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セシャト・シャフトリッヒ

最終更新日時 :
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作成者: ゲストユーザー
最終更新者: ゲストユーザー


通常秩序の後継者

Illustrator:N.A


名前セシャト・シャフトリッヒ
年齢あら、マナーのない方ですのね……
職業巡礼教団の巫女

メインフレームの血を引いているという巡礼教団の一員。

教団にもたらされたとある遺物にひどく陶酔するようになり…?


SeelishTactレーベルに似た姓をもつキャラクターがいるが…?

スキル

RANKスキル
1コンボエッジ・ダブルシャープ
5
10秩序の響炎
15

include:共通スキル


スキルinclude:コンボエッジ・ダブルシャープ


  • 秩序の響炎 [ABSOLUTE] ※専用スキル
  • シンプルな7本狙い用の即死スキル。数値がなんとも中途半端だが、これにより僅かに8本には届かなくなっている。
  • この手のスキルの例に漏れず、7本狙い用の汎用スキルが十分でない場合のつなぎとしては有用。ただ、この後のマップにその7本可能な汎用スキルのデスティニージャッジを持っている憎悪の始まりたる古竜がいるのが苦しい。
  • 似た姓のSeelishTactレーベルのキャラクター・イセリアは似た名前の「零度の響炎」という専用スキルを所持している(ただし、効果は全くの別物)。こちらの読みが「アパッショナート・ゼロ」であることを踏まえると、このスキルは「アパッショナート・オーダー」と読むのだろうか?
GRADE効果
共通MISS判定8回で強制終了
初期値ゲージ上昇UP (243%)
+1〃 (253%)
理論値:151800(7本+25800/26k)

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ランクテーブル

12345
スキルEp.1Ep.2Ep.3スキル
678910
Ep.4Ep.5Ep.6Ep.7スキル
1112131415
Ep.8Ep.9Ep.10Ep.11スキル
1617181920
 
