クラウドベリーのパフェ・エピソード
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目次 (クラウドベリーのパフェ・エピソード)
クラウドベリーのパフェのエピソード
考え方は単純だが、実行力は抜群。可愛らしい外見で敵の警戒心を解き、戦闘力も高いことから、クレメンス家に重宝されている真の処刑人。しかし、クラウドベリーパフェにとって殺人は救いであり、人を「新鮮なまま、死なせない」ための行為である。
Ⅰ.闇
この果てしなく優しい闇に包まれた部屋で、あたしは静かに眠り、そして静かに目覚める。まるで周りの影と一つになったみたいに。
このあまりにも静かな空間では、時間の感覚さえもぼんやりと遠のいてしまう。
そしてあたしの他に、ここにはもう一人、
ウェンディ、いつも科学の世界に没頭してるあの子が、今は氷の棺の中で静かに横たわってる。顔は安らかで、まるで深い夢の中にいるみたい。
最初はちょっと慣れなかったけど…
「あたしたち食霊にとって、時間そのものが曖昧なものだって、言ってたよね。」
あたしはすぐそばにある、ほのかな冷気を放つ氷の棺をそっと撫でる。
「でも、あなたにとって、時間って何?」
「また来たの、クラウドベリー。今回の実験が終わるまで待っててって、言ったでしょ?」
優しくて少し申し訳なさそうな声が耳元に響く。
つまんない、どうしてまた昔のことを思い出しちゃうの!
あたしは氷の棺の冷たい表面をそっと撫でる。まるでそうすれば、また昔みたいに温かいあなたに触れられるかのように。
「そうだね、ウェンディ。あたしはいつもこう。うんざりするほどあなたを探しに来る。でもあなたは毎回笑って、あたしに帰れって言うんだ。」
昔のウェンディはいつも実験室の奥深くにいて、様々な試験管や器具と一緒だった。
あなたの目には未知の世界への好奇心と憧れしかなかった。
平民のあなたは、やっとの思いでここまで来たんだから、きっと何かを成し遂げなきゃいけないって言ってた。
「成果?何かの試験に受かるってこと?」
その頃のあたしには、あなたが一体何をしてるのかわからなかった。
あたしと遊ぶことより大事なことってあるの?
「クラウドベリー、クレメンス家って知ってる?」
「それ何?すごく面白いものがあるの?」
「あなたに説明するのはちょっと複雑だな。とにかく、彼らはとてもすごい一族で、ずっと前から食霊についての研究をしてるってわかってくれればいい。」
「食霊の研究?」
「そう。食霊が持っている力はずっと謎のままだ。特に食霊の不老不死の力は、どうやら今の当主がとても気にかけてる点らしい。」
「じゃあウェンディ、あなた…もそれを研究してるの?」
「うん、もちろんだよ。あたしは食霊のことを知りたいだけでなく、もっともっとあなたのことも知りたいんだ、クラウドベリー。」
そう言うあなたは、いつもより幸せそうに見えた。
「あなたは自分の力がどこから来てるか、知りたくないの?」
「知らない。それに本当にあたしのことを知りたいなら、あたしと遊んでりゃいいじゃん!」
「クラウドベリー、言ったでしょ…」
「研究、研究、研究、研究のことばっかり!あたしが一番大事だって、言ったのに!」
「ごめん、クラウドベリー、もう少し待ってて、いい?」
あなたがそんな困った顔をするたび、あたしは悲しくなる。
あたしはただ、あなたと楽しく一緒に生きていきたかっただけなのに。
あなたは言ってた。チョコレートの泉を見せてくれるって。綿あめでできた城全部を一緒に食べようって。
お金ができたら、巨大なスイーツの遊園地を作ってくれるって…
「あなたが言ったこと…あたし、全部覚えてる。でも、あなたは一つも約束を守ってくれなかった。」
──嘘つき。
「あたしが一番大事な存在だって言うくせに、本当にあたしと過ごす時間をくれたことなんて一度もない。」
あたしはうつむいて、声をわずかに震わせる。まるであの記憶が今でもあたしの心を刺すように。
Ⅱ.約束
突然、あたしはドアの外からノックの音を聞いた。
「ウェンディさん、ご在宅ですか?」
あたしは答えなかった。
「約束の資料を受け取りに参りましたが…」
「資料?」
もしかして、ウェンディがこの前ずっと寝ずに書いてたあのボロ紙のこと?
