傲岸不遜・ストーリー・廃倉庫
◀ イベントストーリーまとめへ戻る
◀ 傲岸不遜・ストーリーへ戻る
◀ 傲岸不遜へ戻る
両面悪魔
ペルセベ教官の知られざる一面。
ダークストリート
学生A:こんな場所にいられるかよ!眠れないし、ご飯も美味しくない、特訓初日に教官が遅刻するなんて?!
学生B:はぁ……やめとけ、教官に聞かれたら……
学生A:何を怖がってんだ?帝国最強はサンデビル教官だ、あいつなんて……
ペルセベ:悪夢ってとこだろうな。
学生B:!
学生A:あっ、貴方……
音もなく突然現れた青年に二人の学生は驚いてしどろもどろになった。だけど、すぐに彼らは何も話せなくなる、何故ならーー
学生A:あああー!!!!!
学生B:…………
害虫を駆除しているかのように、ペルセベは手首を回して、驚く学生に向かってこう言った。
ペルセベ:どうしてダークストリートでの特訓は短くても半月掛かるかわかるか?
学生B:し、知りません……
ペルセベ:一回の訓練の後は少なくとも七日は療養しねぇとだからだ。
学生B:…………
ペルセベ:それに、ここには怪我を治してくれる包帯のガキもいねぇ。まだ息が出来てんなら、耐えろ。
青年は首を捻りながら、目には火が灯っていた。
ペルセベ:戦えねぇ奴はこっから離れて分析でもしろ、さっさと働け!
話終えると、その場に残っている学生は半分程いなくなった。誰がどう見てもペルセベの言葉が嘘ではないと分かるから。彼の存在は絶対で、勝てないと、見ているだけでわかるから。
ペルセベ:帝国最強?ハッ!なら見せてもらおうじゃねぇか、太陽野郎が調教したガキの力量って奴をよ……
二時間後ーー
ボロ屋には包帯でぐるぐる巻きにされている学生たちが、蛹のように並んでいた。
学生A:クソッ!あのペなんとか野郎!
学生B:ペ……ペルセベ教官だ……
学生A:どうでも良い!不意討ちはねぇだろ!まだ準備も出来ていないのに攻撃してきやがった!見てろよ、あいつにも不意討ちの怖さを味わわせてやる!
学生B:それぐらいにしとけよ、下手したら「植物状態」になるぞ。それに、サンデビル教官は不意討ちなんて許さないだろうな。
学生A:お前は黙って見てろ!
七日後
学生A:ほっ、本当にやるのか……諦めろよ、ペルセベ教官が手加減しても、俺らは勝てないって……
学生B:シーッ……黙れ、あいつの声が聞こえた。
ペルセベ:おすわり……ジャンプ……ふせ……
学生A:え?今日は休みだろ、誰の訓練をしてるんだ?
ペルセベ:おまわり……スピーク……よしよし、良い子だ……
学生A:……おすわり……?
学生B:……おまわり……?
学生A:……よし、よし……?
学生B:……良い子……?
二人の学生はお互いを見合わせ、同時に震え出した。何故なら、悪魔のように怖い教官の裏の顔を知る事より、怖い事はないから……
この情報をどうにか生きて学校に持って帰ろう決めた二人は、そそくさとその場を離れた。
集中していたペルセベは、学生の中で自分のイメージがおかしな事になろうとしている事に全く気付いていない。この時、彼は夢中で……
ペルセベ:クロ!お手!
クロ:ワンッ!
究極美味
シュークリームの言う美味とは一体?
レストラン
ドンッーー
青年はの拳がテーブルに下ろされた。グラスが激しく揺れ、中に入っている水のほとんどがこぼれ、皿に掛かってしまった。
シュークリーム:あっ、ご飯が……
ペルセベ:ガキが誘拐されたんだぞ?飯食ってる場合かよ?!
