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【黒ウィズ】キワム&クロ編(サマコレ2020)Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん
開催日:2020年6月30日

目次


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Story3




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story



 寄せては返す波を見て、なんだかいいな、とキワムは思う。

k帰れる場所があるってことだもんな。な、クロ!

Kワゥン!

その言葉を証明するように戻りゆく波が、浜辺に立った足を撫でる。

足の周りの砂が、ぞぞぞと動く不思議な感覚に、キワムは思わず笑ってしまった。

kあ~これこれ!海って言ったらこれだよな!

y海の楽しみ方が地味過ぎ。もっとあるでしょ。泳ぐとか、ビーチバレーするとか。

kいやいや、こういうささやかな楽しみもいいもんだって。

 笑ってヤチヨに答えてから、キワムはしみじみと腕組みした。

kしっかし、こんなふうに浜辺で遊ぶなんて、あのとき以来だよな。

Aトキオとスミオが、やさぐれてた頃ね。

 ホログラムのアッカがニヤニヤして言うと、トキオが苦笑してサングラスの位置を正した。

tあの頃の話題は勘弁してくれ、アッカ。

sつかアッカ、なんで水着着てんだよ。ホログラムだろ?

Aいいじゃない、水着気分味わったって。月って、何もなくてヒマなんだもん~。

Rギシシ。そんじゃー私が、アッカの分まで水しぶきを満喫しとくね~。そ~れ、ざぶ~ん!

Aあ~!ロッカ、ずる~い!

yでも、いいのかなあ。いちおう仕事で来てるんだけど。

s大丈夫だって。予定よりだいぶ早く着いてんだしさ。ヤチヨだって、遊ぶつもりで水着持ってきたんだろ。

yそれはそうだけど。

kいいんじゃないか、ヤチヨ。ここのところ、厄介な任務ばっかりだったしさ。

俺たちの力は心のカ――ソムニウム次第なんだ。こういうところで心の洗濯しとかないと、いざってとき戦えなくなるぜ。

t確かにその通りだ。仲間のメンタルケアまで考慮するとは、ますますリーダーが板についてきたな、キワム。

kま、俺ももう、1年リーダーやらせてもらってますから、このくらいはさ。

sとか言って~。ヤチヨの水着が見たかっただけだったりしてな。

kばっ……!そ、そそそそそんなつもりで言ったんじゃ――

yヘー、違うんだー。

kあ、いや、違うっていうか、違うとか違わないとかじゃなくて、ほら……。

A私は私はー?

kあーもー!行くぞクロ!浜辺を散歩だ!

Kワン!ワンワン!

 キワムは逃げるようにして、クロとともに浜辺を駆け出した。


k――ったく。みんなしてからかいやがって……。

でも、やっぱいいよな。みんなとこうして笑い合えるのって。

あのとき魔法使いがいてくれなかったら、俺もみんなも――

K……?クゥーン?ワン!

 足元のクロが、いきなり走り出す。

kわっ!どうしたクロ?そっちに何かあるのか?

 キワムは小走りになってクロを追った。

そして、大きな岩陰を回り込み、見た。

仔犬を抱えた少女がひとり、何をするともなく、地平線を見つめているのを。

wあら……?

Kワン!ハッハッハッハ……。

 クロは、少女の近くで足を止め、興味津々という様子で彼女を見上げる。

少女は、小さく甘をかしげてから、クロを、そして追ってきたキワムを見た。

雪のような少女だった。ふわりとやわらかく降りてきて、目を離した隙に消えてしまいそうな。

淡く、優しく、少女は微笑む。

それもまた、雪の積もるような微笑みだった。

w旅の人……かしら?珍しいわね。こんな辺境の小ロッドに。

 小ロッド、という言葉で、キワムは我に返った。

k君は……ひょっとして、7号ロッドのガーディアン?

wガーディアン?やだ、違うわ。

私はハズミ。ガーディアンは、こっちのチラよ。

wわん!

k(あ……そっか。この子はまだ真実を知らないから――)

k俺は、キワム。こっちはクロ。

wクロちゃんね。よしよし、よろしくね。

Kワゥン!

wこの子が、あなたのガーディアンなの?

