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傲岸不遜・ストーリー・ダークストリート

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作成者: ユーザー61614
最終更新者: ういっす

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序章-行方不明

ダークストリート

アンソニーのバー入り口


コンコンコンッーー

サンデビル:……

サルミアッキ:……誰も、いないみたい。

サンデビル:ああ……確かにまだ営業時間ではない。

サルミアッキ:別の場所を探す?

サンデビル:ここは彼が指定した地点だ、彼の住処に行くと……彼は、寝起きが酷いからな。

サルミアッキ:うぅ……確かに。

サンデビル:しかし今は緊急事態だ……サルミアッキ、ここで待ってろ、裏口に行ってみる。

サルミアッキ:うん。

サンデビルが去った後、サルミアッキはゆっくりとバー入り口の階段に腰を下ろした。一息付けたと思ったら、視界に足が映った。

サルミアッキ:サン教官……あれ?違う……

チンピラ:お嬢ちゃんはこんな所で何をしているんだい?ここは良い子の来る所じゃないよ。

サルミアッキ:大丈夫、サルミアッキは良い子じゃないから……あたしは、先生だから。

チンピラ:それは良いね、へへっ……おじさんがバーよりもっと面白い所に連れて行ってあげるよ。

油汚れがついた手がサルミアッキの腕を掴もうとした時、突然、男は後ろに引っ張られてよろめいた。

チンピラ:嬢ちゃんとのイイコトを邪魔をするなんて、てめぇ……

ペルセベ:あ?

チンピラ:ボ、ボスッ?!

突然現れた青年はチンピラの汚い胸ぐらを掴み上げた。イラついているのか眉間に皺が寄っていて、低い声で唸るとチンピラは一瞬で顔を青ざめ、痙攣したかのように震え出した。

ペルセベ:イイコトだと?差し歯にするのと義足を増やすの、どっちが良いんだ?

チンピラ:俺が間違ってました!ボス、もうしません、俺は……

ペルセベ:うるせぇな、いっそ永遠に口がきけねぇようにしてやるか。

チンピラ:ヒィーー!もう一度チャンスをください、お願いします……うわああああーっ!

ドンッーー

サルミアッキ:おお……飛んだ、すごい距離……

ペルセベ:チッ、役立たずめ……ガキ、貴様だけか?太陽野郎は?

サルミアッキ:彼は……

サンデビルサルミアッキ!大丈夫か?!今のは何の音……

サルミアッキ:彼はここにいるよ。

物音を聞きつけ急いでやって来たサンデビルは、目の前にる二人と地面でひっくり返っているチンピラを見比べ、その予想外の光景に固まってしまった。

ペルセベ:何の用だ?またあのバカ王に会えってか?

サンデビル:……まあ、貴方がいるならちょうどいい、「学校」から……

ペルセベ:チッ、クソ学校のくせに用ばっかだな!この「ダークストリート」をガキ共の訓練所として貸してやっただろ、後何をしろってんだ?

サルミアッキ:訓練に来ていた学生が、行方不明になった……

ペルセベ:はぁ?


第一章-賭け

サルミアッキ:訓練に来ていた学生が、行方不明になった……

サンデビル:ペルセべ、緊急事態だ、学校は貴方の力が必要としている!

ペルセベ:こ・と・わ・る。

サンデビル:え?

サンデビルは予想だにしてなかった冷たい返事に愕然とした。血色の冷たい瞳を見つめながら、どう言葉を続けたら良いか考えあぐねた。

サンデビル:貴方は状況をわかっていない、行方不明の学生はまだ実力不足だ、ここは最近荒れているし……

ペルセベ:行方不明になったのは学校のもんだろ?俺様には関係ねぇ。

サンデビル:関係ない?

ペルセベ:ダークストリートにガキ供を入れたのは、あの「鹿」に二度とちょっかい掛けて来て欲しくねぇからだ、別に協力関係を結んだわけじゃねぇ。

ペルセベ:誰もが帝国の犬になりたい訳じゃねぇんだ、俺様を好きに使いてぇとか、夢でも見てろ。

サンデビル:……それでも、学生はここダークストリートで行方不明になったんだ、ここを一番知っているのは貴方だ、学生が危険な目に遭う可能性も……

バンッ—

バーの前にあるからの酒樽が青年の怒りの犠牲になった。轟音はサンデビルの言葉を強引に遮った上、飛び散った木屑は微かなお酒の香りがして、青年の怒号で舞っていた。

ペルセベ:頭に水でも入ったのか?ダークストリートにバカ見てぇな宿題なんてねぇし、学生をとっ捕まえてどうするんだ?自分で失くしたもんは自分で探せ、俺様を巻き込むな!