サルミアッキ:食べ物、粗末にしちゃダメ……
ペルセベ:…………
怒りでテーブルをひっくり返そうになっていた青年は、その言葉を聞いて何故か静かに座った。いつもながら不遜な態度ではあるが、信じられない事に反省している色が見える。
サンデビル:シュスターは賢い、誘拐されたのなら必ず何か手掛かりを残してくれているはずだ……学校からダークストリートに行く道中にはこのレストランしかない、誰かが彼を見ている可能性がある
ペルセベ:あのガキがこの道を通っていないとしたら?面倒だ、いっそオーナーを捕まえて直接話を聞けばいいだろ……
サンデビル:ダメだ、暴力行為は不必要に民衆の不満や恐怖を煽ってしまう。
ペルセベ:チッ、どうだっていいだろ?
サンデビル:学校のため、帝国のため、私は色々考えなければならない、貴方のように思うまま行動は出来ない。
ペルセベ:貴様が飼いならされた、飼い犬だからな。
サンデビル:……飼い犬と野良犬の違いは服従するかどうかではない、背負わなければならない責任を背負えるかどうかだ。
ペルセベ:はあ?貴様にしか守らなきゃいけねぇもんがあるとでも思ってんのか?ダークストリートがここまで来たのは、誰のおかげだと思ってんだ?
サンデビル:……では、貴方が命令に従わない場合、このダークストリートを壊すと言ったら?
ペルセベ:それなら……
シュークリーム:あっ!
大きな声で二人の会話が中断された。声の主は頬を膨らませ、目をキラキラさせていた、まるで新大陸を見つけたかのようだ。
シュークリーム:美味しい!
シュークリーム:こんなに美味しい食べ物、初めてです……うぅ……神の施しに感謝いたします……
ペルセベ:このガキ、今までどんな生活をしてきたんだ……
サルミアッキ:ファーストフードは不健康、サルミアッキの薬の方が、美味しい……
シュークリーム:え?これより美味しい物があるんですか?
サルミアッキ:うん……食べて、みる?
シュークリーム:良いんですか?ありがとうございます!
サンデビル:待っ……
ゴクゴクーー
サンデビルが口を開いた時、シュークリームは既にねっとりとした黒色の液体を飲み干してしまった。あの薬の味を良く知っている青年二人の表情は暗い、しかし……
シュークリーム:美味しいです!
ペルセベ:?
サンデビル:なっ……
サルミアッキ:やっぱり、いっぱい作って、皆に飲ませないと……
シュークリーム:そうですね!良い物は皆でシェアしないとですね!あっ……全ての者にこのような美味を味わわせてあげたいですね!
サンデビル:……美……味?
ペルセベ:この……下水みてぇなもんが……?
サンデビル:この二人が、一番恐ろしいのかもしれない……
二重スパイ
うまくハプニングを起こせば、多くの収穫を得られるかも。
レストラン
クレームブリュレ:二名様ですね、こちらへどうぞ!何になさい……
謎の少年:おすすめセットをお願いします。
クレームブリュレ:かしこまりました!お客様は常連なのですね!少々お待ち下さい、すぐにこのブリュレがお持ちいたします!
謎の少年:座ってください。
シュスター:……最近、行方不明になっている人が多いみたいだ。
謎の少年:ええ、貴方も気を付けてください、単独行動をしないように。
シュスター:…………
謎の少年:どうしました?
シュスター:……いや……
謎の少年:何か……問題でも?
シュスター:いや……ただ「彼ら」の様子がおかしい、やっぱり……
謎の少年:私たちの目的を忘れないでください。優しさなんかで「目的」は達成出来ない。
シュスター:わかっている。ただ、自分を使っても……
謎の少年:貴方は「代えがたい」存在だ、バカな事をしないでください。
シュスター:本当にそうなのか?もしかしたら……私はそもそも「執行人」には相応しくない。
謎の少年:どうしてそう思うんですか、貴方は……
シュスター:貴方がいない時にわ彼らの家族に会いに行った。
謎の少年:…………
シュスター:「彼ら」に罪はない。
クレームブリュレ:うわーっ!
