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スキンカーニバル 運命の日・ストーリー

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①シュークリーム/神よ憐れみたまえ

新生へ向かう三途の川に、巨大なオペラハウスが漂っている。

この死によって支配されている空間で、それは夜の海を漂う小さな船みたいに、亡者を乗せ進んでいく。

船には、歌を歌う者もいる。

彼が亡者の人生を歌うことで、神はこの魂を天国に行かせるか、地獄に落とすかを判断している。


彼の名は、シュークリーム


「初めまして、少々お待ちください。裁判はまもなく始まります」


ライトが消える。

シュークリームはステージ中央に座り、天国から降り注ぐ光に照らされていた。


「続いて、八十億人目の亡者の裁判を始めましょう!」


ライトが光る。

歌声と拍手、そして壮大な光がステージを照らした。


パイプオルガンの音色が鳴り響き、シュークリームは亡者の人生を歌に乗せる。

旋律とシュークリームの歌声が入り混じり、全ての感情を飲みこむような、壮大な流れを作り出していく。 八十億人目の亡者の人生の始まりは、貧しい記憶からだった。怒りと悲しみが溢れ、貧困と恐怖の中で戦場に赴いた。

彼は絶望を叫んだ、シュークリームの陶酔した歌声と共に、一層高らかに、そして大きくなっていく。

膨らんでいく風船は、やっと限界を迎えたようだーー


「バンッ!」


音楽が止まり、シュークリームの表情が曇った。

目に浮かんでいた激しく燃えていた炎が消え、淡い悲しみにとって変わった。


この瞬間、亡者は戦場で敵国に流れついた自分の兄をこの手で殺してしまったようだ。


シュークリームの哀しい歌声が空に浮かび、その旋律は広い世界に溶け込んでいく。


一世紀にも感じた何秒か後に、パイプオルガンのずっしりとした旋律が、シュークリームを何世紀も包みこんでいた埃を吹き飛ばす。

そしてシュークリームは再び鮮明な声で歌い始めた。


彼の声がこの空間に響き渡り、天国から落ちてきたような孤独が、この運命に虐められた二人に同情する。


一人は、悲しい人生を過ごしてきた亡者。

もう一人は、悲しい人生すら過ごす権利を持たない詩人だ。


「彼の身は死んだが、魂は永久に苦痛から逃げ出せない。全てが元通りに、世は永遠に無常であり……」


シュークリームは自分の歌声で、亡者の人生に終止符を打った。


彼の目の前に巨大な門が三つ現れた。短い裁判が終わりを告げ、真ん中の門が開いた。


「行きなさい、来世を創り上げて来てください!」


亡者は待ちきれず、波瀾万丈な新しい人生に出発した。

そしてシュークリームは……


明るい未来にどれだけ憧れていても、この永遠に漂う船で、次の亡者を孤独に待つだけだ。


次の、他人の人生を。


すぐに、オペラハウスには八十億と一人目の主人公が訪れた。

シュークリームも過去の全てを忘れたように、目に光を取り戻した。


ただその澄みきった目には、何かが混ざっているように見える。


それは透明に見えても、淡い輪郭があるように見えた……


それは……


シュークリームだけの人生だ。


②ポロンカリストゥス/極藍予言

予言者と自称している人が宴会にやってきた。


彼の頭には枯れた枝のような鹿の角が生えていて、まつ毛は雪のように真っ白。まるで青い瞳を隠すために、風が枯れた枝に積もった雪を優しくまつ毛に運んだよう。


人が集まってくると、予言者は巨大なプレゼントボックスに座り、右手で混沌とした水晶玉を持ち、優雅に笑いながら自分がここに来た目的を語っている。


「過去の秘密を一つ私に教えてくれたら、代わりに未来の秘密を一つ教えてあげようーー私は未来のことを予言出来るんだ」


人々はそれぞれ違う事を考えながら様子を伺っているが、誰も彼に応じることはなかった。


予言者は何食わぬ顔で笑った。彼は手を伸ばして、マジックをしているようにマントをテントに変え、再び口を開いた。


「誰でも過去の出来事を知る権利がある。しかし未来は、君一人だけの禁忌だ」


未来を知るための方法は簡単だ。一人でテントに入り、教会の懺悔室みたいに自分の秘密を一つ言えば、未来を知るチャンスを一回だけ手に入れられる。


全ては等価交換。他人の過去は自分の未来と交換出来ないし、偽物の過去で本物の未来と交換することは出来ない。過去の秘密が思い程、重要な未来を知ることが出来る。


一番最初にテントに入ったのは、少しだけ有名な画家だ。

彼女は深呼吸して、テントの外にいる人にもはっきり聞こえる声量で自分の秘密を吐露した。


「私が最初に入賞したあの絵は、盗作です」


テントの外は騒然となった。


五分後、画家はテントから出て来た。この時の彼女は、実に幸せそうな表情をしていた、それをその場にいた全員に目撃されている。

彼女はいきなり何かを思い出したように、気まずそうな顔で咳払いをすると「ちょっと嘘を言って遊んでみただけよー」と一言残した。


他の人はもちろん彼女が水晶玉で何を見たかを知らない、交換した予言の真偽も判断できない。

ただ、彼女をきっかけち多くの人がテントに入るようになった。


未来は努力しても超えられない壁、膨らんでいく甘い夢。真実と偽りが交わったあの夜、人々はお互いのことを勘繰り、疑い、人間の本性があらわになる。


「侯爵夫人は、評判のような気高く無私な人じゃないんです……」

「私はアンナを憎んでいる!どうして彼女は町で一番の仕立て職人をお抱えに出来るの!わけわかんない!」

……


テントの中から時々予言者の笑い声が聞こえてくる、秘密の所有者に対しての同情か、或いは皮肉か。


空が明るくなり始めた頃、最後の一人がテントに入った。


「人を殺したんだ、死体は農場の裏山に埋めた……」


突然あの巨大なプレゼントボックスが揺れ動き、中から何かを叩いているような激しい音が聞こえてきた。

秘密を吐露した男は驚いて転倒していると、予言者の嬉しそうな声が聞こえてきた。


「おや、もう満足かな」


怯えた表情の男は、顔を上げて予言者を見た。

予言者は人差し指を唇にあてて、笑いながらこう言った。


「シーッ、一つ秘密を教えてあげるよ……この中にはね、本物の予言者が入っているんだ」


彼の目に光と影が交わり、水晶玉の中で流れる混沌の霧に反射している。


「彼を探すのに本当とても手間が掛かったんだ……ああ、そうだ、彼がこの間までどこに埋められていたか、教えてあげようか?」


恐怖に襲われた殺人者の前で、新たな予言が生まれようとしていた……

③オイルサーディン/鉄騎不屈

ナイフラストの海沿いにある小さな村には、「ブリキ兵士の剣塚」に関する怪談がある。


村の裏山には、死者の衣服のみが埋められている墓があって、そこに墓石はなく、地面に刺さった錆びた剣しかないというーーそれらは戦場で使われた事があるからか、血に染まった形跡がある、そして主を失っている。