バンッ——

アンソニー:朝っぱらから俺の家の前で喧嘩してる奴はどこのどいつだ、生き急いでんのか?!

バーのドアを内側から蹴り開けた人物が、大声で叫んだ。外にいる二人を見ると、声帯を引っ張られたかのように、声が何オクターブも高くなった。

アンソニー:コホンッ……ボスだったのね、朝から元気ねー!

ペルセベ:…………

アンソニー:あら!イケメンくんじゃない!

サンデビル:!

アンソニー:早く中に入って!今度こそおもてなしをしてあ・げ・る!

サンデビル:ちょっ……まっ……や、やめろ!

有無を言わせずサンデビルはバーに引きずり込まれた。慌てふためいている彼を見て、普段から不機嫌な顔をしているペルセべは珍しく口角を上げた。

ペルセベ:ハッ、手伝っても良いぜ、ただし一つ賭けをしろ。

サンデビル:なっ、何の賭けだ?

ペルセベ:情報と行動権限を与える。貴様が先にガキを見つければ、さっき言ったなんとか祭りに参加してやる。

サルミアッキ:創世日、祭典……なんとか祭りじゃない……

ペルセベ:名前なんざどうでもいい。あのバカ王が俺様に会いたがっているんだろう?見せてやろうじゃねぇか。だが、もし俺様が先に見つけたら……

ペルセベ:貴様、残ってアンソニーの所で働け。

サンデビル:なっ……

アンソニー:ナイスアイディア!新しく買ったバニーボーイの衣装がやっと役に立つわ!

サンデビル:ばばばバニー、ボーイ……?!

ペルセベ:反論しねぇなら、承諾したって事にするぞ?

サンデビル:いや……私は……

ペルセベ:54321、よし、賭け成立。

サンデビル:ちょっ……数えるのが早すぎるだろう!

サルミアッキ:バニー……楽しみ……

サンデビル:変な物を期待するな!


第二章-行動

3時間後

アンソニーのバー


手下:ボス!聞き回ったけど、あのシュスターって学生は誰も見てないらしいっす。

ペルセベ:わかった、もういいぞ、遊びに行け。

サンデビル:…………

アンソニー:イケメンくん、眉をひそめないで、ずっとそのままだとブサイクになるわ。

サルミアッキ:サン教官は、とても心配している……

ペルセベ:じゃあ、ガキ共は?仲間が半月もいなくなって、誰も報告しなかったのかよ?

サンデビル:シュスターは内向的な性格だから……

ペルセベ:友達がいねぇって事か。

サンデビル:……学生の中では一番聞き分けの良い子だ、むやみに走り回る事はないだろう。まして、ダークストリートは勝手に出入り出来る場所でもない、なのに見つからないなんて……

サルミアッキ:まさか、もう危険な目に……

ペルセベ:俺がいれば、このダークストリートは最も安全な場所だ。誰も危険な目に遭わねぇよ、それか……

ペルセベ:あいつはそもそもダークストリートに来てねぇとか。

サンデビル:?!

サルミアッキ:確……かに……

サンデビル:しかし、報告書には学生十五人が全員揃っていたと……

サルミアッキ:報告書は、誰が書いたの?

サンデビル:今回の特訓を引率した教官だ……彼に確認して来る。

サルミアッキ:じゃあ、あたしも……

凸凹コンビがバーに出ると、アンソニーは目を見開いたまま、大げさな表情でベルセぺに近寄った。

アンソニー:ボス、今日はどうしたんだ?彼らの面倒事に首を突っ込むなんて!

ペルセベ:じゃあ、賭けはナシにするか……

アンソニー:えー!やめて!ウサギの耳も準備しちゃったのに、今更ナシにするのはずるい!

ペルセベ:なら余計なこと言うな。

振り払ったやかましい声の主が、床にへたり込んでわざと悔しそうな顔でチラリと見上げて来たのを見て、ペルセべは白目をむいた。

ペルセベ:手伝ってねぇ、ただ学校の連中に代価を払わせようとしただけだ。

アンソニー:代価って……バニーボーイ?流石に割に合わないんじゃ……

アンソニー:それと、前から聞きたかったんだけど、どうしてあんなに学校を敵視しているの?別に酷い事をされた訳じゃないのに。

ペルセベ:もう十分ひでぇだろ?!権力を振りかざして俺様を顎で使おうとするなんてな、これだけであいつらが何百回死んでも気が済まねぇぐらい気に食わねぇ!

