遊園驚夢・ストーリー
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遊園驚夢
プロローグ
早朝
夢回谷
空は澄みきって寒々としている。粉雪が舞う中、早朝の夢回谷(むかいだに)は静けさに包まれていた。
君山銀針(くんざんきんしん)は身支度を整え、部屋から出ようとしたが、突然防ぐ事のできない強い力によって部屋に押し戻された。
「パンッ!」と扉がしっかり閉ざされ、黄色い影がさっと彼女の目に飛び込んだ。
君山銀針:エンドウ豆ようかん……?これは一体……?
エンドウ豆羊かん:君山姉さん、今日は寒い、その服だけじゃ冷えてしまう。ほら、たくさん着ると良い。
エンドウ豆ようかんは唸りながら、厚手のマントを持って君山銀針の肩に掛けていた。
君山銀針:臘八節(ろうはちせつ)が迫っており、確かに一年で一番寒い時期になろうとしています。しかし……今日はどうしてそんなに親切なんですか?
エンドウようかんがしっかりと帯を結ぶと、厚手でもこもことしたマントが君山銀針をきっちりと包んだ。彼女が動き出したと思っていたら、あっという間にマントの中に潜り込んでいった。
君山銀針:どういうつもりですか?!
エンドウ豆羊かん:わ、妾も寒いのじゃ。姉さんのマントを借りて、暖を取らせてもらう。
君山銀針:では部屋に戻って外套を取って来たら良いではないですか?先日そなたの部屋に冬服が届いたのを見たのだが……
エンドウ豆羊かん:へっ、部屋に戻るのが面倒なのじゃ。姉さん、妾のことは気にするでない。今日は大事な用があって出掛けようとしていたのじゃろう?急いで向かった方が良いと思う!
君山銀針:あっ、確かにそうでした。忘れそうになっていました、しかし、そなたは……
エンドウ豆羊かん:ほらほら、早く行くのじゃ。このままだとここから出られなくなってしまう!
君山銀針は自分の背後にピッタリとくっついているエンドウ豆ようかんを見た。彼女は困惑していたが、引き剥がす方法も浮かばなかったので、マントの中に隠れる事を容認した。
こうして二人は共に夢回谷から出た。そして滝の前に辿り着くと、遠くから微かに争っている音が聞こえてきた。
凍頂烏龍茶:どうした、朝っぱらから余と腕試しをしようとしているのか?
ロイヤルゼリー:うるせぇ、黙れ。
凍頂烏龍茶:せめてどうして殴られているのか理由だけでも教えてくれ。
馴染みのある声が聞こえてきた。空に気流が巻き起こり、二匹の小さな龍は驚いて飛び回っていた。
君山銀針:どうしてまた殴り合いをしているのでしょう、変ですね。
君山銀針:エンドウ豆ようかん、寒いのですか?震えが酷いようなので、服を取りに戻りましょう。風邪をひいてしまったらいけません。
エンドウ豆羊かん:わ、妾の体は丈夫じゃ、病気になったりしないのじゃ!姉さん、安心すると良い!早く行こう!振り返るでない!
エンドウ豆ようかんの声はマントで遮られているため、こもって聞こえた。しかし、切羽詰まっている様子は伝わって来た。君山銀針は彼女が急いで外に出て遊びに行きたいのだと思っていたため、それ以上問いただす事なく、急かされるがまま急いで夢回谷から出て行った。
ストーリー1-2
早朝
錦安城
もうすぐ臘八節がやってくる。錦安城には人が行き交っていて、とても賑やかだった。街にはたくさんの店が出ていて、至るところからお粥の良い匂いが漂ってくる。
エンドウ豆ようかんはマントから飛び出して、きょろきょろと周囲を確認してから、歩き出した。
エンドウ豆羊かん:ふーっ!やっと着いた!息が詰まってどうにかなりそうだったのじゃ!
君山銀針:えっ?エンドウ豆ようかんはもう寒くないんですか?
エンドウ豆羊かん:ハハッ、妾に怖いものはないのじゃ、この程度の寒さに震える訳がなかろう!
君山銀針:では、一体どうして……
エンドウ豆羊かん:まあ、どうせあの二人はおらぬ、教えてやろう。実は妾は逃げているのじゃ。昨晩、ロイヤルゼリーの玉佩を壊してしまってのう。まさか其奴はこんな小さな物であんなに怒るとは思わなかった、恐ろしかった……
今朝の争いを思い出して、君山銀針は心のなかで驚いた。
君山銀針:では、まさか彼はそなたを殴ったのですか?!例えそなたが間違っていたとしても、彼は男性だ、そなたに手を上げてはいけない!
エンドウ豆羊かん:其奴にそんな度胸がある訳がなかろう?!妾に非がなければ、ロイヤルゼリーなど妾の敵ではないのじゃ!
