TKG-ZETSU-A
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※ここはCHUNITHM PARADISE LOST以前に実装されたキャラクターのページです。
- このページに記載されているすべてのスキルの効果は、CHUNITHM PARADISE LOSTまでのものです(限界突破の証系を除き、NEW以降で入手・使用できません)。
- 専用スキル装備時に名前とグラフィックが変化していたキャラクター(いわゆるトランスフォーム対応キャラ)は、RANK 15にすることで該当グラフィックを自由に選択可能となります。
Illustrator:RARE ENGINE
名前 | TKG-ZETSU-A |
---|---|
年齢 | 6歳(馬年齢) |
職業 | 英雄(に乗られる馬) |
駆動形式 | 4WD |
最高時速 | 340km |
排気量 | 6000cc |
- 2021年4月1日追加
- 入手方法:公式サイト上で配布されているシリアルコード(2021年4月1日~2021年5月12日 23:59)。<終了済>
再現された歴史を体験する、仮想歴史空間のアバター。
英雄SOUSOUが乗っていたという馬となり、憧れの彼へと近づくのだが…?
モチーフは曹操の乗馬である絶影(ぜつえい)。宛城から脱出する際にもこの馬に乗っていたとされている。
そのためか、シリアルコードで入手するキャラとしては珍しくSTORYが付いており、同じく「宛城の戦い」をモチーフにしたTKG-SOUSOUのストーリーと関連した内容になっている。両者をあわせて読むのも一興。入手可能期間中に開催されているガチャでSOUSOUを入手できないのが惜しまれる。
スキル
- フルメタルボディの狂気 [ABSOLUTE] ※専用スキル
- 道化師の狂気の亜種。
- 100コンボあたりのボーナスは5990であり、道化師の狂気の初期値の効果に近い。
GRADE最大でJUSTICE以下許容数もあちらと同じになると思われる。 - GRADE UPで強制終了条件が緩和される、珍しいスキル。ネタ(後述)になっているボーナス値を崩さないようにしていると思われる。
- ボーナス値の3594はもちろん三国志の語呂合わせ。宛城、炎上!!のMASTER譜面のノーツ数や三国志大戦コラボイベントのマップボーナスなどでも使われている。
GRADE | 効果 |
---|---|
共通 | 60コンボごとにボーナス +3594 |
初期値 | JUSTICE以下35回で強制終了 |
+1 | JUSTICE以下40回で〃 |
+2 | JUSTICE以下45回で〃 |
+3 | JUSTICE以下50回?で〃 |
ゲージ10本必要条件:2520ノーツ |
5本 | 6本 | 7本 | 8本 | 9本 | 10本 |
---|---|---|---|---|---|
360 (6) | 720 (12) | 1140 (19) | 1560 (26) | 2040 (34) | 2520 (42) |
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
スキル | EP.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル | |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル | |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル | |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | |
スキル | |||||
~50 | |||||
スキル | |||||
~100 | |||||
スキル |
STORY
私はいわゆる『歴女』という女の子だ。
歴史の偉人たちに思いを馳せ、恋をしている。特にサンゴクシの武将や軍師を思うと夜も眠れない。
『ああ……KOUMEI様の恋の罠に陥りたい』
『RYOFU様にハートを射抜いてもらいたい』
……こんな感じの毎日だ。
今、仮想空間メタヴァースでは、人類が辿った実際の歴史を追体験できる娯楽が流行している。
その中でサンゴクシの設定を売りにした世界などは数多く存在している。
システムに管理された、安全なはずのこの娯楽、歴史が好きな私が真っ先に飛びつき、憧れの武将に近づける存在になろうとしたのは、とても自然なことではないだろうか?
憧れのサンゴクシの世界へ旅立つ前に、私は真剣に悩んでいた。
すなわち『一体どんなアバターを選べばいいか?』ということだ。
どうせなら、彼らの活躍を最も近くで体験したいと思うのは当然のことだろう。
では彼らに最も近づけるアバターとは一体どんなものだろうか?
ともにサンゴク統一を目指した同じ軍の武将か?
それとも彼らが傍らに侍らせ、愛を語らった美姫だろうか?
