リラ
Illustrator:夢ノ内
名前 | リラ |
---|---|
年齢 | 9歳 |
職業 | 女子高生 |
趣味 | 女子力アップ |
- 2019年4月11日追加
- AMAZON ep.IVマップ1完走で入手。<終了済>
- 入手方法:2021/4/1~5/12開催の「「おねがい☆ココ先生」ガチャ」<終了済>
- 入手方法:2022/1/6~2022/2/2開催の「「音闘気鍛錬の行」ガチャ」<終了済>
- 対応楽曲は「エンジェデビ」。
サイタマ県クマガヤ市の女子高生。
ある日に立ち寄ったゲームセンターで運命的な出会いを果たす。
余談だが、音ゲー上級者のことを俗にゴリラと呼ぶことがある。まさかゴリラが音ゲーマーになるとは夢にも思わないだろう。
ちなみに本編中に登場する楽曲は全てCHUNITHMのボス曲をモチーフとしており、すべてゴリラ御用達の錚々たる面々である
- レイジングサンダー→怒槌 ※舞園 星斗のストーリーにも登場している。
- 遊具夜想曲→玩具狂奏曲 -終焉-
- バハムートFメロディアック→TiamaT:F minor
- カオスオーバーホーリーマイロード→混沌を越えし我らが神聖なる調律主を讃えよ
- ユニバースルーラー→World Vanquisher
- ゼノン→Xevel ※唯一の13+、また宇宙一音ゲフェスのモチーフと思われる天下一音ゲ祭初出の曲である。
また、タイトルについても元ネタが存在する。
- ダンスダンスフラッシュ→Dance Dance Revolution
- yourbeat→jubeat ※余談だが、天下一音ゲ祭の第1回において参加していたBEMANIシリーズはjubeatだった。なお、スカイフェザーのストーリーにも登場している。
- ミュージックボルテッカ→SOUND VOLTEX
特に「ミュージックボルテッカ→SOUND VOLTEX」については要素が多い。
- 両サイドにダイヤルがある(プレイヤー間では「つまみ」と呼ぶことが多い。なお、叩くのは画面ではなく6つのボタンである*1)
- 白と黄色のノーツ、同時に来られると訳分かんないわよ!→白(BT-A/B/C/D(6ボタンのうち上段4つ))とオレンジ(FX-L/R(下段の2つ))の同時押しは、別サイドの物(BT-AorBとFX-R、など)だと難しくないが同サイドの物(BT-AorBとFX-L、など)は処理しづらいことがある。
- 段位に「ゴリラ」と読むものがある(向こうはSKILL ANALYZERのランクの1つに「剛力羅」があるが最上位ではない)
- フルコンボをUC、理論値プレーをPUCと略する(それぞれ「ULTIMATE CHAIN」「PERFECT ULTIMATE CHAIN」*2)
- アルティメットコンボ(通称UC)取るまではお家に帰らない!→不定期に上級プレイヤーがPUCに挑戦する「#○○帰さない」が開催される
また、CHUNITHMとの間には「天下一音ゲ祭の参加機種」という共通点もある(あちらは第2回より参加)。
スキル
RANK | スキル |
---|---|
1 | 二人の出会い |
5 | |
10 | |
15 |
include:共通スキル
- 二人の出会い [MATCHING]
- ゲーム終了時にボーナスが入るスキル。20チェインはまず達成出来るはず(4人であれば一人5コンボずつ繋げば良い)なので、マッチングでボーナスが倍になる、と考えてよい。ソロでもボーナス量は同じGRADEの天使の息吹と同等。
- チェインボーナス込みなら初期値から天使の息吹の筐体内キャラのみでの最大GRADE(+3)を上回り、+4から最大GRADE(+11)をも上回る。ゲージ0で終了しても、+4以上で3本、+8以上なら4本が保証され、5本以上ノルマの課題曲以外はクリアが確定する。最大GRADEであれば7本も不可能ではない。
- マッチングしない場合でも、天使の息吹と同様に+4からゲージ5本が可能になり、+6からはゲージ0で終了しても2本が保証される。
- マッチングさえできればゲージ5~6本狙いやクリア狙いなど様々な局面で有用だが、キャラクターの入手や十分な育成が必須。無論、マッチングできるかどうかという問題もある。
- 筐体内の入手方法(2021/8/5時点):
- 筐体内では入手できない。
プレイ環境 | 最大 | |
---|---|---|
開始時期 | ガチャ | |
PARADISE× (2021/8/5~) | 無し | × |
あり | +1 | |
PARADISE (~2021/8/4) | 無し | × |
あり | +9 | |
