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リー・メイメイ

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最終更新者: ゲストユーザー


通常カンフーマスター

Illustrator:お久しぶり


名前李 明明(リー・メイメイ)
年齢16歳
職業中国の諜報工作員

イベントinclude:開催日(オリジナルNEW+)

  • 専用スキル「挑発的絶命拳」を装備することで「リー・メイメイ/カンフーマスター」へと名前とグラフィックが変化する。

中国からやって来た新人エージェント。

リー・メイメイ【 通常 / 爆裂旋風運動界

期待を胸に初の任務、オオサカの地へと潜入する。

スキル

RANKスキル
1判定掌握
5
10挑発的絶命拳
15

include:共通スキル


スキルinclude:判定掌握


GRADE効果
初期値ゲージ上昇UP (270%)
TAPの判定が厳しくなる
MISS判定10回で強制終了
+1〃 (280%)

理論値:168000(8本+16000/28k)

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ランクテーブル

12345
スキルEp.1Ep.2Ep.3スキル
678910
Ep.4Ep.5Ep.6Ep.7スキル
1112131415
Ep.8Ep.9Ep.10Ep.11スキル
1617181920
 
2122232425
スキル
~50
スキル
~100
スキル

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STORY(EPISODE7まで)

※続きはこちらを参照

EPISODE1 スパイ・ドラゴン「超美人エージェント、ここに登場アル!」

 この世界には近づいてはならない場所がある。

 禁忌とされた場所、聖なる場所、汚染された場所。

 アタシは今、その場所へと足を踏み入れていた。

 バイオレンスでデンジャラスなデッドゾーン……

 ここは“オオサカ”――


 今日もこの場所で一日を懸命に生きていく。

 祖国のために身分を隠し、日夜、命がけの諜報活動を行い、使命を果たす……

 古代オタク人の情報を得るために、オオサカへ潜入した超美人エージェント……

 そう、アタシの名はリー・メイ――


 「こらー、メイメイ! なにサボってやがる!」

 「アイヤー!?」


 お尻に強い衝撃が走った。

 アイツが持ってるモップでアタシのお尻を引っぱたいたに違いない。


 「先輩、なにするアルか! アタシの可愛いお尻が腫れ上がったらどうするネ!」

 「やかましい! 修行をサボっとるお前が悪いんや!」

 「ちょっと休憩してただけアル。そうやってすぐに手が出る、よくないネ」


 渋々、言われたとおりにモップで床掃除を始める。

 ……ここに来てからずっとこの調子ネ。

 中華飯店“五重塔”――

 日本橋にあるこの店は組織が用意した潜伏先で、ここで働く人はみんな組織の人ネ。

 この先輩“サムハン”は五重塔のオーナーってことになってるアル。


 「だいたい、これのどこが修行アル。ただの店を掃除してるだけじゃないアルか!」

 「なに言うとるんや。これは足腰を鍛える立派な修行や、ちゃんとせい」

 「面白くないアル!」


 オオサカに着て数ヶ月。

 やってることといえば、接客と掃除、たまに車磨き。

 楽しみといえば、ビデオ屋で借りるカンフー映画と通信教育クンフーのヨーキャンくらいヨ。


 「こんな修行、もう飽きてきちゃったネ!」

 「飽きた言えるんは真面目にやっとるやつが言ってええ台詞やぞ」

 「これでホントに強くなってるかわからないネ。あとその中途半端な関西弁キツいヨ」

 「うるさいな、俺だって馴染もうと努力してんだよ!」

 「前にお客さんが先輩の半端な関西弁にキレてたね」

 「おおい!? ホントか、それ! 俺がしてきた今までの努力はなんだったんだ!」


 このやり取りも何十回としてきたネ。

 憧れの異国で生活。

 諜報員になったときは、もっと刺激的な生活が待ってると思ってたアル……

 でも、今はそれとは正反対の生活ネ。

 平和すぎるヨ……

 アタシを目当てに来てくれるお客さんも増えて、馴染客も増えてきたネ。

 それは嬉しいことだけど、そうじゃないアル。

 アタシが望むのは、そう――


 「そこそこ刺激的で危機感が味わえるマイルドエージェント生活がしたいアル!」

 「そんなエージェントがいるか」


 このときのアタシはまさかあんなことに巻き込まれるなんて思ってもいなかったアル……。

EPISODE2 スパイストーリー「アタシのストーリーは始まったばかりアル!」

 女の子らしく――

 両親に同じことを何度も何度も言われたアル。

 でも、女とか男とか関係ないネ。

 面白いものは老若男女問わず面白いものアル!


