「尊鳥の巫師」ポワカカ

ポワカカ「む？わたしを仲間にか？」

主人公「ああ。俺はちっとも戦えないから、守ってもらうことになるんだけど……。」

ポワカカ「おお、いいぞ！」

主人公「そうだよな、俺なんて……、」

主人公「って、いいのか？」

ポワカカ「ああ、そう言ったな。聞えなかったのか？」

ポワカカ「それならもう１度言ってやろう。お前を守ってやる！」

主人公「あ、ありがとう……！」

主人公「けど、本当にいいのか？俺は本当に戦力にならないからいろいろ苦労かけることになると思うけど……。」

ポワカカ「なはははは、気にするな！お前が戦えずとも、なにひとつ問題ない！

わたしが守ればいいだけだからな！」

主人公「た、頼もしい……！ありがとう……。」

ポワカカ「なーに、お安い御用だ！それにだ、わたしも妹分のようにちょっと広い世界を見てみたかったのだ。」

ポワカカ「だから、お前の誘いは渡りにお鳥さまというやつだな！」

主人公「な、なんで鳥？」

ポワカカ「ふふん、お鳥さまはすごいからな！だから、我が一族では、伝説の生まれし時より、代々、お鳥さまを敬ってきたのだ！」

主人公「へ、へえ……？だから、鳥の杖や背中に翼を模したものがあるんだな。」

主人公「ポワカカの一族はみんなそういうものをつけてるのか？」

ポワカカ「まあ、つけるものは羽だったり模様だったりといろいろだが、そのとおりだ。」

ポワカカ「ああ、しかし、お鳥さまを携えた杖だけは、我が一族では巫師に連なるものとして認められたものにしか、持つことは許されていないのだ。」

主人公「ふし？」

ポワカカ「自然神(マナ)と連なりしもののことだ。」

ポワカカ「この世界のすべての自然には、自然神が宿っておられてな。巫師とは、自然神と魂を交え、知と力をお借りする者のことだ。」

主人公「ということは、ポワカカも……、」

ポワカカ「うむ。……とはいえど、まだわたしは見習いの身だ。そうたいしたものではない。」

ポワカカ「だが、いずれは大いなる自然神の源に触れられる大巫師となることがわたしの夢なのだ。」

主人公「なんか、よくわからないけど壮大な夢みたいだな……。」

ポワカカ「むふふ、そうなればきっと、お鳥さまとももっと近づくことができるはず……！」

主人公「本当に、鳥を敬ってるんだなあ……。」

ポワカカ「敬うだけじゃないぞ。愛してるのだ！」

主人公「そ、そこまで！？……はっ！ど、どうしよう……。」

ポワカカ「どうした？何か困りごとか？わたしに言ってみろ。」

主人公「きょ、今日の晩御飯が……、や、焼き鳥で……。」

ポワカカ「なんだと！？最高じゃないか！」

主人公「や、やっぱり怒りますよね……！」

主人公「って、あれ？」

ポワカカ「ふふふ……、お鳥さま、待っていてくだされ～……。このポワカカが、その御身をありがたく頂くゆえ～……！」

主人公「い、いいんですか？鳥が好きだって言ってたんじゃ……。」

ポワカカ「何をおかしなことを言う。愛してるから、食べたいのだ！」

主人公「……。」

ポワカカ「おお、そうだ。お前においしい鳥料理を教えてやろう！わたしはお前のことを気に入ったからな！」

主人公「お、俺は食べないでくださいね……！？」