CRYSTAL | 無し | +3 |
あり | +9 | |
AMAZON | 無し | +3 |
あり | +9 | |
STAR+以前 |
GRADE | 効果 | |
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▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要 | ||
初期値 | ゲーム終了時にボーナス +12000 20チェインを達成した場合 ゲーム終了時にさらにボーナス +12000 | |
+1 | 〃 +14500 〃 +14500 | |
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要 (2021/8/5以降では未登場) | ||
+2 | 〃 +17000 〃 +17000 | |
+3 | 〃 +19500 〃 +19500 | |
+4 | 〃 +22000 〃 +22000 | |
+5 | 〃 +24500 〃 +24500 | |
+6 | 〃 +27000 〃 +27000 | |
+7 | 〃 +29500 〃 +29500 | |
+8 | 〃 +32000 〃 +32000 | |
+9 | 〃 +34500 〃 +34500 | |
理論値:89000(5本+9000/22k)[+1] 1人プレイ理論値:74500(4本+14500/20k)[+1] | ||
理論値:99000(5本+19000/22k)[+3] 1人プレイ理論値:79500(4本+19500/20k)[+3] | ||
理論値:129000(7本+3000/26k)[+9] 1人プレイ理論値:94500(5本+14500/22k)[+9] |
所有キャラ【 高砂 瑞穂 / マリアンヌ新城(1,5) / リラ】
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
スキル | Ep.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル | |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル | |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル | |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
- | - | - | - | - | |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | |
- | - | - | - | スキル | |
~50 | |||||
スキル | |||||
~100 | |||||
スキル |
STORY
私の名前はリラ。サイタマ県クマガヤ市在住の、ごく普通の女子高生。可愛いくて綺麗なものが大好き!
そんな私には実は夢があるの♪
それは白馬の王子様と、素敵な恋をすること。
だからいつ出会いがやってきても良いように、毎日女子力アップの勉強をかかさないんだ♪
いのち短し恋せよおとめ、って言うでしょ?
私の大好きな言葉。若い時は一瞬で過ぎ去る。
絶対後悔したくないの、だから常に全力よ!
「あっ、いっけなーい! 遅刻しちゃう!」
私のクラスでは、いつもの面々が毎日のように恋愛話や女子力向上の話を繰り広げているの。
最近はね、あるアスリートの話がイマドキ女子の話題を独占してるんだ♪
それはスケート界の貴公子、タンチョウの「ユズ君」!
「リラー、昨日のユズ君見た!? もうマジ尊いよねー」
「見た見た! もう後光が差してるとしか思えない!」
「はぁ、私たちの前にもユズ君みたいな白馬の王子様が、迎えに来ないかな……」
「「「ホントそれ」」」
大都会トウキョウに通う女子高生は、私の憧れ。
最先端ファッションにヒンスタ映えな撮影スポット、ふわっふわのパンケーキに囲まれた毎日なんだろうな。
私はそんな事を思い、帰り道にあるゲームセンター、
『サイタマステーション』の前を通りかかる。
すると、お店の前からひと際大きい歓声が上がっていた。
「キャアアァァァァァ!! 素敵ぃぃ!!!」
すっごい悲鳴! なんなの!? 気になっちゃう!
「ごめんなさーい! ちょっと通してください!」
人混みを両手でかき分けていく。
その先には、地面に設置されたゲームの上で華麗に踊っている人がいた。
「えっ、ウホ? ユ、ユズ君!?」
信じらんない! 目の前に憧れのユズ君がいる!