 「ほら、老師! このシーン、チョーかっこよくないアルか!」

 「はいはい、見てるよ。楽しいのはわかるから、蓮華を振り回すんじゃない」


 アタシがまだ小さかった頃。

 両親は揃って働きに出ているから、よく隣に住んでいたイワテ老人に預けられてたネ。

 ご飯を食べながら見るのは決まってカンフー映画。


 「やっぱりカンフー映画は最高ネ。アタシも、こんなふうに強くなりたいアル」

 「強くなりたいのなら修行あるのみだよ」

 「わかってるアル、老師。これ見終わったら、また修行するネ!」


 ご飯食べて、映画見て、修行して、寝る!

 相手がいないから、強くなってるかわからないけどアタシ、すっごく強いと思うネ!


 「アタシ、ぜっっったい将来は美人カンフーマスタースパイになるアル!」

 「前は美人カンフーマスター警察だって言ってなかったかい?」

 「今はスパイがいいアル!」


 そう、スパイはチョーかっこいいネ。

 デンジャラスゾーンに潜入して、悪党をやっつける……憧れるアルよ!


 「……そうだな、お前は覚えが早い。映画で見ただけの技をすぐに覚える、まさに神童だ」

 「えへへ、老師に言われると調子に乗っちゃうヨ」

 「もし数年後も変わらずスパイになりたいという気持ちが変わらなかったら私がなんとかしてやろう」

 「ホント!? 約束ネ、老師!」


 このときの約束は数年後も忘れなかったアル。

 だから、あのときもちょっと驚いたけど、老師には感謝してもしきれないネ。


 「ええ!? 老師ってスパイだったアルか!」

 「元スパイだよ。自分で言うのもなんだが割と腕はよかったんだ」

 「そ、それで、今の話は本当アルか? まるで映画みたいな話アル!」

 「ああ、本当の話だよ」

 「じゃ、じゃあ、アタシをスパイになれるようにしてくれたって話も……」

 「昔の仲間に腕のいい人材はいるかと聞いたら、ちょうど人手が足りてないと言われてね」

 「やった……やったアル! アタシ、本物のスパイになれるヨー!」


 そこからはトントン拍子に話が進んだアル。

 スパイのなんたるかを老師に叩き込まれたアタシは行かないでくれと足にしがみつく両親を振り切り、世界という大海原に旅立ったネ。

 最初の任務から国外なんて、メイメイは期待の大型ルーキーと思われてるに間違いないアル。

 そして、アタシは行く先々で出会う男たちの呼び止める声を背に、世界を旅してきたネ……

 そう、人はアタシを超美人スーパースパイ、リー・メイメイと呼ぶアル。


 「……で、どこからどこまでが嘘なんだ?」

 「え? な、なに言ってるアルか」

 「確かお前の最初の任務はこのオオサカに来ることだったはずだぞ。俺迎えに行ったよな?」

 「……ほら、お客さんが来たアル。さっさと働くよろしネ!」

 「長々と見せられたこの話はいったい、なんだったんだよ!」


 アタシのスパイストーリーはまだまだ始まったばかりアル。


 「いい感じに終わらせようとするんじゃねえ!」

 「え? まだまだ聞きたいアル?」

 「言ってねえ」

 「まあ、過去回想は映画だと序盤にやる部分ネ。ここから出会いの話をしていくアルよ」

 「だから、聞きたくねえって」

 「あれはアタシが日本に初めてきた時――」