君山銀針:ではどうして……
エンドウ豆羊かん:ゴッホン……ぜっ、全部凍頂烏龍其奴のせいじゃ!其奴が突然妾の背後に現れたから、驚いて玉佩を落としてしまったのじゃ!半分は其奴が悪い!だから、だから……
君山銀針:だから、凍頂烏龍殿を身代わりにしたのですか?
エンドウ豆羊かん:ち、違う!其奴らの事を知っているだろう?会うなり殴り合いを始めてしまって、妾が話す隙もなかったのじゃ……
―――
そなたは……
・……関係のない凍頂烏龍殿に濡れ衣を着せたのですか。
・はぁ……
・某と帰りましょう、そなたと共に謝りますから。
―――
エンドウ豆羊かん:姉さん、妾を助けてくれぬか?其方にこの事を話したのは決して連れ戻させるためではないのじゃ!
君山銀針:エンドウ豆羊かん……悪い事をしたのならきちんと責任を負わなければなりません。このように逃げていては事態はもっと深刻な事になるかもしれません……
エンドウ豆羊かん:わかっておる!自分でしてがした事は自分で後始末する!逃げたりはせん!ただ、ただ……ほとぼりが冷めるまで、少し距離を取ろうとしただけじゃ……ロイヤルゼリーは怒ったら話なんて聞いてくれない、本当に殴られたら妾はどうしたら良いのじゃ?
君山銀針:しかし……
エンドウ豆羊かん:君山姉さん――優しい姉さん!妾はもう反省しておる、帰ったらきちんと謝るから!絶対じゃ!もう少しだけ其奴らが冷静になってからじゃ、ダメか?
エンドウ豆羊かん:安心するのじゃ、凍頂烏龍の奴は打たれ強い!それに、其奴らは毎日喧嘩しておろう、心配する必要はない。姉さんにも用事があるじゃろう?姉さんの邪魔はしたくないのじゃ。先に姉さんの用事を済ませてから、新しい玉佩を買って其奴に弁償しよう!この方が誠意があるじゃろう!
エンドウ豆ようかんは君山銀針の腕を掴んで揺らしていた。彼女の涙ぐんだ表情、甘えた声を聞いて、君山銀針は頭が痛くなった、そして頼まれた用事も遅らせてはいけない……
君山銀針:はぁ……きちんと彼らに謝罪してくださいね。
エンドウ豆羊かん:もちろんじゃ!きっと!絶対!
ストーリー1-4
エンドウ豆羊かん:そうじゃ、君山姉さんが今日谷から出たのは、何のためなんじゃ?
君山銀針:話せば長くなります……
近頃、錦安城では青龍神君が食人する噂が出回っていた。神君が城の戯楼(ぎろう)に住みつき、戯楼全体が暗く淀んでいるそう。そのため、この時期は賑やかであるはずの戯楼は、閑散としていた。
君山銀針:人々はよくもこのような噂をでっち上げたものです。師……青龍神君は、普段はだらしないが、決してこのような事はしません!必ずや真相を突き止めます!
エンドウ豆羊かん:(おや、君山姉さんがこんなにも怒っているのは初めて見たのじゃ……大事のようじゃのう……へへっ、ちょうど良い。用事が終われば、ロイヤルゼリーも冷静になっているじゃろう。それに、宮中はいつでも芝居を見れたが、まだ戯楼に行った事はなかったのう、きっと面白いんじゃろうな!)
エンドウ豆羊かん:ゴホンッ、時間を無駄にしてはならない!早速調べに行くとしよう!
君山銀針:ああ、今すぐ出発しましょう!
錦安城
戯楼入り口
二人が戯楼に辿り着くと、人々が入り口に様々な供え物を大量に置いている姿が見えた。置き終わると、人々は跪き、何かを拝んでいるようだった。
君山銀針:もし、皆さんは何をしているのでしょうか?
念仏を唱える人々がしきりに跪いて頭を地面に叩きつけている様子を見て、君山銀針は思わず眉をひそめ、声を低くして隣にいた男性に話しかけた。
遊園のオーナー:青龍神君よ……我ら一族をお守りください……あら、お嬢さん、知らないのか?皆は青龍神君様を拝んでいるのさ。
遊園のオーナー:先日うちの戯楼で店員と客の何人かが、神君様を怒らせて怪我をしたんだ!私たちがこんなにたくさん供え物を並べているのは、神君様が再び怒らないように、もう二度と人を傷つけないようにするためだ!
遊園のオーナー:青龍神君様の法力は尽きない……怒らないでください……お願いします……
君山銀針:なんですって?いや、青龍神君がそんな事をするはずがありません、何かがおかしい……そなた!神君に一度お会いできないでしょうか?
遊園のオーナー:神君は青龍神像の中から現れたんだ、本物に間違いない、お嬢さん出鱈目を言わないでくれ。そんな事を言って神君様を怒らせてしまったら……どうすれば良いんだ!