こうしちゃいられない、声かけなくっちゃ!
「あのあのっ、もしかしてユズ君ですか!?」
「んー誰それ。そんな事より君は音ゲーやるの? 僕は音ゲーの話ができない人とは話さないんだよね」
そう言うと、彼はまた音ゲーを始めてしまった。
音ゲー?
女子力アップのことばかり考えていた私には、全く聞き慣れない単語で、とても魅力的に響いた。
「あなた、盛岡さんに興味がわいたのかしら?」
「盛岡さん……あの人、盛岡さんて言うんですね!」
「彼はあらゆる音ゲーをマスターしているのよ。その腕を企業に見込まれたプロゲーマーなの」
店員のカメレオンさんが何か言っていたけれど、私の頭はもう、盛岡さんのことで一杯だった。
私決めた。今日盛岡さんに出会ったのはきっと運命。彼がそう言うなら、音ゲーを極めて振り向かせるわ!
女子力アップは得意なんだから、音ゲーもすぐよ!
「ウホホ、待っててね、盛岡さん! すぐに追いつきますから!」
私は盛岡さんに出会ったその日から、自分に合った音ゲーはあるのか調査を開始した。
盛岡さんがプレイしていた『ダンスダンスフラッシュ』
立方体がいくつも連なったような『yourbeat』
ううん……たくさんあるけど、どれも私に合わなそうで全然決められない。
これじゃ白馬の王子様には近づくことができないわ!
……冷静にならなくちゃダメね。少し休憩しよう。
身近にあった椅子に腰掛けると、リラの視界にとある音ゲーの筐体が入ってきた。
あれは、ミュージックボルテッカって読むのかな?
なんだろ。うまく言葉にできないけれど、このゲームからビビッ! と感じるものがある!
もしかして、これかもしれない……!
そう思ったら即行動! 乙女の時間は短いの!
「さぁ、始めるわよ!!」
早速ミュージックボルテッカのチュートリアルを確認してみる。
このゲームは上から落ちてくるノーツに合わせて画面を叩きつつ、画面脇に配置された二つのダイヤルを回して遊ぶゲームらしい。
画面上から流れてくるノーツをタイミング良く押して、コンボを途切れさせないことが大事なようだ。
また、ゲームを進行していくと『段位』と呼ばれるテクニックの指標を示すものがあることも分かった。
『門鬼』
『珍煩』
『宇嘆』
『曼弩緋』
『豪裏裸』
えぇっと、モンキ、チンパン、ウタン、マンドヒに、これはなんて読むのかしら……ゴウリラ? あっ、もしかしてゴリラ!
素敵! 何だかとってもシンパシー感じちゃう。
とりあえずやってみようかな。
ダイヤルを回すのはコツがいるみたいね!
っていうか、白と黄色のノーツ、同時に来られると訳分かんないわよ!
私……本当にこのゲーム極められるのかな。
ダメダメ! 私のバカ! 盛岡さんを射止めるの!
さぁ今日からバリバリ熟していくわよ!
リラは取り憑かれたように黙々とプレイを重ねた。
毎日放課後はサイタマステーションに入り浸っていた結果、誰からも一目置かれる、ボルテッカーへと成長を遂げていたのだった。
「リラちゃん、この譜面をもうこなせるなんて凄い!」
「リラさん、流石ッス!」
リラはものの数ヶ月で最高位の『豪裏裸』へと昇格し、サイタマステーション最強のボルテッカーとなった。
そして、リラは最高位へと至る過程で、いつの間にか譜面に対する強いこだわりを持つようになっていた。
「ウッホホ、この譜面分かってるー!」
「そうそう、こういう譜面でいいのよ、こういうので!」
超難関譜面と向き合うことで、彼女の中に眠っている野生が覚醒しようとしていたことは、本人には知る由もなかった。
すっかりサイタマステーションの顔となったリラに、宇宙一音ゲフェスの話が舞い込んできた。
店員さんが、私を見つけるなり話しかけてくる。
「ねぇリラちゃん、宇宙一音ゲフェスって知ってる?」
「ううん、音ゲーの大会かなにかですか……?」
「そうよ。そして大会の司会はね、盛岡さんなの!」
その話を聞いた途端、私の中にあった感情が熱いものを迸らせる。
「ぁぁぁこうしちゃいられない! 詳しく聞かせて!」
「リ、リラちゃん!? 落ち着いて!」
宇宙一音ゲフェスは、店舗内のスコアアタックで優勝したものを集め、さらにその中を勝ち抜いたものだけが参加できる。
音ゲーマー最強を決めるのに相応しい大会だった。
――ついにチャンスが巡ってきた!
