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桃花粥・物語

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一 桃の夭夭たる・壱

◆主人公男女共通◆

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 桃の夭夭たる、灼灼たる其の華。


 桃花島はちょうど季節の移り変わり目だが、空は澄んでいる。

 春光が桃林を照らし、きれいな風景になる。


子推燕

「……」


春巻

「わあ、子推燕お兄さんが見たら微笑む桃花の森だよ!

桃花お兄さんは昔こんな場所で暮らしていたなんて、うらやましいです!」


子推燕

「ここはいいですね。もしここで亡くなれれば…」


桃花粥

「ハハ、それなら師匠と酒を飲まないと、彼のお墓はこの桃林の中にある。

師匠が生きていた時、これらの桃花を植えたんだ。亡くなる前に彼は…彼は…」


春巻

「あっ、こらは全て師匠が植えたのですか?ならきっと花が大好きなんですね!」


桃花粥

「……」


【選択肢】

・何か考えているの?

・額を叩く

選択肢

何か考えているの?

桃花粥

「ああ、あっ…」


桃花粥

「別に、またここに来たからちょっと感慨深いだけだ!」


桃花粥

「気が重いとは?もしかして、ボクにだけ普段上っ面なのか?」



額を叩く

桃花粥

「ハァ──!!」


桃花粥

「取るに足らない、すでに見破ったよ。」


桃花粥

「よくもボクを襲おうとするとは、君は甘い!」



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桃花粥

「さっき師匠が花が大好きと言ってたが…フン、間違いではないが…」


春巻

「それでは、花に他人が触れてもいいですか?花びらを集めて、におい袋を作りたいです。

あっ、花は摘みませんよ、落ちた花だけで充分です…」


桃花粥

「はぁ、天気がよくて風すらない!もし風が吹いて桃花が舞い散ったら、もっときれいになるのに!」


桃花粥

「楽しみにしているようだな?ちょっと待って、ボクが見せて──」


春巻

「若様──桃花お兄さん───!!」


桃花粥

「何……?もしかして──」


春巻

「さっき花びらを拾った時、木の後ろに白い人影が見えました。ここにわたし達以外に誰かいますか?」


春巻

「うぅ、もしかしたら桃花お兄さんの師匠が怒ったのかもしれません…」


桃花粥

「そんなのありえない!ボクが功夫を練習していた時誤って何本か枝を折ったが、彼は全然──」


桃花粥

「ふん!日中なのに幽霊なんているわけないだろう!」


春巻

「ほら、あそこにいるよ、また見えた!」


【選択肢】

・唯物論教育を受けた若者!

・臘八粥助けて!

選択肢

唯物論教育を受けた若者!

桃花粥

「そんなこと言うなんて結構ビビっているな!

怖いならボクの後ろに隠れたらいい!」


桃花粥

「ふん、ずいぶんここで暮らしているが、一度もあったことがないね…

ボクも興味がある、この島にはどんな幽霊がいるのか!」



臘八粥助けて!

桃花粥

「呼び間違えてる!目の前にいるのは臘八粥じゃない、ボクは桃花粥、桃花公子、桃花大侠!」


桃花粥

「もし幽霊が本当にいるなら、あの臘八粥の馬鹿も君を助けられないぞ。逆に天手古舞して仏鉢を頭にかぶるね。肝心なときはボクに任せろ!」


桃花粥

「早くボクの後ろに隠れて、ボクはあの影が一体何者なのか確認する!」



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桃花粥

「いい度胸だね、すぐに現れずに出てこなかったら、ボクは行くぞ?」


 桃花粥は叫びながら、ダーツを林へ向けて投げた。


 しばらくすると、林の中からとある弱冠の白衣の青年が出てきた。

 彼は気質がよく、剣を持っていなければ、書生というのがぴったりだ。


白衣の青年

「大侠ちょっと待ってください、誤解です…」


桃花粥

「ふん、誤解?桃花島を守っている術は複雑だ。君がわざわざここに入ったのは花見をするためではないだろう…正直に言え、秘籍を盗みに来たのか?」


白衣の青年

「いいえ、それは…私がここに来たのは桃花を求めに──」


桃花粥

「桃花を?君はどこから来た独身者だ?ボクに恋愛運を求めるのは秘籍を盗むことよりも難しい!」


桃花粥

「君を信じると思ってるのか?観念しろ──!」


 白衣の青年は予測していたのか、すぐに剣を構え桃花粥の桃花ダーツを遮った。


桃花粥

「ふん、強いね!残念だけどそんな悪事を働く前に、ボクに遭遇してしまったから今日君には痛い目を見てもらう!」


子推燕

「やはり…戦うのですか?」


春巻

「若様、桃花お兄さんをとめてください!」


【選択肢】

・もしかしてあの人は悪い人ではないかも…

・やめてやめて!桃花のメリットは何──

選択肢

もしかしてあの人は悪い人ではないかも…

春巻

「そうですよ、桃花お兄さん、彼の話を聞いて…」


桃花粥

「ふん、彼が悪い人じゃないなら、ボクの方が悪いのか?