君山銀針:それは……しかし某は知っています!青龍神君はそのような事をしたりはしないと!
君山銀針の言葉には苛立ちが混ざっており、気持ちを抑えきれず戯楼に入ろうとした所、人々によって止められた。
遊園のオーナー:お嬢さん……なあお嬢さん、お嬢様と呼べば良いのか!お願いだから、これ以上バカな事を言うな!もしまた神君様を怒らせたら、私の戯楼はどうなってしまうんだ!
君山銀針:実はと言うと……某たちはこの事で来ました。某たちも神君が人を傷つける所を見たくないのです。どうか便宜を図ってくださらないか?きっと戯楼を巻き込まない事を保証します。
遊園のオーナー:多くの道士がやって来たが、何も出来なかった。お嬢さん二人だけで何が出来る?龍の逆鱗に触れてはいけない。頼むから、お嬢さん方は帰ってくれ!
エンドウ豆羊かん:君山姉さん……其奴らは皆邪気に掛かってしまっているやもしれぬ。見るのじゃ、あの門には大きな錠が何個も掛けておる。こんなに止めているのじゃ、きっと何かある筈じゃ……
エンドウ豆ようかんは外の人間を入れる気のない戯楼を見てから、呟いた。
エンドウ豆羊かん:青龍神君はお腹を満たしたいだけなら、飯屋にでも行けば良かろう、どうして戯楼に行ったのじゃ?神君が怒って人を傷つけたのは、其方たちの芝居があまりにも酷いからじゃないのか?
遊園の従業員:あんたは……!何を言ってるんだ!
エンドウ豆羊かん:妾は何か間違った事を言っているのか?神君は何故他の所に行かず、ここに留まっておるのじゃ?
遊園の従業員:私たちは心から神君様を祀っているのに、あんたは人を貶すのか?もしかして神君様があんたや他の人に怪我を負わせて欲しいのか?
憤慨して立ち上がった人が出た事で、その場の雰囲気は変わった。
君山銀針:申し訳ない!彼女は、わざとではないんです!そんな事は思ってません!
君山銀針は火に油を注ぐエンドウ豆ようかんの前に出て弁明した。しかし、エンドウ豆ようかんが悪巧みをしている事に気付く事はなかった。
エンドウ豆羊かん:ハッ、妾に痛い所を突かれたのであろうな!其方らの芸が及ばなかったのじゃ!
遊園の従業員:あんた!素人に芝居の何がわかる!
エンドウ豆羊かん:誰が素人だって?フンッ、実は言うと、妾たちは小さい頃から戯楼で育ったのじゃ。この方は我が戯楼の大黒柱じゃぞ!
君山銀針:……えっ?そ、某?!
遊園の従業員:デタラメ言うな!私はこの世界に何十年も見を置いている、光耀大陸で知らない事は無い、だが二人の名を聞いた事もない。
エンドウ豆羊かん:其方の見聞が狭いとしか言えないじゃろうな!信じないなら、試したらどうじゃ?青龍神君が妾たちの芝居を見て喜ぶか?それとも怒るのか?
周り位は急に静かになった。エンドウ豆ようかんは言い終えると、驚いた顔をしている君山銀針に向かって一つウィンクを飛ばした。君山銀針は呆気にとられていたが、慌てて彼女の意のままに反応をした。
これは戯楼に紛れ込む良い機会だった。
―――
えっと……はい、そうです……彼女の言った通りです……某は、芝居がとても上手です……
・舞台に上がらせては貰えませんか?
・一体どこの誰の仕業か見極めさせてください。
・青龍神君に会いに行かせてはくれませんか?
―――
エンドウ豆羊かん:衣装を二着貸してくれるだけで良い。妾たちが扮装して戯楼に入って芝居をすれば、きっと神君を喜ばせられるであろう!成功したら、戯楼は通常通り開店すれば良い。もし失敗したら、見知らぬ人が二人酷い目に遭うだけじゃ、其方らは損しないであろう!
君山銀針も下手なりにエンドウ豆ようかんの話に合わせて話を続けた。しかし彼女たちの話はあまりにも大胆で突飛で、人々の表情から驚き、疑い、動揺が隠せなかった。
この時、野次馬の中から声が聞こえて来たーー
村人:なあ!聞き間違えじゃなかったら、道場破りならぬ戯楼破りをしに来てる奴がいるのか?新しい芝居が見れるのか!
町人A:なんだ?やっと開店するのか?女形はまだお披露目してない新人の嬢ちゃん?見所ありそうだな!
