「調剤の極彩色」リッチー

リッチー「リッチーのメディカルチェーック！」

メルク＆主人公「えっ！？」

主人公「なんですか、突然！？」

メルク「みゅ、メディカルチェックということは、何かを診断するのです？」

リッチー「そうだよ。主人公くんの健康診断をしてあげる！」

主人公「あ、ありがとうございます……」

リッチー「ふむふむ。」

主人公「リッチーさん！？　なんで俺の二の腕を触るんですか！？」

リッチー「……！」

主人公「えっと……、」

リッチー「ふふーん！　私がずばり当ててみせようっ！　主人公くん、キミは今……、疲れているねっ。」

主人公「えっ。なんで二の腕を触っただけでわかったんですか！？」

リッチー「えっへん！　私は天才科学者たよっ！　それくらい二の腕を触っただけでわかっちゃうのさっ。」

主人公「な、なるほど……。」

メルク「みゅ～！　リッチーさん、すごいのです！　さすがは天才科学者なのです！」

リッチー「えへへっ！　褒めても何もあげられないよ、メルクくん！」

リッチー「あと、もうひとつわかったことがあるのさっ。」

主人公「ん？　なんですか？」

リッチー「主人公くんは……、二の腕がふにふにだねっ！　もうちょっと筋力をつけた方がいいんじゃないかなっ！」

主人公「うぐっ。」

メルク「返す言葉もないのですよ……。」

リッチー「まっ、その話は置いておいて。主人公くん、はいこれっ。」

主人公「えっと、コップですか？」

リッチー「そう、今からストラリッチーを作るから、それを飲んで、疲れを取ろうっ！」

メルク＆主人公「ストラリッチー……？」

リッチー「私が開発した商品だよっ！　これを飲むと疲れとストレスが吹っ飛ぶって研究所内で話題騒然！」

メルク「それはすごいのです……！」

主人公「あの野菜ジュースから、とてつもない進歩を遂げたんですね……！」

リッチー「そうだよ！　科学は常に進歩しないとっ。」

リッチー「私、今まではきまぐれに薬品調合をしてたんだけど、知り合いに言われてからレシピを書くようになって……、それでストラリッチーが完成したんだっ。」

メルク「みゅ～！　薬品だけでなく、リッチーさんも成長したのですね！」

リッチー「そうだよ！　科学に努力はつきものだからねっ。じゃあさっそく、ストラリッチーを作っていくよ！」

リッチー「まず、この銃にローマナスくんからもらった薬草を入れて……、」

リッチー「ストラリッチーのために特別調合したエキスを2滴追加っ！」

リッチー「そして銃を振るっ！」

主人公「ちょ、ちょっと待ってください、リッチーさん！」

メルク「なんだか色々とおかしいのですよ！」

リッチー「おかしい？　何が？」

主人公「なんで薬品を作るのに銃が必要なんですか！？」

メルク「そうなのです！ビーカーやフラスコで作るのではないのですよ！？」

メルク「みゅっ、もしかして、その銃で作るとストラリッチーの効能が増すとか、なのです？」

リッチー「あー、それねっ。最近、やっぱり科学にもエンターテインメント性って必要かなって思い始めて……。」

リッチー「ストラリッチー調合専用の銃を作ったのさっ！　なんとなく、銃に薬品を入れて振ったら楽しいかなって思っただけなんだけどねっ。」

主人公「全然深い意味がなかった！」

リッチー「まっ、細かいことは気にしないで！　銃を振るねっ。」

リッチー「シェイクシェイク～！　混ぜ混ぜ～！」

メルク「す、すごくシュールな光景なのです……。」

主人公「ああ、そうだな……。」

リッチー「よしっ、完成～！　主人公くん、コップを出してねっ。」

主人公「あ、はい。」

リッチー「はい、どうぞっ。」

主人公「……、想像はしてたけど、やっぱり銃から注ぐんですね……。」

リッチー「面白いよねっ？」

主人公「そ、そうですね。」

主人公「って、なんだこの色！？　緑が鮮やかすぎてまぶしい！？」

メルク「それに、前の野菜ジュースと同じで、ぐつぐついってるのです……！」

主人公「見た目は改良されてないんですね……。」

リッチー「もうっ、ぐつぐつしてたほうが身体に良さそうじゃないかいっ？　なんでみんな、この良さがわからないのかな？」

メルク＆主人公「……。」

リッチー「まっ、いっかあ。主人公くん、さあ飲んで！　イッキイッキ！」

主人公（うっ、毎回思うけど、この見た目、度胸を試されるんだよな……。でも、前も野菜ジュースだったし、大丈夫なはず……！）

主人公「呑みます！」

主人公「……。」

メルク「主人公さん……？　ど、どうなのです……？」

主人公「あ、ああ。今回も野菜ジュースだった！」

メルク「それはよかったのです！」

リッチー「ふっふっふー。それはどうかなっ。」

主人公「えっ。」

メルク「主人公さん！？」

主人公「あ、頭がふらふらする……。ははは、紹介所の天井が回ってる……。」

メルク「主人公さん、しっかりするのです！」

主人公「はっ！」

メルク「みゅ！？　主人公さん、大丈夫なのです……？」

主人公「あ、ああ。」

主人公「す、すごい……。体の疲れが全部吹っ飛んだ……。心にそよ風が吹いているみたいだ……。」

リッチー「言ったでしょ、すごく効果があるって！」

主人公「はい、すごいですね、この薬……。研究所で評判な理由もわかる気がする……。」

リッチー「まっ、問題は、副作用として一時的に酩酊してるような症状が出ることなんだけどねっ。」

メルク「そ、それは……、」

主人公「……見た目以外にもまだまだ改良の余地がありそうですね、ストラリッチー。」