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【黒ウィズ】ぽっっ!かみさま Story3

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三章 黒猫の人とポルデー


Story1 不毛の地ポルデー

Story2 おいもの旨味と人集め

Story3 リュディの決断

Story4 ポルデー開拓

Story5 未来のおいもに想いを馳せて







story1 不毛の地ポルデー


何の用だ、人間。森のエルフまで引き連れて……。

土の同志。彼はわたしたちを守ろうとしている。戦争が近づいているのは知ってる?

もちろんだ。すでにこの土地は何回も戦場になっている。おかげで人が寄り付かなくなってありがたいくらいだ。

このままここで暮らしていたら、戦争に巻き込まれる。皇帝がエルフをどう扱ってきたかは知っているよね?

知っている。だが奴はここに興味はないはずだ。ここは作物が育たない。そんなところに人が住むか?

まず住まないだろうな。泥と花商岩くらい明白なことだ。

でもきっと巻き込まれる。シヴィアタンのようなことがあってはいけない。

あれか……。あれ以来、森の同志は軟弱になった。人に神まで与えるとは……。ともかく、我々はこの地を離れるつもりはない。

背後にそびえる巨大な建造物を指差し、コロッココは言った。

我々にはテッラーロの車を守る義務もあるんだ。

それはまるで風車のようだった。ぐるぐると羽を回転させており、何かの役割を担っているようだった。

ここから移動する必要はないにゃ。私がいた世界の魔法にゃ。

ウィズがリュディに促すと、リュディは懐から取り出した本を土のエルフの前に置いた。

君たちにはこの本の中に入ってもらう。そして、本はこの地で大事に保管する。君たちは追い出されるわけじゃないんだ。

コロッココは本を手に取り、まじまじと見つめる。

本の中に?なんだそれは?聞いたこともないぞ。まるで砂利の中の金塊みたいな話だな。

私がいた世界の魔法にゃ。

そうやって戦争の時代をやり過ごすというわけか。だが本が盗まれたらどうする? 燃やされたら?

ばっかばかしい。誰がそんな土踏まずみたいな提案を受け入れる。

それならここに人を呼び込めばいい。人を呼んで村を作るんだ。そしてあの〈車〉も、本も守ってもらう。

待て。我々は軽石のごとく人間を信頼してない。そして人間も我々を信頼していない。その問題はどうする?

大丈夫。信頼はいまから作ればいい。

はあ? 頭が腐葉土なのか?

ともかく、この土地のことを教えてほしい。案内してくれないかい?






あそこはどうなってるの?

あそこはいい土だ。水分もたくさん含んでいるから、泥団子作りにも最適だ。

泥団子なんか作っているにゃ?

そうだ。我々、土のエルフは綺麗な丸い泥団子を作れるかが優れた戦士の条件だ。

戦士は関係ないにゃ、それ。

それにあっちもいい土だぞ。さらさらしてる。

いい土の基準がよくわからないにゃ。

そんなもの触ったらわかるだろ。

思いの外、薄い基準。

失礼だぞ! 森の同志! まるで目の前でロクロを回された気分だ。

そもそもテッラーロの車が動いているから、この地の土はいい土ばかりだ。

あれはそういうものにゃ?

そうだ。あの羽根で地上の魔力を集めて、大地に送っている。とってもすごいんだぞ。

向こうから、とてとてとてと小エルフたちがやってくる。

後を追うように二羽の鳥たちもばたばたばたと忙しなく飛んできた。

お帰り。どうだった?

尋ねられると小エルフたちはその場に寝そべり、ころころころと転がり出した。

まるで心地がよく、そうせずにはいられないとばかりである。

塩分は多いけど、それ以外は気持ちよくって楽しいみたい。

君たちの力で土の塩を無くすことはできる?

やろうと思えばできる。ほれ!

コロッココがざっくりとシャベルを土に差し込む。掘り返された土が淡く輝く。

これでここの土の塩分は薄くなった。もっと大掛かりにやろうと思えば、テッラーロの車を使えば可能だ。

シーヴル、病気に強い作物がいいな。……芋とかかな。

シーヴルは手のひらを閉じて、指と指をこすり合わせる。すると、その手からぽろぽろと小さな芋が落ちてきた。

おいも。このおいもは花が咲いてとてもきれい。

一体何をするつもりだ?

