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パトリオット

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作成者: ゲストユーザー
最終更新者: ゲストユーザー


Illustrator:石渡太輔/アークシステムワークス


コードネームパトリオット
年齢年齢不詳
所属アドラー秘密警察執行官
好きな物KINGのアルバム

動物や機械との融合を果たした『亜人』による統治国家で治安維持に目を光らせる秘密警察。

テロ組織の暗躍の情報を掴み、捜査に乗り出す。


キャラと楽曲の担当者が生みの親ということもあり、ギルティギアシリーズ(以下、GG)が元ネタと思われるキャラや設定が多数みられる。

亜人(デミ)

GGシリーズに登場する生体兵器「ギア」。

人類に反旗を翻した点も同様だが、亜人はGGと違い人類に勝利して独立を勝ち取っている(ギアは人類に敗北している)。

パトリオット

GGシリーズの主人公「ソル=バッドガイ」。

好きなものの「KINGのアルバム」も、ソルの大切なもの「QUEENのアルバム」が元ネタ。

ソルだけが元ネタというわけではなく、警察組織(秘密警察)に所属している点は初代GGのキャラクター「カイ=キスク」、鎌を武器にしている点は初代GGのキャラクター「テスタメント」が元ネタと思われる。

パトリオットが使用する技

いずれもソルの必殺技。

デッドブリンガー→サイドワインダー

ワイバーンブレイズ→ガンフレイム

バイパースティング→ヴォルカニックヴァイパー

グランドセイヴァー→グランドヴァイパー

ハウリングフォース→ドラゴンインストール

マルガ・リン

ギルティギアゼクス(GGX)のキャラクター「蔵土縁紗夢(クラドベリ ジャム)」。

やたらと結婚を迫る点はギルティギア イグザード サイン(GGXrd)のキャラクター「エルフェルト=ヴァレンタイン」が元ネタと思われる。

鎖鎌のチンピラ

初代GGのキャラクター「アクセル=ロウ」。

ニンジツ使い

初代GGのキャラクター「チップ=ザナフ」。

やられ際のセリフ「……チック……ショーッ!」もチップの敗北時のセリフ「シッショー!(「師匠」と言っているが、イントネーションが変なためこう聞こえる)」をもじったものと思われる。

J局長

GGXのキャラクター「ジョニー」。

パトリオットに仕掛けた「霧を払う一閃」はジョニーの必殺技「ミストファイナー」が元ネタ。

全身包帯女に髪の毛女、ナニかと喋ってる奴……

「全身包帯女」は家庭用ギルティギアイスカのキャラクター「アバ」。

「髪の毛女」は初代GGのキャラクター「ミリア=レイジ」。

「ナニかと喋ってる奴」はギルティギアイグゼクス(GGXX)のキャラクター「ザッパ」。

サツキ

初代GGのキャラクター「メイ」。

名前が5月をモチーフにしていること(メイ=Mayは英語の5月、サツキ=皐月は和暦の5月)、怪力なことが同様。

メフィスト

GGXのキャラクター「ファウスト」。

顔を隠しているのも同様。ただし、メフィストは案山子のようなお面だが、ファウストは紙袋という違いがある。

「少しだけ眉毛をカッコよくしておきました!」は、一撃必殺技「コレが…、私?」が元ネタ。ヒットした相手の顔を整形手術するが、その中にゴルゴ13調で眉毛が凛々しくなるものがある。

…ギルティギア ストライヴでファウストに案山子になる技(久延毘古)が追加されたのは偶然だろうか?

ツェッペリン

初代GGのキャラクター「ポチョムキン」。

ちなみに彼の所属する国家の名前が「ツェップ」である。

Dr.ウルリッヒ

GGシリーズのサブキャラクター「あの男」こと「飛鳥=R=クロイツ」。

後述のジャスティス(イノセントの元ネタ)を作り出した点も同様である。

イノセント

初代GGのボスキャラクター「ジャスティス」。

外見(白い鎧、流線形のフォルム、女性的な印象)も似通っている。

「オメガ・ブラスト」はジャスティスの覚醒必殺技「ガンマレイ」が元ネタ。

スキル

RANKスキル
1判定掌握・弐式
5
10
15



スキルinclude:判定掌握・弐式


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ランクテーブル

12345
スキルEp.1Ep.2Ep.3スキル
678910
Ep.4Ep.5Ep.6Ep.7スキル
1112131415
Ep.8Ep.9Ep.10Ep.11スキル
1617181920
 
