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キャラメルマキアート・エピソード

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作成者: 時雨
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キャラメルマキアートのエピソード

考古学に対し並々ならぬ愛情を持ち、学術的な議論では良く怒る。怒るととても怖いが、普段は親しみやすい爽やかな美少女。カワイイ物には興味がなく、遺物、古墳、ミイラなどにだけ目を輝かせる。特に遺物の修復を行う際には外界で何があろうと影響を受けず、凄まじい集中力で作業を完成させる。不眠不休で修復を終えると、甘い笑顔を見せる。

Ⅰ.石碑修復

(※原文ではプロシュットと表記されていますが、プロシュット・ディ・パルマ(パルマハムの別名)をさすものだと思われます)


オイルランプの暖かな光がテント全体を照らし、風の音を除くと、ランプが燃えてる小さな音だけが聴こえる。


こういった静寂が好きだ。時間も空間も無となり、目の前の作業に集中できる。


目の前には、まるでぼろきれのように崩れたエルフ族の石碑。完璧に復元させるぞ!



「マキアート、ひどいクマ。そろそろ寝ない……?何日もテントに引きこもって……いくら食霊とはいえ、体には気を付けないと。」


ゆったりとした声が聞こえてくる。目の前に一瞬ピンクの姿が現れたようだが、なにを言っているか理解できない。いや、他人の言葉に耳を傾ける余力なんてないと言った方が適切であろう。


その姿は動き回り、机の上からなにかの音がしたようだが、私の注意を引くことはない。

周囲はすぐ、静寂に戻る。時間がどのくらい経ったか自分にもよくわからないが、オイルランプの光が前よりも少し明るくなったようだ。


急に手首が痛み始める…いつものようにキャンディを舐めて、甘さで疲れを取ることにする。


後少しで完成だ。今倒れるわけにはいかない!