人を呼ぶには食べるものが必要だ。ちゃんと作物を育てられるか調べておきたかったんだ。

なるほどにゃ。それは大事なことにゃ。

おいも、植えてみるね。ほりほり。ほりほり。

ああ! そこよりもこっちの方がいい土だぞ! ああ、もう……植えちゃった。

種を植えると、シーヴルはその場に手をかざす。

すると、土の隙間から青緑の芽が生きているように、にょきにょきその身を伸ばし始める。

にゃにゃにゃ!? どんどん成長していくにゃ!

ふふふ、ウィズ、驚いた? 驚いた?

驚いたにゃ。

どれくらい驚いた? どれくらい?

すごく驚いたにゃ。

すごくってどれくらい? どれくらい? どれくらい?

しつこいにゃ!

ぶぶぶ……。

ああ、ごめんにゃ。ちょっとカッとしちゃったにゃ……怒ったわけじゃないにゃ。

うれしい……。

わかりづらいにゃ!



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story2 おいもの旨味と人集め



次の日、収穫した芋をリュディたちは食べることにした。

芋というのはどんな味がするんだ?

コロッココは芋を食べたことないにゃ?

エルフは食べなくても生きていけるからな。

―度食べてみたら?

手渡された芋をコロッココはごりごりと齧る。

まっっぢゅい……こんなものを育ててもどうしようもないだろ。それとも人間はこれがいいのか?

まずいだろうね。普通は生では食べないからね。

なんで食べさせた……。

リュディは手に持った芋をナイフで8つに割り、それを鍋の中に入れた。

ジュワージジジ、ジュワージジジって音が鳴っている。

油にゃ。フライにするにゃ?

油で揚げたらうまいのか?

食べてみればわかるよ。

コロッココは揚げたての芋をー欠片つまんで、口に放り込む。

もほ! ほほ、ほほ、熱いけど、うまいな! ん~、これはあれだ。地下で冷やした蜂蜜が何杯でもいけるやつだ。

魔性の食べ物だ。

子供のくせに、大人みたいなことを言うにゃ。

子供とは失礼だな。これでも人間で言えば大人だ。

土のエルフはみんな、大人になってもちんちくりんのままなの。

誰がちんちくりんじゃ! 我々は力の源である土に近い場所にいるために、成体になっても体は小さいんだ。

あ、そういうことにゃ。

それと、土のエルフはみんな、蜂蜜飲みの酔っばらいでろくでなしっておじさんが言っていた。

おいおい、誤解だ。エルフの中で我々だけが蜂蜜を飲む習慣があるから、おひれがついているだけだ。

朝から晩まで蜂蜜を飲んでるって聞いた。

そんなことはない。我々は働き者だ。ただ、日が落ちてから飲み始める奴は、親の死に目に会えないと言われている。

だから、我々は昼のうちから蜂蜜を飲むんだ。

完全にろくでなしにゃ。

芋がなかなかうまいのはわかった。しかし、こんなところを好き好んで開墾する人間がいるのか?

自分の土地で暮らしていた方がいいだろ。やってきても、土が合わない場合もあるからな。

人を呼ぶことができたら、テッラーロの車で土地の塩分を取り除いてくれるかい?

考えてやろう。我々もそこまで石頭ではない。

リュディ、本当に人を呼べるにゃ?

それは大丈夫。幸い、いまは戦争の時代だからね。

にっこりと笑うリュディの言葉に、エルフたちは首をかしげるだけだった。




>リュディはどこに行くつもりにゃ?



ポルデーの南に行くと、大陸を隔てるように大きな川が流れていた。

ペルテス川というその川には砦があり、向こう岸から砦に至る橋には多くの人々がいた。

もう何日もその場所に留まっているようだった。


彼らは戦争で住む場所を失った人々だよ。戦火を避けて逃げ出したのはいいけど、国境を超えることが出来ないんだ。

この人たちを入植させるにゃ? いい案だと思うにゃ。

それはそうと、どうしてシーヴルはキャンプに残ったにゃ?

それは砦に行けばわかるよ。ウィズも中に入ったら俺以外には話しかけちゃダメだよ。

リュディは砦の門番の前へ進んでいく。門番はリュディに気づくと、わずかに身構えた。

何者だ?

