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カプチーノ・エピソード

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カプチーノのエピソード

カプチーノは子どものいない貴族の夫婦に召喚され、彼らの子どもとして愛されてきた。カプチーノは貴族のエリート教育を受け、教会の神学学院で生活していた。昔から夢の中で神の声が聴こえるため、彼は神学に夢中になり、神に仕えたいと願うようになった。ある時、彼は講義をしに来たマッシュポテトと出会う。そして、マッシュポテトの世界を救う「プロジェクトアーク」に惹かれ、マッシュポテトの植物園「エデン」の実習生となった。


Ⅰ.両親

ぼくが召喚されたあの日、家は紫のチコリで溢れたという。執事とメイドは全員歓喜で沸いたらしい。


この話はぼくが言った訳じゃないよ。全部お母さんとお父さんがぼくの耳元で、何百回もくどくどと言ってきた事だ。彼らはいつもぼくが現れた日の事を楽しそうに話してくれる。耳にタコができるぐらいにね。


でもそれは仕方のない事なんだ!だってぼくはこんなにも可愛くて、賢くて、愛されているからね!


そうそう、ぼくが食霊・カプチーノだよ!

ぼくのお父さんとお母さんこそ、ぼくの御侍と御侍夫人だ。


だけど、彼らは「御侍」と「御侍夫人」という呼び方を断固拒否したんだ。ぼくは彼らにとって、実の息子と同じだからね。


食霊を子どもとして育てる人は、彼らが初めてじゃないと思う。でもこの世には、ぼくの御侍よりもぼくを甘やかしてくれる人なんて絶対いないって、ぼくは自信をもって言えるよ!もしいても、それはきっとたまたまだよ。


ぼくのお父さんとお母さんは、随分と変わった人だと思う。


ぼくのお父さんは、グルイラオ現政権を握っているクレメンス一族の人間。赫々たる地位を持って、世襲公爵なんだ。


だけど、彼はロマン主義な人で、古いしきたりに従ってどこかの貴族のお嬢さまに惚れる事はなかった。よりによって庶民出身の、ぼくのお母さんを好きになったんだ。


もちろん、ぼくのお母さんもスゴい人だよ!


彼女は庶民だけど、裸一貫で商売を始めて、大金持ちになったんだ。グルイラオ全国に、彼女の傘下の店舗がいくつあるかは、数えた事はないけど。王都ミドガーだけでも、通り十本分ぐらいは全部うちのなんだよ!


お母さんはよく「ベイビー、通り十本分のお店はね、全部お母さんが君に買ってあげたものよ!」と言ってくれる。


お父さんも「ベイビー、私の爵位はね、将来君に継いでもらうよ!」と言ってくれるんだ。


でも正直に言うと、彼らが話せば話すほど、ぼくの興味はますます湧かなくなっていた。

金と名声を容易く手に入れる事ができた時、初めて気づくんだ、その二つが実は世界で最もくだらない物なんだってね。


お父さんとお母さんが寝る前にする喧嘩――ぼくをビジネス界の大物にするか、それとも気高い貴族にするか、なりふり構わず殴り合いになり掛けたある日。ぼくは寝ぼけながらスータンちゃんを抱えて、彼らの部屋に駆け込んだ。


「けんかしないでーー」

ぼくは眠そうに言いながらあくびをした。

「何を学ぶかはもう決めたよ」

「「なになに?」」

彼らは目を輝かせてぼくを見ていた。


「ぼくは――神学を学びたい!」


「「えっ???」」

Ⅱ.神の声

神学院にいる学生一人一人は、種族や性別を問わず、神を知ることを人生学習の主な目標としているんだ。

神学院の学生は神が世界に知恵を与えたと、祈りを通じて神の知恵を得られると信じている。


彼らはぼくの気まぐれだと言った。ぼくみたいな活発で動き回るのが好きな子が、忍耐強く静かに祈りを捧げられるものかと。


だけどぼくは彼らに見せつけたかったんだ。


だって、ぼくには誰も知らない秘密がある。

神の声が聞こえるんだ。


最初は、世界中の人がぼくと同じように声を聞くことができるものだと思っていた。でも、お父さんに変な声が聞こえるって教えた二十六回目の夜に、ぼくは知ったんだ。お父さんがびっくりしすぎてお母さんに抱きついて、嫌がられて蹴飛ばされている姿を見て、ようやく自分は凡人じゃないって事を知った。