昔のボクはここに侵入した人を海に投げていた、今はもうしていないが!」



やめてやめて!桃花のメリットは何──

桃花粥

「クリームに桃花の実を入れたら、美容効果が倍増する!」


桃花粥

「ちっ、何で君の質問に答えないといけないんだ…

誤解しないでほしい、この桃花はそもそもボクたち桃花島のものだ。あいつは招かれざる客だ!」



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 三人はあの白衣の青年と桃色の二人が戦う姿を見ていた。

 二人の戦いは激しくなり、春の鳥の鳴き声をかき消した。


桃花粥

「──!!」


桃花粥

「君!さっきの技は──どの師匠から引き継いだ?」


白衣の青年

「……」


桃花粥

「さっき説明すると言っていたのに、今は黙っているつもりか?それではボクにもボクのやり方がある!」


春巻

「桃花お兄さんの様子が変です!」


子推燕

「あの人に技を出させたいのでしょうか…」


子推燕

「燕たちが教えてくれました、桃花粥の息が乱れたと…」


子推燕

「そもそもどうして戦争は存在するのでしょう?早く消えればよかった…」


【選択肢】

・桃花粥を心配する

・彼を応援する

選択肢

桃花粥を心配する

春巻

「あのお兄さんは桃花お兄さんの知り合いですか?でもどうやって知ったのですか?

もしかして昔のライバルでしょうか?白さんが話していた武侠小説にはそんな話がありました…」


春巻

「あっ、若様を心配させるようなことを言ってしまいましたか?ご、ごめんなさい!」



彼を応援する

春巻

「若様は踊って桃花お兄さんを応援しますか?わたしは紙ブーケを持っています!」


子推燕

「この緑のブーケの房は柳のようです…一つくれますか?」


春巻

「あれ、子推燕兄さんはこれが気に入ったんですか?」


桃花粥

「蹴鞠試合を観戦するつもりか?

ボクは応援団なんて要らないよ、大人しく見ていればいい!」



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桃花粥

「……」


 二人は何十ラウンドも戦い、桃花粥の顔色はだんだん悪くなり、体の動きも重くなっていった。


桃花粥

「うぅ──!!」


 ある技の後、桃花粥はまるで負傷した雀のように、空から落ちた。


春巻

「わ、若様、どうしましょう、桃花お兄さんが負傷したようです!」


【選択肢】

・包帯を巻く

・彼の名前を大声で呼ぶ

選択肢

包帯を巻く

桃花粥

「ふん、ちょっと擦れただけだ、大げさにしなくてもいい──いたっ!」


桃花粥

「それはピクニックのために着替えた服だろう?どうして包帯に使ってしまったんだ…」


桃花粥

「慌てて忘れてたって?ば、馬鹿、こんなことでも忘れるか!」



彼の名前を大声で呼ぶ

桃花粥

「いたっ…とても痛い…」


桃花粥

「ふん!ちょっと擦れただけで、君に呼ばれたら屁でもない。」


桃花粥

「さっき痛いって言った?ふん、君の聞き違いだ!」



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桃花粥

「──!!」


桃花粥

「あの盗賊はどこに行った!?」


子推燕

「先程桃枝を切った後、燕のように飛んでいきました。」


 皆は急いで確認しに行ったが、あの白衣の青年は既に姿を消していた。


春巻

「誤解かもしれませんね。あのお兄さんが求めていた"桃花"は桃花の枝ですか…

あれ?桃花お兄さんはどこへ行くつもりですか!」


春巻

「わっ!きをつけて──」


 桃花粥は追おうと思ったが、再び転んだ。


桃花粥

「……」


桃花粥

「誤解はない…フ、ボクが桃花島とあの疾風門のやつの間で誤解する必要があるのか?」




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二 桃の夭夭たる・弐

◆主人公【女性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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師匠

「コホ…ゴホゴホ!!」


桃花粥

「師匠、血を吐かれました!ボク、ボクはすぐ薬を取りに行ってきます!」


師匠

「必要ない、桃花枝を一本切ればよい。」


桃花粥から切った桃枝を受け取った時、師匠の目前に彩りが現れ、まるで猛烈な炎のようだ。すると、その彩りは無数の火花を散らしながら、灰燼となった。


桃花粥

「師匠───!」



桃花粥

「……。」


桃花粥

「…夢か?」


桃花粥

「○○、何でこっそり覗いているんだ?入りたかったら入ればいい!」


【選択肢】

・あの、疾…

・お酒を持ってきたよ、言いたいことはある?