リュディガー・シグラーと言います。以前、このペルテス州を治める男爵閣下の依頼を受け、竜を退治したことがある者です。

おお! 竜殺しの! 少しお待ち下さい。

通り名が前のところと違うにゃ。竜も殺したにゃ?

うん。いろいろあってね。竜は魔界にいた頃にペットとして飼っていたこともあったから、ちょっと複雑だったけどね。

門番が門の伝令に何事かを伝える。

やがて伝令が戻ってきたのか、静かに門が開き始めた。

さ、中に入ってください。今日は何のご用でしょうか?

にゃ!?

中に入ってすぐにウィズは顔をしかめた。

漂う腐臭が鼻をつく。それもただの腐臭ではない。

恐る恐る見やると、片隅に大きな穴がある。匂いはそこから来ている。

穴の底には人に似た姿形ながら、人ではないとわかる――つまりエルフの死体が――小山を作っていた。

エルフを殺しているにゃ。

エルフだけじゃないよ。戦争は人も殺している。

戦争の時代というのがよくわかるにゃ。

やって来たいかつい兵士長がリュディに頭を下げる。男は穴の中を凝視するウィズを見て、言った。

この猫はエルフの死体がよほど珍しいのですね。つい先日、鷲の時代に輸送隊が襲われましてな。

大掛かりなエルフ狩りを行ったのです。かなりの数を捕まえましたが、鷲の時代とは無関係でしょうな。

殺す必要はなかったでしょう。

我々の輸送隊も殺される必要はなかった。悲しい時代ですな。で、ご用件はなんでしょうか?

リュディは来た方とは反対側の門を指差す。

橋の上にいる人たちをボルデーの開拓民として受け入れたい。この砦を通してほしい。

にわかには首肯しかねますね。ただ、いま言ったように我々は鷲の時代に困っている。何とかなりませんかな?

わかりました。引き受けましょう。

お願いします。

リュディは普通の猫を扱うように、ウィズに向けて、唇を鳴らし、ついてくるように促した。

砦を出ると、ウィズは真っ先に尋ねる。

エルフを狩るにゃ?

まさか。話し合いで解決するつもりだよ。でもそうはいかない場合もあるかもね。



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story3 リュディの決断



木々がざわめいていた。

森の中にひと気はなかったが、リュディもウィズも何者かの存在を感じていた。

見られてる。しかもいっぱい。

シーヴルも同胞の視線を感じていた。敵愾心を持ち、裏切者、裏切者と罵るような凝視である。

何者だ。

話し合いに来ただけだ。何もしないよ。

人間の男、お前になんの権限があり、我々に話しかける? なぜ森の同志を連れている?

リュディは睡蓮の庄で岩トロルを退治してくれた人。信頼出来る人間よ。

トロル殺しか……ならば少しは話を聞いてやろう。

トロルってなんにゃ? それも退治したにゃ?

うん、いろいろあってね。―言で言えば、エルフの亜種かな? エルフを捕食するバケモノさ。

君たちか暴れるせいで、他のエルフが軍によって殺戮されている。君たちがここを去らなければ、ずっとそれが続いてしまう。

だから我々に去れというのか? 滑稽な提案だな。

どちらかが去らなければ、争いが永遠に続く。シヴィアタンの時と同じことになる。それはよくない。

シヴィアタン、シヴィアタン。人に串刺しにされた同志の名を唱えれば、我々が怖気づくとでも思ったか?

