冰粉・エピソード
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冰粉のエピソード
冰粉は機関城の夫子、機関城の事務を担当している。狂人を制御出来る「大千生」を持っている。大千生に飲み込まれた者は、その液によって冷静さを取り戻す。だが効き目が強過ぎるため、自分の罪を悔やみすぎてしまう。その姿が無様だからか、皆その時のことを思い出したくない。冰粉はそんな機関城の皆を優しく導き、慰める。大千生が生まれたのは、冰粉の味覚障害を補うためだった。後に大千生の液によって、人や食霊の精神が安定することがわかり、治療に使われるようになった。
※誤字と思われる部分も原文のまま掲載しています。
Ⅰ.城中記
「夫子!夫子大変です!」
慣れ親しんでいるが、ため息をついてしまう足音と共に、小六子は急いで塾に駆け込んで来た。
「夫子……ハァ……ハァ……」
息切れしている小六子を見て、某は水を渡して背中を撫でた。
「息を吸ってください、どうされたのですか?」
小六子はごくごくと水を飲み、額の汗を拭って、苦い顔で某を見た。
「夫子、どうにかしてください。金華ハムとマオシュエワンがまた殴り合いをしています……昨日城主が作ったばかりのアレを壊したみたいで……」
「……作ったばかりの何ですか?」
「機関獅子舞……」
自分のこめかみがピクピクと動いているのがわかる。某は笑顔を維持しようと務めたが、唇の端も震えているのを感じたため、大きく息を吐いて、小六子の髪を撫でた。
「はい、わかりました。試験監督を代わりにやってくださいますか、今すぐ様子を見て来ます」
「ありがとうございます!」
子どもたちに試験問題を配り、某は小六子に言った通りへと急いだ。
しかし…………もう手遅れだったようだ。
舗装されていた道路のところどころに窪みが出来ている、倒れた街灯や、穴の開いた酒楼すら見えて、某は拳を握りしめた。
更に進むと、赤い獅子舞用の獅子が一頭バラバラになっていて、情けなく床にちらばっているのが見えた。
額に手を当て、残骸で出来た道を辿る。
しかし某が到着した時には、既に犯人である金華ハムとマオシュエワンは誰かによって地面に叩きつけられていた。
顔が完全に地面にめり込んでいて、地面には綺麗な人型が二つ出来ていた。後頭部の髪だけがゆらゆらと揺れている。子どもたちはその様子を見て、指をさしながらブツブツ言っていた。
「……夫子、お二人は大丈夫でしょうか?」
「もう助からないと思います、火葬しましょう」
「えっ?」
「いえ、何でもないです。貴方たちは自分の仕事に戻りなさい。宿題は終わったのですか?」
声をかけると、周り囲んでいた野次馬たちが散った。某は地面にめり込んだ2人を爪先で蹴る。
「二人とも、生きていますか?」
「ハハハハハッ!!!さすが辣子鶏!!!俺の運命の好敵手!!!」
「ううう……クソったれ、あんたがいなければ城主にやられる事はなかった。いってぇ……」
金華ハムは起き上がると、少しも反省する様子がなく、却ってますます興奮して大笑いし始めた。傍のマオシュエワンは自分の後頭部をさすりながら、痛いと叫んでいる。
某が指を鳴らすと、道端の飾り付けに隠れていた機械たちがぴょんぴょんと飛び出て、壊れた街を補修するための道具を持ち、壊れた地面を手早く直し始めた。
町を歩いている人たちはその光景にはもう慣れ、機械たちが効率よく仕事をしていると、あっという間に通りは元通りになった。
「おや、逃げようとしても無駄ですよ?」
某は笑顔で振り返り、足音を忍ばせて逃げようとする二人を見て、ますます笑顔を輝かせた。
「「あああああーーーーー!!!!!」」
Ⅱ.塾
膝を抱えて隅にしゃがみ込んで自分を疑い始める二人を見て、某は手を上げて近寄ってくる大千生を撫でた。
人一人余裕で蕾の中に呑み込める大千生の汁には、強制的に人を「冷静」にする効果がある。これにはとても満足している。
街路の修復が終わった機械たちはまた元の位置に隠れてわ通りの装飾と同化した。これらの不思議な機械は全て我が機関城の城主、辣子鶏の手によって作られた物だ。
この不思議な機関城を訪れた者は不思議に思う、城主の性格は……「天才はたいてい変な性格をしている」と言われるだけあって、変わっている。
「ところで、城主はどこにいるのですか?彼に用があるのですが」