鍛え上げたこの音ゲー力を、盛岡さんに披露するわ!
決めた。今日から毎日、アルティメットコンボ
(通称UC)取るまではお家に帰らない! それに、体力も鍛えなくちゃね。
ウホホ、忙しくなるわ♪
店舗予選当日――。
発表された課題曲は、『レイジングサンダー』だった。
キタ! この譜面は得意中の得意なのっ!
正直、誰にも負ける気がしないわ!
リラの予感は的中した。
一度のミスで急激にスコアを落とす流れるような階段譜面でも、彼女は一度もミスすることなくUC。
店舗史上最高の得点を叩き出し、予選を通過した。
「フフ、私の身体は譜面を刻み込んでいるのよ」
エリア大会ともなると、個性的な面々が出てくるようになり、否が応でも緊張を強いられる。
巫女や魔女のコスプレをする者、最年少チャンプに現役グラビアアイドルなど、界隈では有名なボルテッカーたちだと聞いた。
皆、私に負けないくらい目立ってる。
でも、ごめんなさい。
盛岡さんへの想いの前では眼中に無いの!
エリア大会で選ばれた曲は、『遊具夜想曲』だった。
これは特殊な譜面だから、あまり得意な人はいない。でも私は、この日の為に練習に練習を重ねてきた。
知ってる? 練習は裏切らないのよ――!
曲が始まる前に深呼吸。意識を深く深く潜り込ませ、集中力の海にダイヴしていく――。
「変則的な譜面なら、誰にも負ける気がしないわ!」
ゲームが始まる。
開幕から流れるように配置されているノーツを正確に撃ち抜いていく。そのままサビへ移行し、飛来する発狂乱打譜面にもリラは取り乱すことなく、いつもの調子で熟す。
無数に飛び交うノーツの嵐に紛れてくるダイヤルゾーンも、繊細な調整で外すことはなかった。
誰もUCを成し遂げられない中、リラだけはUCを達成。ダントツの結果を叩き出していた。
リラの本戦トーナメントへの進出が決定した!
「ウホッ! 十年早いのよ!!」
「今年もやって参りました、宇宙一音ゲフェス!! 今回はどんなドラマが見られるのかー!」
司会の盛岡さんが会場を沸かせている。
「憧れの舞台に私は来ることができた。これは夢じゃないんだ……!」
間近で憧れの盛岡さんを見ることができる。私にはそれだけでも十分すぎるくらいに嬉しいことだった。
でも本戦を勝ち上がっていけば、もっと近くで見られるし、お話することだってできる筈。だから、しっかり勝ち上がっていくのよ私!
自分で自分を鼓舞していると、出場者控え室に大会のスケジュールを伝えるため、盛岡さんがやってきた。
「皆さん今日はご参加ありがとうございます。それと本戦出場おめでとうございます。ここからが本番ですので頑張ってくださいね!」
では、と笑顔で退出しようとする盛岡さんをリラは慌てて引き止めた。
「も、盛岡さん、私のこと覚えてますか? サイタマステーションで会ったリラです」
「うーん、流石に覚えてないかなぁ……ごめんね」
感動の再開とはいかなかった。それもそうだ、そもそも私は名前すら彼に伝えていなかったのだ。
「君もミュージックボルテッカ部門だっけ、まぁ頑張ってよ」
「嬉しい! ありがとうございます!」
「じゃ、じゃあ僕はそろそろ行くから!」
半ば鬼気迫る表情で詰め寄られた盛岡さんは、早々に部屋を後にしたのだった。
会場のボードに対戦表と課題曲が貼られていく。
大会の形式はスコアアタックになっており、一番スコアの高かったものが勝ち上がるシステムになっている。
準々決勝の課題曲は『バハムートFメロディアック』。
ダイヤルを逆の手で回さなければならない、いわゆる出張と呼ばれるテクニックを多用する曲だ。
私はこの曲の発表を見て、いよいよだと胸をときめかせた。さぁ、曲が始まるわ!
