恐怖の幻影・ストーリー
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目次 (恐怖の幻影・ストーリー)
恐怖の幻影
プロローグ
ハロウィン前夜
とある小さな町
ハロウィンの前夜。年に一度の仮装パーティーが、このゴージャスなデコレーションによってもう平凡さが消えた町で行われようとしていた。
道の両側にある民家はどれもおぞましいお化け屋敷と化していた。様々なおばけに扮した子どもたちがドアをノックするのを待っている。
日は暮れ、そろそろパレードが始まろうとしていた。
マカロン:わぁ〜町ごとすっごくホラーな感じ〜今日のパレードすごく楽しみ〜
おばけ屋敷の少年:マカロン遅い!早く飴をもらいに行こう!あれ?クレープは?
マカロン:ごめんごめん〜マカロン、さっきまでクレープの買い物に付き合ってたの。セールの服を選んでたんだけどいいのがなくて、マカロン先に来ちゃった〜
おばけ屋敷の少年:節約家だな……まぁいいや、早く行くよ!
マカロン:うん〜〜あれ?野菜サラダは?一緒にパレード参加するって約束したのに。
おばけ屋敷の少年:とっくに着いてるよ。前にいるから探しに行こう!
マカロン:うん〜〜行こ〜〜マカロンが飴をくれない大人をお仕置きしちゃうぞ〜〜
ストーリー 1-2
ビーフステーキ:町で一体何があったんだ?
赤ワイン:愚問だな。
ビーフステーキ:なんだと?
赤ワイン:明日はこの町のハロウィンなんだ。伝説によると親族の亡霊たちは前夜に旧居に戻り、生きている者の体を借りてこっちの世界で生き返るらしい。
ビーフステーキ:フン、ナンセンスだな。死んだ人間が生き返るもんか。
赤ワイン:人間は自分が『信じたいもの』しか信じない。
赤ワイン:でも、ハロウィンは子どもにとって楽しい行事なんだ。楽しければ万事オーライ。気を付けるんだぞ、ビーフステーキ。このカボチャランプを持ってろ。
ビーフステーキ:なんだ突然親切に?カボチャランプまで出してきて。何か企んでるんじゃないだろうな!?
赤ワイン:貰ったらちゃんと持つ、はい。
野菜サラダ:トリックオア――
野菜サラダ:うわぁ!!
野菜サラダは突然ビーフステーキの目の前に現れた。彼の小さな体は何かの拍子で手に持っていたカボチャランプごと前に倒れた。言葉を言い終える前に地面に転んでしまった。
野菜サラダ:いったぁ……
───
あなたのリアクションは?
・<選択肢・上>気をつけてください。大丈夫ですか。 赤ワイン+15
・<選択肢・中>……どういうこと? 赤ワイン+5
・<選択肢・下>私を探していますか? ブラッディマリー+15
───
野菜サラダ:ぼ……ぼくは……
マカロン:トリックオアトリート――
マカロン:あれ?どうしたの野菜サラダ〜それ飴をもらう技の一つ〜?
野菜サラダ:違うよっ!
ビーフステーキ:お前ら、ちゃんと事情を説明しろ!
ストーリー 1-4
ビーフステーキが子どもたちに足を取られていると、彼とは馴染みがある食霊が町に現れた。
彼の軽くウェーブがかった白髪は乱れており、呼吸も荒い。何か恐ろしいものから逃げてきたようだ。
ブラッディマリー:ここまで来ればそう早くには追ってこれないだろう。チッ、あいつ勘が良すぎる。俺が気付いていない仕掛けがあるに違いない。追って来るルートが堕神がいるのだといいんだが。
ブラッディマリー:でも待てよ?何だこの町は?賑やかそうだがデコレーションが気色悪い。
お化け屋敷のスタッフ:はいはーい、ちょっと退いてください!パレードに参加してなくても、道の真ん中でパレードの邪魔はしないでください。
ブラッディマリー:ん?