謎の少年:!
サッーー
突然の出来事で少年は避けられず、ウェイトレスが持ってきたドリンクを頭から被ってしまった。ウェイトレスは謝りながら、ポケットの中から布を取り出してお客様の顔を拭いた。
クレームブリュレ:本当に申し訳ございませんでした。すぐに綺麗にします……あれ……すみません、雑巾だった見たいです……
謎の少年:もういい!自分で処理する、お手洗いはどこだ?
クレームブリュレ:こちらです、ご案内します!
お客様をお手洗いまで案内した後、ウェイトレスは愛想笑いをやめ、興奮した様子でノートを取り出し慣れた様子でメモを取った。
クレームブリュレ:……失踪事件の容疑者リストに……二人を加えてっと……
鹿教官
ペルセベ教官程恐ろしい教官がいるだろうか?
レストランの外
出て行く一行の姿を眺め、ウェイトレスはドアの傍でホッとした表情を見せた。
クレームブリュレ:ふふーん……よし、悪魔教官はあたしの「情報」を読み取ってくれたようだね。
クレームブリュレ:流石あたし!こんなに出来るなら、もう一人前でしょう!
口に出した後、クレームブリュレは自分の口を塞いで、人のいない路地で慌てて辺りを見回した。
クレームブリュレ:いない……いない……良かった……神出鬼没の「鹿」教官に見つかっちゃったら、また愛の「教育」を受ける羽目になってたよ……
ザッハトルテ:どうやら、僕の威信はまだ足りないようですね。
クレームブリュレ:うわあー!ビックリした!どうして皆さん、足音がしないんですか!
ザッハトルテ:鹿教官の必修科目のはずですが。
クレームブリュレ:えっ?鹿教官ずるい、どうしてあたしには教えてくれなかったの。
ザッハトルテ:そう言えば、あなたの任務は失踪事件の捜査でしたよね、どうしてサンデビルたちと一緒ではないのですか?
クレームブリュレ:あはは、優等生も行動規則を忘れる事があるのですね!任務中に上司に遭遇した時、自主的に任務の執行権を受け渡さなければならない。だから任務を悪魔教官に渡したんですよ!
ザッハトルテ:……サンデビル教官の様子を見るに、失踪事件の事を知らないようでした。ある人物を探しているだけみたいでしたよ。
クレームブリュレ:えっ?!そうなんですか?!
ザッハトルテ:サボりたいだけですよね。
クレームブリュレ:バレちゃいました?いや……演技力を磨いたはずなんですけどね!
ザッハトルテ:……今日の事はありのまま「鹿」教官に報告させて頂きます。
クレームブリュレ:ごめんなさいごめんなさい、許してください、ザッハトルテ様ー!
この世界
世界が俺様に逆らうなら、俺は世界に逆らう、
ペルセベ:クロ、この匂いを覚えたか?
クロ:ワンッ!
ペルセベ:行け、あのガキを探せ。
クロ:ワンッ!
サンデビル:忘れていた、地獄犬こそ人探しの専門家だ……
ペルセベ:なんだ、貴様もそこまで頭が回っていないんだな。
サンデビル:?
ペルセベ:レストランで、何事も万全に周到に考えなければならないって言ってただろ、口だけかよ。
サンデビル:……
ペルセベ:そうだ、さっき俺様が言う事を聞かなかったら、ダークストリートを壊す事になったら、どうするか聞いただろ?
サンデビル:ああ……そうだ。
ペルセベ:簡単だ、俺様に命令した奴をやっつければいい。
サンデビル:……命令して来たのが、この「世界」だとしたら?
ペルセベ:同じだ、「世界」をやっつければいいだろ。
サンデビル:……何を言っているのかわかっているのか?