ペルセベ:あとあの太陽野郎、おもしれぇ奴を見つけたと思ったら、あいつらにガチガチに縛られて、頭もバカにされた見てぇだ。俺様の楽しみの一個潰されたんだ、それでも酷くねぇって言うのか?!

アンソニー:わかったわかった……酷い酷い、死ぬべきだわ……

青筋を立てたペルセベをなだめながら、アンソニーは何か思いついたかのように口の端を吊り上げて呟いた。

アンソニー:でも、イケメンくんが貴方を訪ねなくっても、絶対自分でこっそり人探しに行ったでしょうね……ツンデレにも程がある、あのガキんちょが心配だって認めても何も減らないのにねー

ペルセベ:はあ?何か言ったか?

アンソニー:えへへ、なんでもない。ボスは座ってて、カクテルを用意して来る。

ペルセベ:いらねぇ、もう出る。

アンソニー:え?どこに?

ペルセベ:コロシアム。あの野郎がもしガキを捕まえてたら、あいつらが飼っている畜生をまとめて焼き尽くしてやる。

ペルセベは大きな歩幅でバーを出た。ダークストリートが目覚める午後、彼が行き先だけはしんと静まり返る。それでも傲岸不遜な顔には苛立ちがこびり付いていた。

ペルセベ:待ってろ、絶対に手足を揃えて連れ帰ってやる……

シュークリーム:うわーっ!

ペルセベ:?!

突然の悲鳴にペルセベは足を止めた、その血色の目には興奮を荒々しさが浮かび上がる。瞬きもせず、真っすぐ声がした方へ駆け出した。

ペルセベ:俺様の縄張りを荒らすなんてな……やれるもんならやってみろよ!


第三章-誘拐

悲鳴を追って駆けつけると、ダークストリートの住民が見知らぬ少年に迫っているのが見えた。その光景に、ペルセベは怒りのあまり気を失いかけていた。手下たちが揃いも揃って余所者にちょっかい掛けて、自分が定めたルールを破っている現実に、彼の堪忍袋の緒が切れた。

チンピラ:ボッ、ボス……俺は……その……

ペルセベ:死にてぇのか!

シュークリーム:ちょっと待ってください!

ペルセベ:はぁ?

シュークリーム:誤解です。彼は僕を傷つけるつもりはありません、僕が……

ペルセベ:ガキ、早く教官の所へ戻れ。

シュークリーム:教……官?申し訳ないのですが、教官というのは……

チンピラを蹴り飛ばそうと上げた足を下ろし、ペルセベは困惑した表情で金髪の少年を見た。

ペルセベ:貴様、シュスターじゃねぇのか?

シュークリーム:シュスター?えーと、聞き覚えはありますが、残念ながらそれは僕の名前ではありません。僕はシュークリームです。そして……

サッーー

金属音と共に、少年はペルセベの武器によって壁際に追いやられた。一命を取り留めたチンピラは慌てて逃げ出したが、少年は目をぱちくりするだけで、まったく顔色を変える事はなかった。

シュークリーム:何をなさっているのですか?

ペルセベ:ガキ、見ねぇ顔だな。どうやってここに入った?

シュークリーム:うぅ、彼らの後を追って、あの真っ黒な門から入って来たんです。創世日祭典に向かっているのかと思っていました、まさか……

シュークリーム:ここは不思議な場所ですね。入ったら出れなくなりました、どういう仕組みなのかわかりますか?

ペルセベ:ダークストリートのモンハ俺様しか開けられねぇし、俺様の許可がなければ誰も出られねぇ。

シュークリーム:へー!そういう事なんですね!凄いですね!

ペルセベ:……ガキ、さっき誰と入って来たって言った?

シュークリーム:同じような服装の少年たちの後ろについて……そうでした!シュスターという名前、道理で聞き覚えがあったのですね!あの時、入り口にいた先生のような方が僕の事をそう呼んでいました!

ペルセベ:先生が?

シュークリーム:はい!彼に「はい」と答えるように言われた後、中に入るよう促されました。

ペルセベ:チッ、学校のバカ共は学生の顔すら覚えてねぇのかよ。やっぱシュスターってガキは……

シュークリーム:シュスター……ああ、神のいたずらで可哀想な人を見失ってしまったのですね。彼に会えたら、どうか僕の元に連れて来てください!