幸いお母さんは僕を理解してくれた。


彼女はそろばんを弾いて、一週間も考えた後、空のノートとペンをぼくに手渡してきた。それから、ぼくに夢で聞こえた声を全部メモするように言ってきたんだ。


どうしてメモしなきゃいけないのか、聞いたら。


精神文明は人間が追求する最高のものであると、自然も最も計り知れない文化製品だって教えてくれた。もっとわかりやすく言ってってお願いしたら、ぼくが書いたノートを印刷して売ると、十一本目の通りがぼくのものになるって事らしい。


この事にあまり興味はなかったけど、もうぼくだけの問題じゃなくなっちゃった。ぼくは資本主義のための労働力になった、毎日メモを書くよう監督された。


でもしばらくして、お母さんがぼくのノートをチェックした時、「神様は明日豚もも肉が食べたい、明後日は遊園地に遊びに行きたいらしい。神さまは学校に行きたくない、温泉に浸かりたいって」みたいな事ばかりが書かれている事に気付いて、きっぱり十一本目の通りを手に入れる野望を諦めた。


そのせいなのか、彼女はちょっと変わっちゃった。

それから、神の声を聞ける事は、本当に誰も知らない秘密になった。

そして、ぼくはわかったんだ。本当の秘密というのは、誰も言っていない事じゃない、誰も信じない事なんだって。

この気付きで、ぼくはちょびっと大人になった。


でも、ぼくはわざとお母さんに反発した訳じゃないんだ。言ってももう信じてくれないけど、実はぼくは神が言った言葉を一度もちゃんと聞き取れた事がない。


夢の中ではいつも覚えているけど、目が覚めると忘れてしまうんだ。これが悩みだった。

いつも思う、ぼくは食霊なのに特別な能力は何も持っていない。生まれつき持っているスータンちゃんが攻撃を防いでくれる以外、ぼくは子どもの姿のまま永遠に生き続ける人間みたいだ。


神の声が聞こえるというのは、他の食霊と比べて、一番特別なところかもしれない。もし神が何か秘伝の技を伝授したくても、ぼくは目が覚めると全部忘れちゃうのかな?


そうだとしたら、神も頭を抱えちゃうね。


神の健康のために、ぼくは一生懸命頑張ってみる事にした。神学院に行ってよく修練を積むんだ。


ぼくは神の言葉を聞き取れなくて、申し訳ないと思っていた。だけど、まさか聞き取れないことこそが神からの慈悲だったとは、この時思ってもいなかったよ。


Ⅲ.見返りを求めない

神学院に入って三年目になった、ある日の午後。ぼくは学校の小さな聖堂に座って瞑想していた。すると、よく知っている声が聞こえてきた。


でも、昼間に聞こえたのは、初めてのことだった。

その日、世界では十七の活火山が同時に噴火して、数万もの命を奪った事を、ぼくは後から知った。


これはずっとずっと後に、ダニエル先生の生態実験室にある歴史資料を見て知ったんだ。

時には、自分の運命と自然の運命を結びつけてこそ、世界の脈動とは何かを知ることができる。


だけど、これはずっと後になってからわかることだ。その時には、ぼくはもうこれらを理解できる大人になっていた。姿かたちとかじゃなくて、心がね。


あののどかな午後を過ごしていたぼくには、世界で何が起こったのか知らないし、興味もなかった。ぼくは心の中でぼくの神に従っているだけなのに、ぼくの神は幼いぼくに大きなショックを与えた。