2122232425
スキル

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STORY(EPISODE6まで)

※EPISODE7以降はこちらを参照

EPISODE1 ザ・ビギニング「パトリオット。それが俺に与えられたコードネーム。いいか? 俺の邪魔だけはするんじゃねぇぞ」

 近未来。

 この世界には、動物や機械との融合を果たした

『亜人(デミ)』という種族とそうではない

『人間(ヒューマン)』の2つの種族が共存している。

 彼らデミは人類の未来を担う存在として人の手によって生み出されたが、その身体能力の高さから優秀な兵士として、人類の代わりに戦争へと駆り出されることとなる。


 消耗品のごとく使い捨てられていくデミたちは、当然そのような扱いを良しとする訳もなく――彼らが人類に反旗を翻すのは必定であった。

 そして、驚異的な戦闘力の前に人類はなす術もなく、敗北を喫してしまう。

 独立を勝ち取ったデミたちは、やがて亜人統治による亜人のための国家『アドラー』を建国するのだった。


 しかし、そんな横暴を許さない存在が現れる。

 人間の復権を目指した『Dr.ウルリッヒ』を首魁としたテロ組織が、密かに暗躍を開始したのだ。


 この物語は、そんな背景を持つアドラーにおいて、治安維持を任される男――パトリオットの記録である。

EPISODE2 ホーリィ・オーダー「俺は情報収集と飯を食いに来ただけだ。お前と結婚する気はさらさらねえッ!」

 「パトリオットォ、お前に重大任務をぉ与える」


 ある日、俺は上司である局長『J』からある人物の捜索に当たるよう指示を受けた。

 局長曰く、あの男――『Dr.ウルリッヒ』がアドラー内で暗躍していると。


 「場合によっては殺害も止む無し、か。ったく、めんどくせぇことを押し付けてきたもんだ……」


 俺はアドラーの繁華街にある料理店に来ていた。とにかく五月蠅い店だが、情報を収集するには何かと役に立つ場所だ。内緒話ってのは、こういうところの方がかえって目立ちにくいものだしな。それに、ここは何といっても飯が旨い。


 「さて……何処から手を付けたものか」

 「はーい、お待ちどうネ! お勤めご苦労様アル! 今日は大盛にしといたヨ! これサービスネ!」


 ドン! とテーブルに叩きつけられた炒飯。

 持ってきたのは、この店の自称看板猫娘『マルガ・リン』だ。


 「おい、耳元で大声上げなくても聞こえてる。俺はジジィじゃねぇんだぞ!」

 「辛気臭い顔してるのがいけないアル。元気出すヨロシ!」


 こいつは何かにつけて俺に絡んで来る。頼んでもないのに勝手に大盛にしやがって……。


 「……口の減らねえ小娘だ」

 「そんなこと言って! 本当は嬉しいって知ってるアル! 毎日うちへ通ってるのも、ワタシに気があるからに違いないネ!」

 「俺はただ情ほ……めんどくせぇ。用は済んだろ? さっさと持ち場に戻ってな」


 シッシッと猫を遠ざけるように追っ払う。

 リンはそれが悔しかったのか、尚も食い下がってくる。


 「コソコソするのが流行りアルか? この前も情報屋の男がコソコソしてたネ……男のくせに情けないアル」

 「……おい、ちょっと待て。その話詳しく聞かせろ」


 その言葉に引っかかりを感じた俺は、リンを壁の端へと引っ張っていく。


 「ア、アイヤー! こんな壁端に連れてきて、何するアルか? 愛の告白アル? ぶっきらぼうにも程がアルネ!」

 「お前、何か勘違いしてねぇか? 俺はただ……」

 「求婚アル! 求婚に違いないアルヨ!」


 いつにも増して騒ぐもんだから目立ってしょうがねぇ。

 猫娘の言葉に適当に相槌を打つ。

 欲しい情報を引き出したら、飯食ってさっさとオサラバだ!