 「続けんな!」

EPISODE3 プロジェクトO「運命の大地、日本。アタシの刺激的日常が始まるネ!」

 スパイになって最初の任務。

 海外に行けるって喜んだけど、思ったようには進まなかったアル。


 「オオサカ? トーキョーじゃないアル?」


 オタク文化が盛んなフコーカ、トーキョーに行けると思ってたのに、言い渡された配属先はオオサカ。


 『ああ、ちょうどオオサカに欠員が出てね。君にはそこへ行ってもらいたい』


 そうアタシに通信を入れてきたのはミスターJ。

 アタシの上司で一度も会ったことないけど、組織の人もその姿を見た人はいないという話ネ。


 『オオサカはトーキョーには及ばないが、日本橋や千日前など独特な文化のオタク施設がある。そこの調査を行ってほしい』

 「どんな文化があるか楽しみネ!」

 『そちらには組織の人間が複数潜伏中だ。空港に迎えをやる、彼と合流しろ。名前は――』


 そして、アタシは関西国際空港に降り立ったネ。


 「迎えが来るって言ってたけど、どこにいるアル」

 「お前がリー・メイメイか?」


 振り返るとそこには一人の男が立っていたアル。

 これがミスターJが言ってた迎え?


 「アンタが迎えのサムハンアルか?」

 「ああ、そうだ。とっとと潜伏先に行くぞ。それと俺のことは先輩と呼べ、新入り」

 「新入りじゃないネ、メイメイはメイメイネ!」

 「はいはい、覚えたらそう呼んでやるよ」


 そういって、サムハンが足早にタクシー乗り場に向かっていく。


 「ちょっと、置いてかないでほしいアル!」

 「トロいやつだな、早く来いよ」


 追いかけていくと、途中で屈強な大男とすれ違う。

 明らかに見た目が日本人じゃないって感じアル。

 旅行者……にしてはどことなく雰囲気が違うし、アタシのことチラチラ見てるネ。


 「なにヨ、あそこに立ってる男。手にクルミなんか持って。くるみ割り人形アルか?」

 「あんなのここじゃ珍しくねえよ。いいから乗れ」

 「映画だとああいう人が最後に出てきて、主人公の前に立ち塞がるネ! そして、拳と拳をぶつけ合う熱いバトルを――」

 「運転手さん、出していいぞ」

 「ああ、まだ話してる途中アル! 置いてかないでほしいネ!」


 先輩に続いて慌ててタクシーに乗り込む。


 「そうじゃないとしたら……そうか、わかったアル! アタシに一目惚れしちゃったに違いないネ!」

 「はあ?」

 「美人ってそれだけで罪アルね……」

 「お前バカなのか?」


 タクシーから大男に手を振ってあげる。

 顔は見えなかったけど、アタシに気づいてもらえてきっと喜んでるに違いないネ。

 ――それが先輩と、あの大男の出会いだったアル。


 「――で? 延々となにを語ってるかと思ったが、お前まだ話続いてたのか?」

 「聞きたいって言ったの先輩アル」

 「だから言ってねえって!」

EPISODE4 ドランクカンフー「酔っぱらい? アタシはまだ16歳ネ。お酒よりもミルクが飲みたいヨ!」

 先輩の経営する中華飯店“五重塔”。

 味はそこそこ、内装はそこそこ。

 しかし、そこには唯一無二のものがあるアル。

 それは――

 超絶美人のリー・メイメイが働いてることネ!