「俺はゴミだ、この世に生まれるべきじゃなかった。俺がいる事でこの世の空気が無駄になっている。俺はダメなやつだ、俺はどうしてあんなに弱いのか……ウウウウウ……」
あぁ……大千生の効果がまた終わっていないのか……
某は少しぎこちなく頬を掻いた。大千生の汁は人を鎮静化させる力があるが、直接呑み込まれると、効き目が強く出過ぎて、効果が終わるまで性格が変わって自己嫌悪に陥ってしまう。
効力が消えるまで、答えて頂けないようですね……
見物を終えた子どもたちが手を挙げた。
「夫子!城主様は、モフモフ鳥を探しに行きました!何日も見ていないからわ誰かに煮込まれたのではないかと言っていました!」
「ありがとう、ところで東坡肉は見かけませんでしたか?」
「東坡肉様は、先日通りかかった町に光耀大陸で一番うまい蒸し肉があると聞いて、肉を食べに行きました。皆に探さないでと伝言を残して、それを食べたら帰って来るそうです」
「……」
ここの連中は……
ここに来てから毎日痛むこめかみをさすりながら、長いため息をついた。最終的に諦めて、塾へと戻った。
一日はすぐに終わった。機関城内の毎日はいつもこうだ、穏やかだが色んな事が毎日起こる。頭が痛くなる事の方が多いが、前と比べたら、これは幸せな悩みと言えるだろう。
某は光耀大陸に生まれた。光耀大陸という広い土地には、巨大な天幕が張られていて、全土の安寧が守られている。しかし、内部で増え続ける堕神を止められない。
人間と違ってー食霊は時間に優遇されている、我々は変わらない外見と長い命を持っている。
それは一般人にとって、まるで堕神のように怖いようだ。
やむを得ず、某は町を転々とし、塾の夫子として子どもたちに授業をし、村の一時の安寧を守る。そして某が人間ではないと気付かれる前に、離れる。
彼らを守りたいが、かつて会った者のように、命の危険を冒してまで堕神を倒したのに邪悪な物として愚かな人間によって燃やされ炎の中に消えてしまうのは、御免だ。
人間は悪意に満ちている訳ではない。しかし彼らの悪意は、時に彼らより遥かに力を持っている食霊を怯えさせることがある。
そういう事は二度と起きて欲しくない。しかしそれも知っている、それらの人の見方を変える事は出来ないという事を。しかし、某は子どもたちに知っている事を教える事は出来る。
彼らの成長に伴い、いつか我々と人間がお互いに警戒する必要がなくなり、お互いに理解し合える時代が来たら良い。我々食霊は、人間の友人であって、決して敵ではない。
多くの町を歩いてきた。子どもたちを見て、育て、塾を出ていくのを見守った。自慢出来る程に成長した若者を見ては、某は喜びをかみしめた。
そしてある日、旅の途中である伝説を聞いた。
伝説では、天上に仙城があるという。そこは誰もが渇望している桃源郷であり、その上には争いも、災難も、堕神の侵害もないという。全てがまるで天上の城のように美しい。
もしずっと良い子でいられたら、仙城の仙人は子どもを仙城に連れて行ってくれて、平和な子供時代を過ごせるという。
これは、美しい願いが込められたただの伝説だと思っていた。
伝説というのは存在しないものだ。堕神が蔓延るこの絶境の中、子どもに希望をもたせるための嘘でしかない。
そう思っていた……その日までは。
Ⅲ.機関城
巨大な怪物は何の予告もなく町に突入した。
人々の凄まじい悲鳴が火を映し、走る影は炎によって増幅され、歪んだ影や飛び散る火花、倒れた廃墟の中の手足によって、地獄絵図が広がっていた。
某の力には限りがある、霊力尽くしても全ての堕神を退治することは出来ない。後ろで抱き合いながら、目に恐怖を宿している子どもたち。
全員を守る事は出来ないが、せめて、この子たちだけでも助けてあげたい……
他の村人たちは逃げ出せたのか、それとも殺されたのか、より多くの堕神が塾を取り囲んだ。
霊力が底を尽き、脈すら痛くなって来た某は、地面に跪いてしまった。触手を振り上げる怪物を見て、ゆっくりと目を閉じた。
「そう簡単に諦めんな」
不満げな声が響き、予想していた衝撃は来なかった。目を開けると、怪物は中心から真っ二つに引き裂かれ、赤い服を来た青年は自信満々の笑みを浮かべ、火の光の中彼の赤い服はが揺れていた。
空から落ちて来た火鳥は彼の肩に止まり、頬ずりを始めた。、
「離火、良い子だ。あのブス共を皆殺しにしろ」
低い鳴き声の後、離火と呼ばれた火鳥は羽ばたいて明るい炎を吐いた。
この炎は、怪物たちがもたらす物とは違い橙色に輝き、人の心を明るくさせる。