対戦相手は私と同じで今回が初出場だったようだ。
「いきなりバハムートはついてないですね。どうぞよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
どうやら相手はこの曲をあまりやり込めていないようだった。
気の毒だけど、私はこの曲を完璧に身体に覚えさせているのよ!
98万VS86万の大差をつけて、私は準々決勝を勝ち上がった。
まるで可憐に野に咲くお花みたい。
そんな印象を受ける対戦相手だった。あれが大都会に生息しているという『ゆるふわ系』なのかもしれない。
ああいうのが男性受けするのかしら……?
細い身体にくるくる巻かれたヘアスタイル。彼女と自分とを見比べると、シュンとしてしまう。
(私もまだまだ女子力が足りないみたい)
そうこうする内に、司会の盛岡さんが登場し、準決勝が始まろうとしていた。
「お待たせいたしました、本戦トーナメント準決勝! ここまで勝ち残ったのは、なんと音ゲー女子だー!」
盛岡さんが、対戦相手にインタビューする。
「準決勝進出おめでとう! 可愛い上に音ゲーまで得意だなんて、神様は不公平だな~」
「えへへ、そんなことないですよ~。盛岡さんには負けちゃいますぅ♪」
お花とかハートが見えそうなオーラを出しつつ、盛岡さんと喋っている姿は、まるで恋人同士のようだった。
「それじゃ、頑張ってくださーい!」
インタビューが終わり、いよいよ私の番。
うまく答えられるかな……。
すると盛岡さんは緊張するリラには目もくれず、所定の位置へと移動してしまっていた。
あれ? スルーされちゃった。あの子と喋りすぎて、時間がなくなっちゃったのかな?
腑に落ちないまま、ゲームが始まろうとしていた。
「さぁ、準決勝の曲は~!?」
モニターに曲名が表示される。
「カオスオーバーホーリーマイロードだー!」
ミュージックボルテッカを代表する超鬼譜面曲。
高速で飛来する階段譜面や乱打譜面だけでなく、発狂ダイヤルゾーンも突破できなければ一瞬でゲームが終わってしまう曲だ。
予想はしていたけれど、鬼譜面の連続はやっぱり消耗が激しい。初めての大会ということも影響していたのだろう。
「両者とも準備は良いかなー?」
お互いに相手の顔を見合う。すると、ゆるふわ系は私の顔を見ると、声に出さないで何かを言った。
「あんたじゃ盛岡さんには相手にされないんだよ」
何を言っていたか理解した瞬間、激しい動揺が走る。深い集中に入るタイミングが、遅れてしまった。
「しまった!!」
出だしのノーツを押し間違えた!
3ノーツ分のミスが発生する。これは痛い。
それ以降はなんとか集中状態に入り、コンボを繋げていくことができたけれど、もし相手がUCならほぼ負けが決まってしまう。
「さぁ、曲が始まったー! 出だしはリラ選手が若干出遅れています。どちらが高いスコアを叩き出せるでしょうか!」
開幕から始まる乱打譜面地帯を抜ける。
その頃には、リラの中をある想いが駆け抜けていた。
「このゆるふわ女にだけは負ける訳にはいかないのよ! ふわっふわにしてあげるわぁぁぁ!!」
それは今までで最高の集中力だった。
私は以後、一度も押し間違えることはなく、コンボを継続したままクリアすることができた。
「結果はどうだー!?」
(神様お願い……)
「93万VS91万! 勝者は、リラ選手だー!」
「ウホオオオォォォォォ! やったあぁぁぁ!!」
「ハァ、ハァ……」
本戦に進んでからの鬼譜面の連続は、流石の私でも限界を感じていた。
握力が低下している中で決勝戦に挑まなければならない。それさえ乗り切ればもう終わり。そうすれば盛岡さんに……。
「リラちゃん、大丈夫? もうゴールしても良いんだよ」
あれ、目の前に盛岡さんの幻覚が見えている。
そこまで疲れているなんて思わなかった。
「おーい、リラちゃん、見えてる?」
「エッ? 盛岡さん、どうしてここに?」
ど、どうしよう。本当に盛岡さんが目の前に! 急に話しかけられると心の準備が!
