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男のロマン・ストーリー

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目次 (男のロマン・ストーリー)

男のロマン

プロローグ

ある朝

レストラン厨房


御侍:……ここのところ、朝がやけに静かだなぁ。

御侍:おーい、味噌汁

御侍:味噌汁


味噌汁を呼ぶと、間もなくしてドタドタと足音が近づいてきた。


天ぷら:よお御侍!なんか用か?

御侍:おはよう天ぷら。ところで味噌汁見なかった?

天ぷら:おう、それなら……。

御侍:どうしたんだ?

天ぷら味噌汁なら……二日間ぐらいどっか逃げたぜ。

御侍:えっ?逃げた?どうして?

天ぷら:知らねえなあ。最近忙しかったから、俺も探しに行ってねぇんだ、だけど……。

御侍:またどこかでお昼寝してるのかなあ。

天ぷら:あ、そういえば『花柳街』に用があるとかなんとか……。そこはオトコの桃源郷だとか言ってたな。

御侍:ゲホッッ!!今なんて?!

天ぷら:御侍、それってどういうところなんだ?

御侍:それは……

御侍:つまり……一言で言うとね……

御侍:とりあえず……連れ戻そう!

天ぷら:だったら俺に任せな!ヒレイナをひっくり返してでも探し出してやるぜ!


1-2

正午

ヒレイナ城外


天ぷら:おいおい、もうヒレイナを一周しちまうぜ。

御侍:やっぱり、そう簡単には見つからないか。

御侍:だいたい、ヒレイナにそんな場所は存在しないはずなのに……

天ぷら:『そんな場所』ってどんな場所だ?

御侍:……あのスケベ坊主も君のように単純だったらなあ……

天ぷら:あ?


御侍は口をつむぎ、ヒレイナ城門の下で辺りを眺めていた。すると、見慣れた人影が歩いているのが見えた。


味噌汁:ヒック!なんだこのお酒……水でも混ぜてるのか?

御侍:えっ……味噌汁ー!

味噌汁:ぬ?おっ、おお、御侍……!(まずい、気付かれてしまった)

御侍:さっきはなんて言ってたんだ?

味噌汁:いえ、なんでも……ところで、拙僧に何か用か?

御侍:花柳街に行くと言っていただろう、どうしてここで酒を飲んでいるんだ?

御侍:私の金を使って散財して来た訳じゃないでしょうね!?

味噌汁:いえ、お金の在処、それは御侍殿のみそしる。なんつって!ナハハ…

御侍:そういうのはいいから、どういう事かちゃんと説明しろ。

天ぷら:そうだぞ。御侍はお前を探して、ヒレイナ中歩き回ったんだ。

味噌汁:や、こいつもいたのか?

天ぷら:あ?『こいつ』って俺の事か?

味噌汁:せっかくだが、拙僧はまだ帰るわけにはいかない。二人にはお引き取り願う。

御侍:……そうか、無理強いはしないが、せめて理由だけでも教えて欲しいな。

味噌汁:言う程の理由はない、一人にして頂きたい。心配無用、気が済んだら戻る。

天ぷら味噌汁お前、これ以上御侍を困らせたら許さねえぞ!

御侍:まあまあ天ぷら、落ち着いて……

天ぷら:御侍、なんなら俺が力づくで連れ戻してやってもいいんだぜ!


えっと……

・話し合おう

・もう少し考えさせて

・本気?


1-4

御侍:まあまあ落ち着いて。味噌汁も例の場所には行く気はないようだし。まだ話合いの余地は……

味噌汁:おっと、思い出した。花柳街でしたら、行くつもりだったんだ。

御侍:冗談を言うな。

天ぷら:けっ、お前の言うその場所がどんな場所かは知らんけどな。食霊として、俺たちと汗水垂らして働くことがそんなに嫌か?

味噌汁:チッ、出たよ、汗水垂らして……御侍見ました?こんな筋肉バカと汗水垂らして働くよりも、お姉ちゃん達のいる桃源郷のが良い。

御侍:……結局は仕事に文句があるって事か?

味噌汁:いやいやそんな、ただ単純にこのようなむさ苦しい男と働きたくないというだけですよ。

天ぷら:あ?男と仕事したくない?お前だって男じゃねぇか?