瞑想していると、体が少しずつ軽くなっていくのを感じた、そして気付いたらよく知らない世界に辿り着いていた。


ぼくは初めて神の声をはっきりと聞いた。


「貴方たちは私に追放の地へと追放された。貴方たちは自らの手で自分たちの世界を滅ぼすだろう。私の恩恵から遠ざかったことで、私からの罰が届くこととなるだろう。貴方たちは全てを滅ぼす前に、更なる苦難に見舞われるだろう」


瞑想の中から目覚めた時、ぼくの小さなノートの上には、歪んでいるけど確かにぼくの筆跡で文字が刻まれていた。ぼくはその文字を信じられなかった。

そのページを素早く破って、教会の裏にある花園に埋めた。そして、再びノートにこう書いた。

「神は明日家に帰りたいって言っていた」


その翌日、ぼくはふらふらになりながら家に帰った。


お父さんとお母さんは相変わらずぼくをあたたかく歓迎してくれた。ぼくの髪と頬にキスをして、ぼくを天国から顔ってきた天使だと言った。でも、ぼくは彼らに応える力はなかったから、彼らの呼びかけに応えず、すぐに自分の部屋に閉じこもった。

ぼくは一ヶ月もの時間を使って、神の声の真相を自分の中で消化しようとした。この一ヶ月、お父さんとお母さんはベッドの上で喧嘩することはなかった。彼らはまるでぽっちゃりとした大天使のように、ぼくの両側を守ってくれた。


ぼくがいつか変わっちゃっても、今みたいに可愛い子どもの姿じゃなくなっても、更に彼らに不幸をもたらすことになっても、ぼくを追い出したりしないか、聞いてみた。


ぼくの言葉を聞いた二人は顔を見合わせて、大笑いした。


「私たちの可愛いカプチーノ。貴方は食霊だ。人間よりも遥かに寿命が長いし、人間は食霊よりも遥かに脆い。お父さんとお母さんがいつか老いて、醜くなって、更に貧乏になって、落ちぶれたとしても、私たちを嫌いになったりしないのなら、それは余計な心配だよ」

「貴方を召喚した時から可愛い姿を持つこと、性格が良いこと、そして私たちに幸運をもたらすことを望んだりしなかったわ」

「じゃあ、どうしてぼくを召喚したの?」

「私たちはただ、守らせてくれる、愛を注がせてくれる子を願っただけだ。ほら、こんな願いを聞き届けて、神様はこんなにも素敵な貴方を私たちに与えてくださった」


ぼくは人間の両親を愛している。

彼らはぼくに愛情とは何なのかについて、教えてくれなかった。人間は感情を誰かに教わったりしないらしい。昔は全然わからなかったけど、今ならわかる。愛情は見返りを求めない。与えることで何かが生まれることを望む。


人間の両親のために、一ヶ月後、ぼくは家を出ることを決心して、学校に戻った。


神はぼくを愛してはくれないけど、ぼくは愛し続けることにした。見返りを求めない愛で、何が生まれるか知りたかったんだ。


結果的に、ぼくは正しかった。だって、ぼくは先生に、ダニエル先生に出会えたから。


Ⅳ.ダニエル先生

小聖堂の横にある花園で、ぼくは初めてダニエル先生に会った。


彼がどうやって東に向かう道から、学校の西端にまで迷ったのか、今になってもよくわからない。


あの時、花園で寝ていたぼくは、ぼんやりと彼の声が聞こえた。


「どうやって行けば良いのでしょう?ここに天使が現れない限り、遅刻してしまいますね」


あれ?今日の神の声は、なんだかいつもと違うみたい。とても聞き心地が良い声だ……しかも……天使って言うのは、もしかしてぼくのことかな?