 「おーい、メイメイちゃーん! 注文した青椒肉絲まだかい? あと、ビール中ジョッキを追加で2つくれ!」

 「あいよー、すぐ持ってくネー!」


 ここに住み込みでバイトをしながら、アタシは日本のことを学んでいるネ。

 オオサカのこと、お客さんが話してくれるアル。

 たまに嘘っぱちもあるけど、楽しい話を聞かせてくれるのは嬉しいことネ。


 「ほら、持ってけ」


 アタシがビールを注いでいると、できあがった青椒肉絲をサムハンが渡してくる。


 「お前が来てから店が繁盛してるのはいいけどよ、もうちょいのんびり働きたいもんだ」

 「お客さん、たくさんはいいことヨ。稼げるときに稼ぐのが商売人ネ!」

 「まあ、それはそうだが」


 冷めないうちに料理を運ぼうとした瞬間――

 ぐいっと腕を引っ張られる。


 「お客さん、ここはお触り厳禁ネ!」

 「ええやんけ、ちょっとくらい。触っても別に減るもんやないやろ!」


 喋るたびにお酒の匂いが鼻につく。

 こういう酔っぱらいに限って離せと言っても離さずベタベタしてくるからタチが悪いアル。


 「いい加減に離さないと一発お見舞いするアルよ」

 「おい、客に向かってなんちゅう言い方や。お客様は神様やって習わんかったんか!」

 「そうやそうや!」


 酔っ払いの仲間なのか、5人の男がアタシを囲むように集まってきたアル。


 「はいはい、お客さんたち。本当にぶん殴られる前に出ていってくださいよ」

 「邪魔すんなや!」

 「先輩!」


 酔っ払いが振り回したジョッキが先輩に当たりそうになり、咄嗟に庇う。


 「うぅ、びしょ濡れになっちゃったアル……」


 中に入っていたビールを頭からかぶってしまって服がびしょびしょネ。


 「おい、大丈夫か!」

 「なんか変アル……頭クラクラして……」


 目の前がぐわんぐわんするネ……

 ぼやけて、先輩と酔っ払いが何人もいるアルよ。


 「なんや姉ちゃん、これくらいで酔っ払ったんか? 情けない、俺の若い頃はな――」

 「うきゃきゃきゃきゃきゃ!!!」

 「な、なんだあ!?」


 ああ、なんか楽しくなってきたアル。


 「おい、お前――」

 「酔っ払いは……とっとと帰るネ!」


 そうネ、酔っ払いは敵。

 ここはキツイのを一発お見舞いしとくアル!


 ……このあとの記憶は残ってないネ。

 先輩が教えてくれた話だけど、話を盛ってる可能性もあるから信じられないアル。

 お客さんも変に盛り上げてたアルよ。


 「――あのときのお前を見てどう感じたか? めちゃくちゃだって思ったな」

 「そうそう! いつものメイメイちゃんじゃないみたいだったよ」

 「酔っ払って身体がフラフラなのに、殴りかかってくる男たちの拳をいなしたり避けたりしてたんだぜ」

 「あれは噂に聞く酔拳ってやつだな」


 先輩たちから聞いた話だと、たぶん、こんな感じで戦ってたアルよ。


 ――倒れていたメイメイはよろよろと立ち上がり、両手を前に突き出し、仲間の男に近づいていく。


 「な、なんだ、やろうってのか!」


 警戒した酔っ払いが構えたのに対し、メイメイはその手を取って引き寄せ――


 「ぐはあッ!?」


 ――メイメイの拳は酔っ払いの顔のど真ん中に当たっていた。

 鼻血を流しながら倒れた酔っぱらいの一人を見て、他の仲間たちがメイメイを取り囲む。


 「やりやがったな、この野郎! こっちだってな、修羅場をくぐってきとるんや!」

 「くひひひ! そんなに怒っちゃ嫌アルよ!」


 そう言いながらメイメイが不思議な踊りをし始め、相手にやる気があるのか、ないのか分からず、酔っぱらい客が戸惑っている。


 「おい、姉ちゃん。なにがしたいんや?」

 「んふふふ……」


 メイメイがテーブルに置かれた飲み物を口に含むとそのまま男に向けて吹きかける。


 「こいつ、酒を――あっま!? うわ、あっま! なんだよこれ、ジュースじゃねえか!」


 男が怯んでいる隙にメイメイは腹に蹴りを入れる。

 そのまま流れるような動作で、倒れそうになる男の襟を掴み、別の男へと投げ飛ばす。


 「や、やばい、逃げるぞ!」

 「ふふ、どこいくアル? お勘定、まだアルよ!!」

 「ひいっ!?」

 「待て待て待て!」


 そのまま抑えられたアタシは気を失ったらしい……というのが先輩とお客さんの証言ネ。


 「そんなのでたらめアル。お酒かけられただけで酔っ払って超強くなるとか映画だけの話ネ」

 「お前がそう思うんなら、そうなんだろ。お前の中ではな」


 先輩がここまで言うんだから、もしかしたら、本当に酷かったのかもしれないアルな。

 飲むかどうかわからないけど、お酒には気をつけたほうがいいアル。


 「……」

 「え? な、なにアルか?」


 なにも言わずにこちらに近づいてくる屈強な大男。

 あれ、この人って空港でアタシのことを見てた男の人じゃないアルか。

 黙ったままアタシのほうへ拳を突き出してくる。

 咄嗟に身構えてしまうが、その手が開かれると中にはお金が――


 「あ、ああ、お勘定ネ! はい、ちょうどいただいたアル!」


 大男は黙ったまま店を出ていく。

 ははーん、もしかして、メイメイと会えたから、緊張して言葉も出ないネ。

 ふふん、すぐにファンを作っちゃうなんて、罪つくりな女アルよ!