凍頂烏龍茶:同じ芝居をして競うらしい。こんなに面白い芝居を、絶対に見逃してはならんなーー
数人の野次馬が騒ぎ立てた事で、人々は意外にも熱烈に討論し始めた。更に多くの人を引きつけ、この話はもっと広く伝わった。
「大見得を切った」君山銀針とエンドウ豆ようかんは事がこのように発展するとは予想していなかった。二人は思わず顔を見合わせ、冷や汗が止まらなくなった。
君山銀針:騒ぎが大きくなったようですが……これはどうすれば……
エンドウ豆羊かん:人前では慌てるでない!ところで、さっき聞き覚えのある声が聴こえたようじゃが……
ストーリー1-6
錦安城
戯楼内
無人の楽屋で、衣装に着替えた君山銀針は対策を練っていた。
エンドウ豆羊かん:凍頂烏龍が言っていた焚きつける方法は、肝心な時にはちょっと役に立ったのう。君山姉さん、これ以上ぐるぐる回らないでくれ、くらくらしてきたのじゃ。入れたのに、どうしてまだそんな苦い顔しているのじゃ?
君山銀針:それはそうだが……芝居なぞ……師匠から教わっていません……
エンドウ豆羊かん:本当にやるつもりなのか!戯楼に入るためのふりに過ぎんじゃろ!
君山銀針:戯楼の支配人と約束した以上、最後まで責任を持たなければ、嘘は良くないです。
エンドウ豆羊かん:君山姉さん、これは善意の嘘じゃ。この珍事を解決すれば、其奴らは妾たちに感謝してもしきれんじゃろう。そんな事気にする訳がなかろう。今はまずあの神君とやらを探すのが先決じゃろう?
君山銀針:ああ……そなたの話も一理ある。では事が終わってからきちんと説明しよう。はぁ、早く解決出来れば良いが。
―――
君山銀針を言い終わると、真剣に戯楼で探し始めた。
・楽屋を探しに行きましょう。
・客席の方を探してみましょう。
・舞台の上を探してみましょう。
―――
しかし、戯楼の中には壊された机や椅子、雑貨以外には何の異常もなかった。大広間にある青龍神像とやらにも何の気配もない。
エンドウ豆羊かん:もしかしたら、脅かしていた奴はとっくに出て行っているかもしれんのう。入口にいる奴らは自分たちで自分たちを驚かせているだけじゃ。
君山銀針:必ずしもそうではないです。某たちはまだ誰の仕業かわかっていない、暗い所に隠れていたとしたら……
エンドウ豆羊かん:フンッ、隠れているなら、大した奴ではないだろうな。
君山銀針:油断はしない方が良いです。そうだ、ハリネズミは何か見つけただろうか。
君山銀針は霊力を使い、派遣したハリネズミを呼び戻そうとしたが、返事がなかなか来ない。
君山銀針:あれ?変です、なぜ反応がないのか?
この時、ある隅から微かな鳴き声が聞こえてきた。
二人は音に沿って散らばった雑貨をどかしながら、机の下を覗き込んだ。そこには小さな影が横たわっており、意識を失っているようだった。
エンドウ豆羊かん:こここれは……死んだのか?
君山銀針:いいえ、まだ気配を感じられます……殴られただけでしょう。やはり何かが悪さをしてるようです。
君山銀針は神経をとがらせ、いつ現れるかわからない敵を待ちわびていました。緊張した雰囲気はエンドウ豆ようかんにも伝染し、彼女は唾を飲み込み、恐る恐る君山銀針の袖を掴んだ。
君山銀針はエンドウ豆ようかんが怯えている事に気付き、手を伸ばしてそっと彼女を自分の背後に回した。もう一方の手は自分の霊獣の方に伸ばし、怪我の様子を調べようとしたが、その子は自分で寝返りを打って、直接に彼女の手の中に転がり込んだ。
小さな頬はほんのりと赤みがさしていて、怪我して弱っている様子には見えず、単純に眠っているようだった。
エンドウ豆羊かん:凄く酒臭い……この神君はまだ酷い酒飲みじゃなかろうか?
君山銀針:……
君山銀針は自分の伴生獣(はんせいじゅう)を回収し、仕方なさそうに首を横に振った。
君山銀針:(本物の青龍神君はもっと酷いかもしれない……)
二人は戯楼を何周も捜したが、見つける事は出来なかった。エンドウ豆ようかんはしびれを切らしたのか、我慢できずに足下にあるどらや太鼓を蹴って大きな音を立てた。そして、いっそのこと大声を出して叫び始めた。
エンドウ豆羊かん:誰もいないではないか!どこの誰が神君を装って悪戯をしているのじゃ!四の五の言わず、さっさと妾の前に姿を現さんかーー!
バーン!
彼女に応えるかのように、遠くない暗い隅で大きな音がした。
ストーリー2-2
錦安城
戯楼内
酒呑童子:はぁ――うるっさい――
長いあくびをしながら、だらしない姿が足を引きずりながら近づいて来た。それと同時に、周囲は堕神の気配で満ち始め、君山銀針とエンドウ豆ようかんはすぐに警戒態勢に入った。
酒呑童子はぼんやりした目をこすりながら、まるで寝起きのようだった。
君山銀針:酒呑童子?