2122232425
スキル
~50
スキル
~100
スキル

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STORY

EPISODE1 秩序の徒、巡礼教団「愚かな人間を管理する神がいないことが、世界がこんなにも堕落する原因なのです」

 遥か遠い昔。気の遠くなるほど遠い昔の話。

 この世には無限に等しい数の世界が広がり、数多の人々が繁栄を謳歌していました。

 世界は秩序を司る12の柱『最古(オリジン)』と呼ばれる神が作り上げた箱庭の中で、その命の煌めきを輝かせる事を何よりの喜びとしたのです。

 しかし、そんな光の世界を侵食する闇の魔の手により世界は混沌に包まれ、神々は一人、また一人とこの世界を去ってしまいます。

 やがて光り輝く世界は一つに集められ、今わたくし達がこうして暮らす大地と空が生まれたのでした――。


 これが、我々が知るこの世界が生まれるまでのあらましです。

 文献や建造物、はたまた詩やおとぎ話など多くの手段で語り継がれ、今なお歴史はわたくし達に受け継がれています。

 しかし、あまりに遠い遠い過去の事。一部の方々は、尾ひれのついた話なのではないかといぶかしむ者もいるようです。


 ――それは違うと、わたくし達は断言できます。


 大陸エマーグ。この大地に残された無数の遺構。

 わたくし達はこの地で神より与えられたという多数の聖遺物を長い間守ってきました。

 そしてある時、地の底より『森羅万象記録』と呼ばれる記録群を発掘し、編纂いたしました。

 長い年月で痛み、損傷し、所々崩れ落ちた記録から、必死になって解読した断片的な情報。

 そこから分かった事実とは、エマーグに残された遺構は、メインフレームと呼ばれる人間を管理する神の手により生み出されたという事でした。

 つまりそれは、かつての世界が決しておとぎ話ではない事の証明だったのです。


 いつしか、管理者の血を受け継ぐ徒達は共通の理念の元、一つの組織を作り上げます。

 この世界に脅威を生む過去の遺物を元に、人間を管理するかつての神をこの世界に再誕させる事。

 それが、メインフレームの子孫であるわたくし達『巡礼教団』の理念なのです。

EPISODE2 巫女という名の偶像「わたくしに色濃く流れる、メインフレームの血。巫女と呼ばれ崇められるのも仕方のない事でしょう」

 天使により清められたという伝承の都、エテメンアンキに佇む唯一の旧文明の叡智たる『バベルタワー』。

 この塔を聖域として崇め守りつつ、『かつての世界』が残した古代の遺構を再生……必要によってはそれを破壊する事。これが巡礼教団の生業です。

 そのような活動を続けるうち、いつしかわたくし達巡礼教団は神話教国の庇護をうけつつ、大陸全土に使者を持つ組織として成長しました。


 生まれながらに、かつての支配者たるメインフレームの持つ力をその血に色濃く残したわたくしは、教団内からは『巫女』の一人として崇められております。

 でも、それは所詮ただの偶像。

 かつての管理者であったメインフレームの再臨を望む信徒達の、希望、願望、欲望を引き受けるだけの器に過ぎません。

 ですが、わたくしはそれで構いません。

 なぜなら、わたくしの立場や力は来たるべき時のために必然的に与えられたものだと、そんな予知めいた確信があるから……。

 言うなれば、まさに神からの天啓。

 その天啓を果たすためなら、信徒達の偶像になるなど些細な事ですわ。

EPISODE3 毒にも似た甘い痺れ「今まで発掘してきたどの聖遺物とも違う。そう、まるで神の怒りを体現させたかのような……」

 『かつての世界』は、絹のようにいくつもの世界が重なり合い、混ざり合うようにしてできていた……管理者による記録には、そう記されていました。

 また、重なり過ぎた世界の奥底は余りにも深く、故に把握しきれぬ世界の残滓が残されているとも。


 「セシャト様。管理者様の遺物と思われる品を発掘したのでお持ちしました」

 「これは聖遺物……ではないようですわね。この禍々しい瘴気は一体……」


 わたくしのいるバベルタワーへと、荷車に載せられ運ばれてきた『それ』。

 教団の発掘隊の手によって、随分と古い地層から掘り起こされたという『それ』は、厳重に鎖でがんじがらめにされておりました。

 およそ人の手によって生み出す事はできないような、奇怪で複雑な模様を表面に浮かべた、巨大な卵のような遺物。その卵が、禍々しくも神々しい瘴気をあたりに撒き散らしているのです。

 特に管理者の血が濃いわたくしは、その瘴気を強烈に感じてしまいました。


 何者かの呼び声? これはいったい……。


 「う……あぁ……あぁッ!!」

 (禍々しい、この寒気はまるで悪魔の……嫌! やめて!!)


 叫び出したくなるほどの痛みと同時に、脳の奥が痺れるような甘さが通り抜けていく感覚。


 「これは……違う、……違う? フフッ」


 瘴気……いえ、違いますわ。瞬間、わたくしは理解します。


 「セ、セシャト様? いかがなさいましたか……?」

 「……なんでもありませんわ。発掘ご苦労様でした」

 (皆……逃げるのです……これは、わたくし達の手には……)