味噌汁:流石は筋肉バカ、男は駄目に決まっているであろう!

天ぷら:男のどこがダメなんだ!?


…………

・今は性別の話をしている場合じゃ……

・自分の考えを言わない

・自分の考えを言う


御侍:あの……

味噌汁:拙僧の言葉をまったく理解していない、これ以上の話合いは無意味だな。

天ぷら:くっそー!こいつ、まるっきり話が通じねーや。こうなったら縛ってでも連れて帰る!

味噌汁:野蛮人め、いざ尋常に勝負してくれるわ!

御侍:こ、こら!二人とも落ち着いて!


1-6

味噌汁:ぐっ……!貴公、手加減を知らぬのか……

天ぷら:男が拳で語り合おうってんだ。本気でやらなきゃ意味がねえ!

味噌汁:やれやれ……身近にこんなバカがいるなんて!?

天ぷら:なあ、尋常に勝負するって言ったろ!

御侍:この二人を同じ当番にしたのが間違いだった…。

味噌汁:これで分かっただろ。拙僧とお前はとことん気が合わないんだ。そういうわけで、じゃあな。

御侍:そんな……


天ぷらにボコボコにされていたが、味噌汁は何事もなかったように、御侍と天ぷらの前を颯爽と立ち去った。


御侍:……天ぷらを避けるために、拒絶反応まで出てるね。

天ぷら:……

御侍:大丈夫だよ天ぷら……そんなに落ち込むことないよ。

天ぷら:俺はあいつが怠け者だから逃げ出したと思ったが、俺のせいだったのか……?

御侍:ち、違うよ。気が合わないだけで、誰かの問題じゃない。でも今味噌汁を連れ戻すためには、まず天ぷらの方から解決していかないとだね。

天ぷら:解決って?

御侍:君自身の問題を解決するんだ!

天ぷら:俺の問題……男というのを理解してないって事か?

御侍:そういう事じゃないよ。ほら、人間もそうだし、みんなそれぞれの価値観があるんだよ。天ぷらは自分の持ち味を出す事を得意としているのはわかっているけど、それを味噌汁にも押し付けるのは良くないかな。

天ぷら:価値観?押し付けてる?どういうことだ?

御侍:簡単に言うと……天ぷらの気持ちをどうすれば味噌汁が受け入れてくれるか、より良い方法を考えてみようよ!

天ぷら:おお分かった!そういうことか!

天ぷら:で、何をしたらいいんだ……?

御侍:……うーん、例えば、まずちゃんと服を着るとか。

天ぷら:あ?なんで?

御侍:味噌汁の話を聞いていたでしょ?彼は君がはだけている……いや、えっと、筋肉を自慢している様子が受け入れられないのかも?

天ぷら:な、なるほど……野郎、俺の見事な筋肉に嫉妬してやがったのか!!

御侍:……ああ、そういう理解でいいよ。

天ぷら:だったら丁度おあつらえ向きなのがあるぜ!

御侍:何のこと?

天ぷら:御侍、ちょっと待っててくれよな!


数分後


天ぷら:じゃじゃーん!またせたな!

天ぷら:京の小道に舞い散る桜ァ、触れればアチチの絶世の美男子――天ぷら様なーり!

御侍:……???

天ぷら:どうだ!?イケてるだろ?

御侍:うん、黙ってればカッコいいかも。

天ぷら:この前たい焼きからもらった衣装だ。どうだ、この溢れるパワーとパッション!これなら味噌知りも帰る気になるだろ!

御侍:悪くはないけど……なんか彼に同情してきた。

天ぷら:よーし、準備も出来た事だし、あいつを追いかけようぜ、御侍!


しばらくして、二人はまた味噌汁に追いついた。


御侍:味噌汁!待って!

味噌汁:またか、しばらく放っておいてくれない?

御侍:いや、天ぷらが話したいことがあるって。

味噌汁:喧嘩なら先刻決着がついたはず。今更何を?

御侍:喧嘩に来たんじゃないよ。天ぷらはしっかり反省したんだ。えっと、彼は君のために変わったよ。

味噌汁:変わった?

天ぷら:よお味噌汁

味噌汁:プッ!!なっ、なんだその格好は?!