道具を握り締め、作業に集中する。

最後に補強剤を塗れば…完成だ。


「わああああ――できた!!!」


大きな喜びが疲れを一瞬で吹き飛ばし、気が付くと誰かがテントの中にいた。


「眠い……こんな深夜になに……地震?」

スブラキが眠そうに呟いた。彼の隣にいる少年は何も言わず、無表情に彼を支える。


「ふぁ――マキアートってば、声がバクラヴァの雷鳴みたいデカい……」

プロシュットとバクラヴァもテント前にやって来た。あの少年は彼らと言葉を交わす。


「違うって、俺はムサカじゃないって、何度も言っているだろ……」


「まあ別に他の名前もないし、スブラキがそう呼んでいるならそれでいいだろ。」

「それは置いといて、マキアートがこんなに興奮してる時は大体、ねぇ~」


「これを見てください!エルフ族の石碑が修復できました!上はね……」


がんばりの成果をみんなに見せようと話したが、途中で頭がぼんやりしてくる……


目の前が真っ黒になり、力も入らない……視界が真っ暗になる寸前、スブラキとプロシュットが心配する声が聞こえてきたような……


……


バラの花の海に落ちたように、甘さい香りが花をくすぐる……


「へくちっ――!」


目を覚ますと、プロシュットが鼻歌を口ずさみ、折り畳みの椅子にもたれている。のんびりしている雰囲気はまるでお茶会のようだ。


「よく寝られた?特製の睡眠改善ローズオイルだけど、いい香りだろ?でもまさか、寝てもあの石碑を抱っこしたまま離さないなんて…」


いつもの軽い口調を無視して、痺れてる腕をゆっくりほぐしながら、周囲の環境を確認したが、他には誰もいなかった。


「あれ?他のみんなは…?」


「マキアートが記録した石碑の内容を確認して、エルフ族の洞窟に向かったよ。俺はもちろん、留守番だけど~」


「ええ?!私を置いて行ったの!?ひどいです!お宝が逃げてしまいます!」


「物は逃げないよ。そんなことより、今はちゃんと休みなさい。」


プロシュットの言葉を無視して、とりあえず布団から飛び出す。道具箱を持って外に出ようとしたところ、誰かにぶつかってしまった。


「歯が!いてぇ…マキアートそのヘルメット、危ないよ……」

目の前にはスブラキが痛そうに叫んでいる。そして、ムサカバクラヴァも戻ってきたようだ。


「も、もう戻ったのですか!?なにかいい物は見つかりました?途中で壊していないですよね!?」


興奮している私に対して、スブラキは少し申し訳なさそうな顔をしてる。ムサカはいつものように無表情だった。


そして何秒かの沈黙の後、バクラヴァが話し始める。

「えっと、あのね。あの石碑に記載したエルフ族の洞窟はね……最初から存在してないかもしれない……」


Ⅱ.考古メモ


「偽物……?!」


バクラヴァが嘘を言っているように見えないが、信じられない。


「そんなはずは……石碑の内容によると、あの洞窟で間違いないはずです……どこに問題が……いや、もう一度確認します……!」


慌てる私を静止し、バクラヴァは残念そうな顔をしている。

「マキアートの判断は間違っていないと思う。だが……あの石碑自体が偽物だったかもしれない。精霊族の時代ってのはまあ……遥か昔のことだから誰も保証はできないだろうけど」


「洞窟はみつからなかったけど、景色は良かったし、すっごく美味しい果物が採れたよ。マキアートも食べてみない?うん……良い香り!」


「そうだ!これでマキアートもパンダ目にならずに済むしな!」


落ち込むのを心配して、スブラキパルマハムは私のことを慰めてくれた。


誰もひどいことなんてちっとも言っていないけど、私は悲しくて仕方がない。


やっと石碑を見つけることができて、なんとかこの山にたどり着いたのに、私のミスでみんなの時間を無駄にしただなんて……


考古学には、失敗は付き物だけど。今の私は昔みたいにひとりじゃない、探検隊の仲間もいるんだ、もっと慎重にやらなきゃ……


結局、こうなってしまったのは私の力不足のせい……

今更だけど……まだ頑張れるはず……!


「えっと、急に用事を思い出しました……みんなは戻ってきたばかりで疲れていますよね?それぞれ休んでおいてください。」


とりあえず彼らを追い出す。


「えっ?別に疲れてないけど、なんで追い出すの……」

「はいはい、知ってるだろう、こうなったらマキアートは梃でも動かないよ」

「また、テントに引きこもるのか?まあいいや、とりあえず甘い物でも食べるようすすめるしかないか」


みんなの声がだんだんと遠くなり、私は拳を握り締めあの石碑をじっくり見つめた。


間違いない、この石碑はどう見ても精霊時代の物!