 毒にも思えるこの瘴気は、決して悪しきものではない。これは神の怒りなのだと。

 この世の在り方を根本から変えてしまうような力。神の再臨、その全てはこの卵が引き金になると、『わたくしは』確信したのです。

EPISODE4 卵の鼓動が示すもの「何世代にも渡って、教団はこの日を待ち続けました。神の再誕。それは、わたくし達の悲願」

 持ち運ばれた卵は、一旦バベルタワーで保管する事となりました。

 その頃、エテメンアンキ周辺では、まるで卵に吸い寄せられるかのように正体不明の化け物が現れるようになり、次々と人を襲っていきます。

 その異形の者の姿に、巡礼教団の信徒達は心当たりがありました。

 遺物の記録に幾度となく登場する、管理者であるメインフレームと対をなす存在。


 ――破壊者『ネメシス』。


 化け物の造形や行動はネメシスとの類似点が多く、奴らが一体どういう存在なのかを教団が断定するまで、さほど時間はかかりませんでした。

 でも、これは巡礼教団だけの秘密です。

 神話教国とは友好的関係にありますが……管理者の残した遺物は子孫であるわたくし達の物。報告する義務などありませんわ。


 とはいえ、化け物と卵をどうするべきか手をこまねいていると、どこからともなく光の塔が現れました。

 ……ええ。文字通り『塔が現れた』のです。

 ここエテメンアンキから遥か遠くにあるにも関わらずはっきりとその存在を視認できるほどの巨大な塔は、何の前触れもなく忽然と現れ、そこにいるのが当たり前とばかりに佇んでいます。

 それと同時に、塔の出現に呼応するかのように卵が生体反応を示しました。

 あくまでも太古からの遺物でしかなかったはずの卵が、静かにではありますがドクンドクンと鼓動を始めます。

 それを見たわたくしは、ある答えを導き出しました。

 塔の出現、卵の鼓動、群がる化け物。

 この一連の事象が示しているもの……。

 そう、全ては神の啓示だったのです。


 「秩序の神を待つ同胞たちよ……、よくお集まり下さいました。本日はわたくしからお伝えしたい事があります」


 わたくしの言葉を聞いた信徒たちが顔を見合わせ、ざわめきがあたりを包みました。


 「ま、まさか卵の正体がお分かりになられたのですか!?」

 「ええ、その通り。わたくし達の力をもってすれば造作もないですわ」


 次の言葉を聞こうと、固唾を飲んで待つ信徒の皆様。

 そんな皆様に、わたくしは微笑みながら告げます。


 「卵は、御使であるわたくし達にもたらされた幼き神……つまりは、神の卵ですわ!」


 わたくし達は神の系譜を継ぐ臣民。

 この世界を正しく導くもの……。


 「おお……! 神の卵……!!」

 「これは天啓です。卵を塔へと捧げよ、しからば神は再誕し世界を統制せん、と! 選ばれし神の子達よ、わたくし達の理念が成就する日がやってきたのです!」

 (違います! これは神なんかでは…!)


 信徒たちは『わたくしの』言葉を聞き、ついに時が来たのだと色めき立ちます。


 「おぉ……うおおおぉぉ!!」


 光の塔へ反応する卵の鼓動。これは神の導きに違いありません。

 ネメシスの成れの果てが卵へ群がるのも、神の再誕を阻止するためでしょう。

 わたくし達がやるべき事はただひとつ。卵を塔へと捧げる事。

 そして再誕した神からの庇護の元、この世は誰もが安寧を享受できる理想郷へと生まれ変わることでしょう。

EPISODE5 焦燥と失態「いささか先を急いてしまっていたようですわ。わたくしとしたことが、神を危険に晒すなんて……」

 箱の中に厳重に封印した卵と共に、キャラバンを組んだわたくし達は光の塔のある大陸の極地、レスクヴァ台地を目指します。

 道中、卵に引き寄せられた化け物の襲撃を何度も受けましたが、聖遺物であるエーテルフレームを応用した装備を持つわたくし達の守りは固く、何とか撃退しながら歩みを進められたのです。


 神に選ばれたという名誉、この汚らわしい世界を浄化できる喜びに、わたくしは気がはやっていたのかもしれません。

 先を急ぐあまり移動ペースを上げてしまい、気づけばキャラバンの隊列が乱れておりました。

 そんな最悪のタイミング。

 これまでとは比較にならないほど強力な化け物たちに襲われました。

 隊列が乱れたわたくし達は作戦伝達が上手くいかず、敵味方入り混じった混戦となってしまいます。


 その時でした。


 化け物共の雄叫び、教団の信徒達の悲鳴。

 それらに応えるかのように、卵の鼓動は急激に早くなります。

 そして。


 「セカ…イ……ス……」


 ――ああ! 神が!

 世界を憂う神の声が聞こえますわ!