深夜にここに近づくと、人と同じ大きさのブリキ兵士に襲われ、振り回された剣によって解体され、肉は空っぽな墓に埋められるという。


村人たちは皆この怪談は本当だと信じ込んでおり、あの付近には近付く人はいない。

ここ何十年の間、誰も裏山に近づいていない、あの日までは……


女の子はどこを探してもはぐれた犬を見つけられないでいたため、仕方なく裏山に上った。月明かりに照らされ、彼女は前方こそが怪談で言われている場所だと気付く。

躊躇した後、彼女は勇気を振り絞って墓がある方へと向かった。


北風が地面に刺さった剣の合間を吹き抜ける、暗闇の中何か物音が聞こえてくる。


カーンーー

近くで金属音が聞こえ、女の子は恐怖に耐えきれず、泣き出してしまった。


「私を殺さないで……バラバラにしないで……ウィック、ウィックを探したかっただけなんです……」


「殺す?バラバラにする?……敵襲か?敵軍はどこだ?!」

「えっ?」


暗闇から男の声が聞こえる。厳しい口調だが、特別怖いことを言っている訳ではなかった。

女の子は顔を覆っている指の隙間から、声の方に目を向けるとーー


そこには甲冑を着た青年が凛とした姿勢で立っていた。

彼は剣を持ち、周りを警戒しているようだが、女の子を攻撃するつもりはないようだった。むしろ彼女を守っているように見える。


「ワンッ!」

「ウィック!」


探していた愛犬が見つかり、女の子はまた泣き出してしまった。犬を抱いて立ち上がった彼女は、青年の硬い表情を見て、また怯えて泣き出してしまった。


「敵前で泣いてどうする!」

女の子は泣いたままどうしていいかわからないままでいた。その様子を見た青年は、言葉に詰まった。

「……あの……俺がお前を守る……だからもう泣くな……」


彼は気まずそうに自分の顔をポリポリとかくと、金属のぶつかる音がまた響いた。


これが怪談の真相だ。


ある兵士は戦地で呪われ、不老不死だが夜間にしか行動出来ないブリキ兵士になってしまったのだ。もう戦場に戻れない彼は、仕方なく故郷に帰り、ここの全てを守ろうと決意した。


「戦争ならもう、とっくに終わっているよーー」

女の子は小さな声で呟き、隣に座っている青年をチラッと見た。

青年はウィックのモフモフとした頭を撫でながらぼんやりしていた。


彼は戦争が既に終わっていたことを、知らなかった。

本当に長い間誰もここを訪れることがなく、女の子は初めて彼と会話した人だったのだ。


(戦争が終わったのは良い事だが……俺はこれから何をすればいいんだ?)