はたまた、時に誰よりも互いを理解しようとしていただろう宿敵か?
……私は深く悩んだ。この選択は非常に重要だ。ここで間違えるわけにはいかない。
私はそれこそ文字通り、寝る間を惜しんで考えた。
そして、徹夜明けでかすむ目をこすりながら朝日に向かった瞬間、思い付いたのだ。
「そうだ。馬になろう」
もちろんただの馬ではない。武将が戦場で無二の友とした名馬である。
色々考えた末、私は大英雄SOUSOUの持ち馬TKG-ZETSU-Aになることにした。
これなら戦場でのSOUSOUの活躍を一番近く、かぶりつきで見ることができるに違いない。
私はその喜びを想像して笑みを漏らした。
……なんとなくの徹夜の勢いで馬のアバターを選んだ私だったが、圧倒的動力・最大トルク700nm/6000rpmをゆうに超えるパワーは想像よりも遥かに素晴らしいものだった。
大抵のものは私の蹄の敵ではない。敵を踏みつぶし、戦場を駆け抜け、風になる感覚はたまらないものだった。
人から馬の身体になった感覚には、まだ慣れていないところがあるが、大英雄SOUSOU様と密着できるのは至上の喜びだ。
(ああ、私……憧れのSOUSOU様に乗ってもらっているのね!)
SOUSOU様も私――TKG-ZETSU-Aの類稀なる馬力を大いに喜んでいる。
「TKG-ZETSU-Aよ。其方はまさにサンゴク1の名馬よな!」
「ブルルルルゥ! (やだ! SOUSOU様に褒められちゃった!)」
この『サンゴクシ』の世界は、リアルダイブしている人は少なく、ほとんどがNPCだと聞いた。
だからきっとこのSOUSOU様もNPCなんだろう。それでも私は一向に構わなかった。
……それにしても、一体ここは何のステージなんだろうか?
なんとなく嫌な予感がして、私は今自分がいるステージを確認した。
(げえッ!? 宛城!! これって……確か、城が炎上して、SOUSOU様が大ピンチになるステージじゃない! やだー! 絶対私も危ない目に遭うわ!)
私はそれとなくSOUSOU様に脱出を促した。
「ブルヒヒン! (SOUSOU様! 早く逃げましょう!)」
「ん? どうしたZETSU-Aよ。腹でもすいたのか?」
「ヒヒン! ブルルルウ! (ちーがーいーまーすぅー! 宛城にいるのは危ないって言ってるんですよ! 降伏したはずの敵に襲われて、大ピンチなんですよー!)」
「ははは。そうか、そうか。まあ、お前もゆっくりとくつろぐが良い」
そう言って、SOUSOU様は鼻歌交じりでどこかへ行ってしまった。
(ダメだわ……通じない)
こういう時、馬は厄介だなと痛感した。私は与えられた干し草と水を口に運びながら考える。
(でも……SOUSOU様は確か、息子のおかげで助かるんだよね……再現度MAXで楽しむのなら、ここは歴史に忠実でいた方がいいのかな?)
とはいえ、私(ZETSU-A)が危険な目に遭うことには変わりはない……うん! やっぱり早いところSOUSOU様を連れて逃げることにしよう!
私はこっそり厩舎を抜け出すと、SOUSOU様を探して宛城の中を彷徨った。
(SOUSOU様ったら、どこに行っちゃったのかしら……確か、美しい女の人と戯れてたら、敵が裏切るっていうのが史実の流れよね? まだ、この城は戦場になってないし、今頃は美女と宴会って感じかしら?……英雄って、みんな色を好むっていうけど、ちょっとは考えて欲しいわよね! まったく自分の命が危ないっていうのに、男って本当にどうしようもないわ!)