お化け屋敷のスタッフ:ねぇねぇ、なにその格好?何か特別なキャラクターの扮装?パジャマを着たおばけなんて初耳だけど。
ブラッディマリー:……
ブラッディマリーはすぐに返事をしなかった。周りの状況からして、大体の事は把握できた――おばけに扮装したホラーテーマのパレード。彼にとっては絶好の掩護だった。
ブラッディマリー:(パレードに紛れ込めば、プレッツェル(?)が今晩追ってきたとしても、すぐに俺を見つけ出す事はできないだろう。見つかったとしても、人ごみの中で混乱を作り出せばきっと逃げ切れる。)
ブラッディマリー:(プレッツェル……もうお前に捕まらないぞ。聖水を体にかけられるのはもうごめんだからな。冷たくて、気持ち悪い……寒いな、暖を取りたい。)
お化け屋敷のスタッフ:なんで黙ってるの?
───
どんな口調で答えますか?
・<選択肢・上>色気満々の魅惑。 ブラッディマリー+15
・<選択肢・中>なかなか言い出せない。 ブラッディマリー+5
・<選択肢・下>誠実な偽装。 赤ワイン+15
───
ブラッディマリー:俺の衣装は少々特別で、一人で着ることができないんだ。でも家族はもうパレードの行列にいて、はぐれちゃってね……
お化け屋敷のスタッフ:あぁ!家族を探してるんだね。パレードは人が多いから、よくはぐれちゃうんだ。もし助けが必要なら僕も家族を探してあげるよ。見つかったらパレードの場所まで案内してあげる。
ブラッディマリー:ご親切にありがとう、ふふ……
10分後
ブラッディマリー:フフッ、仮面の下にこんな温かい体があったとはね。ごちそうさまでした~
ブラッディマリー:さて、仮装しないと。なんにするかな……コイツみたいなナンセンスなコーデはダメだ。
ブラッディマリー:ん?あれは……
ブラッディマリーは子供たちの賑やかな声に耳を澄ませた。すると音源にビーフステーキを見つけたのだ。
お化け屋敷の少年:トリックオアトリート――
ビーフステーキ:おい!皆してかかってくるな!俺は飴なんか持ってない!赤ワイン!アイツに貰え!
お化け屋敷の少年:でもここにいるのはお兄ちゃんしかいないよ。
ビーフステーキ:なんだって?チッ!
慌てているビーフステーキを見て、ブラッディマリーはこのサプライズ溢れる再会に喜んだ。そして取るべき行動を決めた。
ブラッディマリー:ふふ、赤ワインがいないとすれば、じゃあ――
ブラッディマリー:遠慮なく。
ストーリー 1-6
お化け屋敷の少年:このお兄ちゃん、灯りが点いてないカボチャランプを持ってるのに飴をくれない!イタズラするぞ!
ビーフステーキ:はぁ??おい待て!そのペンキが入ったバケツを俺に向けるな!
野菜サラダ:ねぇねぇ……やっぱりやめない?なんかこの人、怖いし……
マカロン:でもイタズラはハロウィンゲームの一環でしょ~イタズラしないと、ハロウィンらしくないじゃん~
マカロン:でもマカロンもカボチャランプを持ってパレードに参加してるのに、飴をくれない人なんて初めて見た~どんなイタズラしようか?体にラクガキするとか?くすぐったそう~
ビーフステーキ:おい待てよ、このランプを持ってたら「イタズラ」されるのか?
お化け屋敷の少年:お兄ちゃん、もしかしてよそから来たの?これはハロウィンの伝統なんだ。トリックオアトリート!「郷に入れば郷に従え」っていうしね、初めてのパレードでもルールに従ってもらうよ。
ビーフステーキ:赤ワインのやつ、通りであんなに逃げ足が速いはずだ。これが目的か!!
野菜サラダ:お兄ちゃん、やっぱり怖い……ねぇもう行こ……
ビーフステーキ:……
ビーフステーキ:怖がるな、俺はお前たちに怒ってる訳じゃない、ただ――
きゃあああああぁっ!!!!
遠くない人だかりから、突然悲鳴がして、人だかりが散った。
一人の綺麗な女性が黒いローブをまとった男に殴られて気絶したようだ。彼は両手を上げ、しゃがれた声でこう宣告した。
町民A:偉大なる死の神よ、私はあなたにピッタリな供物をやっと見つけましたぞ!
町民A:今晩!あなたはこの世に降臨するでしょう!この世のすべてはあなたのものです!
野菜サラダ:うわぁ!もっと怖い人が出てきた!
マカロン:えっ?これもハロウィンの伝統なの?
お化け屋敷の少年:そんな訳ないじゃん!逃げるよ!危険だ!