凄まじい怪物たちはほとんど一瞬のうちに叫び声を上げ、跡形もなく消えてしまった。
「気をつけろ!」
炎のように鮮やかな青年の背後から触手が一本伸びてくる。某は慌てて注意したが、彼は振り返る事なく、その触手は彼の横で何者かによって断ち切られた。
「終わったぜ、そっちは?」
「吾も終えた。どうやら一歩遅かったようだな、小童しか残っていない」
青年よりも少し落ち着いた声が向こうから聞こえてきて、歩いてきた男は某の後ろで震えている子どもたちを気の毒そうな目で見ていた。
「……どうする?地府に送って人参たちに手配してもらうか?それとも機関城に連れて帰る?」
「勝手にしろ」
「あの、彼は……」
「ああ、食霊みたいだな。顔は悪くねぇから、ついでに助けた」
「夫子のようだな……お主、名前は?」
顔を近づけて笑う男を見て、某はぼんやりと答えた。
「冰粉です」
「東坡肉と申す。機関城の塾に夫子がいなくてね、給料は出さないが、住み込みで、酒も肉もある、お祭りもな。どうだ?」
「えっ、き、機関城ですか?」
「そう、機関城」
東坡肉の笑顔と共に、雲の上に大きな影が現れた。空からゆっくりと長い梯子が降りてくると、あの赤い服の青年は一つあくびをして、だるそうに梯子の方へと歩いて行った。
男は笑いながら立ち上がり、町全体よりも少し大きい黒い影を見上げた。
「ああ、機関城じゃ。というか、天上の城?仙城?と言った方がわかるか」
「……仙城……」
「そうだ。で、来るのか?お主が来てくれたら、小童たちも一緒に引き取ってあげられるぞ」
「おいっ!二人とも早くしろ!」
声の方を見ると、赤い服を着た青年は既に梯子の上に立っていて、その上から声をかけてきた。
「あの、彼は……?」
「彼は、この機関城の城主、辣子鶏だ。機関城全体を設計して作ったのは彼、凄いだろう?」
Ⅳ.大千生
某は今まで最も軽率な決断をしたのは、おそらく機関城への参加を承諾したことであろう。
頭を抱えて机の上の帳簿を見た。城主が処理するべき物が、某が来てからは某の書斎に積まれるようになった。
いつもは整っている髪も苛立ちによって乱れ、某は濁った息を長く吐き出し、茶を飲んで乱れた勘定を調べ始めた。
馬鹿野郎……あいつらは、某が来るまで一度もきちんと帳簿を整理した事がないんだろうな?!
コンコンッ__
扉が叩かれた。某は顔を上げずに相手を中に入れた。
「夫子……これは私たちが作ったお菓子です、どうぞ召し上がってください」
おずおずとした声を掛けて来たのは、あの日一緒に機関城に連れて来た子どもだ。某は慎重に手を伸ばし、彼女の頭を撫でた。
「はい、ありがとうございます」
期待しているような目で見てきたため、某は差し出されたお菓子を一口齧り、すぐに笑顔を見せた。
「美味しいですよ」
子どもを見送り、ぴょんぴょんと去っていく後ろ姿を見て、某は小さくため息をついた。
「うっ、薄すぎる、砂糖をもう少し入れたらもっと美味しくなるだろう」
突然後ろから聞こえた声にぎょっとして振り返ると、いつの間にか椅子に座っていた辣子鶏は、子どもたちからもらったばかりの「お菓子」を食べていた。膨らんでいる頬には菓子くずがついていて、その様子を見ているとなんだか力が抜けた。
「城主様、口元についていますよ」
「うん?ああ、ありがとう。まだるか?」
「……もうないです」
機関城の城主とはいえ、辣子鶏の性格は……流石に子どもすぎる。機械や奇門遁甲の研究をしている時には真面目な顔を見せるが、日頃は城主としての風格は全くない。
「あっ、そうだ、これやるよ」
彼はそばに置いた機関花を叩いた。それは……某が堕神と戦った時に、堕神に壊された伴生花……大千生だった。
「流石にお前の花とまるっきり同じ者は作れなかった。これで我慢しろ、ここまでしか出来なかった」
自分の後頭部に手を置いたまま、機関花を見て口を尖らせながら、ふと何かを思い出したような顔をした。
「あっ、そうだ!面白いもん見せてやる!」
訝し気に見ていると、辣子鶏は手を伸ばして先程のお菓子を花の中に放り込んだ。機械になった大千生は、むしろ以前よりも柔軟な動きをしていて、その花びらの動きはまるで人が物を食べている口そのものに見えた。突然、甘みが口の中に広がり、某は驚いて目を見開いた。
「ヘヘッ!凄いだろう!東坡肉が、怪我して大千生も無くなった事で、お前の味覚に問題が出たって言ってたんだ。どうにかここまで復元出来た。俺様の事を崇めすぎないようにな、まあ、俺様のようにカッコよくて凄いひとは確かに少ないがな……」
