【黒ウィズ】ぽっっ!かみさま ~土のエルフと黒猫の人~ Story0
<開催期間>2019年 5月16日 16:00 ~ 6月13日 15:59 |
プロローグ
君は珍しく動揺していた。
いや。
というかテンパっていた。
めちゃくちゃテンパっていた。なぜか。
それは数分前のことだった。
君とウィズは仕事を終えて、宿に帰る所だった。
最近市場に出没していた野菜泥棒退治の依頼を達成し、その報酬としてたくさんの野菜をもらった。
「まさか野生のロシェが野菜を盗むようになっていたとは思わなかったにゃ。」
そうだね、と君は答える。
「もらったのは野菜だけにゃ?」
君は布袋の中を確かめる。見たところ人参やカブ、それに玉ねぎやライム、あとは芋が入っている。
「それならどこかで肉を買って、今夜は久しぶりに畜生鍋にするにゃ。」
畜生鍋。いつか魔界で食べた料理を気がつけば自分でも作るようになっていた。
思いのほか簡単で、野外で作るのにも適していたというのが、その理由だった。
食べるたびに、魔界での思い出や出会った人々のことを思い出すのも、ちょっとした隠し味のような気がする。
人前で口にするには、憚られる名前の料理ではあるが。
「キミ、私に頬肉を取っておいてほしいにゃ。あそこが一番好きにゃ。にゃははは。いまから畜生鍋が楽しみにゃ。
チクショー、チクショー、畜生鍋にゃー。」
ウィズも楽しそうだった。楽しそうに畜生畜生と連呼している。
自分も畜生のくせに。
と思ったが、それは口に出さないでおいた。たぶん怒られる。
最近は師匠らしい所をあまり見ていないが、一応、師匠だ。怒らせない方がいいだろう。
そんな風に軽やかな足取りで進むウィズの後を歩いていると、前方が光り輝いた。
あ。畜生鍋は中止だな、と君は覚悟を決める。
「にゃにゃ~~!」
光が君たちを包むように大きく広がり、やがて収束した。
眩さの虜となっていた目がようやく視力を取り戻した時、君は……。
まだクエス=アリアスにいた。
ウィズはいない。
これは新手の展開だ。
と思うと同時に、君の背筋が寒くなる。いくら四聖賢といえども、いまはただの猫だ。
自力でクエス=アリアスに戻って来られるとは思えない。
こりゃあ、大変だ。と君は思わず声を上げた。が、それで解決するわけではない。
君は大慌てで境界騎士団へ向かった。
オルハならなんとか出来るかもしれない、と思ったからだった。
一章 冬の時代
二章 大低地ポルデーヘ
三章 黒猫の人とポルデー
四章 風車の復活
五章 おいもの花の咲く頃に
ぽっかみ! | |
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北風のエルフによるさっぶい冬を乗り越え、季節は変わり初夏の頃。
カヌエ一行は道中で出会った「君」とともに、リュディの手がかりを求め、
おいもの国「大低地ポルデー」へと向かっていた。
たどり着いたポルデ一では、”土のエルフの封印が解け、
おいもと風車を巡るいざこざが発生していた。
問題解決を買って出たカヌエたちに、土のエルフが語ったのは。
「黒猫をつれた男」との300年前の約束だった。