エンドウ豆羊かん:子供か?其方が後ろで悪戯をしておったのか?フンッ、妾と出会ったのが運の尽きじゃな!
幼子のような外見をした堕神は、エンドウ豆ようかんに少しだけ自信を与えた。しかし相手は全く気にしない様子で、物憂げに応対し始めた。
酒呑童子:えっとーーどっから来た酒泥棒だ?
エンドウ豆ようかん:何を言っておるのじゃ?!妾が……わっ!
ドンッ!
エンドウ豆ようかんが跳ぼうとした瞬間、どうやら重厚で煩雑な衣装のせいで、彼女は長い裾を踏んでしまい、転んでしまった。
酒呑童子:ぷっははははーー!!バカな酒泥棒だ!
エンドウ豆ようかん:妾を嘲笑うなど!!!!
エンドウ豆ようかんは起き上がろうともがいていたが、衣装が絡まり動けずにいた。向こうの酒呑童子はそれを見て、攻撃を仕掛けてきた。
酒呑童子:バカな酒泥棒!
酒壺がゆらゆらと揺れながら飛んで来た。その刹那、反対側にいた君山銀針は急いでエンドウ豆ようかんは抱え上げて攻撃を避けた。
君山銀針:気をつけてください!
双方の殴り合いによって、落ちている物は飛び交い、地面が震えた。小さな堕神の攻撃がいくら凄かろうが、君山銀針には敵わなかった。堕神が負けそうになった瞬間、どこからともなく一匹の狸が現れ双方の間に割り込み、殴り合いを静止させた。
エンドウ豆ようかん:もう一匹おったのか?
化け狸が酒呑童子に耳打ちをした後、その酒呑童子は頷いて身を翻して逃げて行った。君山銀針は後を追おうとした時、化け狸は口を開いた。
化け狸:お二人、話し合おう!俺は少しも戦いたくない、投降する!
君山銀針:……
エンドウ豆ようかん:君山姉さん!この化け狸の話を聞くでない!この堕神はとても狡猾だそうだ、騙されるでないぞ!
エンドウ豆ようかんは君山銀針の背後に立って、目を細めながら化け狸を見つめていた。
化け狸:テキトーな事を言うな!人を見る目がねぇな!
エンドウ豆ようかん:其方は人ではないじゃろう!
化け狸:あっ、あんたも人じゃないだろう!
―――
……
・ここで青龍神君になりすまして、民の生活を乱しているのですか?
・これは一体どういう事ですか?
・ここに青龍神君がいると知っていますか?
―――
エンドウ豆ようかん:此奴らこそこそと、絶対におかしい!此奴ら二人の仕業かもしれん!
エンドウ豆ようかん:君山姉さん、其奴と無駄話する必要はないのじゃ、お灸を据えれば良いーー
化け狸:やめろ!話を聞いてくれ……
ストーリー2-4
化け狸は少し俯きながら、事の真相を語った。
化け狸:なんちゃら神君のフリをするつもりはなかった、俺がここにいるのは腹を満たそうとしただけ!酒呑童子の奴は、あいつは、ある娘を待つためだ。
君山銀針:お嬢さん?
エンドウ豆羊かん:本に描かれたような感動的な恋物語か何かか、笑えるのう。
化け狸:……違う!
化け狸:酒呑童子はこの間たまたま戯楼を通りかかって、その時の芝居を見て、ある娘の芝居に見惚れたんだ。だからここに留まる事になった。
化け狸:ある日、あいつはその娘が客の贈り物を受け取らなかったから、戯楼の店員に怒られていた所を見て、彼女のために店員を懲らしめた。ただ、戯楼で喧嘩をしている時、何人かの客を間違えて傷つけてしまって、物も壊してしまった。ただそれだけだ。
化け狸:あいつには角が生えていて、たまたま青龍の像の後ろから飛び出してきたから、気づけば青龍神君が人を食べる噂が広がった。だけどこの噂があるおかげで、人間はここに近寄って来ないし、毎日大量の食べ物を届けてくれるから、俺は毎日いっぱい食べれて助かってるけどな!
エンドウ豆羊かん:……噂って凄いのじゃ。
化け狸:待て、なんで俺のひまわりの種を食べてんだ!
エンドウ豆羊かん:香りがいまいちじゃ、宮中のには敵わん。
―――
……
・しかし、一生戯楼にいる訳にはいかないでしょう。
・青龍神君の名を汚す事になります。
・このままですと、人々の生活を脅かしてしまいます。
―――
化け狸:酒呑童子に言えよ、あいつは頭が凝り固まっているのか、ここから離れようとしない。あいつがここにいる限り、戯楼は開店しないし、あいつもあの娘の芝居を見る事は出来ない。それをあいつは理解出来てないんだ。
エンドウ豆羊かん:其奴は其方の話をよく聞いているようじゃが、友達じゃろう?どうしてさっきの話を説明しないんじゃ?