ペルセベ:バカにするな。
ペルセベ:「世界」がなんだ、人間が「世界」を創ったんだ、「世界」が人間を創った訳じゃねぇ。「この世界」を壊したら、また「新世界」を創ればいい。
ペルセベ:世界でも神でも国王でも、俺様の前に立ちはだかるなら、死んでもらう。
サンデビル:……ハッ、流石だな。
ペルセベ:貴様こそ。
サンデビル:はい?
ペルセベ:学校も、帝国連邦も、思惑が蔓延っている場所だ、貴様には似合わねぇ。
サンデビル:わかっている……だがそういう場所にいて、初めて私の目的が達成される。
サンデビル:誰かにその立場を渡すぐらいなら、自分でそれらを一身に受ける。
ペルセベ:……チッ、だから貴様が嫌いなんだ。
サンデビル:?
ペルセベ:もたもたすんな、ガキを探さねぇと、帰って貴様が注いでくれた酒を飲まねぇとだしな
サンデビル:私は同意していない!あの賭けは不成立だ!
教官
生徒への愛は、瓶に詰める事だ。
学校
実験室
コンコンコンッーー
ルートフィスク:!
サルミアッキ:先生……あたし……
ルートフィスク:うぅ……ど、どうした?
サルミアッキ:特訓、もうすぐ終わるから……何日か、離れる……ダークストリートに行って来る……
ルートフィスク:じゃあ、実験材料はどうしたら良い?うぅ……怖い……そうだ、倉庫にいる人も僕の生徒にしちゃえば良いよね?瓶に詰めれば怖くなくなる、シシシッ……
サルミアッキ:……すぐに、戻るから……
ルートフィスク:ああ、そう……
サルミアッキ:先生、寂しい?
ルートフィスク:えっ?
サルミアッキ:実験が中止になって……シュスターが実験室に来なくなって、先生、寂しい?
少年は棚に置いてある標本たちを見て、微笑んでいる頬が更に赤くなっていった。
ルートフィスク:うぅ……ここには生徒がいっぱいいる……皆、僕の大好きな生徒だ……
ルートフィスク:でも……生きた実験体がいないのは、確かにイヤだ……
サルミアッキ:あたしが先生の実験体になる……前みたいに……
ルートフィスク:で、でも……フォンダントケーキが、怒る……怖いよ……
サルミアッキ:大丈夫。
少女の揺るぎない言葉は少年の視線を引き寄せた。二人は数秒見つめ合うと、少年はすぐに目をそらして、俯いてしまった。
サルミアッキ:自分で治療出来るかな……大丈夫。
ルートフィスク:……いいや……サルミアッキは前みたいに、倉庫に物を取りに行って欲しい……
沈黙が続く、突然サルミアッキのあまり感情のない目に、流星のようなキラキラした物が過ぎった。
サルミアッキ:……わかった、これからもっと実験室に顔出す……
ルートフィスク:……一人のが好きだよ……
サルミアッキ:もっと、来るね。
ルートフィスク:……
サルミアッキ:先生はノックが聞こえていないフリをすればいい……それでいい。
少女が離れてから、少年はやっと顔を上げた。棚に置いてある瓶には、唯一空いている物があった。そこに自分でも見た事もない優しい瞳が映る。
ルートフィスク:残念だ、まだ出番は当分来ないみたいだよ。
ルートフィスク:彼女を瓶に入れたいけど……入れたくない……
ルートフィスク:変、なの……
情報
これは神恩軍が干渉する権利がない事件だ。
神恩軍
アールグレイ:短期間に数十人が失踪しています。見つけた時、既に半人半鬼の怪物に……軍団長様は、聖教が関わっているとお考えですか?
