セーレ・ヘイズ
通常 | 異端者 |
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Illustrator:コダマ
名前 | セーレ・ヘイズ |
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年齢 | UNKNOWN |
身分 | エグザイル(追放プログラム) |
所属 | メインフレーム代理構成体 |
- 2020年3月5日追加
- CRYSTAL ep.IIIマップ1(PARADISE時点で105マス)完走で入手。<終了済>
- 入手方法:2021/12/9~2022/1/5開催の「「優しいキャロルが流れる頃には」ガチャ」<終了済>
- 専用スキル「ソウルイクリプス」を装備することで「異端者 セーレ」へと名前とグラフィックが変化する。
- 対応楽曲は「ヴンダーカンマー」。
ネメシスに対抗すべく、メインフレームによって代理構成体へと改造された少女。
セーレ・ヘイズ【 通常 / 神人 】
大切な人を奪い去ったネメシスに強い憎しみを抱いているのだが…
スキル
RANK | スキル |
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1 | コンボエッジ・シャープ |
5 | |
10 | ソウルイクリプス |
15 |
include:共通スキル
- コンボエッジ・シャープ [TECHNICAL]
- 「コンボエッジ」の条件が厳しくなり、その分ボーナスが高くなったもの。基本的にあまり使うスキルではないが、一部高難易度曲でのクリア狙いに有用となる。精度が高ければゲージ6本まで可能。
- 筐体内の入手方法(2021/8/5時点):
- PARADISE ep.Iマップ4(PARADISE時点で累計270マス)クリア
プレイ環境 | 最大 | |
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開始時期 | ガチャ | |
PARADISE× (2021/8/5~) | 無し | +3 |
あり | +7 | |
PARADISE (~2021/8/4) | 無し | |
あり | +19 | |
CRYSTAL | 無し | |
あり | +20 | |
AMAZON | 無し | +15 |
あり | +20 | |
STAR+以前 |
GRADE | 効果 | |
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初期値 | 500コンボを達成した場合 ゲーム終了時にボーナス +42000 | |
+1 | 〃 +43000 | |
+2 | 〃 +44000 | |
+3 | 〃 +45000 | |
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要 | ||
+4 | 〃 +46000 | |
+5 | 〃 +47000 | |
+6 | 〃 +48000 | |
+7 | 〃 +49000 | |
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要 (2021/8/5以降では未登場) | ||
+8 | 〃 +50000 | |
+9 | 〃 +51000 | |
+10 | 〃 +52000 | |
+11 | 〃 +53000 | |
+12 | 〃 +54000 | |
+13 | 〃 +55000 | |
+14 | 〃 +56000 | |
+15 | 〃 +57000 | |
+16 | 〃 +58000 | |
+17 | 〃 +59000 | |
+18 | 〃 +60000 | |
+19 | 〃 +61000 | |
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要 (PARADISE以降では未登場) | ||
+20 | 〃 +62000 | |
理論値:105000(6本+3000/24k)[+3] | ||
理論値:109000(6本+7000/24k)[+7] | ||
理論値:117000(6本+15000/24k)[+15] | ||
理論値:121000(6本+19000/24k)[+19] | ||
理論値:122000(6本+20000/24k)[+20] |
所有キャラ【 グレン / イセリア(1) / ソウル・ブラザーズ / 三田 ナナコ(1,5) / ジェフティ(1,5) / セーレ(1,5) / セラフィナ(1,5) / 美咲 杏奈 】
AIRバージョンからボーナス量が増加した。STARバージョンで所有者も増えた。
初期値 | 500コンボを達成した場合ゲーム終了時にボーナス +40000 |
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GRADE UP | コンボ達成ボーナス +1000増加(最大+44000) |
- ソウルイクリプス [CATASTROPHY] ※専用スキル