天ぷら:これか?お前のために着たんだ、こうすれば俺の話を聞いてくれるか?

味噌汁:冗談にも程がある!おのれ、拙僧をとことんおちょくる気だな!?

天ぷら:おい御侍、どういうことだ、全然効き目がねえぞ。


えっと……

・パッションMAXで

・どうにかなるだろう

・自分の事信じて


味噌汁√

御侍:いつも通りにやったらいいんじゃない?

天ぷら:いつも通り?

御侍:さあさあ天ぷら、さっき私に見せたみたいにパッション全開で行こう!

天ぷら:おっ!御侍がそこまで言うなら、まあ見ろよ俺のこの燃え盛るパッションを!

御侍:天ぷらの感情は可燃物なんだね……

天ぷら味噌汁

味噌汁:やかましいわ!聞こえている!

天ぷら:この花の美男子、天ぷら様を見ても何も思わないのか?!

味噌汁:こ、こら!何のつもりだ!?

天ぷら:うおおお!!おらおら味噌汁、このアツアツのパッションが見えるのか!?これが男ってもんよ!!

味噌汁:おい、やめろ!来るなー!

天ぷら:ハ――ッ!!


御侍はその目で見た。天ぷらの鍛え抜かれたボディが跳躍し、太陽を遮った。次の瞬間、猛烈な勢いで味噌汁を覆い倒した所を。


天ぷら:俺の気持ち受け取れ――!

味噌汁:どわああああああ!


ドスン


御侍:うわ、痛そう。

天ぷら:どうだ?アツくなってきたか?!

味噌汁:はっ……離れろ!

天ぷら:あ?


味噌汁はまた逃げ出した。今回は虚ろな目をしたまま、密林へと走り出した。


天ぷら:おい!そっちは堕神だらけだぞ!やべえぜ御侍、追わねえのか?

御侍:うん?いいよ、そこはわりかし安全だし。

天ぷら:安全?

御侍:うん……ここにいるより安全は……ね……

天ぷら:あ?……よく分かんねえけど、御侍がそう言うなら大丈夫そうだな!


天ぷら√

御侍:落ち着いて、自分を信じきれない人が誰かを説得できるわけないでしょう?

御侍:誠意をもって、自分の気持ちをちゃんと伝えるんだ!

天ぷら:わかった……味噌汁

味噌汁:あ?

天ぷら:お前が帰りたくないのは、俺が暴走するから、あとは……もしかしたら俺たちの交流が少ないせいじゃないか?

天ぷら:俺たち、性格は確かに真逆だが、御侍を最大限お守りするため、力を合わせていくべきだと思わないか?

味噌汁:御侍と関係は…………

天ぷら:まさか……お前、御侍への忠誠心を忘れたなんてことは……

味噌汁:な、何を言う!そんなことは、断じてない。だが……

天ぷら:それなら食霊として、御侍の側にいるべきだろ?このままダラダラしてると、お前の好きな姉ちゃんたちにも相手にされなくなるぞ!

味噌汁:ぐぬっ……!

御侍:やるじゃん、理にかなってる。

味噌汁:うぬ、わかった。長らく家を空けて、お前と御侍には面倒かけたな。

天ぷら:俺と一緒に成果を上げれば、お姉ちゃんたちにもモテモテ間違いなしだ!な、御侍!

味噌汁:そんな馬鹿なことが!いやあるかも、知れんな……ありだな!

御侍:おい、僧侶……

味噌汁:いやはや御侍殿、長らくお待たせしてすまなかった!帰ってさっそく仕事と参ろうか!ナハハ!

御侍:うん、よkぁつた!じゃあ……レストランをライスに任せってきりにしてたこの数日分は、休まずに働こうね!

味噌汁:え!?なんですと?

御侍:大したことじゃないよ。しばらく他のことは忘れて、眠らずに働くだけさ!

味噌汁:えっ!?いや、拙僧はただ……

天ぷら:よーし決まりだ!さっそく帰ってガンガン働こうぜー!なっ、味噌汁

味噌汁:……い、いやあああ!



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ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018年10月11日
    • Android
    • リリース日:2018年10月11日
カテゴリ
  • カテゴリー
  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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