 音を伝う事なく、脳内に直接響くかのように。

 わたくし達は、その声をはっきりと聞いたのでした。

EPISODE6 少女の振るう、蒼き剣「この少女が正当継承者である神話教国の巫女……その剣、その力。今は利用させてもらいましょうか」

 喜びに震えるわたくし達の隙をついて、攻勢を強める化け物達。ついには、わたくし達の中から犠牲者が現れてしまいます。

 我々は、どんな事があっても卵を塔へと捧げなくてはなりません。悪しきネメシスの成れの果てごときに邪魔されるわけにはいかないのです。

 隊列を持ち直すため、わたくしも前線に赴き戦いましたが、化け物達の攻撃は激しさを増す一方。

 ひとり、またひとりと倒れていき、信徒たちの表情に絶望が浮かんだその時。


 「どっけぇえええええッ!!!」


 叫び声の主は凄まじい速度で化け物の群れに飛び込んだかと思うと、閃光のごとき剣さばきで次々と立ちはだかる敵を斬り伏せていきました。

 さらに、その少女を守るように光弾が飛び交い、化け物たちを撃ち抜いていきます。

 そして最後の一体を倒すと、こちらを振り向いて声をかけてきたのです。


 「大丈夫!? 怪我人は!?」


 わたくし達を救ったのは、まだ年端もいかない剣士の少女。

 多数の化け物を相手に、人の限界を超えた剣撃……この華奢な少女がそれを放っていたとは思えません。

 ふと、彼女の手に握られている剣に視線を吸い寄せられます。

 刀身から蒼き光を漏らす剣。あれは神話教国に伝わる聖遺物のひとつ『ゼーレタクト』。


 (神話教国の巫女、ですか。このような子供に……なんと愚かなのでしょう)


 侮蔑の感情を微笑みで噛み殺し、わたくしは友好を示す手を差し出しました。

EPISODE7 剣と卵、その出自「やはり卵は再誕の鍵だと考えて間違いないですわ。ですが、導師ミィム……思考が読めませんわね……」

 剣士の少女はセラフィナ、そして彼女に同行する導師はミィムと名乗りました。

 化け物の襲撃で被害を受けたキャラバンを立て直すためには、少々時間が必要です。

 その間、窮地を救って頂いたお礼も兼ねて、お茶をお出しする事になりました。

 ええ。もちろんゼーレタクトへ興味があるのも理由のひとつですわ。


 「私たち、あの光の塔を目指してるんです。セシャトさんたちも、やっぱりそうなのかな?」

 「ええ、その通りですわ。ということは、あなたたちも目指してるのですね」

 「はい。二人旅の最中なんです」

 「そうでしたか。ところでそれは……神話教国の聖遺物だったかしら?」

 「知ってるの? これを継承した時に光の塔が現れて……きっと関係があると思うんです」


 ゼーレタクトと光の塔……。わたくし達の卵と境遇が似ていますわね。

 そもそも、ゼーレタクトはメインフレームの生み出した由緒正しい聖遺物のひとつだったはず。

 卵とゼーレタクトの出自が同じであると考えるならば、やはり卵は神、メインフレームの再誕の鍵になると考えられるでしょう。

 ふふ……ふふふ……。

 世界を浄化せんとする神の意志を、さらに強く感じますわ……。


 わたくし達は共に光の塔を目指す事になりました。

 危険な道中において、ゼーレタクトの力がそばにいるのは心強いですわ。

 巡礼教団と神話教国の目的は違いますが……本心は隠しつつ、大いに役に立ってもらいましょう。

 それにしても……ミィムという少女。

 わたくし達への警戒心を解く事なく、執拗に卵を気にしている様子。

 もしくは『わたくし』の存在に気がついている?