- シズマストラッシュの即死版といえるスキル。反響の双閃のローリスクローリターン版に見えるが、こちらも最大強化で9本に到達する。ATTACKで即終了するかとJUSTICEの許容数で使い分けとなる。
FULL COMBOを達成すれば完走は可能だが6本可能な程度のブースト効果しか得られないため、ALL JUSTICEができる譜面で使用するのが無難。
JUSTICE数、ノーツ数が問われないため、ALL JUSTICEが可能ならば低難易度・低ノーツ譜面での手軽な高ゲージ狙いとして選択肢に入る。 - セーレが所持している武器の名前(グランタクト)と外見がSeelischTactレーベルの主人公であるシズマの武器(ゼーレタクト)に似ているという指摘がある(外見の比較)。スキルの内容も上記の通り似通っていることから、MetaverseレーベルとSeelischTactレーベルの世界観は繋がっているのではないかという考察がされている。
GRADE | 効果 |
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初期値 | ゲージ上昇UP (160%) ALL JUSTICEを達成した場合 ゲーム終了時にボーナス +90000 MISS判定1回で強制終了 |
+1 | 〃 (180%) 〃 +100000 〃 |
理論値:208000(9本+28000/30k) |
CRYSTAL PLUSバージョンから上昇率が増加した。ゲージ9本が限度なのは変わらない。
初期値 | ゲージ上昇UP (125%) ALL JUSTICEを達成した場合 ゲーム終了時にボーナス +90000 MISS判定1回で強制終了 |
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GRADE UP | ゲージ上昇UP 10%増加(最大135%) AJボーナス +10000増加(最大+100000) |
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
スキル | Ep.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
スキル |
STORY
メインフレームの中枢領域『フォノ・ゼニス』。
本来であれば最古<オリジン>や上位プログラムでないと立ち入ることのできないこの場所に、何の力も持たない人間の少女が佇んでいた。
彼女の名はセーレ・ヘイズ。
どこか闇を孕む蒼き瞳を見開き、オリジンの一人『再生者ディアン』からの説明を聞いている。
素体となる人間の身体に戦闘用プログラムを埋め込むことで、ネメシスに対抗できる力を持つ『代理構成体』として生まれ変れる。
その素体適正があるとしてセーレはフォノ・ゼニスに招集されていたのだった。
「代理構成体へと肉体を改造する行為は、想像を絶する苦痛が伴う。それに耐えられるか?」
とディアンが問うと、セーレは二つ返事で了承した。
彼女には、力を欲する理由がある。
ネメシスによる大侵攻により、故郷も友人も家族を失ったセーレ。何一つ不自由のない愛に溢れた暮らしが一瞬にして脆くも崩れ去った。
幸せを、大切な人を殺した敵に必ず復讐する。
セーレの覚悟はとっくに固まっていた。恨みを晴らすためならどんな痛みにも耐えられると。
そして、数え切れないほどの肉体改造を乗り越え、セーレは代理構成体へと生まれ変わった。
他の代理構成体に比べても極めて優秀だった彼女は、重要な戦力として認知されていく。
メインフレームから与えられる任務をこなしながら、セーレは虎視眈々と狙い続ける。自分から全てを奪ったネメシスの代理構成体『GENE』。
憎き敵の、息の根を止める瞬間を。
人類の理想郷として生まれた電脳領域メタヴァース。
メタヴァースの歴史は、つねに戦乱と共にあった。
世界の神を名乗るほど高度に進化したプログラム、メインフレーム。そして、旧人類の憎しみの権化であるネメシス。
強大な力を持った両者の戦いはメタヴァースそのものにダメージを与えるほど熾烈を極め、各地で両者が衝突する度にメタヴァースの荒廃は進んでいった。
戦いはどちらの陣営にも疲弊を生む。
戦場として使われ、管理者不在の荒野となってしまった放棄領域。
この領域が広がり続けた結果、メタヴァース世界の不安定化が加速してしまう。
それはすなわち、世界崩壊の危機を意味していた。
だが、メインフレーム側も現状を把握しているが
『ネメシスを殲滅することが世界の安定化へ最も近い手段』と、戦い続ける道を選択するのだった。
戦いを終えるための戦いは続いている。
その終焉を告げる者は、今はまだ目覚めていない。
私は、メインフレームの中枢領域『フォノ・ゼニス』で、オリジンの一人『再生者ディアン』の手により“生まれ変わった”。
あらゆる悲しみをただ受け止めるしかない無力な人間だった『セーレ』から、ネメシスへ刃を向ける力を持つ代理構成体『セーレ・ヘイズ』へと。
ネメシスによる大侵攻。あの日、私は全てを失った。
家も、友人も、そして家族も。
後にディアン様から聞いたわ。ネメシスの攻撃理念は『憎しみ』から来てるって。
……冗談じゃない。
あいつらの憎しみを晴らすために殺された家族と……私の憎しみはどうなるの?