化け狸:バカか、あいつが離れたら、俺はタダ飯食えなくなるだろう!あいつが苦しそうに待っているのを見て可哀想だとは思うけど、でもあいつを助けるために自分を犠牲に出来ねぇ!
エンドウ豆羊かん:其方は、良い性格をしているようじゃな……
君山銀針:お二人の事情はよくわかりました。しかしこのままでは何も解決出来ない、かえって大きな混乱を招いてしまうかもしれません……戯楼の支配人に全て話して……万全の策を練りましょう。
君山銀針が悩んでいる横で、エンドウ豆ようかんは新しい解決法が浮かんでいた。
エンドウ豆羊かん:簡単ではないか?妾の言う事を聞いてくれれば、無事事件を解決し、其方にお腹いっぱい食わせ、酒呑童子のやつの願いも叶えられるぞ。ひまわりの種を食べたお礼って事でどうじゃ?
エンドウ豆羊かん:(へへっ、お腹いっぱい食べられれば良いのじゃろう?何が食べたいとは言っていない、食べれば良いじゃろう?)
化け狸:どんな方法だ?!ひまわりの種はまだたくさんあるぞ、全部やるよ!
化け狸は目を大きく開いて、エンドウ豆ようかんを見た。君山銀針も好奇な目を彼女に向けていた。エンドウ豆ようかんは笑顔だけを見せて、ゆっくりと口を開いた。
エンドウ豆羊かん:茶はないのか?この種はしょっぱすぎるのじゃ!
君山銀針:……
化け狸:ちょ、調子に乗るなよ!
ストーリー2-6
錦安城
戯楼内
夜の帳が下りた。戯楼に再び灯がともり、真っ赤な幕が掛かった。気付けば人で満杯になっていた。
戯楼は久しぶりに開いた。人食いの怪物が追い払われたという情報は昼の内に錦安城に広がった。人々は押し寄せ、今晩の芝居を見ようとしていた。すぐに、飲み物や軽食が飛ぶように売れ始めた。
この時、楽屋ではーー
エンドウ豆羊かん:覚えたか?化け狸が酒呑童子を襲った後、妾が舞台に上がって、其方がボコボコにやっつける。その後跪いて、もう二度と錦安城を荒らさないと誓うのじゃ!
エンドウ豆ようかんは自分で作った芝居に夢中になり、手振り身振り何度も説明をしていた。
化け狸:待て、やっつけるフリだろうな!
エンドウ豆羊かん:もちろんじゃ!妾が自ら書いた大作じゃ!忘れる訳がなかろう!よし、準備は良いか、始めよう!
酒呑童子:……どうしてこのバカ酒泥棒の策に乗ったんだ?
化け狸:……仕方なく、仕方なくだ。
しばらくすると、舞台でドラや太鼓の音徐々に鳴り響き、幕がゆっくりと上った。拍手の中、いよいよ芝居が始まる。
とある良席には、背の高い人物が腕を組んだまま、優雅な笑みを浮かべながら芝居を見ていた。
エンドウ豆羊かん:この悪党め、青龍神君の名を騙るなど、身の程知らずが!民衆の生活をかき乱すでない!
ドンチャッーージャーン!
エンドウ豆羊かん:錦安城の百姓の名のもとに、妖怪めを成敗する!二度と戯楼を錦安城を乱せないように!それっーー!
エンドウ豆ようかんが槍を高く掲げると、客席から歓声が轟いた。徐々に大きくなっていく太鼓の音に合わせ、彼女は跳び上がって化け狸に向かって力強く槍を刺した!
化け狸:あーれー!女傑よ、お許しをーー!
村人:良いぞーー!!!良いぞーー!!!
人々の歓声によってエンドウ豆ようかんは興奮が止まらなくなった。まるで自分は本当に女傑になったかのような錯覚に陥った。そのせいで、一瞬舞台にいる事を忘れ、思わず手に力が入ってしまった。
彼女が正気になった時には、既に化け狸は倒れ込んでいた。
痛みによって化け狸は理性を失い、エンドウ豆ようかんを敵視し始め、目付きが鋭くなった。
エンドウ豆羊かん:……しまったのじゃ、力を入れすぎた。
化け狸は迷わず自分の爪を見せびらかし、今にもエンドウ豆ようかんに飛び掛かろうとしていた。舞台の下にいる観客らは、舞台上で起きた異変に気付く事はなく、ただ迫真さを褒め称えるように歓声を上げていた。
エンドウ豆羊かん:こ、この悪党め、まだ抵抗するつもりか!このっ……まず槍を持ち直させてくれ……
君山銀針:(まずい、化け狸は……エンドウ豆ようかんが危険です!)
幕の後ろにいた君山銀針も化け狸の動きを察知し、舞台に上がりエンドウ豆ようかんを庇った。
君山銀針:やめなさい!