目を開けると、ぼんやりと遠くに白い髪をなびかせている人影が見えた。


ーーダニエル先生は本当に綺麗だな。彼こそ天使だよ、しかも大天使だ。


彼への第一印象は、こんな風に浅く強いものだった。

そう思った後、天使は大天使に向かって突進した。


それから、ダニエル先生はよくこの時の話をしてくれた。だけとぼくはなんだか腑に落ちない。彼の話によると、その時頭がボサボサになっているぼくが、スータンちゃんに隠れて彼に向って突進していく様子は、まるで死者の日の幽霊のみたいだったらしい。


ぼくは彼の言い分を断じて認めたくなかった。その時のぼくは、確かにまだ完全に神の声のショックから立ち上がってらいなかった。

受け止めると決めたけど、ぼくにできるのは、毎日神の声と世界に対する最悪の予言を聞いて、それをメモした紙をちぎって、土に埋めることだった。


最悪の予言だとしても、土に埋めてしまえば肥料になる。


出会った後、目の前にいた大天使は学校に講演しに来た植物学の教授だと知る。

ぼくはダニエル先生を東にある正しい講堂に案内することを買って出た。

途中、彼にどんな花を紹介してくれるか聞いた。

でも彼は首を振って種について話しに来たと教えてくれた。


ダニエル先生は世界中の学校を訪れて、学生たちに種について教えてきたそうだ。


神学院の講堂で初めて彼の講演を聞いた時、大天使と言ってもバカなんだなと思った。その後、彼について違う学校にも行って、彼の話を何回も聞いた。気付いたら、彼みたいな大バカには、ぼくという小バカが傍にいてやらなければって思った。


でも、流石にこんな事を彼には言えなかった。だけど、先生はわかってくれていると思う。


弟子入りする前、つまり初めて神学院の小講堂で彼の種子論を聞いた後、彼に聞いたんだ。


この世界にある全ての植物の種を集め、それらを一つの箱舟に貯蔵して、世界が滅亡する日がやってきた時に、世界に新たな生命を与えようとしているけど。この世界が滅ぶ事は必然だって考えたことはないの?


これを聞いたダニエル先生は笑って、恥ずかしそうに鼻を触った。


彼は考えた事があると答えてくれた。例え世界が滅んでも、集めた種なんかでそれを食い止められるはずがないと。


「でも、そうだとしても努力をしない理由にはならない。そうあってはいけないんです」


「今日のように、僕は迷子になったけれど、あなたに知り合うことが出来た。正しい道だから歩くのではない、ひたすら歩いて、歩くことで、やっとそれは正しい道になるのです」


その時ぼくは初めて、本当の意味で神の声を聞いた気がした。


Ⅴ.カプチーノ

カプチーノはミドガルの裕福な家庭に生まれた。

彼の御侍は平民出身の女商人、その夫は開明派の貴族公爵だ。

女商人は子どもを産むことが出来ない体だったが、公爵は家の反対を押し切って彼女と結婚した。


結婚後、二人は仲睦まじく過ごしていたが、周りからは心のない言葉を掛けられた。彼らの家庭は不完全だと、家業と爵位を継ぐ者がいないと。


夫妻はこのような声を気にすることはなかった。彼らにとって、子どもがいたとしても、決して跡を継がせるための道具として育てるつもりはなかったから。子どもとは、生涯を掛けて愛情を注ぐべき対象だったのだ。


そのため、彼らはある食霊を召喚した。それがカプチーノだった。


彼らは跡を継がせるために彼を召喚した訳ではなかったが、彼を見た瞬間から、世界中の全ての親のように、自分が持てる最高のものを彼に与えたくなった。


カプチーノは彼が望む全てを手に入れた。神学院に入ることもその一つだった、そして突然学院を辞めたのも。


夫妻は彼が学校を辞めると聞いて、大喜びした。二人揃って、彼らの宝物はこれから貴族学校それとも商学院、どちらに入るのか聞いた。


「違うよ!ぼくは植物園で実習して、植樹を学ぶんだ!」

「「えっ!?」」


夫妻は揃って倒れ込んでしまった。

彼らの天使に悩まされる日々はこれからも続く。



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