 キワムは、わずかに息を吸い――選んだ言葉に乗せるようにして、吐いた。

k違うよ。クロは、ガーディアン・アバターだ。

wガーディアン……アバター?

k君に、伝えなきゃいけないことがある。君と……このロッドに住む人たちに。俺たちは、そのためにここへ――

wいないわ。

kえ?

wもう、誰もいない。他には、誰も。

みんな、死んだの。

このロッドを守っているのは……私ひとりよ。


 ***


 自分たちが、人間に造られたガーディアンであること。

その事実を自覚することもできぬまま、1000年もの時をロッドで過ごしてきたこと。

それを聞かされて、ハズミは、茫然と目を見開き――

w…そうだったのね。

 やがて、ぽつりと、それだけ言った。

kその……信じられないかもしれないけど……。

w……信じるわ。実を言うとね。最近、何かおかしいなって感じてはいたの。

でも、まさか……1000年も、ここを守ってたなんて。

 ハズミは、困ったような笑顔を浮かべた。

その顔が、驚きや衝撃はありながらも、決して悲観や憤怒にまみれないのを見て、スミオが後ろでコソコソささやく。

s(今回は、スムーズに行けそうだな、兄ちゃん)

t(ああ。この前みたいに暴れ出したりってことは、どうやらなさそうだ)

wそれで……あなたたちは、本当のことを伝えに来ただけ?

yううん。他にも。

今、スザク大ロッドから小ロッドに移住する希望者を募ってるの。ガーディアンじゃなくて人間のね。

それで、あなたさえよかったら、このロッドにも移住者を――

 ハズミは顔色を変え、首を横に振った。

w……それはだめ。危険だわ。

y危険?

wこのロッドには、魔物が出るの。

外から襲ってくるんじゃなく……ロッドの内部に現れるのよ。毎夜毎夜、忽然としてね。

 不可解な話に、キワムたちは眉をひそめた。魔物は、カリュプスが生み出す分身体だ。

カリュプスの破壊衝動に従い、各地に現れ、猛威を振るう。

小ロッド――そしてガーディアンとは、それら魔物の脅威を取り除くために生み出された存在なのだ。

だから、ロッドの外に魔物が出現するのは道理だ、しかし――

w私は、そいつらと戦い続けてきた。仲間がみんな死んでから……ずっと。

私ひとりだから、できることよ。何の力もない人が移住してきたら――きっと、守ることはできない。

s確かに……いきなりロッドの中に出るってんじゃ、どうやったって守りきれねーよな……。

w――そういうこと。

あなたたちも、早くここを去った方がいいわ。夜には、戦いになるから。

kそれなら――!

 勢い込んで言いかけて。

キワムは言葉を呑み込み、頭を振った。

k……いや。ちょっと、俺たちだけで相談させてくれ。


Aてっきり、「それなら俺たちがそいつを倒す」とか言うのかな~って思ってた。

そのつもりだったけど……ちょっと引っかかってさ。

t毎夜、魔物がロッド内に突如出現する――確かに、引っかかる話だ。

kああ。ただ戦って、その魔物を倒すだけじゃ、解決にはならない……そんな気がする。

yそうね。いろいろ圃べてみないと。シキ、頼める?

Sモチ!お任せよん♪

s俺も、ほんとに魔物が外から来てないかどうか、周囲を見てみるよ。頼むぜ、ノイズ。

tこちらも、グレイを地中に漕行させておこう。地面から来るというのは、実際、この間列車護衛のときにやられたからな。

k頼む。俺は――

Aハズミと一緒に魔物を迎撃。でしょ?

kお見通しだな。

Aにしし。

Rギシシ。もう何年の付き合いだ、ってハナシ。




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story



 ハズミに共闘を申し出たキワムたちは、7号ロッドで夜を待った。

sふわ~あ……何も近づいて来てねーぜ。

t地中も反応はない。

yロッド内も、今のところは――

S今!今出た今今!強いC資源反応!近いわ!ロッド内部よ!

sマジか!?んじゃホントに、直でロッドに出やがったのか!?

tまさか、カムラナのように、時間や空間に干渉できるのか?

kふたりは、そのまま監観と警戒を続けてくれ!敵は俺が対処する!