ペルセベ:はあ?

シュークリーム:彼の魂が濁っていようと、歪んでいようと、神は彼を受け入れ、救ってくださいます!

ペルセベ:何をごちゃごちゃと……

サンデビル:ペルセべ!どうしてここに?

ペルセべ:俺様のダークストリートだ、俺様がどこにいようが俺様の勝手だろう!

単純な質問が挑発と取られてもサンデビルは特に気にせず、慣れているように話を続けた。

サンデビル:シュスターの手掛かりは?

ペルセベ:貴様らが人違いをしてこいつを入れたみてぇだ、シュスターってガキはダークストリートには来ていない。

サルミアッキ:シュスターは家にも帰っていない、学校にも、いない。

ペルセベ:サボって遊びにでも行ったんだろう。

サルミアッキ:シュスターが好きなのは、実験だけ……遊んだりは、しない……

ペルセベ:実験?

サンデビル:……シュスターは、誘拐されたのかもしれない。

ペルセベ:はぁ?


第四章-偶然の出会い


レストラン


クレームブリュレ:うぅ……この仕事が始めたばかりなので、半月前の事はわかりません。本当にすみません!

サンデビル:……大丈夫だ、感謝する。

クレームブリュレ:いえいえいえ、とんでもない!しかし……最近、行方不明事件がたくさん起きているみたいです、しかもいなくなるのは子どもばかり……心配ですね。

サルミアッキ:子ども……行方不明……

クレームブリュレ:まあ、心配し過ぎても仕方ありませんよ。こういうおかしな事件は大体専門家が処理してくれるので、安心してください!

サンデビル:……シュスターは一体どこに……

クレームブリュレ:あれ……そう言えばちょうど半月前から、近所から訳もなく人が消えているらしいです。幽霊に連れていかれたんだって、皆さん言ってました!

サルミアッキ:幽霊……

クレームブリュレ:へへっ、その幽霊は痩せていて小さな若者に狙いを定めているらしいですよ!幽霊に連れて行かれた人は、恐ろしい悪魔の化身になって、人間に復讐を……

レストランオーナー:おいっ、新人!

クレームブリュレ:ああああはいっ!

レストランオーナー:サボるな!早く働け!

クレームブリュレ:えへへ、見つかっちゃいました……お客様、申し訳ありませんが、お先に失礼いたします。

トレーを抱えた人懐っこいウェイトレスは勢い良くキッチンに入って行った。彼女の情報にかき乱された客たちは、思い思いの表情を浮かべていた。

サンデビル:……不可解な失踪……シュスターも関係しているのだろうか……

ペルセベ:考え過ぎだろ、三歳児でもねぇし、そんなに心配する必要があんのか?

サンデビル:違う……無駄な「情報」などない。

サンデビル:学校では多様な人材を養成している、シュスターは戦闘出来るタイプではない、それに……実験室の研究資料をたくさん持っている、機密資料も多い、万が一本当に誘拐されたら……

ペルセベ:ガキに大事なもん持たせておいて、ちゃんと見ておかねぇなんて、貴様らはいつになったら頭の水を全部抜けるんだ?

サルミアッキ:ダークストリートは、安全な場所……こうなるとは、思っていなかった……

ペルセベ:もういい、まずガキを見つけるのが先だ、ていうか……

ペルセベ:なんでこいつもついて来てるんだ?!

シュークリーム:え?僕の事ですか?

ファストフードに夢中になっていた金髪の少年が、可哀想な表情で顔を上げた。この顔を見たペルセベは、何故か彼の食事を邪魔しかたかのような、申し訳なさそうな気持ちになった。

サンデビル:シュスターにはあっていないと言っていたが、片方だけの意見では……

ペルセベ:見張るって事か?

サンデビル:否定はしない……相手が子どもだからといって、気を抜く訳にはいかない。それに、彼は何故だかシュスターの事をよく知っているようだ……

シュークリーム:シュスターは……孤独で、苦しい少年です……

サンデビル:…………

シュークリーム:その少年が一日でも早く深淵から脱出出来るよう、祈ります。あなたちの事も助けてあげたいと思います、何故なら…

シュークリーム:神は、この世の全ての者を愛しているのですから!