 ……どちらにせよ、彼女には取りわけて注意が必要ですわね……。

EPISODE8 二人の偶像「巫女として境遇は似ていても、貴女とは違う。わたくしは神に選ばれた、本物の巫女なのですから」

 シャルヴィ丘稜を進んでいる最中、セラフィナがわたくしに尋ねてきます。


 「セシャトさん達の……巡礼教団? って、どういう事をしているんですか?」

 「あらあら。教国の巫女ともあろう方が、今さらそのようなことを?」

 「えへへ……外の世界について勉強するのは好きだったけど、国の事とかはあまり興味なくて……」


 わたくしは巡礼教団とはどういうものかを、噛み砕いて説明しました。

 かつてこの世界を束ねていた管理者と呼ばれる神々の血を引き、彼らの文明や遺産、記録を掘り起こし、世界の歴史を編纂する事が生業だと。

 ですが、教団の本当の目的である『神の再誕』については口にしません。

 神の再誕は正当な後継者であるわたくし達にだけ許されたもの。外部に知られては、余計な衝突が起こる可能性が高まってしまうでしょう。

 特に、荷車に乗せたわたくし達の卵……。

 これだけは守らなくてはいけませんもの。


 「セシャトさんって物知りですよね! それに話し方もとっても上手。もっと色んなお話聞かせて!」

 「そうですわね……わたくし達教団が発掘した記録によれば、この世界の星々にはかつて様々な文化文明の地があったそうですわ」

 「すごい、そんな事まで分かっちゃうんだ」

 「本当なら教団以外にあまり他言してはいけない情報ですが、特別にもう少しだけお話しましょうか。世界を管理していた秩序の神々……つまり我々の神は、かつてメインフレームと呼ばれていたそうです。神話教国のような巨大都市を建造したのは彼らであり、そこで人々はそれはもう幸福な日々を送ったと記録されていますわ」

 「そうだったんだ……なんだか想像もつかない話だけど、ゼーレタクトを継承した今なら信じられるなぁ……」


 わたくしの話を、目を輝かせて聞き入るセラフィナ。

 ゼーレタクトを操る巫女といっても、中身はまだまだ子供。彼女もまた、愚かな人間に祭り上げられただけの存在なのでしょう。

 哀れな少女……、ですがもうすぐ神が貴女を救ってくれるはずです。

 それまで、少しの辛抱ですわ。

EPISODE9 導師の向ける、疑惑の瞳「愚かな人間は物事の表面しか見えないものです。それでも、神に感謝する日が貴女にも来るでしょう」

 連日のように天候に恵まれない上、歩くだけでも一苦労な険しく荒れ果てた大地。ここを抜ける頃には、キャラバンの信徒たちはかなりの体力を消耗しておりました。

 そこを付け狙っていたかのように、大量の化け物の群れが再びわたくしたちを襲います。

 管理者の遺物を元にした装備を纏う信徒たちですが、その効果は攻撃よりも防御に寄ったもの。

 しかし、そこへセラフィナとミィムの火力が加わると、防御と攻撃それぞれの役割に専念する事ができ、素晴らしい働きを見せてくれます。

 次々と化け物を討伐する姿を見ながら、やはり彼女たちと同行したのは正解だったと、思わず笑みをこぼした瞬間。


 「……ッ!!」


 荷台の箱に封印された卵から、今までとは比にならない瘴気が放たれたのです。

 最後の化け物を葬ったセラフィナとミィムを見ると、卵の異変に気付いたことがその表情から伺えます。

 残念ですが、これ以上隠し事をしながらの旅を続けるのは難しそうですわ。


 戦いを終えた二人に、わたくしは別離を提案することにしました。


 「わたくしたちは戦闘の損傷を確認しますので、貴女方は先へお進みくださって構いませんわ」


 わたくしの言葉を聞いたミィムが、いぶかしそうな表情を向けながら詰め寄ってきます。


 「あの積み荷からは強い瘴気を感じます。その瘴気が、あれだけの数の眷属を呼び寄せたのではないのですか!? 一体、あれには何が入っているというのです!」


 やはり感づいていたようですわね。

 しかし、卵の本質を理解していないとは、愚かだと言わざるを得ませんわ。


 ――神の再誕。それを行うのはこのわたくし。いわば、わたくしが神の母となるのです!!

 「何が入っているか」ですって? 再誕の邪魔になりそうなものに、素直に答えるわけがありません。


 「駄目よ、それは駄目ですわ? アレは人の力でどうこうできる代物ではありませんもの。知ったような口を利かないでくださる?」

 (そう、あれは人が触れてはならないものなのです……!)


