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フルーツタルト・エピソード

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フルーツタルトのエピソード

感情にまかせて気ままに振る舞ったりする。身の回りにいつも蝶々が飛んでいる。高貴な背景と優雅な態度のため、非常に高慢で、誰にも目を向けられず、彼女自身によって認識されている御侍とだけ平等な態度を示す。物語を書いたり、アフタヌーンティーを飲むこととかに興味があり、アフタヌーンティーは最も重要なことだと思っている。

Ⅰ.血好き蝶


チクタク──チクタク──


時計の針が正確に刻み続ける。


書冊に囲まれた空間には、貴重な蔵書の他にあの御侍が「愛した」リリア夫人の「著作」が並んでいる。


わらわが召喚された時、夫人の体は既に弱っていた。


大公である御侍に同行できぬ夫人に代わり、社交界に臨むためにわらわは生み出された。


人間にとっては傲慢な理由であろう。


幸い、この二人の人間は興味深い。

権勢を墓場まで持ち込もうとする御侍と、常に優しく微笑む「血好き蝶」夫人──実に滑稽な組み合わせだ。


「血好き蝶」

貴族社会で夫人が名乗った称号である。


当初わらわは、御侍の地位に合わせた陳腐な呼び名と思っていた。

だが他の貴族と変わらぬ夫人が、ある時から変わった。


「血好き蝶」の魔女の物語を知った時、初めてこの二人に愛着が湧いた。

退屈させぬ人間であることを、彼らは感謝すべきだ。


ただ一つ理解できぬのは、今わらわが手にする古びた物語書だ。


無名の怪物の物語。

ありきたりな童話のように、正義の騎士が怪物を討ち、平和が訪れる。


取るに足りぬ話に、夫人はなぜか執着していた。

何が隠されているのか?


当初は興味を抱いたが、魔女の物語を知って合点が行った。


「相変わらずあの本がお好きだね?」


扉を蹴破る音と共に、書庫に不速の客が現れた。

(※中国語で招かれざる客、押しかけ客は「不速之客/bù sù zhī kè」)


「ドアを叩かず入る貴方も相変わらずね、スフレ


「そうか?」

スフレは形だけ扉を叩き、わらわを畏れる様子もない。

「あの臆病者の真似はもうたくさんだ」


「ふん、普段の落ち犬様よりはましよ」

わらわは嘲笑いながら応じた。

「ところで子爵邸にいるはずでは?」


「面白い話を伝えに来たのだ、公爵夫人」

「昨日、子爵と賭博師伯爵を訪ねた時…」

サンドイッチという食霊か?小細工しか知らぬ子供が何を成せる?」

「やはり『蝶』で伯爵を観察していたな」

「公爵に刃向かう者を看過するとでも?」

「ではもう一つの知らせもご存じだろう」

「おや?」

「あの方が来られた」


スフレの指す人物など明白だ。

どうしてその存在を知ったか?