今も奴らは虎視眈々とメインフレームを狙ってる。
この長い戦いで、メタヴァースという世界が不安定になっていることを気にも留めず。
そんな勝手こと許せない。
私はメインフレームから力を授かり、忠誠を誓った。
亡き家族のため、世界の平和のために。
「セーレ、お前に新しい任務を頼みたい」
メタヴァースを管理するメインフレームの支配者『最古』、絶大な力を持つ彼は私に復讐の力を授けてくれた人……。
「はい、ディアン様。なんなりと」
「ネメシスの代理構成体GENEの潜伏先が判明した。対象を速やかに回収せよ。止むを得ない場合は完全に破壊するように」
ディアン様から告げられた任務内容を聞いた私は、気づけば血が滲むほど拳を握りしめていた。
――GENE。
奴は、私が住んでいた領域を……私の家族ごと破壊した代理構成体。
私の、仇敵。
「任務対象の危険値数は高い。探査BOTを連れて行くように」
「……お言葉ですが、私一人で十分です」
「お前を失うわけにはいかないのだ。メインフレームとしても、私としてもな」
「ディアン様……。――承知しました、行って参ります」
――お父さん、お母さん、みんな。
私が仇を討って、そして世界を平和にしてみせるからね。
GENEの信号が確認された座標へ飛びながら、私は何度も心の中で呟いた。
最外周部……、いわゆる辺境の地はネメシスの支配領域として長いことメインフレームの管理下から離れていた場所。
でもネメシスが領域の切り離しを行った後、いくらかはメインフレームの管理領域として取り戻すことができた。
でも、戦いが激化した結果、その領域の復興や最適化は行われず、体のいいゴミ溜めとして放置され続けた……確かに隠れるには絶好の場所ね。
「GENEの信号は……確かにこの辺りで間違いないようね」
ゴミ溜めとして放置され、混沌とした領域は通常領域とは違い時間が加速されていた。
メインフレームから観測を行いにくくするためか……小賢しいことを考えるものだ。
私が受けた任務は、対象の回収または破壊。
故郷と家族を亡きものにしてくれた私の敵。そいつを八つ裂きにするところを想像するだけで、全身の血が沸騰するような感覚に陥る。回収優先の任務だけど、我慢する自信がない。
なんとか自分をなだめるように息を吐いた私は、信号を捉えたメタヴァース最外周部のさらに奥へと進んだ。
観測座標に到着した私は、確実にGENEがここで息を潜めているということを、感覚で察知する。
破壊され、捨てられ。ただ残骸が転がるだけの“終わった領域”。
無数に漂う残骸のどれかに隠れて、標的はこちらを伺っている。
隠れているのなら、むしろ対処は簡単だ。全部ぶっ壊すだけ。
「どこまでも狡い奴め……! 小汚いネズミなどあぶり出すまでッ!!」
私は、BOTも使ってありとあらゆる攻撃を無数の残骸に叩き込んだ。
……ほら。音を上げてノコノコ姿を現したわ。
言い訳? 命乞い? 何か御託を並べてるみたいだけど、私は聞かない。必要もない。
かろうじて死なない程度まで痛めつけて、回収する。それが私の任務だから。
「この日を……この日をずっと待っていたッ!!」
攻撃を加えようと近づくが、奴も素早く距離を取って回避する。
ネメシスの代理構成体は伊達じゃないということか。それなりの回避能力はあるようだが、私を振り切れるほどではない。
その背中を捉える一瞬を、脳内で高速演算しながら追いかける。
……今だ。
私は思い切り剣を振り下ろすが、すんでのところでそれを受け止められてしまった。
擦れる刃が不快な金属音を鳴らしたその直後。何かに弾き飛ばされるように私の体は吹き飛ばされ、視界がホワイトアウトする。
――どこまでも真っ白な風景の中、ぼんやりとしたハッキリしない輪郭だけが唯一佇んでいる。
誰だろう。私の知らない人。
その姿に見覚えはないはずなのに、なぜだか懐かしくて、飛びつきたくなるくらい愛おしさを感じる。