EPISODE3 レックレス・ライフ「チンピラ、俺が誰だか分かってないようだな? いいぜ教えてやるよ。その体にな!」

 猫娘の情報によると、繁華街から離れたこの区画には最近流れの情報屋が居つき、裏で何かやっているらしい。

 正直、眉唾な話でしかない。だが、動かないよりはましだ。


 「話によるとこの辺りに潜んでいるらしいが……」


 喧噪に包まれている大通りや繁華街とは違って、この路地裏に広がる鬱蒼とした空間はもはや別世界。

 貧しい者や犯罪に与する者。

 そして、鉄の錆びた匂いが増したこの空間が、俺にはアドラーの裏の顔のように思えてならなかった。

 こんなところがあるとはな……まぁ、それはともかく。


 「なぁ、そろそろ出てきたらどうだ? いるのは分かってるんだぜ?」

 「おやぁ~気づいてたのかい?」


 俺の後ろをずっと付けてきたこのチンピラは、喋り方も服装も見るからに軽そうな雰囲気を醸し出している。

 街のゴロツキだろう。テロ組織に繋がっているとは到底思えない。


 「それだけ殺気を垂れ流してりゃ、誰でも気付くだろうが」

 「なぁあんた。大人しく金目の物を置いてきな。断ったら痛い目に遭うぜ?」


 武器を構える気配。

 俺は男を牽制しつつ、自分の獲物に手を掛けた。


 「ほう、どうやってだ?」

 「こうするのさ!! 疾風鎖!!」


 風切り音と共に、何かが飛来して頬をかすめる。だが、当たらなければどうということはない。俺は振り被って隙だらけのチンピラへと踏み込んだ。


 「甘いぜぇ!」


 言うが早いか、野郎は上体を内側へと巻き込むように動く。その異様な動作に、俺の五感が危機を報せた。


 「ちッ……!」


 咄嗟に前方へ身を投げ出すように前転する。直後、俺がいた空間を鉄の鎌が薙いでいた。

 姿勢を正して野郎を睨みつけると、目ん玉を大きく広げて大袈裟に拍手する。


 「今のを躱すのかい。中々に化物だねぇ!」


 男が片手で振り回しているのは、鎌と鎌を鎖で結び付けた『鎖鎌』という代物だ。


 「面白れぇ。だが、そんなおもちゃじゃ俺の突進は止められないぜ?」

 「そうかい! じゃあ見せてみなぁ! 疾風鎖!!」


 首目掛けて一直線に飛ぶ鎌に狙いを定め、俺は大鎌を振り下ろした。


 「ワイバーンネイルッ!!」


 大鎌に斬り裂かれた鎖鎌は、明後日の方向へと飛んでいく。

 俺は地面に突き立てた鎌の反動を利用して、高速で男へ接近する。

 そして、状況を飲み込めていないチンピラへと拳をぶち込んだ!