また思い出しちゃった。実験室の隅に一人で座って、彼女の集中した背中を見つめてた時間。心に言いようのない切なさがこみ上げてくる。
何かに操られたように、あたしはドアの鍵を外した。
「ウェンディさん、いらっしゃいますか?あれ、出かけたのか?それともまた研究に夢中で何日も寝込んでるんだ?」
「でも上からはすごく急かされてるし、手ぶらで帰れないや。」
「失礼します、ウェンディさん。」
ドアがきいっと音を立てて開き、やせ型で見知らぬ顔の男が入ってきた。
「なんだ、こんなに暗いのか…」
「やっぱり寝てるのか?」
彼の視線はゆっくりと部屋中をなぞり、なんとか方角を見定めようとし、最終的にそばの机の上に散らばった研究資料に留まった。
「まさか…これか?」
その男は机の上のランプに火を灯した。ランプはかすかで薄暗い光を放ち、かろうじて中央の、研究資料で埋め尽くされた木の机を照らした。
「実験データの計算がちょっと足りないみたいだけど、とりあえずこれを持って報告することにしよう。」
指先に刺すような寒気が凝縮する。
「君は?!うわあ――」
こっそり入り込んできた奴は何かに気づいたようだが、もう遅かった。
あたしが軽く手を振ると、強力な氷霜の力が一瞬で彼を完全に凍りつかせた。
彼の恐怖に満ちた目、歪んだ顔は、すべてこの瞬間に固定された。
あたしはよく覚えてる、あの日――
うっとうしい午後のことだった。
あたしは実験室の隅に一人で座り、ウェンディへの果てしない心配で胸がいっぱいだった。
彼女の姿は、この数日でひどくやつれ、目にはこれまでにない迷いと決意がきらめいていた。
彼女の心の中が激しい嵐に見舞われているって、あたしにはわかってた。
そしてその嵐の原因は、彼女がかつて情熱を込めて提案した、あの不老不死に関する研究構想だった。
「ウェンディ、最近どうしたの?調子悪そうだけど。」
彼女はしばらく間を置き、何か言おうとしてまたためらい、結局首を振るだけだった。
「私…こんな結果になるなんて思わなかった。」
「どうしたの?もしかしてあそこの奴らがあなたをいじめたの!あたしが行って奴らみんな氷漬けにしてやる!」
「違うの…」
ウェンディはあたしの手を握り、懇願するようにあたしを見つめた。
「…私のせいなの。でも、クラウドベリー、もうこれを止める方法がないの。今、できるのはクレメンス家を信じるしかない。」
なんでウェンディがこんなふうになっちゃったのか、あたしにはわからない。でもクレメンス家はウェンディを助けてくれるのかな?
「彼らを信じれば、あなたの悩みは解決するの?」
「うん。」
ウェンディは優しくあたしの顔を撫でた。まるですごく久しぶりにあたしに会ったみたいに。
確かに彼女は本当に長い間、ちゃんとあたしを見てなかったけど…
「それに彼らはもう約束してくれた。必ずあなたをしっかり守ってくれるって。」
「なーんだ、クレメンス家ってけっこいいじゃん!前は陰険で悪い一族だと思ってた!」
「クラウドベリー、聞いて。あたしも必ず方法を考える。絶対にこれを変えてみせる。だから…クラウドベリー、もう少し待っててくれる?」
「わかったわかった、あたしもうどれだけ待ったと思ってるの。とにかく、今度の仕事が終わったら、絶対に遊んでくれるんでしょ!」
「うん、ありがとう。」
Ⅲ.消えゆく光
でも、あたしは結局彼女が約束を果たす日を待ちわびることはなかった。
たぶん、待つ時間があまりに長すぎて、人間の寿命が実はとても短いってことを忘れちゃってたから。
あの「研究資料」ってやつが、ウェンディを日夜苦しめてた。
ウェンディの体をボロボロにし、それに、あたしたちと過ごす時間さえも忘れさせてた。
あのボロ紙の資料のため、ウェンディはとんでもなくたくさんのものを犠牲にした。そして最後に…
なのに、今もこんなもののためにあたしとウェンディの時間を邪魔しやがって!