 「ありがとうございましたアル。また来てほしいネ!」

 「……」


 相変わらず無言のまま大男は店から出ていく。

 手に持ったクルミを割るパキッという音と共に。

EPISODE5 インファナル・アキバ「刺激的遊戯! アタシの伝説はここから始まるネ!」

 田舎育ちのアタシは組織に入ってすぐ、このオオサカの街に派遣されたアル。

 通っていた学校も中退して、こっちで勉強しながら任務をこなしているネ。

 オオサカの街には馴染んできて、仲良くなったお客さんも増えてきたアル。

 だけど、求めているのはそれなりに刺激的な生活。

 そんなものが降ってこないかなと思ってたある日――


 「あ、あれが、アキハバラ……!?」


 建物の向こうに見えるのは空中に浮いた大陸。

 古代オタク人たちが遺したといわれる、正体不明のテクノロジー。


 「せ、先輩、見るアルよ! 本当にアキハバラが浮いてるアルヨー!」

 「あ、ああ、本当に浮いてるな……」

 「どうしたアルか、テンション低すぎヨ!」

 「古代オタク人の技術すげー」


 謎のテクノロジーで浮いてるアキハバラ。

 改めて頭の中でその言葉と、今の状況を照らし合わせてみると――


 「すっごく楽しくないアルか? 映画でもそうそうこんなこと起きないアルよ! テンション、アゲてくアル!」

 「上がんねえよ! 俺は不安でハゲそうだわ!」

 「えー、メイメイはドキドキが止まらないアル」


 そのとき、先輩のスマホが鳴り始める。

 電話だと思うけど、手にとったスマホの画面を見て、先輩が慌ててその電話を取った。


 「ミスターJ、新たな司令でしょうか?」

 「おお、ミスターJからアル!」

 「……了解です、すぐに切り替えます」


 先輩がスマホの音声をスピーカーへと変えると、スマホからミスターJの声が聞こえてくる。


 『空中を浮遊していたアキハバラが先程、琵琶湖に着水した』

 「なんと!? あれが湖に堕ちたアルか!」

 「いや、堕ちてないから。着水したって言っただろ、今?」

 『本部からの司令を通達する。ただちに二人は琵琶湖へと急行、調査を行え』

 「今からですか!?」

 「こういうのを待ってたアル! 刺激的遊戯! 了解、すぐに出かけるアルよ!」

 『では、頼んだぞ。アキハバラを目指して、各国のスパイが集結しているはずだ。心してかかれ』

 「え、ちょっと――」


 先輩がなにか言いかけたが、ミスターJとの通信は切られていた。


 「早く準備するネ! アキハバラがメイメイたちを待ってるアル!」

 「なんで俺まで数に入ってんだよ!? どうして目に見える爆弾に突っ込まなきゃいけないんだ!」


 先輩が喚いている後ろで、アタシはドキドキしてたネ。

 アタシが望んだ刺激的な出来事。

 まるで映画の世界に入り込んだようなトンデモ展開。

 アキハバラ……どんな場所か楽しみが止まらないネ!