……


ナイフラストの海沿いにある小さな村にはら「ブリキ兵士の剣塚」に関する怪談があった。


裏山の剣塚に近づくと、ブリキ兵士と狼のような凶悪な犬に出会ってしまうらしい……

そして、たまに、女の子の楽しそうな笑い声も聞こえてくるそうだ。

④ヨークシャープディング/亡烏黙夜

ゴーンーー

教会の時計台で、ヨークシャープディングは夜を呼び覚ました。


「亡者が、まもなく目覚めます」


夜は潮汐のように空を包み込み、世間を覆い隠す。

世界が暗闇の底に落ちた時、永眠した亡者たちは、再び何かを語り始める。


だが、誰でも彼らの囁きが聞こえる訳ではない。


ヨークシャープディング、頼みがあるんだ。君は亡者の言葉を聞くことが出来るらしいな……俺の旧友に聞いて欲しい事があるんだ……」

「旧友とは、ジムさんのことですか?」

「そうだ!君は心が読めるのか?」


もちろんそんな事はない。


ヨークシャープディングにとって、一生忘れられない出来事がある。三年前、世界が血の色に染まったあの日。

ジムは思いがけずある宝物を手に入れた。めでたいことだったはずなのに、宝物を狙う者に殺されてしまったのだ。

ヨークシャープディングがジムを見つけた時、既に手遅れだった。

彼女はそこで、逃げていく血だらけの人影を見た。


その人は……

今彼女の目の前にいる。


「……ジムは財産を全て俺に託していたんだ。だけど即死だったから、財宝をどこに置いたかを聞けていない。すまないが……」

「はぁ……あいつのまだ幼い娘は可哀想だな。頼る人がいなくなって、これからの生活は辛いだろうな」


彼は笑っているようで、笑っていない表情をしながらこう言った。


ヨークシャープディングは沈黙したまま、ランタンを持って彼と一緒に夜に潜り込んだ。

墓地に着くと、ジムが永眠している場所で足を止めた。


ゴーンーー


「ジムさん、あなたの……あなたの友人が来ています。財宝の場所を教えて頂きたいとのことです」

「……」


「ジムさん、この問いには答えたくないのですか?」


ヨークシャープディングは隣にいる男の目をチラッと見たーー3年前と同じ冷酷さを感じる。

そして彼女は墓に近づくと、小さな声で囁いた。


「娘のことを考えてください、ジムさん……お願いします、わたしのことを信じて」


突如風が吹いた、ヨークシャープディングざ持っているベルが揺れるが、音は聞こえてこない。

ただ海風のように掠れている声だけが、聞こえてくるーー


「……南の…港……埠頭……灯…台……木の下……」


「南の港……なるほど、ありがとうジム!ヨークシャープディング、お礼はまた改めて!」


嬉しそうなその言葉に、ヨークシャープディングは返事をしなかった。彼女は男の後ろ姿が視界から消えるまで、ただただ彼の背中を見つめ続けた。


南の港の埠頭、灯台にある木の下。


やっと宝物を手に入れた男は、待ちきれずに箱を開けた。

しかし、長年地下に埋められた影響で有毒ガスが吹き上がった。


「あああああーー!目が!!!俺の目が!!!」


彼は苦しそうに叫んだ。視力を失った彼は、自分が崖の上に辿り着いている事に気付かない。

そして、彼はそのまま、海の底に沈んだ。


その後すぐ、次なる客が南の港を訪れた。


ヨークシャープディングは幼い女の子の手を引き、灯台にある木の下にやって来た。


「うわぁー!キラキラしていて綺麗だね……お姉ちゃん、これは何?」

「これはジムさんの勇気、そして……あなたへの愛ですよ」


ゴーンーー


「亡者よ、安らかに眠れ」

⑤エッグノッグ/攪乱の夜