お前が悪いんだよ!
あたしはそこに立って、目の前の巨大な氷の塊を見つめ、心の中の怒りはもうとっくに渦を巻いていた。
「ウェンディ、この資料、あなたがクレメンス家に直接渡したいって言ってたよね?」
何かの力に導かれるように、そばにあったハンマーを手に取り、迷うことなくその氷漬けになった人に向かって叩きつけた。
一回、二回…
彼が完全に粉々になるまで。
「それまでは絶対、誰にも渡さない。」
暗闇の中で、あたしは顔を上げ、果てしない闇を見つめた。まるでそれを貫いて遥か昔が見えるかのように。
薄暗い明かりの下、何晩も一睡もしていないウェンディは、相変わらずあの机の前に座っていた。
目の前に資料を広げ、手にはペンをしっかり握っているが、なかなか書き出そうとしない。
あたしは近づいて、眠気で冷たい机と親密になりそうな彼女の額を支えた。
「もう、あんた、自分が食霊だと思ってるの?こんなに長く食べず寝ずでいて、食霊だって疲れるよ!」
「なんだ、クラウドベリーか…」
彼女は顔を上げ、無理に笑顔を作ったが、その笑顔の裏には深い疲労が隠れていた。
「当たり前でしょ!そうじゃなきゃ、他に誰がここまであなたのことを心配するの!」
あたしはぷっと笑い声を上げ、もう眠くてわけのわからないことを言ってるこの人をハンマーで殴って起こしてやりたくなった。
「今は研究室にも行かなくなったのに、どうして前より忙しくなっちゃったのよ!」
「新しい構想を早く提出したいんだ。そうすれば…少なくとも巻き込まれる人は少しは減るから…」
「一体何の話なの?」
「…今はまだあなたに詳しく説明できないの。」
あたしはため息をついて、彼女の隣に座った。
「わかったわかった、とにかくあんたの研究なんてあたしにはわかんないけど、でもそんなにたくさんの人を巻き込んでるんなら、なんであんた一人で考えなきゃいけないの?」
彼女はしばらく黙り、それからゆっくりと口を開いた。
「結局これは確かに私が引き起こしたことなんだ。そしてクレメンス家の協力はもう最後のチャンスなんだから…あたし、この構想を完成させなきゃ。」
「でも寝ないなんてダメでしょ!もしも…」
「もう時間があまりないの…」
ウェンディの目つきは複雑になった。
「これは私の研究分野で唯一できることなんだ。アイデアはもう浮かんでる。簡単じゃないってわかってるけど、もし実現できたら、絶対に現状を変えられる!」
ウェンディの目には再び光がきらめき、そしてあたしはその光を信じた…
そして――
その光がもう二度と現れない瞬間が来るまで、あたしは自分の無邪気さを一度も恨んだことはなかった。
Ⅳ.眠りにつく人
その後、ウェンディは「長い眠り」についた。
「もうすぐ終わるから」と彼女があたしに言った言葉から三日目の朝のことだ。
彼女は、幾夜もともに過ごしたあの書斎机の上に倒れ伏し、「眠り込んで」しまっていた。
きっと研究が終わって、安心して眠り込んだんだろう。
──あの時のあたしは、そう思っていた。
でも、いつもと違う彼女の体温が、ずっと気がかりだった。
なんでこんなに不安なんだろう?