EPISODE6 スパイたちの挽歌「響き渡る銃声、倒れていく仲間たち……まるで映画の世界アル!」

 各国のスパイが集まるという話。

 アキハバラへ行くだけでも楽しみだと言うのにスパイ同士の抗争まで始まるとは。


 「……ということだから、俺たちは琵琶湖まで行くことになった」

 「了解だ。店のことは俺たちに任せとけ」


 先輩が他の同僚たちに任務のことを説明する。


 「戦いはアタシに任せるアルよ。敵をバッタバッタと叩き潰してやるネ!」

 「まあ、そういうのは楽しみたいやつがやればいいんじゃないか」


 そういえば、先輩が戦ってるところを見たことないアル。

 修行もしてるかどうか怪しいネ。

 本当はすっごく弱いのを隠してるんじゃ――


 「邪魔するぞ」


 店に入ってきた誰かを見る前に、肌が凍りつくような寒気が襲ってくる。


 「こいつはやばいな」


 そういう先輩の声には緊張が混じっていた。

 振り向くと店のドアの前に黒いコートを着た男とその後に黒服の男が6人ほど立っている。


 「おい、お前たち。客じゃないなら出てって――」


 先輩が話しかけると同時に、男はにっこりと笑う。

 そして、次の瞬間、黒服が懐から二丁拳銃を取り出しぶっ放してきた。

 ダンダン、と銃声が店内に響く。


 「先輩!?」


 先輩が撃たれてしまった、と駆け出し――


 「うちの店はこういう物騒なものは持ち込み禁止なんだけどね」

 「……ほう」


 放たれた銃弾は先輩を撃ち抜くことはなく、いつの間にか先輩の手で天井に向けられ、そこに2つの穴が開いていた。


 「あーあ、穴開けやがって、どうしてくれるんだよ。お前が弁償してくれんだよな?」

 「俺はアンタを狙っただけなんだけどね。弁償なら上に向けたアンタ自身でやるといい」

 「きゃあああ!」

 「お、おい、あれって本物じゃないか!」


 他のお客さんが先輩たちの攻防を見て、店から逃げるように出ていく。


 「客まで逃げちまったじゃないか。これのお代もアンタら持ちだからな」

 「払うのは構わないが、払ったところで使えない金に意味なんてないだろう?」

 「いいや、あるさ。店の修繕費に、飯の代金、それとアンタの香典だ」

 「君から香典を貰えるほど仲良くなったつもりはないんだけどね」

 「兄貴、こいつら早く締めちまいましょうよ!」

 「やれるもんならやってみやがれ。サムハン、やるぞ!」


 先輩に、爪楊枝をくわえた同僚が声をかけた。

 黒服たちが手にとったのはマシンガン。

 先輩たちは戦う気まんまんだけど、あんなのを撃たれたら、いくら先輩たちでもただじゃ済まないアルよ!