この遺物を、元の状態に修復できなければ、本当のメッセージなんて読めないはず。


私だけが戦っている訳じゃない。私だけがこの石碑に期待を抱いてる訳じゃない。ムサカも他の人も、探検隊のみんなの気持ちが乗っているんだ。


私のミスで上手くいかなかったら、自分のことを許せない。


とりあえず持ってきた本で、ミスの可能性を探してみた。


本の内容を確認していると、意識が朦朧としてくる。どれだけ探しても答えが見つからない…


無意識にクッキーを食べ、口の中は甘い香りに包まれるが、焦燥感は止まらない。


「カタッーー」

何かが地面に落ちた音がした。


深緑色の、古いノートが一冊床に落ちている。


古い紙の匂いがしてきて、私は一瞬呆けてしまう。


これは……御侍様が持ってたノート……


Ⅲ.くらげの化石


ぶ厚い眼鏡を掛け、ボサボサの髪の毛、いつも工房で道具や遺物に囲まれている男。それが、私の御侍だった。


魔導学院で考古学の教授をやっていた彼は、他の教授みたいにとんでもない財産と地位を持っていた訳ではない。授業以外は、ずっと遺物や標本と一緒に暮らしていた偏屈者だ。


熱狂的な考古学者と呼ばれていた彼は、正に考古学に人生を捧げた男だった。


はじめの頃、私は考古学についてなにも知らなかったし、彼の目にあった輝きと情熱もわからなかった。


あの日、不意に彼の仕事場に紛れ込んだ私は、自分の生きがいと出会った。


あの時の御侍様は、誰もやりたがらない化石の修復作業をやっていた。

彼は砿物会社に捨てられそうな化石を買い集め、一人きりで工房で作業をしていた。


あの「廃墟」にいる彼を見つめながら、私は有用な化石を分類するなど、簡単な作業を手伝うことにした。


ただ変わった形をしている、よくわからない石に一体何の魅力があるのか、あの頃の私にはわからなかった。


彼に質問すると、彼は手のひらサイズの石を一つ手渡した。


濃いグレーの石板に、奇妙な模様が描かれている。

丸い傘の形をして、細い線のような触手が広がり、柔らかな様子はまるで……


「これは……クラゲ?!」


「マキアートは賢いね。そう、クラゲの化石だよ。機械で測定したところ……うーん、大体五億二千年前の物かな」


「ほっ、本当ですか……!」

この驚くべき古い石に、とんでもない衝撃を受けたのは今でも覚えている。


「五億年前の化石でびっくりしちゃった?これからはもっと面白い物が出てくるかもしれないよ」

「ほらよく見てごらん、もっと素敵なものがきっと隠れているよ」


その言葉で、私は再びクラゲの化石を確認してみた。


泳いでいる触手がまるで……翼を広げている鳥のようだ。

時間の流れが岩に刻まれ、まるで大自然が星を撒いたようにキラキラしている。


素敵な景色が一瞬脳に浮かび、この子が海底で泳いでいる姿が目の前に見えてくるようだ。

悠久の景色が目の前に広がり、意識が飛んでいく。


「クラゲは他の生物と違って、骨がないから化石もそれなりに珍しい。ほら、感じる?この石には無限の生命力が潜んでいる」

「マキアートも、自分の手で古い命を“復活”させてみたいと思わないか?」


御侍様の言葉は私の想像力を揺さぶり、心に響いた。

「復活……とは、これらの化石を修復することですか?」


「ふふふ、多くの人にとっては“つまらないもの”かもしれないけど、化石には歴史が宿ってる、この世界の記憶が残ってるんだ。一見“価値のあるもの”よりも、真実味があるんじゃないかって思うよ」


「過去の時空は、これらのものを通してじゃないとわからない、だから……」


「これを仕事にしている私たちは、ちょっと素敵だと思わないか?」


目がキラキラ輝かせ、御侍様は爽やかに笑った。


私の心もその言葉に惹かれていく。

もし、私も御侍様みたいに、歴史に眠っているものの輝きを、世に示せたら……これはなんて素敵な奇跡だろう!


「もちろん!私も!そういう素敵な人になりたい!」


そして、私は彼の弟子となり、複雑な道具を手に取り始めた。


古い望遠鏡でも、模様が繁雑な磁器でも、騎士が服につけていたボタン一つでも…ティアラ大陸を超え、また精霊の時代から今という時空を超え、美しい景色が目の前で広がり、今まで見たことのない世界に導いていく。


冷たい遺物と毎日共にしていると、単純作業に飽きてしまうが、この手で何千年、更に遠い昔の記憶を解放できる度に、満足に心が満たされていく。


まるで時間の秘密を開けられる鍵を持っているよう。深く考えれば考える程惹かれてしまうのだ。


そして、あの修復されたクラゲの化石は、魔導学院の博物館に展示された。

他の凄い化石と比べてあまり目立たないかもしれないけど、あの子の前に足を止め、この数億年前に生きていた命の美しさに心奪われる人もいるだろう。


私はその時、理解できたような気がした。御侍様が本当に愛しているものは何かを。


Ⅳ.世界冒険


それ以来、私は考古により深い興味を持つようになった。


またその時から、御侍様がどれほどすごいのか、わかり始めたような気がする。それもまた、私の想像を遥かに超えていたレベルで。

彼が一生懸命記録したノートを読み、また彼との交流を深めながら、私は成長し、だんだん上達してきた。


自分の手で修復された遺物を見る度に、私は楽しさと満足に満たされる。


古い物の修復は、未知の謎を解くだけではなく、より大切なのは昔の時空と歴史を再現することだ。

宇宙は想像できない程広いけど、そのほんの少しの部分を見られただけでも、私は幸運だったと思う。

そしてこのような経験は、他の価値を全て超えるのだろう。


やがて、御侍様が世を去り、私は彼の望む通り彼の研究成果を全て博物館に寄付し、魔導学院から出ることに決意した。


「考古学の意義は人それぞれ違います。冒険と新たな発見が好きな人もいれば、自分の好奇心を満たすためにやっている人もいるでしょう。もちろん、ただただ成果を追求している人もいます。」