逆だ。人を殺さねばならないと同志の血が教えてくれるぞ。

過去から学ばなければいけない。

去れ。もう話は終わりだ。

いや。

去れ。去らねば、殺す。

木々のざわめきがさらに増す。警戒の視線が明らかな殺意に変わりつつあった。

シ一ヴル、ウィズ下がって。落ち着かせないと。

リュデイが剣を抜きかかる。

リュディ、魔法なら剣よりも怪我をさせずに相手を制することが出来るにゃ。

小さく頷くと、リュディは剣から手を離して、カードに持ち変えた。

それと同時に、木々の合間からエルフたちが飛び出してきた。





エルフの鋭い爪をかわして、リュディは力―ドに魔力を込め、振り下ろす。

激烈な電撃の帯が6つ、エルフヘと伸びていく。電光石火の魔法から逃れることが出来ず、飛び交うエルフたちは撃ち落とされた。

電撃に絡めとられ、身動きは取れなくなっていたが、致命傷というわけではない。

エルフたちは歯噛みしながら、身もだえていた。

剣じゃこうはいかないね。ウィズ、ありがとう。

にゃははは。リュディも上手く使えるようになったにゃ。

悪いけど、君たちは封印させてもらうよ。いつか封印が解けるかもしれないけど、それまで反省してほしい。

リュディが封印の準備をしていると、周辺を見て回っていたシーヴルが声を上げた。

リュディ、これ見て。

促されたものを見て、リュディもウィズも、その驚きの声は、喉の奥で潰れてしまった。

リュディはエルフたちを鋭く見返す。

人の子どもをさらって殺したのか……。

酷い殺し方にゃ。

何が悪い! 我々も同志を同じように嬲り殺されている! やり返して何が悪い!

黙るにゃ! 年端もいかない子どもを殺して復讐だと嘯(うそぶ)く! それの何が復讐にゃ!

街道の方から馬車の車輪が転がる音が聞こえてくる。

どうやら兵士たちのようだ。先ほどの雷鳴を聞きつけたのだろう。

馬を飛び降り、拍車の音が鳴り響く。兵士たちがこちらへ向かっている。

いまこの有様を見て、兵士たちはどう思うだろうか。

兵士を止めることが出来るだろうか。無理かもしれない。リュディはそう思った。

……君たちを助けるわけじゃない。反省するんだ。

魔法が展開すると、エルフは本の中に吸い込まれていく。それが終わった頃に、兵士たちがやって来た。


何かすごい音がしましたが、一体何の音ですか。

エルフを追っていたんですが逃げてしまいました。そこに被害者の遺体があります。葬ってあげてください。

これは……子どもじゃないか。

くそ! エルフめ。見つけたら同じ目に合わせてやる……。人の命を何だと思ってやがる!

行こう、ウィズ。

応じるようにウィズが鳴き声を上げる。






リュディの報告を聞き、兵士長はいくつかの通行証に判を押して、寄越した。

いいでしょう。エルフどもがいなくなったのなら、問題ありません。

あの者たちを通してけっこうです。彼らは末代まであなたに足を向けて眠れませんな。

通行証を受け取り、リュディはその場を離れた。口をつぐみ、無言のままだった。

リュディ……。



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story4 ポルデー開拓



リュディたちはヘイデス川で引き受けた難民のー団を連れて、ポルデーに向かった。

内心、ウィズは心配だった。エルフと人は、本質的には相いれないのではないか。

憎しみと憎しみが食い合うような戦争の時代ではなおのこと難しい問題に思えた。


シーヴル、シヴィアタンってなんにゃ? その言葉はエルフにとって何の意味があるにゃ?

シヴィアタンというのはわたしの大叔母に当たる人。彼女は人の男に恋をしたの。

でもその恋はエルフにも人にも反対された。人とエルフはそのことを巡って採

多くのエルフはそのことに憤りを感じた。けど、わたしたち森のー族は違った。いを起こし、彼女は人に殺された。

自分たちが反対しなければ、シヴィアタンは死なないで済んだと考えたの。

わたしのおじいさまはシヴィアタンの血を含んだ土を持ち帰り、そこに薔薇を植えたの。

いまでも故郷にはその薔薇がある。シヴィアタンの薔薇。わたしたちはそれを見て、自分を戒めるの。

リュディが付け加えるように、シーヴルの話を継いだ。

その薔薇はもうひとつすごいものを生み出したんだよ。

それは何にゃ?

神様。とわたしたちは呼んでいる。正確には人々の想いを具現化した存在。

ただ、ウィズも見たように、いまは過酷な時代だ。人々の想いはバラバラになっている。

神様は少しでも世界が良くなるよう、エルフを避難させることを俺に依頼したんだ。

エルフまで戦争に加わったら取り返しがつかないことになる。

エルフの中にだって、もちろん人の中にだって、お互い仲良く生きていこうと考えている人はいる。

俺たちはそれを信じるしかない、と思う。

ポルデーの低い丘の連なりの向こうに、テッラーロの車が見えてきた。目的地はもうすぐそこだった。

難民たちもそれを理解しているのか、声を上げ、馬車馬に鞭を入れる。


 ***


これが入植者か。

よろしくお願いします。

よろ……うん、まあ、こちらこそよろしく頼む。

何にゃ? なんかぎこちないにゃ。

人に頭を下げられたことがないから、驚いているの。

こっちはこんな大勢の人間と会うのは初めてなんだぞ! 鳩が石つぶてを食らったような顔にもなる。

ともかく、開墾を初めてくれ。まずは害獣の駆除と土の掘り起こしだ。さっさとかかってくれ。

あの? 我々も開墾を? 実は力仕事はあまり得意ではなくて……。

難民の中には街を追われた商人たちもいた。彼らは一見すると、開墾という作業には不向きなようにも見えた。

おい。黒猫の人。どうしてこんな地下で育てたアスパラみたいな奴を連れてきたんだ?