それと同時に、人々の群れに隠れている凍頂烏龍茶は静かに宝珠を投げた。水墨のような二匹の小さな龍が現れ、舞台の上でぐるぐると回り始めたーー
化け狸は龍の力に抑えられた事で倒れ、起き上がれなくなっていた。
場の雰囲気は一瞬にして最高潮に達した。ドラや太鼓、あらゆる楽器の音が鳴り響き、拍手と喝采の音が相次いで爆発した。雷鳴が轟き渡るように、戯楼全体を突き破る勢いだ。
遊園の従業員:龍?あれは龍か?
遊園のオーナー:龍だ!青龍神君だ!青龍神君様が降臨なさった!青龍神君様が降臨なさった!
遊園の従業員:青龍神君様が悪人を懲らしめた!
凍頂烏龍茶の眉は少しひきつった。
舞台上の君山銀針は人々の様子を見て呆気に取られた。天雷と地火は大人しく彼女の周りを飛んでいた。
―――
熱烈な歓声を浴びて、彼女は自分の衣装を見て、どう答えたら良いかわからなくなっていた……
・冷静を装いその場に立ち尽くしていた。
・情熱的に人々に挨拶をした。
・真面目に芝居を続けた。
―――
君山銀針:(師匠、わざと名を騙ろうとした訳ではありません……どうか怒らないでください……)
対象的に比較的静かな逆側の舞台裏では、優しい表情の娘が身だしなみを整え、舞台に上がる準備をしていた。突然彼女は自分の肩が叩かれたと感じた。その人を見ると、娘は嬉しそうに頷き、穏やかな笑顔を見せた。
拍手が鳴りやまない中、君山銀針とエンドウ豆ようかんはその光景を見ていた。
君山銀針は酒呑童子のスッキリとした笑顔を見て、君山の道観にいた頃の事を思い出していた。線香を上げ、おみくじを引き、良縁を求めに来た百姓らの幸せそうな姿を。
君山銀針:(師匠は……某は、間違っていない)
君山銀針:(平凡な沙を掃く人になって、良かったです)
ただ、そんな彼女ですら気付く事は無かった。舞台の隅に倒れている化け狸が、彼女が掃いた沙によって埋もれている事に。
化け狸:言っていた事と……ちげぇじゃねぇか……ガチで……殺そうと……すんなよ……
その声はすぐに歓声にかき消されてしまった。
君山銀針√宝箱
錦安城
戯楼内
芝居が終わっても、熱狂的な歓声は依然として波のように押し寄せてきて、君山銀針は不安になった。
町人A:まさか神君様が女性だったとは!その御姿はなんと美しい!
村人:二匹の小さな龍も立派だなあ!
しばらく考えてから、君山銀針は深く息を吸い込み、人々の誤解を解く事にした。
躊躇しながら口を開こうとした瞬間、いつの間にかやってきた凍頂烏龍茶に呼び止められた。
凍頂烏龍茶:説明しなくて良い、人々にはこのような誤解が必要な時もあろう。
凍頂烏龍茶の話を聞いて君山銀針は固まった。振り返って、人々の顔に溢れる喜びと進行の気持ちを見ると、彼女は心の中で思わず感動した。
君山銀針:凍頂烏龍殿の言う通りです。
君山銀針は師匠の面影を思い出しながら、ややぎこちなく口を開いた。
君山銀針:ゴホンッ。ぎ、戯楼の怪物は成敗された、もう二度と悪事を働き、錦安城を害したりしないだろう。戯楼は再び活気を取り戻した、そっ、そなたらはこれ以上心配する必要はない。
話終えると、君山銀針は師匠の真似をするように髭を撫でようとしたが、自分のあごにはない事に気付き、行き場のない手を下ろした。
凍頂烏龍茶:……
職人:青龍神君様なんかどもってないか?
村人:罰が当たるぞ、神君様の言葉を我々が推し量れる訳がなかろう?神君様は降臨なさったばかりだから、また人間界に慣れていないだけかもしれない!
職人:だけど青龍と名がついているのに、どうして携えている龍は黒と白なんだ?
少年:そうだ!どっかの小さな仙が出てきて青龍神君様の名を騙ってるんじゃないか?
君山銀針:……凍頂烏龍殿、何か反応がおかしくないだろうか?
凍頂烏龍茶:口を閉じて、微笑むだけで十分だ。
君山銀針:――なるほど、ご指摘感謝致します!