「マキアートは、自分のやりたいようにやればいいよ」


私がやりたいのは、この世界をこの目で見ること。


魔導学院に残れば平穏に一生を過ごせるのはわかっている、それでも世界の果てまでこの目で確かめたい。

ティアラ大陸には、未知の領域がたくさん残っている、調査する価値のある場所や物が私を待っている。


出発する時、彼が記録したノートしか持って行かなかった。これらの黄ばんだ紙は、私にとっての一番の宝物だ。


一人で探検するうえで困難は色々あったけど、今から思えば私はいつでもその過程に楽しみを見出していた。


記憶から意識がだんだん戻ってくる。


手に冷たい触感が伝わってきた。ノートと一緒に地面に落ちた、クラゲの化石が入った透明なケースだ。


あの頃の私は技術が未熟で、完璧に仕上げたとは言えないが、記念として御侍がこれを私にプレゼントしたのだ。


そして、ケースの片隅に文書が刻まれていたことに初めて気づく。


「知識と技術を勉強することは難しくない。本当に大変なのは、長く続く情熱、愛情を根気強く維持することだ。でもマキアートならきっと大丈夫、永遠に信じているよ」


全身が小刻みに震え、熱い涙が溢れ出してくる。


私は前を向かなくてはいけない。落ち込んでいる場合じゃない。探検隊のみんなも一度のミスで私の全てを否定する訳がない。

あの石碑に潜んだ秘密を掘り出すことが、今一番大事なことだ!


まるで心の霧が晴れたように、私は再び闘志を燃やす。今までになかった自信と執念が湧きあがってくる。


「――決めた!今日はこれを完成させないと、絶対このテントから出ない!」


この言葉を口にした途端、ピンクと緑の頭が急に現れた。


「どうしたどうした、また地震?」

「へぇ~マキアートに元気が戻った。本当、記念に撮影したい程だよ~」


パルマハム――!カメラのフラッシュは遺物に悪いから使っちゃいけないって、何度も話しましたよね!カメラを下げてください!」

「わあー!めっちゃ元気じゃないか、ごめんなさい女王様――お尻を蹴らないでくれ――!」




朝日が昇った頃、私はやっと石碑の文字を全て復元することができた。


意味がないと思っていた記号は、盗難防止のための暗号で、よく考えないと意味を全て間違うように作られていた。


幸い、そのことに気づき全て解読できた。


私は気持ちよく背伸びをする。手は痺れているが、晴れ晴れとした気分だ。


確認すると、私と一緒に徹夜をすると言っていたバクラヴァ、プロシュットとスブラキはぐっすり眠っていて、ムサカだけが目をつぶって私を待っていた。

こんな風に景色が灰青色の朝日の光を浴びる様は、意外と調和が取れているなと、少し意味不明なことを考えてしまう。


全員目が覚めたら、みんなで石碑の内容を確認した。


「文字は読めないけど……なんだか、精霊族の気配が感じられる」

ムサカは石碑のメッセージを確かめながら、表情が柔らかくなった。


「わあ!こんなに複雑なものでも復元できるなんて!マキアートって本当に天才だ!さすが考古学者だな!」


スブラキが笑いながら近づいてきたが、私は手袋もせず石碑を触ろうとする彼の腕を強く掴み静止する。

そして隣にいるバクラヴァも話し掛けてきた。


「それはもちろんだ、俺ってやっぱり人を見る目を持ってるみたいだな」


「いやいや、マキアートならタダで働いてもらえるから雇ったって言ってたくせに、そういうこと良く言えるな」

パルマハムは新鮮な果物を盛ったプレートを部屋に運びながらバクラヴァにツッコんだ。


「マキアートお疲れ!今日はゆっくり休みな」


パルマハムの言う通り、探検のことは俺たちに任せろ!」


「ええ!?それはダメですよ!今回は本物の精霊族遺跡です、何か壊してしまったら絶対に許しません!」


テントを出た時、外はもうだいぶ明るくなっていた。朝の日差しが地面に反射し、谷への道も、前を歩く仲間たちも、いつもよりキラキラ輝いてるように見える。


一瞬、自分でもよくわからない気持ちが胸に溢れた。


あの失敗がなければ、きっと今も理解できなかったのだろう。この旅を通じて私は、昔にはなかった何かを手にしたみたいだ。


Ⅴ.キャラメルマキアート


魔導学院から離れ旅に発ったあの日、キャラメルマキアートは自分が、特に目的地もないこのような「シュメール探検隊」のメンバーになれると思ってもなかっただろう。


彼女の昔の知り合いもきっと、あの教授の弟子である素晴らしい才能を持った少女がいきなり平穏な生活から抜け出し、一人で未知の世界を冒険するとは予想できなかっただろう。