Aシキのデータ、受け取ったり~!キワム、敵の位置は西の居住区だよ!

kサンキュー、アッカ!クロ、行くぞ!

Kワン!

w行って!サクシフラガ!

wガァアアアアアアアッ!!

 黒い巨獣が、魔物と組み合い、かぶりつく。

そのさまを目の当たりにして、キワムは凝然と凍りついた。

kあれは――アウデアムスじゃないか!なんでハズミが……。

いや……考えるのはあとだ!

我が心の化身よ。共に進もう。我と共に挑め――″アウデアムス“!

wガアァアアアアアアッ!!

 キワムのソムニウムを受けて、クロが黒い巨獣に変化し、横から置物に突っ込んでいく。

魔物は猛然たる突進を受け、派手にバウンドしながら廊下を転がった。

wキワム!?そのガーディアン……どうして!?

k俺もどうしてって聞きたいよ!でも後だ!今はこいつを!

wわ――わかった!

 起き上がる魔物へ、2体の黒獣が挟み込むように襲いかかる。

鋭い爪で引き裂かれ、太い牙で噛み裂かれ、魔物は悶えるように絶叫した。

kよし決めるぞ!これでとどめ――

wあうっ……!

kハズミ!?だ、大丈夫か!?

 隣のハズミが、突如、胸を抑えてうずくまる。キワムは思わずそちらに意識を向けた。

wガアッ……。

 アウデアムスが、困ったように鳴いた。あわてて戦場に視線を戻すと、魔物の姿は消えていた。

k倒せた――違う、逃げられたのか……。

あっ!ハ、ハズミ、平気か?どこか痛いのか?心臓が悪いとかだったちするのか!?

wだ、大丈夫……毎日戦ってるせいかな。ちょっと疲れただけ……。

kほ、ほんとか?それならいいけど……いやよくない!ちゃんと休まないとだめだって!

wありがとう。でも、それより……。

 ハズミは、困惑げに視線を移す。

鏡映しのように並び立つ、2体の黒い獣へと。

wあなたの、ガーディアン……まるで――

kあ……ああ。まるで同じ――

 その言葉が。過去の記憶を呼び覚ます。

 キワムは、ハッと目を聞く。

k(同じ……まさか――)


ここはね……キワム・ハチスカ

我々ガーディアンに〝人がデザインした特定の心〟を埋め込む工場なのですよ!

k俺たちは……この身体だけじゃなくって、心まで、造られてたっていうのかよ!

仲間のために戦うあなたの勇敢さも!目的のために手段を選ばぬ私の冷徹さも!

すべて造られたモノに過ぎない!その心にふさわしいアバターを形成し、任務をまっとうするためだけのね!


k(ハズミは……俺と同じ……

同じ心を設計されたガーディアンなのか……)


 ***


A分析結果、出たよ。キワム。

k……聞かせてくれ。

Aあれは、魔物じゃない。ハズミが生み出した、ハズミのガーディアン・アバターだよ。

sは!?いやでも、あいつのアバターは別にいたろ?

A彼女は、アバターを2体出せるの。……そういう風に、心が変化したの。

yえっ……どういうこと?どうして、そんな――

k仲間を、守れなかったからだ。

ハズミは言ってた。仲間がみんないなくなったって。それでもずっと戦ってきたって。でも――

守りたい人たちを守れないで、自分だけ生き残ったって……なんにもならない。どんな未来も望めやしない。

だからハズミは……ハズミの心は。敵を求めたんだ。仲間たちの思い出が詰まったこの場所を守るために。

……守ってる間は、生きていられるから。

yキワム……。

kわかるんだ。俺。あの子と同じタイプのガーディアンだから。

俺も、みんなを守れなかったら――それで、敵をすべて倒しちまったら……あの子と同じになっていたかもしれない。

t〝守る〟ためには、〝敵〟が要る……。

彼女の心が敵を求めたから、ソムニウムが応え、ガーディアン・アバターを分裂させたのか……。

sそんなの、このままにしちゃおけねーよな。

yでも……どうするの?あれも、彼女の心なんでしょ?