「落ち着いて、リラちゃん。疲労困憊って顔してたから気になってね」
「い、いえ! 大丈夫ですっ」
「無理しないで良いんだよ。無理そうなら棄権を勧めるよ」
「嬉しい! こんなに心配してくれるなんて! お陰でやる気が湧いてきました!」
「ま、まぁそこまで言うなら止めないよ……」
彼は苦虫を噛み潰したような顔で去っていった。
あぁ、なんて素敵な人なんだろう。
さっきまで感じてた疲れは吹き飛んでしまった。
その時、私の中を何かが流れ弾けた気がした。身体の底から力がみなぎってくる。今の私は……“最強”だ!
「いいわ、ここからは……! 100パーセント中の100パーセントォォォ!!」
決勝戦の曲は『ユニバースルーラー』。
折角決勝まで来られたのに、対戦相手の人には同情してしまう。
今の私と同じ時代に生まれてしまったことを。
リラは恐ろしいほどの正確無比な動きで曇りのない完璧なUCを叩き出した!
「これは凄いー! リラ選手、この大舞台でパーフェクトアルティメットコンボ! フェス史上最高、空前絶後の大記録! 文句なしの優勝だーーー!!」
私は名実ともに宇宙一のボルテッカーになった!
「この私が宇宙最強! 誰にも負ける気がしないわ!!」
テンションが最高潮に達したリラは、両腕を天高く掲げる。溢れる歓声すら上回るほどの雄叫びを上げるのだった。
冷めやらぬ歓声の中、盛岡さんが祝福の言葉を述べるとともに提案を持ちかけてきた。
「優勝おめでとう、リラちゃん。君の熱いプレイを見ていたら、僕も音ゲーマーの血が騒いじゃって。良かったら僕とエキシビジョンマッチをしないかな?」
憧れの人と対決できるなんて! 断る理由はない。
でも、満身創痍の状態に持ちかけてくるのに少し疑問を感じてしまった。
「……是非やらせてください!」
「手加減はしないよ。ダイヤル大魔王の僕に勝てるかな?」
まさかのエキシビジョンマッチに、観衆のボルテージは限界を振り切っていた。
課題となった曲は誰もプレイしたことが無い『ゼノン』という名前だった。開発中の曲ということで非常にピーキーで段違いの発狂譜面っぷりを楽しめるという。
互いに画面へと向き合ったところで曲が始まった。
熾烈な戦いの火蓋が切って落とされた!
両者とも開幕から続く弾丸の嵐のような譜面をくぐり抜けていく。初見の曲とあっては、流石の盛岡さんでも上手くコンボを繋げることができていなかった。
しかし、そんな極限の譜面だというのに、リラは次々とコンボを繋げていく――。
「信じられません! リラ選手、開幕からずっとコンボが途切れていません!! とんでもないことになっているーーー!」
実況で状況を把握した盛岡さんは取り乱し始めた。
「そんな馬鹿な!? あれだけの譜面を熟してきているのに、どこからその力が沸いてくるんだ!!」
「私はこの大会の中で進化を、成長を続けた! これはさしずめブラスター化、超ボルテッカーってやつね!」
リラの身体から、激しい勢いで青白いオーラが噴出していた!
「このメスゴリラぁ! 僕が負ける訳がないんだぁぁ!」
……その言葉を聞いた途端、私の中で何かが崩れる音が聞こえた気がした。
何よソレ。
っこんのぉぉぉ、言わせておけばぁぁぁ!!