口の中で甘みと、桂花の香りが広がった。久しく味を感じたことがなかった、皆からの好意すらも。某は顔を上げて得意げな辣子鶏を見つめるが、何をどう彼に伝えたら良いかわからないでいた。
「大千生が前に出来てた事は多分出来なくなっている、だから汁を強化してみた。まだ試した事がないから、下手に触るなよ、何かあっても責任は負わねぇからな。そんなに感動して、泣くなよ、とにかくこれから帳簿はお前に任せた、異論は認めん!」
辣子鶏は得意げに話していた。自信満々の笑顔が眩しくて、某も彼の様子に思わず笑ってしまった。
「はい、お任せください」
Ⅴ.冰粉
「クソザリガニ!!!警告したからな!!!これ以上俺様の審美眼を疑うなら、この機関城から放り出してやる!」
「何が審美眼だ、女々しい!!!これは俺様の武器だ!武器!!!なんだこの鈴は!どういうつもりだ?! 」
「女々しいだと?!麻辣ザリガニ、もう一度言ってみろ?!俺様に武器を直してもらうのがそんなに簡単だと思っているのか?!もしお前の顔が良くなかったら、とっく大砲でお前を地府まで飛ばしてた!!!!!」
屋根がひっくり返るほどの喧噪に耳を塞いでいた東坡肉は、辣子鶏の部屋から逃げ出し、ため息をついて首を横に振った。
「どうしたのですか?城主はまた兄弟と喧嘩を始めたのですか?」
「その通り。以前訪ねてきた麻辣ザリガニだ、実に仲が良いみたいだな」
機関城に来てもう長いが、東坡肉や辣子鶏が何を考えているのか全く理解出来ない。
しかし回鍋肉の話によると、彼らを理解しない方がいい、理解しない方が正常だという。
「辣子鶏ー!表に出ろ!決闘だ!!!!!」
金華ハムの軽い声が庭の外から聞こえてきた、まだ屋内の喧嘩のこえは止まず、冰粉はため息をついて庭から出て行った。
冰粉を見るとビクビクする金華ハムは、大千生のおかげですぐに追い返す事が出来た。
彼が庭に戻ってきた頃、怒り狂った麻辣ザリガニとすれ違った。
「おや、麻辣ザリガニはもう帰るのですか?」
「ああ」
「また城主と喧嘩したのですか?」
「誰がアイツと喧嘩なんかするか、帰る」
「宜しければ食事はどうでしょう?城主は少し前にわざわざ桂花で、醸造したお酒を調達して、一緒に飲もうと楽しみにしていたのですよ」
次の瞬間、空を突き破るような咆哮が部屋から聞こえて来た。
「誰が楽しみにしてたって!!!!!俺様は自分で飲むために買ったんだ!!!!!」
冰粉は首を振って再び戦場となった庭から出て行った、いつの間にか逃げ出した東坡肉を見て見つめ合う。
「止めないのですか」
「これこそが城主だからな」
東坡肉の笑顔を見て、冰粉は少し呆れたが、最終的には笑顔で頷いた。
夜になると、丸い月は優しい銀の輝きを放ち、桂花酒から漂う香りで皆は安らいだ。机の上には湯気が立っている鍋があり、その辛い匂いで桂花の香りが消えそうになっていた。
食べているうちにまた騒ぎ始めた皆をよそに、冰粉は珍しく桂花酒の壺を持って屋根に上った。
丸い月を見てボーっとしている。機関城が空に浮かんでいるせいか、機関城の月は地上よりも大きく、そこにうっすら影が見える。
その小さな影は、薬を混ぜている白兎のようにも、いつまでも切れない桂木のようにも見え、彼は自分の思いつきに笑った。
「どうして一人でここへ来ているんだ、下はもう乱闘が始まる頃だ」
東坡肉もいつの間にか屋根に登って彼の横に坐り、彼の持っていた桂花酒を無遠慮に取って飲み始めた。
「問題ありません。彼らは、本当に機関城から投げ落としても死なないじゃないですか」
「お主は来た時より随分と余裕が出て来たようじゃな」
「城主様のおかげでございます」
冰粉が首を横に振ると、すぐにしたから火花と共に喧騒が届いた。
しばらくして庭は再び静かになった。屋根の上に座っていた冰粉と東坡肉は言葉を交わさぬまま、ただ静かに座っていた。東坡肉は背伸びをして、急に口を開いた。
「どうだ、機関城は良いところだろう?」
味はわからないが、お酒には変わりないため冰粉は少し酔っていた。
彼は東坡肉を振り返って呆気に取られたが、やがて東坡肉が寝ているのではないかと疑い始めた時、やっと軽く返事をした。
「貴方たちに、出会えたからですよ」
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