しかし本人にとっては、特段何も変わっていない。

魔導学院にいても、孤島や砂漠にいても、彼女の執念は変わらない。


彼女は自分の持つ知識と能力がチームにとってどれ程大切なのかをよく理解できてないかもしれない。自分の真面目すぎる一面が、どれ程仲間に心配をかけているかなんて意識してないかもしれないが……


一つだけ確実にわかっていることがある。彼女をここまで推し進めた原動力は、間違いなく本物の夢と愛だ。

そして、今は信頼できる仲間との絆も彼女は持っている。


雪が止み、晴れた空と海はいつもより澄んでいるように見える。

キャラメルマキアートは柔らかな白い砂を踏み、楽しそうにこの島を見回す。


「わあ――これがバクラヴァが言っていた島ですね!すごいです!きっと宝物がいっぱい隠されているはずです、まずはどこから探そう……」


「北の森には精霊族の遺跡が残っているって情報が来てるだろう?まずはそこに行こう」

スブラキが剣を拭きながら、興奮気味に言う。


「へぇ、お前がこんなに積極的なのって、珍しいな。でも、遺跡なんかより、とりあえずこの砂浜を掘ってみない?財宝が埋まってそうだろう」


「ん?ここは港だぞ?ほんと掘ることにしか脳がないな!」


「いい加減にしろよ。この島で一番素敵な旅館を事前に予約してるし、せっかくこんなに美しい島に来てるんだ、普通はまず観光するだろう?光と砂浜とか、バラと美……」


その二人の喧嘩を止めようとしたパルマハムの話は、中断された――


「旅館!いいな!そこならきっと美味しいデザートがいっぱい待ってるよね!」

「そうそう、事前に調べたけど、デザートはもちろん、他にも色々名物料理があるらしいよ。そうだ、ここの人たちって俺たちのこと知ってるのかな?聞いてみないとな」


「……」

自分とあの二人の言っている話が全くかみ合わず、パルマハムは嘆き、隣にいるムサカの肩を叩いた。

「はぁ……いつか俺もあんたみたいに、この二人に対して全く動揺を見せないようになれるのかな……」


「……」


「そうだ!それじゃあ、この二人は暫く君に任せたよ。俺はバクラヴァと他に用事があって……そう言えばバクラヴァのヤツ、どこに行った?」


「……あそこ」


視線をムサカの指した方向に向くと…


「……お、おい?俺の服に吐いてんじゃねぇ!酔ってるならそこで大人しくしてれば良いのに!何してんだよ!」


「うっ……スブラキが速度をここまで上げてなければ大丈夫だったはずなのに……まあいいや、久々船に乗ったからこれも仕方ないだろう……でもありがとな……」


「……もう、うるさい!汚い……臭い……」


バクラヴァを支えながらこっちに歩いてくるフェジョアーダを見て、パルマハムは思わず笑みがこぼれる。すると彼はなにかを思い出したように、みんなの方に振り向き微笑んだ。


「そうだな……いい天気だし、みんなで一緒に記念写真を撮ろうよ。探検隊初の船出の記念だ。どうかな?」


「え?なら道具たちも一緒にいいですか!」

「俺の剣も!一緒に撮って撮って!ム、ムサカ遠いよ……俺の隣で撮ろうよ……ねぇ」

「ふっ……でも、なんで踏み台に立ってるの?」

「……バクラヴァ!近づかないでって言っただろう!」

「仕方ないだろう、もうそこしか空いてないから、少しだけ我慢して。」


賑やかな声と爽やかな海風が砂浜と融合し、美しい空と笑顔がカメラに永久に残された。これもまた、彼女たちがまだ終わらない旅で出会った、華やかな一幕だった。



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ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018年10月11日
    • Android
    • リリース日:2018年10月11日
カテゴリ
  • カテゴリー
  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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