───
……
・<選択肢・上>この世界で死神を信じる人がいるなんて、馬鹿なこと。 赤ワイン+15
・<選択肢・中>私が守ります!慌てないでください。 赤ワイン+5
・<選択肢・下>赤ワインのやつは?クソ! ブラッディマリー+15
───
ビーフステーキ:俺が彼女を助ける!
野菜サラダ:ぼ……僕も手伝いたい……一緒に行ってもいい?
ビーフステーキ:一緒に向かうのは危険だ。俺があの男を何とかするから、お前たちはあの女の子を助けるんだ!
野菜サラダ:わ、分かった!気を付けて!
ストーリー 2-2
そしてもう一方、ビーフステーキを子どもたちの群れに置いてきた赤ワインはパレードの人だかりから離れた静かな小道にいた。彼は堕神がいる方向を調べに行こうとしていた。
赤ワインは町からする賑やかさに心を乱されていた。町に戻ってからというもの、彼は嫌な予感がしていた。
赤ワイン:もし町に人為の事故が起きるだけなら、アイツ一人でもどうにかなる。だがもし堕神だったら……俺だけでどうにかなるな。
赤ワイン:アイツ今、俺が道端で買ったカボチャランプのせいで悩んでるんだろうな、ふふ。
赤ワイン:なんでここに?この祭りに興味がないはずだが――
プレッツェル:逃げられた。
赤ワイン:なんだと?!
プレッツェル:追いかけていたんだ、君たちがここにいるとすると――
ブラッディマリーが重ねてきた悪行やビーフステーキへの執念を思い出すと、険しい顔になった赤ワインはプレッツェルとともに来た道に戻ってビーフステーキを探し始めた。
パレードを行っている大通りに戻ると、パレードの人だかりがすでになくなっていて、おばけに仮装している住民たちが逃げ回っていた。
お化け屋敷の少年:殺人鬼だ!殺人鬼が来る!!
町民B:本物の亡霊がまもなく降臨するぞ!
視線がぶつかると同時に、赤ワインとプレッツェルは人込みに飛び込みビーフステーキがいた場所に向かったが、もうそこにはうろうろしている二人の食霊しかいなかった。
野菜サラダ:マカロン、付いていかなくてもいいの?一人であんな大勢に相手するなんて……
マカロン:じゃあこっそり付いていきましょう!お兄ちゃんが危ないなら、あたしたちが助けてあげよう!
赤ワイン:君たちが言っていた"お兄ちゃん"って、もしかして頭に牛角がついてる筋肉バカの人?
マカロン:そうです。お兄ちゃんのお知り合いなの?
───
どう答えればいい?
・<選択肢・上>彼は仲間です。 赤ワイン+5
・<選択肢・中>一緒にいきます。 ブラッディマリー+15
・<選択肢・下>一応知り合い。 赤ワイン+15
───
赤ワイン:彼はどうした?
マカロン:お兄ちゃんさっき見てなかったのね!さっき黒い服の人が現れて、一人のお姉ちゃんを捕まえて神とやらに捧げるって!
野菜サラダ:そしてあのお兄ちゃんは絶対に助けるって言って追いかけていったの。
マカロン:お兄ちゃんたちがあのお兄ちゃんの仲間なら、早く助けてあげようよ!
赤ワイン:……あのアホが。
プレッツェル:あとの事は私達に任せて。君たちはみんなと一緒に避難してね。
野菜サラダ:気を付けてね、お兄ちゃんたち。あっちには……堕神がいるみたい。
プレッツェル:教えてくれてありがとう。神は正義を貫くものを守るから、心配しないで。
ストーリー 2-4
ビーフステーキは黒ずくめの男を追いかけて町から出ていた。どこかで見慣れた風景について考える暇もないが、森に入った途端、昼に来た事がある場所だと気付いた。
ビーフステーキ:ここは……赤ワインと堕神の手がかりを調べていた場所だな。
ビーフステーキ:地元の住民なら、ここに堕神がいることを知らないわけがない。まさか――
ブラッディマリー:ふふ、相変わらず計略に弱いね、ビーフステーキ。
濁った声がセクシーボイスに一変し、気絶した美女はゆっくりと目を開け、驚愕しているビーフステーキの方向へ微笑みながら振り向いた。
ブラッディマリー:私のこと、わからないの?
ブラッディマリー:お久しぶり、勇敢なる騎士殿。またお姫様を救う時間です――
ビーフステーキ:なんだと?!