 「デッドブリンガーッ!!」

 「ぶべらぁ~っ!」


 チンピラは地面に激突し、何度もバウンドしながら転がっていく。倒れ伏したチンピラは、降参とばかりにもう片方の鎌を振っていた。


 「肩慣らしにもならねぇ。なぁ、お前に聞きたいことがあるんだが、最近この辺りに流れ着いた奴を知らないか?」

 「お、俺は、何もしら……」

 「ああ!?」


 凄んで見せると、あっさりと知ってる情報を洗いざらい吐き出した。


 「なるほどな。その情報屋は東方の戦闘術『ニンジツ』を使うのか」

 「そうだよ。なぁ旦那、もう帰ってもいいだろ? 二度と逆らわないからさ……」

 「何寝ぼけたこと言ってるんだ。お前は公務執行妨害と恐喝罪で牢屋行きだ」


 その言葉でチンピラはようやく俺が何者なのか気付いたようだ。みるみると顔が蒼ざめていく。


 「ちょ! 待ってくれよぉ~旦那! この通りだ! 俺も『ニンジツ使い』探しに協力……」

 「謝っても遅ぇッ!」


 チンピラは再度叩き込んだ拳で失神した。

 ……まったく、無駄骨にも程がある。

 こいつは仲間にしょっ引かせて、先へ向かうとしよう。


 「待ってろよ、ニンジツ使い」

EPISODE4 ダイアモンド・ボーイ「なんて速度だ……これが『ニンジツ』か!? なら俺もとっておきの一発をブチ込んでやるよ!」

 路地裏のチンピラと無駄な時間を過ごした俺は、同じように喧嘩を売ってくる奴らから情報を引き出すことによって、ようやくニンジツ使いがいるという雑居ビルに辿り着いた。

 ビルへと踏み入ろうとすると闇色に近い物影から、フードを目深に被った人物が音もなく出現した。


 「あんたが情報屋の『ニンジツ使い』か」

 「そうだ。何故俺を探す?」

 「お前が持っているテロ組織の情報、大人しくこちらに寄こせ」


 男の肩に手をかける。しかし、フードに触れたその瞬間、フードは支えを失って地面へゆっくりと落ちていった。


 「何ィ!?」

 「俺が本気になっていたら、お前はもう死んでいたぞ」


 何処からともなく響く声に振り返ると、男はいつの間にかビルの屋上へと移動していた。


 「クク、何処を見ている?」

 「野郎……!」


 はなからやる気だっていうなら、やってやろうじゃねえか。

 俺は鎌を袈裟に構えて男の動きを待つ。

 目の前に現れた瞬間が最期だ。


 「シャドウブレイドッ!」


 叫びと同時に男の姿が消える。

 気配を察知した。俺は即座に右後方にいる男へと一撃を叩き込む。

 ……感触はあった。だが、転がっていたのは唯の木片だ。


 「ちッ!」


 熱を感じる。気付けば俺の身体には一筋の刀傷が付いていた。

 尚も瞬間移動で姿を消すニンジツ野郎。奴の速さは本物だ。この短時間では対応し切れないだろう。翻弄されて切り刻まれることは確実だった。

 なら――俺が勝つ方法はこれしかない。あっけない程クソ簡単な方法だ。

 俺は息を吐き出し、眼を閉じて全神経を集中させる。

 迫り来る一撃へと。


 「もらった! シャドウブレイッ!」


 声が木霊した。一撃が来る――!


 「ぐッ……捕まえたぞ!」

 「何ぃッ!?」


 俺は自分の身体を生贄にして、刀を受け止め野郎を取り押さえることに成功した。もう逃がさねぇ。

 がっしりと肩を掴み上げ、動きを封じた後、


 「先ずはその機動力を封じねぇとな」


 ボディブローを何度も叩き込んだ。


 「……ッ!!」


 男は声にならない声を上げ、苦悶の表情を見せる。

 更に拳を振り上げると、口をパクパクさせて何かのたまっていた。

 だが生憎、今の俺は聞く耳を持たねえ……!


 「餌をくれてやるよ。とっておきの拳をなぁッ!」

 「……チック……ショーッ!」


 ――なんだ、今の鳴き声は?

 クリーンヒットした瞬間、男は激しく吹き飛び壁に激突していた。そんな吹き飛ぶ程力は入れてないはずなんだが……いや、それよりも。

 こいつ、完全に気を失ってやがる。

 また面倒事が増えちまったじゃねぇか……!

EPISODE5 イッツ・トゥーレイト「クソがッ! 俺がいながらなんて様だッ! この落とし前、必ずつけさせてやるからなッ!」

 『ニンジツ使い』をしばき倒した俺は、署内で取り調べを行うことになった。同僚と2人組で行った取り調べは難航し、中々情報を割ろうとしなかったが……徐々に落ち着きを失い始めていた。


 頃合いか。

 そこで俺はある取引を持ち掛けた。


 「なぁ、いい加減腹減ったんだろ。吐けば腹が膨れるくらいの飯にありつけるぜ?」


 男の喉がゴクリと鳴る。


 「……スシ、スキヤキ」

 「あ?」


 ……勿論そんな物ここにはない。だが、これは情報を引き出す絶好のチャンスだ。


 「交渉成立だ。持ってる情報を吐いたら、好きなだけ食わせてやるぜ」

 「わ、分かった! なんでも話す!」


 まぁ、スシ、スキヤキを食わせるとは言ってないが。

 ――奴はそれから驚く程従順に情報を提供し始めた。

 やはり目の前に飯をぶら下げられると、我慢できないのだろう。


 この情報によって、あの男率いるテロ組織の全体像を把握することができた。奴らはこのアドラーの地で毒ガスを散布しようとしているらしい。あと少しで奴らに手が届く!