「本日何故ここに集まっていただいたか、皆さんご存知かと思います……」

「そうだな、なぜなら今宵は満月だから」


小さなバーに、村人ほぼ全員が集まっていた。

彼らは肩を寄せ合って座り、ビクビクしながらカウンターに座っている警部を見た。


「ママ、人狼がまた来ちゃうの……」

「人狼は人に化けて、俺たちの中に紛れているらしいぜ……」

「つまり、警部様すら見つけられないってことか?」

「バカを言うな!エッグノッグ警部が今までどれ程の人狼をやっつけてきたと思っているんだ?今回もきっと……」


「いえ」

警部は肩をすくめ、何とも言えない表情を浮かべていた。

「今回は、流石の僕でも厳しいですね」


……


「ピエール、この前買い物しに市場に行ったろ?いつもは三日ぐらいで帰ってくるのに、今回は一週間も行っていたよな……」

「俺を疑ってんのか?嘘だろ!俺はいつも真面目に働いているのに……逆にお前はこの前狩りで山に行ったっきり、一週間ぐらい帰って来なかったじゃねぇか!」

「俺は……」


「ただ……」

警部は再び口を開いた。村民たちはすぐ静かになって、彼らが一番信頼している守り神のいる方を見た。

「そこまで心配しなくても良いと思いますよ。ここには僕特製のお酒があります……これを飲めば、人狼は明日の朝日を拝めなくなりますよ」


村民たちは何度も人狼から村を守った警部の話をすぐに信じた。緊張感が消え、皆一人一人警部からグラスを受け取って、穏やかに笑った。


「カンパーイ!」


「どうぞ、召し上がってください。家に帰ってゆっくり休んでくださいね。今夜はきっと、良い夢が見られますよ」

「警部様がそういうのなら……」


「ん?ピエール、お肉はもういいのですか?」

「えっと……ありがとう、だけど俺はもうお腹がいっぱいで……」

「遠慮しなくても良いですよ。夜は、まだ長いですから……」

「そうだな……」


……


「あの酒、飲んでないだろうな」

「そんなバカじゃねぇよ!飲み込まずに、こっそり吐いたよ」

エッグノッグめ!村民全員の命で兄弟を弔ってやる!」

「そうだ!だけど……あいつらを全員殺したら、もう二度と今夜の肉が食べられなくなるよな?」

「……今夜の肉は確かに美味かったな、人肉がもう胃に入らない程食ったぞ……」


「皆さんご存知ですか?毒薬というのは、気付かれなくするため、基本的に美味しいんですよ」


「エ、エッグノッグ?!逃げろ……」

「バカ野郎!ビビってんじゃねぇぞ!あっち一人しかいねぇんだ?!」

エッグノッグ、わざわざ毒入りの酒を用意するなんてご苦労だったな。俺は一口も飲んでねぇよ、ハハハッ!」


「皆さんがこんなにも僕の言葉を信じてくださっているなんて、とても感動しました……でも、お忘れでしょうか、僕は貴方たちの敵ですよ……」


エッグノッグが話終えた途端、人狼たちは呪われたような苦しい叫び声を上げた。

彼らを守ってきた冷たい月光は、今や彼らを殺すための武器になったのだ。

邪悪で野蛮な魂たちは、この世から永遠に消え去っていった。


それとほぼ同時に、とある部屋にいる村人も命の終焉を迎えた。

やけどのような痛みが体内で炸裂していても、彼は自分が人狼に手を貸した証拠を消そうとしていた。

一瞬のことだが、彼は村を裏切ったことを後悔した。


ただ、時すでに遅し。


「ここに僕特製のお酒があります、善良な村民が之を飲めば、人狼は絶対に明日の朝日を浴びることは出来ません」


月光の下、警部は再びグラスを持ち上げた。


(可哀想なピエール、優しい警部が毒薬を調合する訳がないでしょう?