暴食(強化型):ゴオオオ!!!
暗闇の中、鳥の眠りが堕神の叫び声に破られ、敵がだんだん近づくと共に地面が振動している。
一人の人間が森の中から飛び出し、まだ顔すら確認できないうちにビーフステーキを後にし、走りながら叫んでいた。
???:怖い!あの堕神、怖すぎるよ!!
???:今後はいくら貰ってもこんな事やらないからな!!!!
ブラッディマリー:……クズが、逃げ足だけが一人前らしいね。
───
まさか、人間を雇って堕神を引き寄せているのか?!
・<選択肢・上>病気ですか。 赤ワイン+5
・<選択肢・中>何をするつもりですか。自業自得という言葉を知らないのか! 赤ワイン+15
・<選択肢・下>狙いは私でしたら、そんなに手間のかかる必要がないのに! ブラッディマリー+15
───
ブラッディマリー:お姫様が騎士を無事に連れ去るために、どうってこと無いでしょう?
暴食(強化型):ゴォォォ!!!
ブラッディマリー:おや、もう来ているみたいだね。
ブラッディマリー:それでは、そろそろ騎士殿のお出番だね――もしアレを止められなかったら、町がやばいかもしれないよ。
ビーフステーキ:こんのっ――!!!
ビーフステーキ:まずはコイツを倒さないと!
ストーリー 2-6
赤ワインとプレッツェルはマカロンが教えたとおり、ビーフステーキの行方を捜していた。
間もなく、赤ワインは道の先に何かある事に気が付いた。
赤ワイン「この道は堕神がいる森に繋がっていて、男の目的はビーフステーキを堕神の所へ誘う事だ。」
プレッツェル「……そして堕神を利用してビーフステーキの体力を削ぎ、漁夫の利を得ようとしている、か。」
プレッツェル「私のところから逃げ出した時、まだ弱かった。一人ではビーフステーキの相手にはならないだろうが、ビーフステーキを捕まえるチャンスを見逃したくなかったのだろう。」
ゴオオオ!!!!!
プレッツェル「堕神だ!もう始まっているかもしれない。急ぐぞ!」
赤ワイン「チッ!」
二人は大急ぎで森に入り、堕神と戦っているビーフステーキを見つけると、すぐに戦闘に加わった。
赤ワイン「アホが!何馬鹿な真似をしてる!」
───
……
・<選択肢・上>遅すぎ! 赤ワイン+5
・<選択肢・中>誰が助けを求めるか! ブラッディマリー+15
・<選択肢・下>黙れ!まずは敵をやっつける! 赤ワイン+15
───
プレッツェル:静かに!気をそらすな!
赤ワイン:ふん!
ビーフステーキ:行くぞ!
ビーフステーキと赤ワインがうまく堕神を挟撃した。ビーフステーキは前衛として攻撃を防ぎ、プレッツェルは後ろに回ってかく乱し、赤ワインは隙に乗じて剣で堕神の要所を狙った。
優雅な振る舞いで堕神とビーフステーキの死闘を見ていたブラッディマリーの思惑はならず、三人の食霊に挟まれて手も足も出ない堕神の悲痛な叫びが彼の心を揺らしていた。
そしてプレッツェルの戦う姿に昔の事を想起した。かつて「教化の間」に閉じ込められ、君子面をしている神父からリンチを受けていた日々を。
ブラッディマリー:(チッ!揃いも揃って私の邪魔をするなんて!!もうあそこには戻らない!!!絶対に!!!!)
三人の食霊の協力攻撃に耐えきれない堕神はついに倒れた。
もう逆転は不可能と判断したブラッディマリーは三人が気付いていないうちに逃げようとしたが、ずっと目をつけられている事に気付いていなかった。
プレッツェル:逃げれるとでも思ったか?
ブラッディマリー√ 宝箱
ブラッディマリー:それは私の勝手だよ、神父。
プレッツェル:待て!
言葉が終わらないうちに、ブラッディマリーの姿は既に消えていた。彼は暗闇に隠れながら森を後にし、回り道をして町に戻った。
お祭り感は既に町中から一掃され、ブラッディマリーはもう人ごみに隠れることができなかった。
ブラッディマリー:鬱陶しいやつめ、逃げるのは無理だというのか!