 「それで、肝心のあの男は何処に潜伏してる?」

 「な、なぁ。その前に……腹が減って死にそうだ。そろそろ持ってきてくれてもいいだろう?」

 「ったく、仕方ねぇな……ちょっと待ってろ」


 せびるニンジツ野郎のために俺はカツ丼を取りに食堂へ向かう。

 スシ、スキヤキじゃねぇが、カツ丼だって十分旨い。


 20分程経過し、俺は取調室へ戻ってきた。


 「おい、持ってきてやったぞ! ありがたく食え」


 扉を開けようとした矢先に、向こうから漂う気配。

 明らかに異質なこの雰囲気を、何度も味わってきた。


 ――死の匂い。


 部屋の中は、何者かによって殺害されたニンジツ使いと同僚の死体が転がっていた。

 両手を拘束されているこいつならまだしも、簡易とはいえ武装した警官まで殺されている。この短時間でだ。


 「クソがッ! 俺がいながらなんてザマだ!」


 順調に向かうはずだった捜査は、突如暗礁に乗り上げてしまった。

 「この落とし前……必ず付けさせてやるからなッ!」

EPISODE6 ニュー・ミステイク「俺の限界を、お前が勝手に決めるんじゃねぇッ! テメェを倒して、俺はあの男を必ずブチ込むッ!」

 あの男に繋がる手がかりを持った重要参考人は、何者かの手によって殺害され、捜査は振り出しへと戻ってしまった。

 俺は事後処理と諸々の業務に追われ、署を出た頃にはすっかり夕暮れ。

 まったく、貴重な一日が台無しだぜ。

 せめてあの男の潜伏先を掴めればよかったんだが。


 それにしても、今日はやけに霧が濃い。

 この街では時折あることだが、裏路地に入るとぼんやりと見えていた人影すら見えなくなるほどとは……。

 なら、仕掛けてくるとしたら――このタイミングだろう。


 霧を払う一閃。

 それは、俺が意識したのと同時に襲い掛かってきた。

 すんでのところで回避した俺は、威嚇するように叫ぶ。


 「やはり狙ってきたか!」

 「ほぉ……今のを避けるかぁ。流石は秘密警察きっての執行官だぁ」


 夜霧の中から現れたのは、黒い帽子に黒い制服、黒いマントの男――つまり、俺と同じ執行官だった。


 「いつからぁ……気付いていた?」

 「現場の状況を調べりゃすぐに分かるさ」

 「ほぉ?」


 暗闇で顔は見えないが、襲撃者はこちらの出方を伺っているように感じられた。


 「死んだ仲間は武器を所持していたにも関わらず抜刀すらしていなかった。それは警戒されない人物に違いない。ってことは、身内以外考えられねぇ。なぁそうだろ?」


 影に隠れていた顔が姿を露わになる。


 「ご明察だぁ、パトリオットォ」


 仲間とニンジツ使いを殺し、あまつさえ俺を殺そうとした犯人は、J局長だった。


 「早速で悪いが、お前さんにはここで死んでもらおう」


 細められた目から放たれる明確な殺意。

 覚悟を決めろ。やらなきゃ俺がやられる。


 互いに獲物を構え、命を奪える距離まで近づく。

 朧げだった輪郭はいつしかくっきりとその姿を見せていた。

 そして――それを合図としたかのように斬撃が躍る。


 「「オォォォッッ!!」」


 首を狙って放たれた初撃はかち合い、火花が散る。

 続けて打ち込んだ一撃も、その次の一撃も相殺し、夜霧が瞬く間に霧散していく。


 「執行官きってのエース様はぁ、伊達じゃないってことか。ならッ!」

 「うぉぉッ!?」


 打ち込みが一段と鋭さを増した。まだ速度が上がるっていうのかコイツは!?

 回転の上がった斬撃を前に、俺は徐々に追い詰められていく。そして――均衡が崩れた。


 「貰ったッ!」


 ゾブリ、と刀が肉を抉る感触。

 灼けるような痛みに、のたうち回りたくなる。

 だが、ここで退いたら終わりだッ!


 高速で繰り出される斬撃に体中を切り刻まれ、視界を血煙が舞っていく。このままでは、どのみち俺は奴に殺されてしまう。


 歯を食いしばれ。ここが正念場だ。

 追いつけッ! 奴のスピードにッ!

 ぶつけろッ! 俺のすべてをッ!!