 わたくしの言葉に、ミィムは完全なる敵意をその瞳に浮かべます。

 ですが、何の問題もありませんわ。

 もうすぐ貴女も神に……いえ、わたくしにひれ伏すのですから……。

EPISODE10 光の塔で待つ者は「これが……人間の戦いだというのですか? まるで神……いえ、神は我が手にあるはず……」

 襲撃によって被害を受けたキャラバンの装備を整え直し、わたくしたちは再び塔を目指します。

 わたくしたちと別れ、先に出発したセラフィナとミィム……手の内を明かしていないわたくしと同じように、彼女たちも何をしでかすか分かりません。光の塔で余計な事をされないためにも、なるべく離されたくはありませんわ。


 二人の後を追うように移動していると、不思議な事に、塔に近づくにつれ増え続けていた化け物からの襲撃がすっかりと無くなりました。

 お陰で、想定したよりも遥かに早くレスクヴァ台地を駆け抜ける事ができたのです。

 これは間違いなく神の導きであると、わたくしはその御心に打ち震えます。

 キャラバンはすでに、塔の壁面に施された模様が視認できるほどの距離までやってきていました。


 ――もうすぐ、もうすぐですわ! 神よ!

 貴方様のセシャトはここにおります!


 するとその時、台地から見下ろす塔の入り口の前で、閃光が煌めくのが見えました。

 自然に巻き起こったものとは思えない大量の砂埃に紛れて、キラキラと。

 やがて、ひと吹きした強風によって砂塵が晴れると、閃光の正体が露わになります。


 「セラフィナとミィム……それに、あれは一体何なんですの……?」


 二人の前に立ちはだかっていたのは、巨大な鉄の塊のような巨人。巨人は殺意を撒き散らしながら、圧倒的な質量と速度で二人に襲い掛かかっています。

 もはや己の常識を疑うしかない光景に、わたくしたちはその場に立ち尽くすしかありませんでした。

EPISODE11 救いは死の中に「今こそ変革の時です!! わたくしの神が、世界を、人間を、作り変えて差し上げますわ!!」

 鉄巨人と戦うセラフィナとミィムは、苦戦しながらも少しずつ相手の動きに順応しているようです。

 蒼い光を放つ剣筋は、やがて肉眼で追うことが難しくなり、バチバチと火花のような光だけを残しています。

 一方ミィムは、一瞬の詠唱を挟む度に強力な光弾を放ちながら、セラフィナの死角を防ぐように立ち回っており、それはそれは見事な連携でした。

 周辺の環境を破壊するほど激しく、轟音を響かせながら戦いを繰り広げる二人と鉄巨人。

 人智を超えた力のやり取りは、世の理を逸脱したのか、周囲の光景を歪めていきます。

 湧き上がる純粋な気持ち。気づけば、わたくしはその戦いに見惚れておりました。


 「セシャト様ッ!!」


 信徒からの叫びにも似た呼びかけで、ハッと気がつきます。


 「何事ですか?」

 「た、卵の……卵の様子が、あっ」


 瞬間、信徒の身体が弾け飛びます。

 正確には、無作為に切り刻まれ、拳ほどの大きさになった肉塊が四散した、というべきでしょうか。

 血を浴び、飛んできた肉片を頬に貼り付けたまま、わたくしは叫びます。


 「おお、神よ!! 遂に……遂にわたくしの元へ舞い戻られたのですね!!」

 (ちがう……これは……ッ!!)


 気づけば卵は、あちこち崩れて穴が開き、そこから無数の触手が伸びていました。

 その触手が信徒たちを次々と切り刻んでいき、一瞬で肉塊へと変えていきます。


 「やはりわたくしは正しかった! 神を塔へとお連れする事、それこそが再誕の鍵だったのですわ!!」

 (皆、早く……早く逃げるのですっ!!)