そんなことを考えながら城を歩いていると、私の前に門番と衛兵が現れた。
「う、馬だと!?」
「とまれ! なぜ馬がこのような場所にいる!」
「ブルヒヒヒー! (何よ! 通しなさいよ!)」
「ええい暴れるな! おとなしく厩舎に帰れ!」
「ヒヒヒーン! (そんなことしてる場合じゃないのよ! SOUSOU様を連れて逃げなきゃいけないんだからッ!)」
だが、いくら私が言っても分からず屋の門番たちは、その場を退こうとしない。
「ブルルウ……ヒヒーン! (もう! 人の恋路を邪魔する奴は……馬に蹴られて死んじゃいなさいッ!)」
「ぐわああぁぁ―ーッ!?」
私の馬力の前では、どんな兵士だって紙切れ同然。私の蹴りを食らって、ひ弱な門番たちは飛んで行ってしまった。
「敵襲ーーー!!」
「CHOUSHUが裏切ったぞーーー!!」
(やば! もう始まったの!?)
ついに『宛城の悲劇』が始まったのだ!
私は城に火がつけられているのを確認すると、エンジンをふかせた。
(こうしちゃいられないわ! 馬の丸焼きになっちゃう! ……メタリックボディだけど!)
今や宛城は大混乱! 誰が敵で味方なのか、分からなくなるほど、兵士が入り乱れていた。
(……まあ、私には敵も味方も関係ないけどね。目の前に立ちはだかる奴をぶっ飛ばすだけッ!)
私は次々に兵士を撥ねて、城の中を突き進んでいった。
心は『SOUSOU様を早く見つけなくては』と焦っていたが、それでもそこらじゅうで繰り広げられる激しい剣戟には、目を奪われるものがあった。
(すごい! さすがは再現度MAXだわ!)
思わず感動していると……弓兵が放った矢が、私の輝くボディに当たる。
「ヒヒヒーーンッ! (乙女になにすんのよ!)」
自慢の脚で敵をなぎ倒すと、私は改めて気合いを入れて、エンジンをフルスロットルにした。
「ヒヒン……(やっぱり戦場は野蛮だわ! 早くSOUSOU様と脱出しないと……SOUSOU様、今会いに行きます!)」
私はSOUSOU様の元に辿りつくため全速力で走った。
襲いくる敵兵を鋼鉄のボディで跳ねのけ、炎によって崩れ落ちた天井や、瓦礫と化した壁を易々と越えて、愛しいあの人の元へ駆けていく。
はっきり言って、私はどの武将よりも強かった。
この鋼の4WDはもはや戦車となんら変わりはない。
何よりも恋する乙女は最強だと昔から決まっているものだ。
(もしかしたら……このまま全員敵を撥ねれば、この戦いに勝てるかも?)
という考えが一瞬頭をよぎるが、すぐにSOUSOU様のことで頭がいっぱいになって、そんなことは忘れてしまった。
『SOUSOU様のお傍に一刻も早く参る』
……今の私にはそれしか考えられなかった。だから……。
「ブルヒヒヒヒーーンッ!! (邪魔よ! 邪魔!)」
「ぐわあああぁぁーー!!」
「SISHUUさまーっ!?」
そう、例えこの戦況を大きく左右する存在、SOUSOU様の息子、SISHUUを撥ねたとしても……私はきっと気が付かなかっただろう。
(あれ、今何かとても大事なものを轢いた気がするけど……気のせいよね?)
燃え盛る宛城の中をいくら探してもSOUSOU様の姿はない。
(このままあの人に出会えなかったらどうしよう?)
そんな不安が私を襲い、目からオイルが零れそうになるが、グッとこらえて私は走った。
そしてついに……。
「うわあああーーッ!?」
「ブルウウン!! (あっ! SOUSOU様!)」
ついにSOUSOU様を発見した! 私は幸せのあまり、エンストしそうになった。
「ブルルル! (SOUSOU様! お会いしたかったですぅ~!)」
私はてっきり、彼もこの再会を喜び、この窮地に駆けつけた私のことを労ってくれると思ったのだが……。
「えええい! どけどけ! 余が一番先に脱出するのだ! なんせ、余の命が一番大事ゆえ!」
SOUSOU様は味方を押しのけ、私の背に飛び乗ると、そのまま脱出をするように命じた。
健気な私に『ありがとう』の『あ』の字すら言葉をかけてはくれない。
(……SOUSOU様ってこんなキャラだっけ?)
私はがっくりしてしまった。そんなところへ……。
「SOUSOU! お命頂戴するッ!」
あっという間に敵の大群がやって来た!
(やばーい! とりあえず逃げなくちゃ!)