サンデビル:…………

サルミアッキ:……サルミアッキは、神より、幽霊のが好き…………

サンデビル:行こう、早くシュスターを見つけなければ……

手早くテーブルの上の食事を済ませ、会計をしようとした時、裏口から元気な声が聞こえてきた。

クリームブリュレ:えっ?お客様はお手洗いに行かれていたのですね、長い間戻ってこられないので、お帰りになったのかと思いました!

???:……

クレームブリュレ:裏口から出たいのでしょうか?では、お会計を……

???:……どいて。

クレームブリュレ:わあ!食い逃げです!誰か!食い逃げした人がいます!

少女の叫び声はその場にいた全ての者の注意を引いた。サンデビルはすぐに前に出て、逃げようとしている者を捕えた。そして、揉み合っている内に相手が羽織っているマントを引きずり下ろした。

???:!

サンデビル:シュスター!

サンデビルが呆気に取られている内、貧弱な少年は必死にもがいて、どうにか振り切って外に逃げて行った。

ペルセベ:チッ、待て!


第五章-謎の人物

ペルセベ:クソガキ、逃げられるもんなら逃げてみろ?!

シュスター:…………

ペルセベ:金がねぇなら教官から借りればいいだろ、何で逃げんだ?!

シュスター:…………お前には、わからない…………

ペルセベ:確かにわからねぇな、俺様は例え餓死しても食い逃げなんてしねえよ!

シュスター:…………

サンデビル:……シュスター、どうして特訓に行かなかった、この半月、貴方は……

シュスター:構うな。

サンデビル:?

シュスター:教官たちは、何もわかっていない。

ペルセベ:あーうぜぇ……これが思春期のガキか?

鎖がジャラジャラと音を立てている、ペルセベの我慢が限界に達したのか、首を捻って獣のような威圧的な声を発した。聞いた者は皆思わずゾッとする。

ペルセベ:一回殴れば、聞き分けがよくなるだろう……

サンデビル:落ち着け、ペルセベ

過去に暴れた姿を見ているため、サンデビルは慌ててペルセベを制止しようとした。しかし手が伸ばすよりも早く、シュスターが背にしている壁の向こうから誰かが跳び下りて来た。

ペルセベ:?

謎の少年:行って。

シュスター:…………

次の瞬間、シュスターは少年の肩を踏んで、壁の向こう側に消えた。

ペルセベ:おいっ!

謎の少年:皆さん、彼の邪魔をしないでください。

ペルセベ:はあ?貴様誰だ?

謎の少年:彼の事は、私が一番よくわかっています。

ペルセベ:……気持ち悪ぃ。

謎の少年:えっ、気持ち悪いって…………

サンデビル:この半月、貴様がずっとシュスターと一緒にいたのか?

謎の少年:……フフッ、半月も行方不明に気付かないで、今更心配するなんて、ちょっと都合が良過ぎませんか?教官さん。

サンデビル:…………

謎の少年:彼には計り知れない価値があるが、貴方たちにとってはこの程度だったという事です……本当に彼の事を心配しているのなら、もうここで手を打ったらどうでしょう?

ペルセベ:命令するな?!貴様……

サンデビル:待て!

振り上げた拳をサンデビルに止められ、ペルセベは少年が向こうに消えていくのを信じられないような顔で見ていた。彼の顔は、怒りで真っ赤になっている。

ペルセベ:頭の中に溜まっていた水を出せつったが、脳ミソまで捨てろとは言ってねぇだろ!何故止めた!

サンデビル:シュスターの様子がおかしい、まず彼がここ数日どんな経験をして来たのか、知らなくてはならない。

ペルセベ:ああ?監視の次は尾行?正々堂々と聞けないからこそこそやんなきゃいけねぇのか?やはり学校の奴らは同じ穴の狢だな。

サンデビル:正々堂々と?私に学生を拷問して自白を強要しろと言うのか?ダークストリートのルールがどこでも通用する訳ではない!

ペルセベ:誰がガキに自白を迫れと言った?俺様が言いたいのは……

サルミアッキ:喧嘩は……ダメ……

サンデビル:…………

ペルセベ:チッ。

女の子の声を聞いて、ペルセベは急ブレーキが掛けられたかのように動きを止めた。サンデビルを睨んだ後、視線を戻したが、顔は不満だらけだった。

シュークリーム:あの……彼を追わなくて良いんですか?もう随分遠くに行ってしまってますよ。

サンデビル:行こう!


第六章-獲物



第七章-尋問

編集中


第八章-変異

編集中


終章-救済

編集中



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ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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