凍頂烏龍茶は困ったように額に手をあてた。君山銀針は言われた通り口を閉じ、柔らかな笑みを浮かべた。効果は抜群のようで、人々は彼女を拝み始めた。
人々がやっと散ったと思ったら、目の前にある数え切れない供え物の新鮮な食材たちを見て、君山銀針はまた悩み始めた。
君山銀針:こんなにたくさん……!師匠は勝手に百姓から食料を貰ってはいけないと言っていました……やはり機会をうかがって返さなければ。
凍頂烏龍茶:貴公が貰わなければ、あ奴らの心を傷つけてしまうだろう。あ奴らは加護を求めているだけだ、気にする事はない。
君山銀針:百姓の気持ち……わかりました、ありがとうございます。しかしこれらの食材は本当に扱いにくい……
君山銀針は辺りを見回し、倒れ込んでいる化け狸が目に止まり、閃いた。
君山銀針:化け狸、これらを夢回谷に運んでくれたら、今夜は食事をご馳走してあげます!
化け狸はそれを聞いて慌てて起き上がり、目がキラキラしていた。
化け狸:なんだと?食い物、くれんのか?!じゃあやってやろうじゃないか!
君山銀針は喜んでいたが、傍で静観している凍頂烏龍茶は、突然何度も君山銀針の毒手に遭ってきた可哀想な台所の事を思い出した。
凍頂烏龍茶:小童はまだ若い、まだこの世の恐ろしさを知らないようだ。
エンドウ豆羊かん√宝箱
錦安城
戯楼内
透き通った美しい声が舞台上から聞こえて来た。美しい役者が次々と登場し、戯楼ではやっと本格的な芝居が始まった。
エンドウ豆ようかんは君山銀針と凍頂烏龍茶の姿を遠くからそっと見ていた。戯楼内は相変わらず人で溢れていたため、彼女は体を屈めて、このたくさんの掩護(援護)を借りてその場から離れようとした。
エンドウ豆羊かん:(この公衆の面前で凍頂烏龍茶に捕まってしまうと、流石に恥ずかしいのじゃ。妾も先程まで舞台に上がってた身じゃ……帰ってから面と向かって話せば良い……)
しかし、まだ何歩か踏み出す前に、大きな手によって彼女はつままれた。
凍頂烏龍茶:その格好で遊びに出て、疲れただろう。
エンドウ豆羊かん:……疲れておらん!は、早く妾を下ろすのじゃ!
凍頂烏龍茶:まだ説明していない事があるだろう、忘れたのか?
エンドウ豆ようかんは強い力によって抑えられ、逃げる事が出来ないため、開き直った。
エンドウ豆羊かん:物を壊したのは妾じゃが、其方にも非はあろう!夜中に寝ないで妾を驚かさなければ、妾も手が滑って玉佩を壊したりせん!其方も殴られて当然じゃ!
凍頂烏龍茶:ほお、屁理屈だけは上手いようだな?なら、夜中に寝ないでロイヤルゼリーの部屋に行ってこそこそしていたのはどうしてだ?
エンドウ豆羊かん:妾、妾はあの玉佩に見覚えがあったから、宮中の物だと思って……妾は堂々としておる、其方とは違う!言っておくが、もし妾を殴ったら、妾は其方の悪事を全部ロイヤルゼリーに言ってやるぞ!
凍頂烏龍茶:逃げ道を探すのも上手いようだな、だが、誰が殴ると言った?
エンドウ豆ようかんは目の前のひとが目を細めている事に気付き、心がキュッとなり、嫌な予感がした。そのひとはこう続けたーー
凍頂烏龍茶:今回はとりあえず許してやろう、だが罰はしっかり受けてもらう。貴殿、あの化け狸、そして酒呑童子ーー全員で余の住処を修繕してもらおう。
エンドウ豆ようかんはそれを聞いて、すぐに強く抗議し始めた。
エンドウ豆羊かん:どうしてじゃ!其方のために働くのはイヤじゃ!玉佩をいっぱい賠償してやろう!其方のおんぼろ神廟を直してどうするのじゃ!
凍頂烏龍茶:どうして?だと。
凍頂烏龍茶は指を鳴らした。すぐに人が集まって来た、エンドウ豆ようかんはその人たちは戯楼の店員である事に気付いた。しかし彼らは不満そうな表情で自分を見ていた。
エンドウ豆羊かん:なっ、何をするつもりじゃ!
凍頂烏龍茶:自分で見ろ。
店員たちの視線の先を見ると、エンドウ豆ようかんは自分が着ている衣装は、舞台で暴れたから、ボロボロになっていて、汚れていた事に気付いた。
エンドウ豆羊かん:……
凍頂烏龍茶:貴殿が持って来たお金はもうほぼ使い切っただろう。余が立て替えて、貴殿は余のために住処を直す。当たり前の事ではないか。
エンドウ豆羊かん:……もう二度と其方らの物には触らん!
泣きそうなエンドウ豆ようかんを見て、凍頂烏龍茶は頷いた。すぐに他の事を思いついたかのように、満足げな笑顔を浮かべた。
凍頂烏龍茶:(この小童によって玉佩を壊されたが……まさかロイヤルゼリーはそれを持っていてくれたとはな。ふっ、それを知れただけでも悪くないだろう)
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