選択肢

あの、疾…

桃花粥

「どうしてどもるんだ、なにか危ない呪文でも唱えるのか?」



お酒を持ってきたよ、言いたいことはある?

桃花粥

「ほう、君が持っているのは傷の治療に使う薬用酒だろう!」



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桃花粥

「疾風門のことを知りたいのか?ちょうどボクも誰かに話したくて堪らなかったんだ!」


桃花粥

「何でそんなに近づくんだ?秘密の話をする訳じゃない!」


桃花粥

「…ただつまらない過去の話をするだけだ。」


桃花粥

「ボクの師匠は嘗て有名な侠客だった。彼はとても有名で、実力者だったが、性格は…なんていうか、変。島にいた何人かの弟子以外、他の人とあまり交流をしなかった。」


桃花粥

「ある日、彼は海でとある女性を助けた。」


桃花粥

「こういうのも変だが、世間には女性が多くいるのに、彼は全然恋に落ちてこなかった。

だがその女性はどんな魔法を使ったか知らないが、すぐ師匠は惹かれていった。」


【選択肢】

・「どうして惹き寄せられたのかわからない〜♪」

・それは縁!

選択肢

「どうして惹き寄せられたのかわからない〜♪」

桃花粥

「き、君はどうしていきなり歌を歌ったんだ?」


桃花粥

「「どうして惹き寄せられたのかわからないけど、代わりの人はいない」って?くだらないな!」



それは縁!

桃花粥

「ふん、君はまさか吉利エビのやつと同じ皮肉なことを言うのか?」



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桃花粥

「ボクから見ると、それは腐れ縁だ!」


桃花粥

「あの女性は師匠の功夫を狙っていた!師匠は賢いが全く気が付かなかった。あの女性が疾風門の人を呼んできて、奴らは術を破って桃花島へ侵入した。」


桃花粥

「ボクたちは三日間も戦いようやく奴らを追い払った。けどその日以来、師匠は以前とは違って意気消沈していた。彼はそれから桃花林を見つめてぼーっとしていた。そこは彼らがよく行っていたところだった。」


桃花粥

「そしてしばらくして、彼はうつ病で亡くなった。亡くなる前に彼は…」


桃花粥

「彼はボクの師匠で、素晴らしい大侠だったけど、愛に盲目になって、世間の男女と同じように最後には裏切られた。」


桃花粥

「災いを招くくらいなら、自ら愛情を断ち切った方が楽だ。これは師匠からの教───」


???

「ちょっと待ってください。誤解しています!」


とある白い影が軒から降りた。あの日の青年だ。


桃花粥

「───!!」


白衣の青年

「私は悪意を持っていませんから、そんなに警戒してそのお嬢さんを守らなくても大丈夫です。」


白衣の青年

「先日は無礼なことをして誠に申し訳ございませんでした。

心苦しさから食事も寝ることもできず、今日はこうして謝罪に参りました。」


桃花粥

「ふん、よく言うね!