答えは見つからなかった。
「ウェンディ、ウェンディ、ここで寝ちゃだめだよ。こうすると風邪ひくって、いつも言ってたじゃん?」
あたしの手はそっと彼女の肩に触れた。あの懐かしい温かい反応を期待して。でも伝わってきたのは、異様な冷たさで、心につかの間の波紋を広げた。
違う。そんなはずない。
あたしは首を振り、心の中の理由のない不安を振り払おうとした。手に力を込めて、彼女に応えてほしくて、声をかけた。
でも、その次の瞬間、ウェンディの体は何の前触れもなく滑り落ち、ドサッと重い音を立てて床に倒れた。
その瞬間、あたしの心は何かにギュッと締め付けられたみたいで、耐えがたい痛みだった。
「ウェンディ、眠すぎるよ…ねえ、あたしがベッドに連れて行ってあげる?」
あたしは彼女のそばにひざまずき、声はわずかに震えていた。両手はあわてて彼女の体を調べ、これがただの悪戯ならいいのにと願った。
でも現実は冷たい刃のように、無情にあたしの幻想を切り裂いた。
ウェンディの顔色は青ざめ、ほとんど呼吸を感じさせなかった。
あの異様な低体温に、あたしの心にそれまでにない恐怖がこみ上げてきた。
「違う、違う…あんた、ただ疲れすぎてるんでしょ?前みたいに、一晩寝れば元気になるんでしょ?」
あたしは独り言のようにつぶやき、自分自身にも、「眠り込んだ」ウェンディにも言い聞かせようとした。
あたしはウェンディを抱きしめ、もうどれだけの時間が過ぎたのかわからなかった。
「ウェンディ、なんでまだ起きないの?こんなに何日もお風呂に入ってないから、変な匂いし始めちゃったよ…」
あたしがどんなに呼びかけても、ウェンディはもう二度と目を開けなかった。
あたしの震える両手が、いつも優しい笑みを浮かべていたあの顔をそっとなでた。
もうとっくに凍りついた心臓からあふれる寒気が、手のひらから溢れ出し、次第にウェンディの体を包み込んで、彼女をゆっくりと凍らせていった。そして透き通った氷の棺が形作られた。
これなら、少なくとも外からの邪魔を防げる。きっと長い間忙しすぎたから、こんなに長く眠るんだろう…
あたしは暗い小屋の中で丸くなり、氷の棺が放つ冷たい光があたしの唯一の友達になった。
「ウェンディ、絶対に早く起きてね…」
そんな思いとともに、あたしもウェンディのまねをして眠りについた。
こうして夜と昼を繰り返し、何日、何夜が過ぎたか…
何一つ変わらなかった。
「ウェンディ、ウェンディ、あとどれだけ寝るの?」
「寝るの全然面白くないよ。いつになったら起きて、あたしと話してくれるの?」
「前にあたしに言ってくれたあのおとぎ話、覚えてる?」
「そう、あの『白雪姫』の話。あの姫もすごく長い間眠り込んじゃったけど、それでもやっぱり起きたんだよね…」
「ウェンディ、あの子、どうやって起きたんだろう?」
「ウェンディ…教えて…どうしたら、あなたが起きるの?」
苦しい嗚咽がのどに詰まる。か細く、もろく、風に揺れるろうそくの炎のようだった。
消えそうになる瞬間の最後のため息を、周囲の闇が無情に飲み込んだ。
こだまさえも、この死のような静寂に呑み込まれてしまった。
でも、それでもかまわない。
あたしは待てる。ずっと待つ。
──彼女がもう一度目覚める時まで。
Ⅴ.クラウドベリーのパフェ
クラウドベリーのパフェは、純粋な食霊だ。
生まれたその日から、果てしない寵愛を与えられてきた。
彼女の御侍、ウェンディは、平凡な家庭の出身だが、一族代々医者を生業としていたため、恵まれた環境で育った。
ウェンディの食霊への愛情は、春の日差しのように、無私で熱かった。
クラウドベリーのパフェが彼女の食霊として召喚されたその瞬間、二人の運命はしっかりと結びついた。
悩み知らずのあの日々、ウェンディとクラウドベリーのパフェは、一つ一つの笑い声と夢を分かち合った。
彼女たちは庭で追いかけっこをし、夕日の下で満天の星を待ち、まるで世界全体が彼女たちの存在で輝いているようだった。