「ふっざけんじゃないわよぉぉ! 焼き鳥にしてやらぁぁぁぁぁ!」
二人の絶叫が鳴り響く中、死闘を制したのはリラだった。
あの盛岡さんに勝ったのだから、本来なら泣いて喜ぶところなのだろう。けれど、今は嬉しさよりも寂しさが勝ってしまい、心から喜ぶことはできないのだった。
「ふふ、負けたよ、リラちゃん……さっきはごめんね、暴言を吐いてしまって。もし良かったらこの後……」
「ごめんなさい、私もう帰ります」
リラは授賞式を待つことなく帰ってしまった。
彼女はこの大会の中で気づいたのだ。盛岡さんはユズ君に似ているけど、別人だってことに。
「はぁ、失恋しちゃったな……」
これからどうしようかしら。
新しい恋と出会いを探してもいいし、新しく音ゲーを始めてみるのも良いかもしれない。
根拠はないけれど、今なら何をやっても成功しそうな気がしていた。
失恋を経験した女の子は無敵なのかもしれない。
……あら?
私ったら、いつの間にかウトウトしちゃって昔の夢を見ていたみたいね。
「あの頃が懐かしいわ……私、宇宙一音ゲフェスを優勝してから、あらゆる音ゲーを制覇したのよねぇ」
ダーリンに出会えたのも、音ゲー宇宙統一王者としてテレビに出演したのが縁だった。
ほんと人生は何があるか分かったものじゃないわ。
ダーリンをモノにできたのは、今まで培ってきた女子力を駆使して攻め落とした結果だったし、どちらも諦めずに頑張って良かったと今でも思う。
子育てが忙しくて音ゲーは全然プレイできなくなってしまったけれど、まだあの感覚は残っているのかしら。
「落ち着いたら復帰してみよう。ダーリンとリックとも対戦してみたいしね♪」
リラの視線の先にいるのは、リラの息子のリックだった。彼は、ダンスダンスフラッシュの難関譜面を、息も切らさず、踊るようにステップを刻んでいる。
「ママ~! この譜面楽しいよ!!」
「あらあら、血は争えないわねぇ」
やっぱりこの子には才能がある。あたしが宇宙一の音ゲーマーにしてみせるわ。
「どれどれ、私のチェックは厳しいわよ~! フルコンできるのかしら?」
リビングには写真が立てかけられている。そこにはリラとリック、そして二人を抱きしめているタンチョウの姿が写っていた――。
チュウニズム大戦
レーベル | 難易度 | スコア | |
---|---|---|---|
スキル名/効果/備考 | |||
♠アニマ | ADVANCED | 0 / 250 / 500 | |
カウンターコントロール(状態選択権) | |||
効果でMISS時発動。その効果を発動したカードを COMBO/CHAIN/MISSのいずれかにする。 |
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チュウニズムな名無し
422021年06月18日 00:23 ID:e0cbhc26なんで音ゲーで高難易度曲ばかりをしたら女子力がアップするのか!?
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
402020年01月20日 20:55 ID:jt3ubdya妖怪ダイヤル回し
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
382019年10月25日 04:08 ID:g7bfd1hsプレイ中に著しく性格が悪くなる典型的な音ゲーマー盛岡
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チュウニズムな名無し
372019年05月08日 16:44 ID:dussxsk4ウニで片思いしたキャラ、ハッピーエンドに終わってるのってはるなちゃんとあいちゃん、そしてこのリラちゃんくらいしかいないんだよなぁー(早苗ちゃんは…わりとすぐ破局してて……)
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チュウニズムな名無し
362019年05月08日 15:05 ID:q8lt1fsc君ミュージックボルテッカ上手いねぇ!
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チュウニズムな名無し
352019年05月06日 05:43 ID:m9zq3ju0†私は辞退する†
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チュウニズムな名無し
342019年05月04日 21:39 ID:fpcx058nマップのジャケット載っているのを見て吹いたww
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チュウニズムな名無し