私は慌てて再度アクセルを入れた。
焼け落ちる寸前の宛城での戦闘は混戦状態になっていた。
矢の雨が降り注ぎ、槍の嵐が襲い来る。
そんな極限状態を私は猛スピードで駆け抜けていた。
「ヒヒーーーン! (邪魔だ、雑兵ども!)」
私は敵も味方も関係なく、踏みつぶして走り抜ける。
そんな私の様子に上に乗っているSOUSOU様が文句をつけてくる。
「出過ぎだぞ、自重せよ!」
「ヒヒン!? (何よッ! 私はあんたを助けようって頑張ってるんじゃないッ! あんた、私の上に乗ってるだけなのに、偉そうなこと言わないでよねッ!?)」
そう言えば、SOUSOU様……いや、このSOUSOUは最初に出会った時から気に食わなかった。
何をするのにも上から目線で命令口調だし、全く乙女心って奴が分かっていない。
「退却! 引けい引けい引けい引けい引けいーーー!!! 生き残っている者は、余に続けい! そして、余の命を守るのだ!!」
「何としても! 何としても! 何としても! 俺は生き延びる!!」
……しかも今は、味方に向かってこんな情けないセリフを吐いている……あーあ。幻滅だ。
……そんなことを考えながら走っていると、いつの間にか宛城は遥か後方に存在していた。
私は無事に逃げ切ったのだ。
無事宛城から脱出できて、私はほっと一息ついた。
いつの間にかSOUSOUは私から降りていて、肩で息をしている。
「はぁ……はぁ……マジで死ぬかと思った……ちょっとちびりそうになった。全く……SISHUUは何をやっていたのだッ!」
(何よッ! 元はと言えば、あんたが美女に目がくらんで腑抜けたからこんなピンチになったんでしょ!)
だがその後もSOUSOUはひたすら情けない台詞を繰り返している。私のイライラはMAXになった。
(何が再現度MAXよ! こんなのSOUSOU様じゃない! SOUSOU様はこんなこと言わない!)
「しかし、流石は余! やっぱり英雄パワーは半端ないなー! ZETSU-Aもそう思うだろ!?」
……遂に私の堪忍袋の緒が切れた。
「ブルヒーーッ!! (このクソSOUSOU!)」
「ぐわあああぁぁ!?」
私はSOUSOUを後ろ脚で思い切り蹴り上げた。SOUSOUの身体は宙に高く舞い上がると、そのままぐしゃりと地面に落ちて、動かなくなる。
するとヒラヒラと空から紙が舞い降りてくる。
(これは……『死亡診断書』? このSOUSOUの? 死因は……『ショック死』ですって? はあ? こんなところだけリアルだなんて、意味が分かんない。『サンゴクシ』の世界観に、死亡診断書なんていらないってーの! あーあ、やっぱこのゲームバグってるわ)
色々とこの『サンゴクシ』に愛想を尽かせた私は、ログアウトした。
『サンゴクシ』からログアウトした私は、ゆっくりと椅子に身体を沈めた。
「ふぅ……全く、酷いゲームだったなぁ。あんなのちっとも武将っぽくない。 やっぱり武将って言うからにはどんな時でも威風堂々としていなきゃね! ちょっと敵襲があったくらいでビビってるような男じゃダメよ」
それだけじゃない。『伝説の英雄』と呼ばれるからには他の点でも秀でていないと。
例えば……頭も良くて、性格も良くて、ついでに顔も良ければなお良し!
車を持っているとさらにかっこいいなぁ! 4WDでキャンプに行くようなワイルドな感じもいいけど、スポーツカーでドライブをしてくれるクールな感じが1番好ましい。
そう……経済学の教授の新井先生くらい、知的なイケメンだったらいいなぁ……。
「……ってやばい! 明日経済学のレポート提出日だった! 忘れたら新井先生に怒られちゃうよ! こんなことしてらんない!」
新井先生の単位を落とすのは『宛城の悲劇』より恐ろしい。レポートが無事に終わるまで、しばらくゲームはお預けだ。
「……あーあ。私の心がキュンキュンするような素敵な武将様はどこにいるのかなー? 次は王道のRYUUBI様でも狙ってみようかな!」