ドーナツ:その説明を聞く限り、直視不可の神と出会った後の様子に似ていると思います。
アールグレイ:わかりました。軍団長様の憂いを解消出来るなら、全力を尽くします。
ドーナツ:邪悪を粛清するためだ、わたしのためではない。
アールグレイ:フフッ、いつも通り慎重ですね……では、出発致します。
ドーナツ:時間を守れ。
アールグレイ:かしこまりました。なるべく早く貴方の傍に戻ります、軍団長様。
ドーナツ:……
レストラン
クレームブリュレ:いらっしゃいませー!
アールグレイ:フフッ、鳥のさえずりのような素敵な挨拶ですね……
クレームブリュレ:本当ですか?あはは、あたしの声はロケット花火みたいにうるさいって言われた事はあるんですけど、あれは嘘だったんですね!
アールグレイ:……道を聞きに来ただけでしたが、思わずその声に惹かれて足を止めてしまいました。
クレームブリュレ:道を?そうですか……大丈夫です、この店はお金のないホームレスの方を追い出したりしません、どうぞ聞いてください!
アールグレイ:ホームレスですか……フフッ、その通りかもしれませんね。では、この近くに若者がたくさん集まる場所はありますか?
クレームブリュレ:うーん、あっ!不真面目な若者がよくあれた教会で時間を潰しているって聞いた事があります。
アールグレイ:教会?今の若者はそんな感じなんですね……
クレームブリュレ:反抗期だからじゃないですか?
アールグレイ:なるほど……これは貴重な「情報」ですね、ありがとうございます。美しいお嬢さん。
クレームブリュレ:えへへ、またのお越しをお待ちしております、「伯爵」さん。
アールグレイ:!
クレームブリュレ:へへっ、ウェイトレスの情報網を甘く見ないでくださいよー
アールグレイ:これはこれは……失礼いたしました。
クレームブリュレ:大丈夫ですよ、教官が少し前に軍団長様にご迷惑をお掛けしたみたいで、彼女に宜しく伝えておいてください!
アールグレイ:もちろんです、ホルスから来た素敵なお嬢さん。
荒廃した教会
アールグレイ:おや……全部実験機材ですね、聖教と関係がないみたいですね……
アールグレイ:おや?これは……
青年は実験機材の中で意外なある報告書を見つけた。急いで目を通した後、いつもの余裕な笑顔を浮かべている顔に、一抹の緊張感が走った。
アールグレイ:これは意外ですね……こういう事は、神恩軍は手出し出来ないですね……
アールグレイ:しかし、この「情報」は良い収穫です。
公平を踏みにじる事は許されない
三ヶ月前
ナイフラスト某所
執事:坊ちゃん、おかえりなさいませ。
謎の少年:ブルト、手紙は来ているか?
執事:いえ……
謎の少年:そうか……
執事:落ち込む必要はありませんよ、学校が人間の学生を受け入れるという情報は出たばかりです、リストには必ずや貴方の名前が載っているでしょう。
謎の少年:慰めなくてもいい……
執事:人間を受け入れる情報が出ると、貴方はすぐに大々的に宣伝し、民衆に賛同してもらえるよう大きな貢献をしました。学校が貴方の能力を蔑ろにする訳がありませんよ。
謎の少年:そ、そうだね……その通りだ!学校はコリンのクズ野郎にも入学通知を送った、私に送らないはずがない!ブルト、ありがとう!
執事:お望みが叶いますように……
数日後
学生A:見つけた!リストにお前の名前があったぞ!お前ならきっと出来るって言っただろ!
学生B:良かった、ずっと通知が来ていないから、絶対ダメだと思った!
学生A:もう少し自信を持てよ!
学生B:もう募集も終わったし、後は入学するだけだ!学校の授業が楽しみだな……
謎の少年:……
謎の少年:どうして?
謎の少年:勉強を頑張って、体も鍛えて、学校のために宣伝もして……どうして?
謎の少年:どうして私を選ばなかったんだ?
コリン:おやーこれは俺の入学を後押ししてくれた功労者じゃないか?