働けないなら意味はないぞ。

彼らには彼らの仕事があるんだよ。作物が育つまでのやりくりと、収穫した後の販売を担当してもらうんだ。

なるほどにゃ。それは商売をやっていた人が適任にゃ。

粘土は粘土層からというわけか。よし、それなら我々の土人形を貸してやるから、商売に必要な小屋を建てろ。

はい。ありがとうございます。

おおーし、みんなー、ここが俺たちの新しい故郷だ! 命かけて働けよ一!




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story5 未来のおいもに想いを馳せて



つい先日まで、橋の上でうずくまるしかなかった人々の働きぶりは、まるで労働が人間本来に備わったもののようだった。

ほう。人間のわりにはいい働きぶりだ。シャベルも振れば石に当たる。それが何かの原石の場合もあるというわけだ。

おい! 人間たち! 我々の考えでは日が落ちるまで働く奴はまぬけだ。ここは我々の流儀に従ってもらうぞ!

蜂蜜を出してやるから、さっさと仕事を切り上げろ。

ははは! おい、みんな聞いたか? ここのエルフとは気が合いそうだぜ!

エルフと人間。その理想的な融合を目にして、先ほどまでの重苦しい考えが杞憂であったとウィズは笑う。

うまくいきそうにゃ。

リュディは静かに頷いた。

ぶぶぶ……。

シーヴルもうれしそうにゃ。

……眠たいぃ。

3つ目の選択肢ッ!?





すー……すー……。

…………。

ウィズ、どうしたの?

さっきちょっとだけ変な顔になったから、確認のために待っているにゃ。寝ている時もあの顔になるにゃ?

たまになるよ。

あ、やっぱりにゃ? 怖い夢でも見ているのかにゃ? あ、うれしい夢かにゃ?

細枝をふたつに折り、焚き木に放り込む。水分を多く含んだ枝から白い煙が上がった。

木々が燃える匂いが、古い思い出を呼び起こす。懐かしい人々の顔を。

炎を見つめるリュディをちらりと見て、ウィズはシーヴルのおでこに軽く猫パンチをいれる。

あう……!

眠ったまま、むずむずと額をこするシーヴルをおいて、ウィズはリュディの方へ向かった。

自分の判断が正しいか、迷っているにゃ?

……昔、アルドべリクに言われたことがある。


「お前が下した判断が正しいものだったとしても、時がそれを拒むことがある。

だが、落ち込むことはない。時がそれを受け入れることもある。

何にしても、何か答えは出してくれるものだ。」


またひとつリュディは細枝を焚き木に放り込む。

いま自分がやっていることが本当に正しいかはわからない。でも、未来にいるリザはその答えを見ているんじゃないかな?

だから今度会った時に聞いてみるよ。

リュディにそのつもりがあるなら、安心したにゃ。

ありがとう。その言葉の代わりにリュディはウィズの頭を撫でた。


おーーーい……。黒猫のひーろ……。

にゃ? コロッココ、酔ってるにゃ?

うえ? 酔ってないよ。酔ってないですよー、全然酔ってない! ……あーーー、吐きそう。

めちゃくちゃ酔ってるにゃ。

決めたぞ……本の中に行ってやる。我々はあいつらが気に入った! お前も気に入った! だから……行く!

これ絶対明日になったら忘れているにゃ。

忘れてない! わーすーれーてーなーいかーらー! ほーんーのーなーかーにーいーくーかーらー!

行くからッ! 行く! 行くぞ! ……い……く……ぞ。いくッ!

くーかー……くーかー………。

寝ちゃった。とりあえず、明日を待ってみようか。

それがいいにゃ。

……そうだ。ウィズ、少し聞きたいことがあるんだ。……精霊の契約についてなんだけど。

ん? 何にゃ?






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