 恐れ、慄き、逃げ回り、阿鼻叫喚する信徒たちが叫びます。

 わたくしの心の奥底でも恐怖が叫びをあげているのが分かります。ですが、目の前に神が降臨なされたという事実にわたくしは……。


 「あ、悪魔だ! 卵の正体は悪魔だったのだ!!」

 「神に向かって何という無礼な! 元より我々は神のしもべ。その意志に身を委ねるのです!!」

 「そ、そんな! セシャト様、我らをお助けくだ、さっ」


 血と肉の雨を降らしながら、神の御手は信徒たちをお撫でになってくださいます。

 ……そう、これは救済。神は彼らを、汚らわしい現世から救済してくださっているのです。


 「これは神などではありません! 目を覚ましてくださいセシャト様! 思えば卵を見つけた頃から貴女はおかしかった!」

 「うふふふ、戯言を。貴方は分からないのですか、この甘い瘴気が! 脳から、指先から、全身から! 心から湧き出る多幸感! これこそ神が与え賜う幸福! 救済なのです!!」

 (お願い、やめて……、誰か……助けてッ!!)


 卵の殻は今まさに孵化せんと、大きくひび割れていきます。これまで以上に強く感じる神々しい神の力、いえ……悪魔の力。

 『わたくし』を操りここまで導いたもの、もはや逆らうことなどできはしない……。

 泣き叫ぶ心と、ただ震える身体。気が付けばわたくしは悪魔を賛美する言葉を叫んでいたのです。


 「ふふふ……あははははは! さあ、世界が生まれ変わりますわ!!」


 ――あぁ、セラフィナ、ミィム……。

 どうかわたくしを許してください。

 そして、この悪魔から早く……。

 早く逃げるのです……。

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チュウニズム大戦

レーベル難易度スコア
スキル名/効果/備考
■メタヴMASTER0 / 400 / 800
レーベルキャンセル(♠★ミス+)
次とその次のプレイヤーの♠、★の
COMBO/CHAINは、MISSとなる。
備考:♠アニマ/★シビュ

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コメント (セシャト・シャフトリッヒ)
  • 総コメント数15
  • 最終投稿日時 2022年10月05日 16:36
    • チュウニズムな名無し
    15
    2022年10月05日 16:36 ID:htytss6p

    SUNのポスターの右後ろの方にいるキャラ肌の色とか服装とかこいつに似てる気がする?

    • サワルトBokeeni
    14
    2021年12月20日 18:38 ID:tc1dhyrs

    >>13

    自己解決しました。

    あっけない竜でした。

    本当にありがとうございます。

    • サワルトBokeeni
    13
    2021年12月20日 18:24 ID:tc1dhyrs

    今更なんだが、セシャトは誰に操られてんの?卵の悪魔とは誰?

    • チュウニズムな名無し
    12
    2021年10月08日 14:11 ID:nj55vzkr

    >>11

    わかる

    最高

    • チュウニズムな名無し
    11
    2021年03月16日 09:38 ID:p9wliu0l

    くさそう(褒め言葉)

    • チュウニズムな名無し
    10
    2020年11月25日 23:02 ID:dipyky95

    >>6

    まさにその通りです。+1で253%になりました。

    • チュウニズムな名無し
    9
    2020年11月21日 16:15 ID:pjzggplf

    セラフィナのストーリーで出てきたとき

    「嫌な奴というか含みがある奴だな…こいつが黒幕じゃね?」

     ↓

    ep7のストーリーを読んだ後

    「不憫すぎるよこの人…」

    • チュウニズムな名無し
    8
    2020年11月14日 00:07 ID:brwcc1jc

    >>4

    それな

    あと髪の色も似てるってか同じでは

    • チュウニズムな名無し
    7
    2020年11月13日 09:58 ID:n22xz6uk

    そんな服装で秩序が守れるわけがないだろいい加減にしろ

    • チュウニズムな名無し
    6
    2020年11月13日 00:24 ID:bdlyitum

    >>5

    +1で253%になってギリギリ8本乗らない用になってるとか?オバジャ以上死神未満な感じで

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