謎の少年:……
コリン:申し訳ないが、入学者リストには君の名前がないからね、どう呼んだら良いかわからないんだ。
謎の少年:…………
コリン:おかしいな、あんなに色々頑張ったのに、入学出来ないなんて……まあそれもそうだな、学校に必要なのはエリートだ、広報じゃないからな、ははは……
謎の少年:待ってろ……
コリン:あ?
謎の少年:人間を入学させられるなら、取り消させる事も出来る。
謎の少年:不平等で、放任し、規則がない……こんなゴミは、この世に存在するべきじゃない。
強くなれ
強くなって、傷ついた分対価を払って欲しくはありませんか?
半月前
ブラックストリート付近
謎の少年:どうして誰もいないんだ、特訓は今日からだろう?記憶違いか?
謎の少年:いや、ありえない、学校の教官がわざわざ欠席者を大量に出す訳がない、必ずブラックストリートに特訓に行くはずだ……
謎の少年:来た!
少年は急いで街路樹の後ろに隠れ、こっそり大人一人に引き連れて来られた数十名の学生たちを見た。
教官:予定時刻より遅れてしまったな……急ごう!遅れると「地獄の門」が閉じてしまう!
シュスター:ハァ……ハァ……
教官:これぐらいの道のりでもう無理なのか……チッ、もう少し我慢しろ!
学生:本当に使えねぇ、戦えないどころか、歩けもしねぇのか?牛を飼った方がましだな、お腹が減ったらまだ食えるし。
シュスター:……す、少し休んだら、すぐに追いつきます。
学生:チッ、自分で教官に報告しろ、俺は怒られたくねぇから。
シュスター:…………
隊列は前進を続けたが、一人だけ隊列から離れてしまっている。彼は額の汗を拭い、どうにか呼吸を整え、隊列を追いかけようとした。
謎の少年:学校の学生ですよね?
シュスター:え?はっ、はい……
謎の少年:これからブラックストリートに特訓しに行くんですよね?
シュスター:うん……
謎の少年:おかしいですね、頭脳派と武闘派でわかれて特訓すると聞いていました、どうして貴方をそんな危険な所に連れていこうとしているんでしょうか?
シュスター:戦闘パターンの分析を、練習するために……
謎の少年:大部分の学生は分析の重要性をわかっていないですよね。
シュスター:……
謎の少年:辛いでしょう?同じ努力をしているのに、何も知らないクズ野郎たちに踏みにじられて……
シュスター:もう、行きます……
謎の少年:助けてあげます。
シュスター:?
謎の少年:強くなって、傷ついた分対価を払って欲しくはありませんか?
シュスター:……
謎の少年:私が助けてあげますよ。
仁政
自分で壊した物は、自分で責任もって直せ。
シャンパン執務室
シャンパン:今回の引率教官は?
シェリー:陛下の指示通り、クビにした後、「規則」に則って処置しました。
シャンパン:ご苦労、あの子どもと二人きりで話をさせてくれ。
シェリー:はい、失礼いたします。
謎の少年:…………
シャンパン:学校の募集要項に疑問があるんだろう?
謎の少年:……
シャンパン:あれだ、名前が思い出せん……コリンと言ったか、同じ町に住んでいる彼とは、入学後連絡を取っていないだろう?
謎の少年:……うん。
シャンパン:あの小僧は入学初日にミスを犯して除籍されている。
謎の少年:……何が言いたいんですか?学校に見る目がなくて、人をうまく使えないという事しかわかりません。
シャンパン:「規則」に則って、罰として彼にはボランティア活動に励んで貰った、本当に悔い改めるまで。
謎の少年:ボランティア?それが何の罰になるんですか……
ブランデー:タルタロスのボランティアだ、簡単仕事じゃない。
謎の少年:?
シャンパン:酒を飲んでろ、口を挟むな。
ブランデー:Cheers!