窓のへりの下に隠れて盗み聞きというのが疾風門の"謝罪"か?」


白衣の青年

「もし先程の"盗み聞き"が無ければ、私が知っている物語は大侠が仰っていた話と大きな違いがあることを知らなかったでしょう…」


白衣の青年

「実を言うと、その女性は私の養母です。」


桃花粥

「……っ!?」


【選択肢】

・彼の話を聞いておく

・傷が開かないよう気をつけて

選択肢

彼の話を聞いておく

桃花粥

「ふん、いいよ!教えろ、どんな作り話をするのか聞いてやる!」



傷が開かないよう気をつけて

桃花粥

「ふん、大した傷じゃない、すでに治ったよ!」



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白衣の青年

「大侠は私が疾風門出身だと仰っていましたが、私は疾風門の人間ではありませんし、母も…すでに疾風門の弟子ではありませんでした。」


白衣の青年

「母は当時山を降り遊びに行こうとした際に偶然海難事故に遭い、幸いにも桃花島の持ち主に救助され、二人は恋に落ちました。

しかしこのことを疾風門の師匠が知り、母を利用して秘籍を奪おうとしたのです。」


白衣の青年

「母はあなたの師匠を裏切ろうなんて考えは一度もありません。」


白衣の青年

「故に災いを招くのは愛ではありません。

母もあなたの師匠も間違っていません。人の貪欲さのせいで彼らは迫害されたのです!」


白衣の青年

「当時母はあなたの師匠に伝えようとしましたが、途中で疾風門の人間に攻撃され、あなたの師匠がすでに亡くなったことを知ったのは、傷が癒えた後でした…

今母は病にかかり、亡くなる前に桃花島の持ち主の墓前にある桃花をどうしても一本欲しいのです。」


桃花粥

「……。」


白衣の青年

「それが先日侵入した理由です。

母に育てられた恩返しをしたいから、彼女の願いを…叶えてあげたいのです!」


桃花粥

「…先日、師匠の前の桃花を一本既に取ったんじゃないのか?」


桃花粥

「急いで母に桃花を渡そうとしているなら、どうして戻ってきた?

今日は謝罪しに来たのではなく、願いがあるから戻って来たんじゃないのか?」


白衣の青年

「正直に言うとその通りです。私は桃花を持ち帰ろうと思いましたが、帰路は遠く。

私は軽功が弱く、数日もしない内に花は枯れてしまいます。」


白衣の青年

「大俠は優れた軽功ですから……どうか助けていただけませんか。この桃の枝を家まで送ってもらえれば、私はあなたの命令に従います。」


桃花粥

「……。」



桃花粥

「ほら、これは君が大好きなお酒だ!もっと飲んで!」


桃花粥

「師匠、どうして若くして亡くなったんですか、どうして長生きしなかったのですか?

ボクに面倒なことを残してくれましたね!」


桃花粥

「あなたの恋人はあなたと同じで、亡くなる前に桃花を見たいと…ヒック!」


桃花粥

「愛って一体何ですか?面倒なものなのに、人々は欲しがっている…

変、本当に変だ!分からない、全く分からないね!」


桃花粥

「今日あの白衣の奴は愛が災いを招く訳がないって言っていた。

それじゃ、あなたに苦痛を与えたのは何ですか?ボクが今まで目の敵にしていたのは何ですか?」


桃花粥

「師匠、当時のことを後悔していますか?後悔していないというなら…弟子のボクは…」


桃花粥

「……。」


桃花粥

「誰だ…そこに誰かいるのか?」


桃花粥は確認しようと思ったが酔いが回ったのか、

横になって寝てしまった。



春巻

「わっ!若様からお酒のにおいがします、お酒を飲みましたか?」


春巻

「桃花お兄さんは…まだ不機嫌なんですか?

でも白衣のお兄さんが時間がもうないって!」


春巻

「あれ?子推燕お兄さんに手伝ってもらえるんですか?」




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三 桃の夭夭たる・参

◆主人公【女性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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子推燕は三人を背負ってとある静かな庭で降りた。入って間もないうちにすぐ苦しそうな喘鳴が聞こえる。


ある下女が顔を覆って出てきた。

彼女は白衣の青年の姿を見て喜んだが、すぐ悲しい表情に戻ってしまった───


中年女性

「夫人!若様が戻られました───!」


中年女性

「若様、お医者様が夫人は…もう…」


白衣の青年

「分かっている。母さんは…」


???

「あなた、あなた戻ってきたのですね?一体どこへ行っていたの!」


白衣の青年

「母さん!心配かけて申し訳ない。」


白衣の青年

「でも、あるものを持って帰ってきたんです…これを見てください!」


年寄

「これ…これは…」


ご老人の両手は激しく震え、彼女はその桃枝を頬でさすり、においを嗅ぐ。

その姿はまるで恋に落ちた少女のようだ。


白衣の青年

「……?」


春巻

「わあ!桃花の…桃花の雨です!とてもきれいですね!」


そのとき、突如桃花の花びらが舞い散り、まるで春に降る雨のようだ。


皆は驚いて周りを見回すが、この桃花の花びらが一体どこから来たのかは分からなかった。


この風景を見ると、元々重病のご老人は無理に体を起こし外へ向かった。


年寄

「この花びらの雨は数年前の、あの時と同じだ。」


年寄

「彼は桃花の林で鍛えるのが好きで、私はいつも木に凭れて彼を見ていた。彼は桃花の花びらを舞い散らせ、その花びらは私の髪に落ちた…」


年寄

「彼だ、彼が迎えに来た…私はようやく彼と再会することができる…」


彼女は柱に凭れてぼーっと花雨を見つめている。彼女の目には彩りが現れ、まるで猛烈な炎のようだ。すると、その彩りは無数の火花を散らしながら、灰燼となった。


白衣の青年

「……。」


白衣の青年

「母は亡くなりました。」


???