攻撃して、破壊したら……彼女はどうなるの?

 ヤチヨの疑問に、全員、しばし黙りこくった。

その答えは、半ばわかっていた。経験していた。

だが、〝あの戦い〟から1年を経てもなお、口にするには、勇気のいることだった。

やがて、トキオが口を開いた。それは自分の役目だと言うように。

t半分だけとはいえ、心は心だ。俺たちがアバターを破壊されたときみたいに、完全に心を失うことはないとしても――

……心が、半分壊れる。それは、間違いないだろう。

k……壊させない。

俺たちは、ガーディアンだ。その道を選んだ。人間だけじゃない、ガーディアンだって守る。そのために戦ってきたんだ。だから――

ハズミは守る。ハズミの心は……絶対に壊させない!



wあの魔物が……私の、心……?

 キワムに、すべてを打ち明けられて。

 ハズミは、茫然と立ち尽くした。自分が、造られた存在だと知ったとき以上の衝撃に撃たれて。

kそうだ。ハズミはずっと、自分の心と戦ってたんだ。

wそんな――だって……じゃあ、私は――

じゃあ、私は……いったい、なんのために生きてきたの!!?

 切り裂くような絶叫が、ハズミの喉からほとばしる。

 キワムは無言で、その叫びを受け止めた。

それが己の心をも切り裂く声だとわかっていても。ハズミの瞳を見据え、黙って、耐えた。

w私、ずっと、ここを守って――守りたいって、思って、それで……そのために生きてきたのに!

 ハズミの背後で、何かが揺らいだ。彼女の揺らぎに応じるように。

AC資源が活性化してる!魔物が出るよ!

 アッカが警告した瞬間、その揺らぎは、確かな実体を得て、重く重く廊下を踏みしめた。

地面を覆う白雪を、ぐしゃりと無残に踏みにじるように。

物言わぬ魔物を見つめ、ハズミは、震える声でつぶやく。

wこれが……私の心……こんな――こんなのが――

k誰の心にだって、魔物はいる。俺にも。ハズミにも。

やっぱ、すげー難しいよな。人生って。

w私……どうしたらいいの?

あれが私のせいで生まれたものなら……私が戦ってきた意昧って……私が……私が生きる意味なんて――何も!

kないかもしれない。

 そのー言に、ヤチヨたちがぎょっとなる。

キワムは構わず、言葉を続けた。

自分自身に告げるなら、どんな言葉が響くのか。ただそれだけを考えながら。

kないなら、これから作ればいい。

w作るって――そんなの、どうしたら――

k大丈夫だ。俺たちがついてる。俺たちが手伝う!

人生は、すげー難しいけど……頼れる仲間が山ほどいれば、きっと乗り越えて行けるんだ!

 ハズミの魔物が、凄惨な叫びを上げた。

そんなことができるのか、と。そんなことできるわけがない、と。彼女の心を代弁するような激しさで。

キワムは、ハズミの横にまっすぐ立って、共に心の魔物を見据えた。

k俺たちが援護する。だから、ハズミ。おまえの手で決めるんだ。

あいつに挑め!俺たちといっしょに!あいつを、心の魔物を乗りこなせ!ハズミ!

 ハズミは、涙のたまった瞳でキワムを見た。

恐れと、不安と、悲しみの詰まった瞳。

だが、その奥には――かすかに――力強い決意の色が、確かにあった。

wいっしょに……戦ってくれるの?

k共に挑もう。

 魔法のような、その言葉に。

ハズミはうなずく。顔を上げる。

大地に根を張る草の芽が、光を求めて雪を割り、己の意思で立つように。

吼える魔物を毅然と見据え、涙を千切って立ち上がる。

k我が心の化身よ。共に進もう――

w共に生きよう――共に守ろう。だから!

k我と共に姚め――“アウデアムス“!

w我と共に眺め――”サクシフラガ”!