 「待て、横から撃たれたら興が削がれる。やるなら、後にしてくれ」


 兄貴と呼ばれた黒コートの男は先輩から目を逸らさず部下だろうやつらに答える。

 先輩が攻撃しなかったのは見ていてもわかるネ。

 あの男、目を離さないどころか、隙がまるでないヨ。


 「男の相手なんてしたくないんだけどな」

 「まったくだ。そちらの組織が目障りな動きをしなければ、こうならずに済んだんだが」

 「それもお互い様ってことだ」

 「ああ……」


 一瞬の沈黙のあと、まず動いたのは先輩だった。

 黒コートの男の顔に向けて振った先輩の拳を避け、銃の引き金を引く瞬間に先輩が銃口を逸らし、攻撃を繰り出すがまたそれを黒コートの男が制す。

 超至近距離で行われている激しい攻防。

 獲物は銃だけど、戦い方はアタシたちの拳法と同じ独特な“カタ”があるネ。


 「最近は鉄火場を離れていたからな。勘を取り戻すにはちょうどいい相手だ」

 「そいつはどうも。こっちもアンタみたいのと戦えて光栄だよ!」

 「我らが讃えし神のために死んでもらうぞ」


 まるで映画を現実で見ているような錯覚に捕らわれ、見入ってしまう。

 だが、ふと我に返り先輩の加勢をしようと乗り出す。


 「先輩、助太刀するアル!」

 「お前は余計なことしなくていい。さっさと琵琶湖へ行け!」

 「でも――」

 「いいから、お前は裏口から行け。ここはサムハンと俺たちに任せときゃいいんだ」


 そう言って同僚たちがアタシを護るように壁になる。


 「なるほど、そういう選択をするか。なら、こちらも黙ってみているわけにはいかない。――やれ」


 黒コートの男の指示に黒服たちがマシンガンを構える。


 「いけ、メイメイ!」


 マシンガンの音が店内に響き、止まない銃声の中でアタシは動けずにいたアル。

 本物の銃、本物の血、本物の戦い……


 「おい、なにやってんだ。ぐずぐずせず、お前は琵琶湖へ行け」

 「あ、そうアルか。じゃあ、お先に失礼するネ」

 「かるっ!?」


 アタシは先輩たちを残して裏口へと走る。


 「まあ、あれくらい脳天気なやつのほうが、生き残ったりするんだよな」

 「残念だが、そちらは対策済みだ。お前たちを片付けて、後を追うとしよう」

 「愛の告白なら俺が伝えといてやるよ。あとでアイツに追いつくからな」

 「ほざけ」


 先輩たちに背を預け、裏口へと手をのばす中、アタシは不謹慎にも心の中で叫んだアル。


 ――アタシ、映画の主人公みたいネ!

EPISODE7 ドラゴン・コース「たくさんの男に追いかけられるなんて、やっぱりメイメイはどこでもモテモテアル!」

 先輩たちに後押しされ、アタシは裏口から五重塔を飛び出した。


 「……え?」

 「……は?」


 外に出ると裏路地に外車があり、そこには黒服の男たちがタバコを噴かせていた。

 そして、あのお店に来ていた大男が立っている。

 互いに急に出てきた敵に驚き、思考が一時停止――


 「ご、ごゆっくりどうぞアル!」


 アタシは全速力でその場から走り去る。

 遅れて後ろから――


 「いたぞ! 捕まえろ!」


 という怒号と共に男たちが追いかけてきた。


 「アイヤー! アタシが可愛いのはわかるけど追いかけてきちゃダメネ!」


 路地裏を駆け抜けながら、後ろを振り向くと、ぴったりと後ろをついて離れそうにない。

 というか、あの大男ってメイメイのファンじゃなくて様子を見に来た敵だったアルか!


 「なんて足の速さだ。くそっ、手がぶれて銃が撃てねえ!」


 ついてこれてるのは想定外アルが、でも、銃が使えないのは好都合ネ!


 「これなら撒けるかもしれないヨ」


 アタシはここに来て数ヶ月も調査してきたネ。

 この辺りの地理は熟知してるアル!

 こっちの道を行って、あの道を左に行けば、お店があるからその中を通り抜けて、ここまで無茶苦茶に走り回ったら、さすがに――


 「ふふん、これでどうネ!」


 ――が、黒服たちは欠けることなくまだ追いかけてきていた。


 「なんで撒けないネ!?」

 「バカか、俺たちはお前よりずっと長く、この街で暮らしてきてんだよ!」

 「しまったー!? そこまで考えてなかったアル!」


 早く男たちをなんとかしないと。

 琵琶湖に着く前にアタシの身体が穴だらけにされちゃうネ!

 なにか、ないか……

 映画の主人公たちはどうやって逃げていたか――

 前にピザ配達のバイクが止まってある。

 ちょうど、配達用のピザを入れてるところみたいネ。そうか! 閃いたアル!


 「ちょっとピザ貰うアルよ。お代はこっちの怖いお兄さんたちにつけとくネ!」

 「あっ、ちょっと!」


 バイクの中からピザの入った箱を取り、フタを開けて、それを黒服たちに投げつける。


 「あっちゃあ!!?」

 「はーい、強面のお兄さんたち! できたて熱々のピザの味はいかがアルか!」

 「このアマ!」

 「おっと、ちょうどいい脚立があるネ! ハイヤー!」

 「うおお!?」

 「アハハ! 脚立で電車ごっこなんて楽しそうネ!」

 「バカにしやがって! ふんどし一丁で吊るしてやる!」


 黒服もだいぶ減ってきたけど、まだまだ追ってきてるネ。他に使えそうなものは――


 「すみませーん、ちょっといいアルかー!」


 ドンドンと窓を叩くと――


 「誰だい、うるさいよ!」

 「ぐはあ――!?」


 勢いよく開かれたドアが黒服の顔面に直撃し、顔を抑えながら倒れ込んだ。


 「ごめんネ、おばちゃん。家間違えたアルー!」


 よし、これで一通りは撒けたはず――


 「なんて、都合のいいことないネ」


 銃を持ってた黒服もういないけど、一番厄介な大男が残ったままネ。

 大きいくせにスピードもあって、小回りがきくとか、絶対に相手にしたくないヨ!