夫人が綴った「血好き蝶」の物語に拠るところが大きい。


物語中の王国交替は偶然の一致と言えよう。

だが物語同様、塔の最上階の部屋で刺殺された「血好き蝶」女王の件は、偶然では済まされぬ。


少し調べれば、夫人の物語が単なる作り話でないことは明らかだ。


わらわはその物語を通じ、彼に興味を抱いた。


それ以来、午後の紅茶を嗜む度に『蝶』を放ち、彼の行跡を探らせた。

夫人はわらわが伝える男の情報を、また物語に綴り込む。


長い歳月が流れたが、夫人の物語は未だに完結を見ない。


「遅かれ早かれ来るさ。わらわは楽しみだ…わが前に現れた時、どんな表情を見せるのか…」

Ⅱ.時間の魔女


時計が四回鳴り響く刻限は、わらわが絶対に妨害を許さぬ時間。


わらわが住む時計館はそういう場所だ。

午後の紅茶時が来れば館中に鐘が鳴り渡り、庭園という聖域への侵入を戒める。

大公が「公爵夫人」のために築いたエデンなのだ。


面倒な社交行事を除けば、わらわが公爵と会う機会は稀だった。

夫人が逝く前でさえ、むしろ夫人と過ごす時間の方が長かった。


夫人の特殊な体質は病を重ねるごとに衰えを加速させた。

やがて公爵が用意した庭園にも立てなくなり、病床に臥す日々。

その頃、夫人の物語はわらわの暇潰しであり、彼女が情報と交換できる唯一の駆け引き材料だった。


「悪魔の導きに従った魔女は愛する者の血に染まったが、心から愛は消えていた。

手にした短剣が愛する者の心臓を貫いた時、再び独りになった事実を知る。

愛する者の最期の言葉は彼女への呪いとなった。

『もう誰もお前を愛さない。唯一愛した者は民衆の審判で死んだ』

魔女は涙を流し、魔力を失った。

醜く変貌した体と共に、血の蝶は砕け散り、夜明けと共に灰となって消えた」


「泣いた魔女はそれで死んだのか?」

この結末を聞き、わらわは枯骨の如き夫人を嘲笑った。


「彼女にとって死こそが救いだったのよ」

夫人はわらわを通して誰かを見つめるように、声を詰まらせた。

「あの時、高塔の部屋に置き去りにせず、姉が生きていれば…結末は変わったかしら?」


「起きなかった事はわらわにもわからぬ」

「そうね、戯言と思って。貴女を見る度、過去の自分と向き合うようで。だが思い出せば思い出すほど、今の全てが私への罰だと…」

「わらわは面白いと思うがな。何せわらわは己が死に様を見れぬ故」

「あの男が望んだ結末か?…そうね、最初から彼は私を許さなかった」

ウイスキーのことか?」

「逃げ出してからずっと考えた。なぜあの時彼は私を殺さなかったのか?長い間逃げ続けたが、地獄を出ても外は煉獄だった…」


「だが公爵に出会ったのでは?」


「ええ…当時の私は汚れた逃亡者に過ぎなかった。

それなのに彼は『お前の瞳が好きだ。残忍と絶望に満ちている』と言った。

もちろん簡単には信じなかった。

だが失うものなど何もなかった。だから賭けたの。

突然興味を持った貴族を利用し、悪魔の呪いから逃れようと。

傲慢が過去に私を死に追いやったのに、今度は生き延びる武器になるとは…」


夫人は言葉を止めた。

窓辺にわらわが放った『蝶』が舞い降りたからだ。それが誰の知らせか、夫人にはわかっていた。


「物語を聞かせた礼として教えよう。ウイスキーはあの王国を去った。だがその前に別の場所へ寄ったと」

『蝶』がもたらした情報を全て示す。


「これは…姉の…墓?」

夫人の声には信じがたい響きがあった。

「心ある男だったのね。だが人間は逝く者に極楽鳥花を供えるものかしら?」


「極楽鳥花…」

その名を呟いた夫人の瞳から涙が零れた。

「怪物が行けぬ場所の象徴か…」


それきり夫人は目を覚ますことはなかった。

こうしてわらわは「血好き蝶」夫人となった。


誰もわらわの正体を疑わない。夫人の臨終の姿を見たのはわらわだけだから。

病床に臥してからは、あれほど「愛した」公爵すら彼女を見捨てたのだ。

あの日、全ての物語が新章へ進んだ。

わらわにとっても、ウイスキーにとっても…





チクタク──チクタク──

刻一刻と時は過ぎる。

書斎で公爵の来訪を待つわらわ。


「夫人、お呼びでしょうか?急な用件とは」

公爵は悠々と扉を開け入室した。


「わらわ身が面白い話を伝えに参った」

賭博師伯爵の娘とサンドイッチが、賭博で伯爵を破滅させようとする計画を告げる。


取るに足らぬ謀略だが、権勢しか見えない公爵は長く大笑いした。

人間の思い上がった愚かさなど、わらわは見飽きている。


だが目的は娘の幼稚な復讐を助けるためでも、大公に富を献上するためでもない。

あの深淵の如き男を直接見たいのだ。夫人の物語や『蝶』越しではなく。

彼の眼前に立ち、暗夜に咲く純白の花が真実の微光なのかを問いたい。


わらわは大公に私邸での宴を提案した。

笑い話で上機嫌な公爵は即座に承諾した。


さて、次の物語はきっと…わらわを失望させはしないだろう。


Ⅲ.琥珀の夢


公爵の権勢で、名門貴族を招いた宴は瞬く間に整った。


小手先の食霊で成り上がろうとするギャンブラー伯爵も案の定現れた。


あの男も当然この機を逃さない。

何せ既にペル子爵に接近している。まさに彼の嫌らしい常套手段だ。


ペル子爵は元々伯爵の腹心だったが、度重なる賭博での収奪に嫌気が差していた。

そこへより高き権力への縁が差し伸べられれば、迷わず掴むのも当然。

わらわが手を下さずとも、伯爵の全勢力は公爵の寵を得んとする男の口から明かされた。


夜が幕開け前の物語を紡ぐ中、わらわは残り少ない灯りに身を寄せた。

この宴は貴族同士の陳腐な権力争いを終わらせるためだが──

わらわにとっては甘美な邂逅の場となる。

いや…「再会」と言うべきか?