謎の少年:……
シャンパン:学校が受け入れた人間の学生たち、数名の特例を除いて、基準に達していない普通の者がいる。
謎の少年:普通?
シャンパン:そうだ、多くの学生は潜在犯だ、お前が知っているコリンのようにな。彼らを野放しにしてしまうと何をしでかすかわからない、だからいっそ傍において監視する事にした。これは「実証実験済み」の計画だ。
謎の少年:それって……
シャンパン:つまりだ、学校は食霊と潜在犯の集まりという事だらお前の安全のために受け入れなかった、わかったか?
シュスター:し……しかしシュスターは、どうして……
シャンパン:彼が特例の一人だ、ルートフィスクが選定した科学研究の人材……本来は実験室で育てる予定だったが、まさか……
ブランデー:自分のした事を良く反省しろ、自信と自大は一文字しか違わない。
シャンパン:これ以上口を挟んだら、酒を返せ!
ブランデー:これは我が持ってきた酒だ!
シャンパン:俺が前にお前の所に持って行った残った分だろ!
ブランデー:ぐちぐちうるさい!
シャンパン:デタラメ言うな!
謎の少年:…………
シャンパン:コホンッ……他に聞きたい事は?
謎の少年:なら、無実の人たちは……私が怪物にしてしまった彼らは……私は一体、どうすれば……
ブランデー:贖罪すればいいだろう?
謎の少年:贖……罪……
ブランデー:タルタロス大墳墓はいつでも歓迎するぞ。
謎の少年:!
シャンパン:あいつの言う事を無視しろ。あれは食霊を収監する場所だ、お前を行かせたりはしない。
謎の少年:じゃあ……
シャンパン:自分で壊した物は、自分で責任もって治せ。
謎の少年:え?「実験体」たちを元に戻せ?しかし、私にはその才能がない……
シャンパン:学校がそう判断したのなら、理由があるはずだ。誰にも才能があるわけじゃない、出来ない事を学べばいいだろう?
謎の少年:つ、つまり……
シャンパン:何をボーっとしているんだ?入学通知は贖罪を終えてからだ、とりあえず……早くルートフィスクのところに顔を出しに行け!
謎の少年:えっ?あっ……はい!
「恐怖」
アールグレイ:ほお……引率教官が学生を一人失踪させた罰が、ボランティア?学校がこんな友好的な場所だとは思いもしませんでしたよ……
サンデビル:タルタロス大墳墓には強大で凶悪な食霊の囚人が収監されている、そこでボランティア活動するのは、命がけだ。
アールグレイ:なるほど……では、人間を誘拐して実験体にした犯人は?
サンデビル:陛下なら、実験体を治させるだろうな。
アールグレイ:流石シャンパン陛下です、信じられない程情け深いですね。
サンデビル:それは違う。
アールグレイ:はい?
サンデビル:実験体を救うには、ある者の力を借りなければならない、そしてその者は……
サンデビル:とても恐ろしい。
アールグレイ:帝国最強に「恐ろしい」と言われる程の人物がいるとは、実に興味深いですね。
サンデビル:天真爛漫な外見で近づいて来て、おかしな気体で気絶させて来た後、気付くと自分は解剖台の上で横になっているんだ!
サンデビル:悪魔!あの子どもは最早悪魔だ!
ペルセベ:ルートフィスク?太陽野郎、貴様はあのクソガキの事が怖いのか?!
サンデビル:言い訳じゃない!ただ解剖台に縛られるのが耐えられないだけだ!
ペルセベ:あっ……
サンデビル:そうだろう……
ペルセベ:ああ……確かに……ムカつく……
◀ イベントストーリーまとめへ戻る
◀ 傲岸不遜・ストーリーへ戻る
◀ 傲岸不遜へ戻る
Discord
御侍様同士で交流しましょう。管理人代理が管理するコミュニティサーバーです
参加する