 黒き獣が、共に立つ。

kさあ、みんな――行くぞ!!


 ***


y花開け、我が心に咲く赤い果実よ!“インフローレ”!

s我が心を貫き出でよ、雪牙の檄神!“エクスマキナ”!

t我が心から這い出でよ、月白の蛇骨!“エクスアルバ”!

A鏡写しの我が心、ゆらめく姿をここに示せ!“トイボア”!

kエクスアルバとエクスマキナはかく乱に専念!インフローレとトイボアは解析を頼む!

s任せな!

 トキオとスミオは、ライティング形態となったアバターを駆り、縦横無尽の動きで魔物を翻弄する。

wすごい――こんなこともできるんだ!

kおまえにだってできるさ、ハズミ!俺と同じなんだから!

y相手の力が弱まってる!ハズミからのソムニウム供給が減ってるんだ!

A決められるのはハズミだけ!そういうことだよ!

w私が……!

 魔物が咆嘩し、駆け出してくる。最後の力を振り絞るようなー撃が、唸りながら迫り来る。

kアウデアムスッ!

 巨獣が、がしりと魔物の突撃を受け止めた。1歩も引かず組み合って、その進撃を食い止める。

k今だ――ハズミ!

w願い――行って!

 ハズミは叫ぶ。これまでの1000年――そのすべてに告げるように。

wサクシフラガッ!!

 ー撃は、1000年の重みを込めて轟いた。


 ***


yはい、サインいただきましたー。居住者の受け入れ承認、これでOK!

tとはいえ、ハズミだけでは酷だろう。他にもガーディアンの足りないロッドがある。そこから何人か移ってもらおう。

sこないだの、第16号ロッドの奴らはどう?『こんな辺鄙な場所もうヤダ!』とか言ってたし。

w何から何まで、ありがとうね、みんな。

yいいのいいの。こっちはこれがお仕事なんだから。

kそうそう。スザクロッド自警団のな。

A不満や不足があったら、なんでも言ってね。お偉いさんがなんとかするから!

tアーノルドが頭を下げまくってからになるけどな。

 笑い合うキワムたちを見て、ハズミは、どこかまぶしそうに目を細める。

w……仲がいいのね、みんな。ふふ――すごくうらやましい。

sヘヘ。長い付き合いだからな。

yやさぐれてたこともあったけどー。

sだからそれはもういいだろぉ!?

kハズミだって、今はもう俺たちの仲間だ。

俺たちだけじゃない。これからこのロッドに来る人たちも。きっとみんな、ハズミのいい仲間になると。

w……そうだといいな。

頼れる仲間が山ほどいれば、難しい人生も乗り越えられる……だっけ?

kああ。

w……うん。がんばってみる。ここで眠る、仲間たちのためにも……生きて、みんなとここを守っていきたい。

kその意気だ、ハズミ!

yそうだ!フォナーのアドレス交換しようよ!いつでも通話してくれていいから!

wいいの!?えっと、フォナーフォナー。あれ、どこしまったかな。

sえ、しまってんの!?

wだって、しばらく通話相手とかいなかったから……あれ??ホントどこ???

kちょ、だだだ大丈夫か!?フォナーなくすなんて一大事じゃないか!どうする?番号わかるか?俺かけようか!?

t落ち着け、キワム。おまえがあわててどうする。

Aにしし。こういうところはなかなか変わらないね、キワムも。

Rギシシ。頼りがいのあるキワムとか、見てみたいけどね。

kあれ?俺のフォナー!俺のフォナーもどこだ!?なくした!?嘘ぉ!?

wええっ!?キワムのフォナーもないの!?そ、そそそそれって大変じゃない!?どうしようどうしようどうやって探す!?

sあー。こっちもこんな感じかー。

t同じタイプの心だもんな……。

Aで、キワム、ほんとどこやったの?フォナー。

yあ、クロが持ってる。

kクロォォオオーーーー!!!!

Kワゥーン!



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