「ご機嫌麗よう、公爵夫人」

ペル子爵が帽子を脱ぎ、背後に控える男と共に挨拶する。

彼の登場など驚くに値しない。


「ご機嫌よう、ペル子爵」

「お美しいお姿は変わらぬご様子で」

「口の端麗さも相変わらずね」


空虚な挨拶など無価値だ。わらわは本題を急ぐ。

「ところで子爵、そちらの方を紹介してくれぬか?」


「公爵閣下にお話ししたウェッテさんです。ご紹介したく」


ウイスキーと名乗る男は一瞬呆然とわらわを見つめたが、すぐに悟ったように悪意を笑みに包んだ。

「失礼、夫人。自己紹介が遅れた。アクア・ウェッテと申す。旅行商人です。子爵閣下の引き立てで参上できました」


万年変わらぬ笑顔からは何も読み取れない。まるで本当に目的もなく来たように。

温和な偽笑、洗練された振る舞い。夫人が幾度も語った血の瞳を初めて目の当たりにする。


「おや?商人だと?公爵は医薬に精通すると聞いていたが」

「医者も金で動く。ならば商人も同じでは?それに救命ばかりが医道ではないと…夫人ならご存じでしょう」


ああ、そして絶妙な探り合い…

全てが告げる──この男はまさにわらわが最も嫌うタイプだと。


「ご安心を、ウェッテさんは公爵閣下を失望させません」

ペル子爵が慌てて取りなす。


「興味深い御見解ね」

わらわは通りすがりの給仕からカクテルを取った。

夫人が愛した酒だ。手間がかかると知りつつ、公爵は宴の伝統として守り続けている。


「公、公爵夫人…?」

わらわの視線で愚かなる子爵を黙らせた。

「ウェッテさんともっと語りたいが、子爵はお疲れのようだ。控え室で休むがよい。宴の後、公爵から良い知らせがあるだろう」


「では子爵閣下、どうぞご休憩を。後ほど参ります」

「え、ええ…お邪魔いたしました…」

ウイスキーにとってペル子爵など使い捨ての駒に過ぎぬ。



子爵が去ると、ウイスキーはわらわに合わせるように同じカクテルを手にした。

「『琥珀の夢』か?」

グラスを揺らしながらも口にしようとはしない。

「こんな宴では珍しいね…」


「公爵がわらわのために備えさせたものよ」


「琥珀色の美しさゆえか?だが琥珀となる前は多彩な『宝石』だった」

鑑定士のように酒杯を見つめながら言う。

「ヴェルモットはルビー、シャルトリューズはエメラルド、ジンはダイヤモンド…層ごとに輝く『宝石』こそ夫人に相応しい」


「医薬だけでなく酒にも精通とは驚きだ。多くの者が『琥珀の夢』と『宝石』を混同する」

「フッ、琥珀と宝石の光彩は全く異なりますよ」

「ではウェッテさんは『宝石』と『琥珀』、どちらがお好み?」

「商人たるもの、価値ある商品は全て愛すべきです」


「狡猾な御答えね」

「では夫人は何を留めたい?」

「昔の知人が言ってたわ。琥珀の中の時間が好きだと。記憶も生命も侵されぬ永遠の器だと」

「その方には守りたい思い出が?」

「ええ、興味がおあり?」


今ここでウイスキーが認めれば、わらわは昔話に興じたかもしれない。

惜しいかな、彼は嘘を呼吸のように吐く最低の男だ。


「利益をもたらすものだけが関心事です。商品価値を高める記憶なら良いが、例え永遠でも死の瞬間を留めるだけなら…夫人の知人が酒に封じた虚ろな思い出同様、無価値ですよ」


ウイスキーは杯を干し、空のグラスを掲げて見せた。

隙がない笑みを浮かべながら。


編集中


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ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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