 「ここが潮時だなぁ、パトリオットォ!!」


 俺の身体を、ゆらめく赤い光が駆け抜ける。

 全身が沸騰するような怒りに身を任せ、吼えた。


 「俺の限界は……こんなもんじゃねぇッ!!」

 「ぬぅッ!? くたばれッ!!」

 「ワイバーン――ッ!!」


 力と力が激突し、伝う衝撃が空気を揺らす。

 ひりついた空間は、やがて静寂へと返っていく。そんな中、気づけば俺は今にも倒れそうな状態だった。

 何を打ち込んだかも分からない程の疲労を感じる。


 「ぐッ……奴は……」

 「お前を任命したのは……、ミステイク……だったなぁ……」


 気配のある方へと向き直る。

 局長は血まみれとなった地面に、天を見上げるように転がっていた。

 局長の下へ足を引きずりながら向かう。

 肩口から腹部へ大きく斬り裂かれた局長の身体からは、今も熱が引こうとしている。もって数分の命だろう。


 「おい、テメェ! 何も言わずに死んでいく気か! せめて最期くらいは正義に殉じろ! 何故俺に調べさせた!」


 最早言葉をひねり出すのも難しいのか、局長はただ口を動かしているだけ。しかし、諦めかけていたその時、微かな声が聞こえた。


 「勘のいいお前を……縛っておけると思ったんだがなぁ……。パトリオットォ、俺のデスクを、調べ、ろ……」


 そう言って、震える手から渡されたのは局長のデスクの鍵だった。そして、視線を宙に這わせたまま、息を引き取った。


 「最初からそうしてれば良かったんだ……クソッタレ……」


 感傷に浸っている場合ではない。ついに重要な手がかりを掴んだんだ。

 あの男と……奴らがやろうとしていることを……阻止してみせる……。


 ……絶対に……。


 「クソ……少しばかり、血を流しすぎた……」


 身体が言うことを聞かない。

 俺の意識は深い闇の中へと泥のように沈んでいった。

※EPISODE7以降はこちらを参照

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チュウニズム大戦

レーベル難易度スコア
スキル名/効果/備考
◆ジェネADVANCED 0 / 260 / 520
ハイブレイク(前回点数ミス)
次のプレイヤーは、前回より高い点数の
COMBO/CHAINMISSとなる。

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コメント (パトリオット)
  • 総コメント数12
  • 最終投稿日時 2022年04月18日 02:46
    • チュウニズムな名無し
    12
    2022年04月18日 02:46 ID:dp0wctwo

    デッドブリンガーの元ネタってサイドワインダーじゃなくてバンディットブリンガーじゃね?

    • ※原作未履修勢です
    11
    2022年03月25日 16:04 ID:ntz59neu

    パトリオット君もとい登場人物含め、世界観がアニマリア×メタヴァ電脳編(≒某0419の子)みたいで好みに刺さりまくる……

    原作であるGGシリーズもこんなメタリックな作風なのかな…?

    • チュウニズムな名無し
    10
    2019年12月14日 11:11 ID:c7czybvf

    地味にエピソード7のサブタイ、アバとザッパとミリアの夢見てるんだよな

    • チュウニズムな名無し
    9
    2019年11月13日 20:28 ID:iegqf3cz

    このキャラレーベル何? GOD?

    • チュウニズムな名無し
    8
    2019年11月04日 22:22 ID:s2x07u8x

    ロックスター★アミのストーリーにも腕の良い医者いたような……同じ世界?

    • チュウニズムな名無し
    7
    2019年10月30日 14:11 ID:ke86eybq

    シッショー→何だ今の鳴き声

    笑うわこんなん

    • チュウニズムな名無し
    6
    2019年10月27日 22:41 ID:naz5p2yt

    え?このキャラアニマリアじゃないの?

    • チュウニズムな名無し
    5
    2019年10月26日 22:45 ID:c9hrvafs

    最後の方のマルガ・リンのセリフの感じエルフェルトと同じ感じで草

    • チュウニズムな名無し
    4
    2019年10月26日 09:16 ID:h8p1n8yu

    ハイスラでボコるわ…

    • チュウニズムな名無し
    3
    2019年10月26日 01:38 ID:k8rlz8j6

    King?って一瞬思ったけどソルさんQueenのアルバム好きだったな…そういうことなんだな…

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