 「いい加減に諦めるよろし! お仲間さんはみんないなくなったアルよ!」


 なにも言わずに大男はただただ黙ってアタシを追ってくる。

 大男が無言で迫ってくるとか怖すぎアルよ!

 裏路地を抜けて、大通りに出る。

 相手が一人で銃を持ってないのなら、人が大勢いる場所を抜けても危害は少ないネ。

 思ったとおり、大男はどんどん見えなくなっていく。

 あの巨体では人混みの中を追いかけてくるなんてことできなさそうアル。

 この歩道橋を渡っていけば、このまま駅に――


 「きゃあああ――!」


 このまま逃げようとした瞬間――後ろから人の悲鳴が聞こえてくる。


 「な、なんだ、あの男は!」

 「早く離れろ!」


 歩道橋から下を見ると、大男が腕を振り回して、邪魔となる通行人を払いのけながらこちらへ真っ直ぐに向かってきていた。


 「どうするアル! ここからまた逃げたらまた人を巻き込むアルよ!」


 考えているうちに大男がすぐそこまで迫っていた。

 こうなったら、ここで迎え討つしかないネ!


 「さあ、どこからでもかかってこいアル!」


 相変わらず無言のままアタシを見てくる大男。

 喋ってくれなきゃどこの国の組織か、とかそういうの探れないじゃないアルか!


 「寡黙な男は嫌いじゃないヨ。でも、アンタはアタシの趣味じゃないネ!」


 蹴り上げようと構えを取ると、大男は反応して来るはずの攻撃に備える。

 だが、アタシは蹴らずにそのまま飛び上がり、歩道橋の柵に飛び乗った。


 「だから、もう追いかけてこないでほしいアル。ストーカーは嫌われるアルよ!」


 大男が慌ててアタシを捕らえようと腕を伸ばすがそれよりも先に下へ飛び降りた。


 「再見(ザイチエン)!」


 アタシはちょうど走ってきたバスの上に着地する。

 走ってきていたのが見えたから、うまくいくかわからなかったけど、なんとか乗れたネ。


 「このバスは確か梅田駅行きネ。道路も空いてるし、このまま一気に琵琶湖ネ!」


 襲撃には驚いたけど、順調に行ってるアル。

 やっぱりアタシは神に愛された、神童ネ。

 今ならなんでもうまくいくに違いないアルよ!

※続きはこちらを参照

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コメント (リー・メイメイ)
  • 総コメント数8
  • 最終投稿日時 2021年06月05日 20:04
    • チュウニズムな名無し
    8
    2021年06月05日 20:04 ID:cpyaw0hf

    >>7

    ついでに汎用の方も載せるアル

    • チュウニズムな名無し
    7
    2021年06月05日 18:26 ID:cpyaw0hf

    +1アル

    • チュウニズムな名無し
    6
    2021年05月18日 21:28 ID:jv5zuu6z

    カ○チョーする絶命拳?

    • チュウニズムな名無し
    5
    2021年05月17日 11:27 ID:c4t0x3nz

    我らが讃えし神→混沌?

    • チュウニズムな名無し
    4
    2021年05月14日 23:32 ID:nrmgzomg

    GUMINはいったいどこへ向かおうとしてるのか

    あとてっきりらいむちゃんにやられたのかと思ったらストーリー上でのカンフーマスター差分の回収ない感じ?

    • チュウニズムな名無し
    3
    2021年05月14日 17:51 ID:q6e9ojwu

    マップの背景からGUMINレーベルと分かりました。

    ストーリーは未調査です。

    • チュウニズムな名無し
    2
    2021年05月14日 14:10 ID:rfo663ve

    ピュア???

    • チュウニズムな名無し
    1
    2021年05月14日 10:41 ID:l342fizv

    脚たまらん

    オタクに何が刺さるかしっかり理解したビジュアルしてる

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