お酒は、信頼という解毒薬ですよ。)


「平和な夜に、乾杯」


不敗なる人間に、乾杯。


⑥クレームブリュレ/一発必中

マジシャン協会は、隣国と百年続けてきた戦争がやっと休止したことを記念して、盛大なマジック大会を開いた。


大会のテーマは誰もが憧れている答えーー人を一番幸せに出来るマジック。


この大会を一目見ようと、全国各地から大勢の観光客が広場に集まっていた。

彼らは過去に閉じ込められた囚人、全員が答えを見届け、幸せを手にしたいのだーー彼らにとっては喉から手が出る程の宝物だから。


歓声の中、マジシャンたちが次々と登場した。


観客の空のコップに牛乳をたっぷり入れるマジシャン。

持っている大量の薬莢をキャンディに変え、子どもたちに配るマジシャン。

流浪者のボロボロな帽子を借りて、その中から多くのハトを飛び立たせたマジシャン……


中にはおっちょこちょいな金髪少女もいて、最初からへまをやらかした。

彼女は巨大な金色の弓を手に登壇したが、注目されているせいか、階段を踏み外して転びそうになっていた。


彼女は緊張した面持ちでお辞儀をすると、自分の射る矢は自ら二人を選ぶと言った。そして、射られた二人は、この熱く激しい矢によって結ばれ、死ぬまで一生を共にすると。


観客たちはそれを聞いて大笑いした。


「これはマジックというより、むしろ魔法だろう!」と。


口笛を吹いて、この甘い罠に嵌められたいと言い出す人まで出てきた。


少女はその言葉を聞くと、得意げに弓を引いた。

突然、何もなかった弓にどこからともなく金色の矢が現れた。周りには奇跡のように緑の蔦と、薔薇の蕾まで生えてきたのだ。


薔薇が咲いた瞬間、矢が放たれるーーなんと、王族専用席の方に飛んで行った。


「王族を守れ!」


衛兵たちが素早く盾を持って一列に並んだが、この矢は硬い盾を貫いて飛び続けたーー

実体のないその矢は王子の腕を一周すると、広場の片隅にいる誰かの腕にも一周した。


矢が起こした風のせいで、その誰かが被っているたベールが地面に落ちたーー


「彼女は……!」

「……隣国の……あの医者か?!彼女に助けられたことがある!」

多くの人が、彼女があの戦地に咲いた赤い薔薇だと気付いた。


冷静を保とうとしても、赤く染まった頬は嘘を付けない。

高台から見ている国王も、狂喜乱舞している自分の息子を見て、気分が高揚しているように見える。


マジック大会の表彰式で、王子は金髪少女に感謝の意を述べた

「ブリュレ!貴方のお陰だ!僕の恋を実らせてくれてありがとう……」


「……え、えっと……す、すみません!あ……あたしまた間違えた見たいです……」

少女は金色の矢が透明になり消えていくのを見て、困った顔をしていた。

「先程の矢は、その……ただの祈りの矢みたいで……」


「えー?!」

「じゃ、じゃあなんで僕らは皆に祝福されたんだ?!彼女は……彼女はなんで僕のプロポーズを受け入れて……くれたんだ?」


あの夜のテントで、医者が王子を見つめていた表情を不意に思い出したクレームブリュレは、優しく笑って王子の肩を叩いた。


(とっくにこの恋は実っていたのですよ、この両国が平和な日々を再び手に入れられたように。あたしはただの下手くそなマジシャンに過ぎません。でも本当のマジシャンは、今あたしの前にいますよーー)


「愛」こそが、人を一番幸せに出来るマジックだ。



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タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
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  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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