クラウドベリーのパフェの無邪気で明るい性格は、とても大きな部分でウェンディの行き届いた気配りと慈しみのおかげで、彼女は一度も世の風雪にさらされることはなかった。
しかし、楽しい時間はいつも短い。
ウェンディが魔導学園との共同研究を行う秘密研究室に選抜されると、二人の世界は一変し始めた。
ウェンディは忙しい研究に没頭し、日がな一日、夜を日に継いで、クラウドベリーのパフェに残す時間はどんどん少なくなった。
クラウドベリーのパフェは最初は落ち込み、理解できなかったが、やがて黙って待ち、妥協するようになった。
彼女はいつも信じていた。これらはすべて一時的なもので、彼女たちはまた最初の頃に戻れるのだと。
ただ、その時の彼女は知らなかった。ウェンディが一歩一歩、底知れぬ深淵へと歩みを進めていることを。
最初、食霊の研究に熱意に満ちていたウェンディは、研究室の先輩たちが蓄積してきた成果を見て、食霊に関連したいくつもの実験仮説を提出した。
その中には、当時クレメンス家が非常に興味を持っていた一つの議題も含まれていた。
──食霊の不老不死の根源に関する研究だ。
しかし、彼女が思いもよらなかったのは、これらのいわゆる実験成果が、単なる何度もの推論と計算の結果ではないということだった。
それは、多くの罪のない食霊を使って無数の実験を行って得られた、生のデータだった。
そして彼女自身の実験仮説も、同じようにその実験計画に組み込まれた。
このすべてを知ったウェンディは、こんな現実を受け入れることができなかった。
ウェンディは研究室に長い休暇を申請し、自宅に戻って研究に没頭し始めた。
彼女は自分の知恵でこれらすべての矛盾を証明し、あの非人道的な行為を止めようとした。
しかし結局は力及ばず、愛した書斎机の上に倒れ、果てしない悔恨と無念を抱えたままだった。
ウェンディの死後、クラウドベリーのパフェはずっと彼女の亡骸を守り続けた。
彼女はよく氷の棺の中のウェンディに話しかけ、彼女たちの過去と果たせなかった夢を語った。
クラウドベリーのパフェも気づいていた。ウェンディはもう二度と彼女の言葉に答えられないことを。
「ウェンディ、見て、今日もまたあなたの研究資料を持ち出そうとした泥棒をやっつけたよ!」
クラウドベリーのパフェの声が広い部屋に響き、少し寂しげで、そして一片の頑なさをを帯びていた。
ここの時間はとっくに止まってしまったようで、クラウドベリーのパフェはこの闇の中で無数の夜と昼を過ごした。
ある日、クレメンス家の一員と名乗る男──ノーランが、彼女の世界に踏み込んでくるまで。
「君がウェンディの食霊、クラウドベリーのパフェか?」
ノーランの声は低く力強く、彼の視線は部屋中を一巡りし、最終的にクラウドベリーのパフェ上に留まった。
「あの人たち、全部君が殺したのか?」
クラウドベリーのパフェは顔を上げ、目に一筋の希望の光が走った。「そうだけど?で、あんた誰?」
ノーランは軽くうなずき、目に一瞬、気づかれにくい狡猾さが光った。
「私はノーランだ。クレメンス家の者で、我々の一族はいつもウェンディ様の研究を支持してきた。」
「クレメンス…」
クラウドベリーのパフェは、もうとっくにウェンディから何度も聞かされていたその名前を繰り返した。
「あなたたち…ウェンディを起こせる?」
「ふっ、なるほど。ウェンディさんの研究資料は我々にとって極めて重要だ。彼女の研究を続ければ、ウェンディはきっと目を覚ます可能性があると信じている。」
クラウドベリーのパフェの目はたちまち輝き、彼女はまるでウェンディが蘇る希望を見たかのようだった。
「本当?じゃあ…じゃああたしも一緒について行く!」
「それは何よりだ。我々も君の力が必要だ。」
クラウドベリーのパフェはためらうことなくノーランの手を握った。
しかし、彼女は知らなかった。この決断が自分を危険と闇に満ちた世界へと押しやることになるとは。
自分が後に、世間の目に、クレメンス家に忠実な「人斬り」として映ることになるとも。
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