ブラッディマリー:まずは隠れないと……
ブラッディマリー:ここはいい。
ブラッディマリーは綺麗に飾られた一軒のお化け屋敷を発見した。パレードの混乱から避難しているのか、中には誰もいない。
ドアをロックすると、ブラッディマリーは暗闇の中で部屋を調べ始めた。部屋の真ん中には魔法陣の様な円環があり、その向こうには鏡が置かれている。
ブラッディマリー:面白いね。確か真夜中に鏡の前でお願いをすると、鏡の中に未来のパートナーの姿が映るって噂があったね……
バァン!
銃声が響き、ドアのかぎが夜の静寂と共に破られた。扉がゆっくりと開くと、ブラッディマリーは速やかに暗闇の中に身を隠した。
プレッツェル:ここまでだ、ブラッディマリー。いい加減出てきたらどうだ?
ブラッディマリー:私に恨みでもあるの、神父様?
プレッツェル:君は悪行を重ねすぎた。神に代わって罰を与えねばならない。
ブラッディマリー:神?誰の神?ふふ。
ブラッディマリー:面白くない奴はモテないよ。
プレッツェルが警戒しながら声の方角に向かうと、何もいなかった。
不気味な笑い声がだんだん近づいてくる。部屋の真ん中にある鏡を覗くと、自身の厳粛な顔とブラッディ―マリーの顔が同時に映っていることに気付いた。
プレッツェルがくるりと向きを変えると、ブラッディマリーの不意打ちを直接喰らってしまい、激痛とともに腰のあたりが赤に染められた。
ブラッディマリーはこの一瞬に乗じて速やかに間合いを取り、扉の前で挑発的なウィンクを送った。
ブラッディマリー:名前を呼ばれて嬉しくなるのって初めてだよ、神父様。
プレッツェル:……
ブラッディマリー:ふふ、こうもやすやすと手玉に取れるとは、さっき堕神との戦いで怪我したんだね。
ブラッディマリー:諦めるんだね、この私が二度とドジを踏むはずないでしょ。
ブラッディマリー:さらば、神父様。
去っていったブラッディマリーを諦めずに追跡したものの、がらんとした町中にすでにその姿はいない。
プレッツェルは傷口を押さえながら、意味深な表情である方向を睨んだ。
赤ワイン√ 宝箱
ブラッディマリー:それは私の勝手だよ、神父。
赤ワイン:もう勝手にはさせない。
赤ワインはブラッディマリーの逃げた方向に気付き、堕神が倒れた瞬間にその道を塞いでいた。
ブラッディマリーが速やかに向きを変えると、目の前にプレッツェルが現れ、ビーフステーキと赤ワインの三角の包囲網になり、彼を閉じ込めた。
ブラッディマリー:……チッ!
赤ワインとビーフステーキに礼を言った後、プレッツェルは縛られたブラッディマリーを連行して去った。残された二人の食霊は互いに顔を見合わせて黙っていた。
赤ワイン:……
ビーフステーキ:……
赤ワイン:服を変えたくらいで、見分けがつかなかったのか?
ビーフステーキ:……
ビーフステーキ:バカにしてんのか?!
赤ワイン:お前が言ってたセリフだよ。
ビーフステーキ:わかってるよ!ちっせぇ野郎だな!
赤ワイン:何だと?俺が来ていなかったら、お前はとっくにやられてたんだぞ。
ビーフステーキ:俺がどうなるかなんてお前と関係ねぇだろ!
赤ワイン:世話してやるとは言っただろ。
ビーフステーキ:……そうかい、そいつはア・リ・ガ・トよ。
赤ワイン:お礼をできるとは、えらいな。
ビーフステーキ:子供扱いすんな!殺すぞコラ!
赤ワイン:飴をあげるから、大人しくしろ。
ビーフステーキ:……はぁ?
赤ワインが投げてきた袋を開けると、ビーフステーキは沢山の飴に目を丸くした――カボチャランプをもらった時、赤ワインが中から取り出した飴だった。
何の事情も知らないビーフステーキは、ただバカにされたとしか思えなかった。
ビーフステーキ:飴が欲しいガキと一緒にすんな!お前、やっぱり――待てコラァ!
赤ワイン:……うるさいな。
赤ワインはビーフステーキの相手をせず、剣を収めて去ろうとしていた。
ビーフステーキは飴を抱えて赤ワインの隣に歩き、一方的に文句を言い続けている。
今日もいつもと変わらぬ、同じ日だった。
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