠誠を尽くします」

「ですから善良な若様、彼を大事にしてください……」

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