「……。」


春巻

「あれ?若様、どこへ行かれるつもりですか?」



その影を追って林に入った。必死に走ったが逆に相手との距離は離れていく一方だ。

見失いそうだ───


【選択肢】

・気絶の振りをする

・転ぶ

選択肢

気絶の振りをする

頭を仰向けにすれば、温かい懐の中に落ちた。


???

「○○!○○!起きろ!」


桃花粥

「これは…もしかしてえっと…低血糖?」


桃花粥

「ちょうど桃花蜜が半分残ってるから、とりあえず使おう…」



転ぶ

足の力が抜ければ、暖かい懐の中に落ちた。


???

「───!!」


桃花粥

「早く見せろ…

普段から鍛えた方がいい、そしたらすぐに足の力が抜けないから。」



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桃花粥

「……。」


桃花粥

「○○、大丈夫か──」


桃花粥

「───!!」


桃花粥

「ずるいぞ、こよ機に乗じてボクの首を絞めるのか?」


桃花粥

「手、手を離せ…どうしてここきいるのかって?それは…」


桃花粥

「ふん!認めるよ!さっきの桃花の花びらの雨を降らせたのはボクだ。早く手を離せ!」


桃花粥

「……」


【選択肢】

・ロマンチックだね!

・毒舌だけど実はやさしいんだね!

選択肢

ロマンチックだね!

桃花粥

「ロ、ロマンチック?ボクは普段鍛えるのに忙しいから、そんなことは知らないね!」


桃花粥

「それに君はよくからかうね!この前、桃花の花びらの雨のことを話した時、君も期待していたんじゃないのか?」


桃花粥

「…それで、君の願いも叶えたと思うけど!」



毒舌だけど実はやさしいんだね!

桃花粥

「よくからかうね、誰かさんのせいか?」


桃花粥

「メモを残して消えた後、もし何かあったらどうする?

ボクが小さな君を守ることすらできなかったら、皆に笑われるね!」



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桃花粥

「……。」


桃花粥

「それに、今日来たのは確認したいこともあったからだ。」


桃花粥

「亡くなる前の彼女の願いは師匠と同じで、亡くなる前の目も亡くなる前と同じだった。ボクは昔、その目の意味が分からなかったが、今ようやく分かったよ。」


桃花粥

「愛が招いたのは全て災いじゃない。」


桃花粥

「少なくとも師匠は亡くなる前に、それを思い出して幸せそうに見えた。」


???

「○○、桃花粥…ここにいますか?」


桃花粥

「子推さんか、どうした?」


子推燕

「先程燕たちが教えてくれました、江湖の人々が桃花粥の行方を分かったと。」


子推燕

「情報が広がって、貴方のファンや縁談を求める人々が貴方を探しに来るでしょう。」


子推燕

「早く行ってください。でなければ、すぐにバレてしまいます…」


桃花粥

「何だ?あの桃花の花びらを贈るために一気に走ってきてる。今はどこかでお茶を飲みながら休憩したいっていうのに!」


熱狂的なファン

「桃花大俠、愛しています───!!」


桃花粥

「…まずい!すぐにバレたのか?」


【選択肢】

・この時代にはすでにレーダーがあると思う!

・私たちのほうへ果物とか投げるのかな?

選択肢

この時代にはすでにレーダーがあると思う!

桃花粥

「またへんなことを言ったな!」


桃花粥

「あの人たちの速度は雷のように早いか?

ふん、そうじゃないならボクの方が速いよ!」



私たちのほうへ果物とか投げるのかな?

桃花粥

「どういう意味?」


桃花粥

「ほう、ボクがかっこいいって…

かっこいいって褒めたのか?ふん、その通りだ!」



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桃花粥

「くそっ、人があっという間に集まってきたな…さっきの話はなしだ!

愛は世界で一番面倒くさいものだ!」


桃花粥

「○○、早く来い、行くぞ!」


桃花大俠は隣の人を抱き上げて

袖を振りながら飛び上がり空に消えていった。




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