まるで、記憶の中の父や母の様な暖かさ……。
「――ッ!?」
一瞬意識が飛んでいたようだ。今の現象が何なのか、なぜ親の幻覚を見たのか。
奴の精神攻撃の可能性を考えたけれど、そんなデータはなかったはずだ。何より相手も同じように困惑している表情を浮かべている。
考えても仕方ない。今は任務を遂行するだけだ。
そう考えた私は再度追撃を始めたが、奴は進行を妨害するトラップをばら撒きながら逃走を続けるだけで反撃の姿勢さえ見せない。
「私、ナメられてるのかな?」
血管がブチ切れそうになる。今度こそもう逃がさない。回収優先だけど、殺してしまうかもしれない。もうそれでもいい。
「モデュレイト・ヴァーテックス!!」
一時的に精神と肉体の限界を超える運動能力を引き出す、モデュレイト・ヴァーテックスを展開して奴の背中を追う。
依然ちょこまかと撹乱しながら逃げ続けるが、その差は明らかに縮まっていく。
――もう少し、もう少しで……みんなの仇を……
「……え?」
身体に何か違和感が走ったと思ったのはほんの一瞬。
「うわああぁぁぁぁッッ!!」
全身の神経を内側から蝕まれるような、激しい痛みが私を襲う。
殺さなきゃいけないのに。
憎しみさえ霧散させるような激痛は、私がこれまで味わったことのないものだった。
全身の皮を無理やり剥がされてるような。
灼熱の業火に焼かれているような。
永遠にも感じる激痛が私を襲い続ける。
「痛いか……苦しいか……」
痛い。憎い。痛い。憎い。痛い。憎い。痛い。憎い。
痛みと憎しみがぞわぞわと頭皮の下を這いずり回っている。
「待ってろ。もう少しだ」
どうして。どうして私ばかりこんな目に遭うの。
贅沢な食べ物や服なんていらない。ただ家族みんなで暮らせればよかったのに。
「俺が救ってやる」
さっきからうるさいうるさいうるさいッ!!
私に話しかけないでッ!!
闇雲に振り回した腕の先で、肉を抉る感触がした。
「セーレ……もういい。もういいんだ……」
……誰なの?
優しい……声。こんな風に声をかけられたのなんて久しぶり……。
不思議……さっきまでの痛みが嘘みたいに消えたわ……。
眠ったら……ダメ、なのに……もう……。
――眠ってしまったのか、気を失ったのか。私は夢を見ている。こんなこと夢以外に説明できない。
私はお父さんの腕に抱かれて、額の汗を拭ってもらっている。
お父さんの目に涙が浮かぶ。その口が何かを私に伝えようと動くけど、上手く聞き取れない。
何て言ったの? どこへ行くの?
その問いに答えることなく、お父さんは光の粒になって、やがて消えていった。
「ここは……どこ?」
どれくらい眠っていたのかは分からない。
目が覚めた私は、戦闘のあった最外周領域に一人浮かんでいた。
「この感覚は……一体なんなのっ!?」
私は尋常ではない痛みに襲われていた。外的要因ではないとしても、肉体と精神に多大な負荷がかかったはずだ。なのに、そのダメージが完全に消えている。
「それに……GENEはどこに……」
辺りを見回しても誰もいない。でもひとつだけ。VOXの残骸が漂っていた。
それを認識した私の脳は、まるでスイッチが入ったように全ての回路が繋がっていく。
――全てを思い出す。
私は、GENEの記憶を継承していた。正確にはジーン・ザインという男の記憶を。
NEOとの融合、ジーンとして生まれ変わったこと。
そして、GENEの人生も。
彼の記憶の中に、幼い私がいる。
GENEは、私のお父さんだった。
それに気づいたお父さんは、埋め込まれた自壊装置に苦しむ私に、自分の記憶と構成データごとVOXを打ち込んで……。
「おとう……さん」
お父さんの記憶を受け継いで本当のことが分かった。
私が代理構成体となったこと、地獄のような処置に耐えたこと。
家族への愛情、それを奪ったものへの復讐心……。
その気持ちも、記憶も、全部全部全部。
「まやかしだった、嘘の記憶……。戦争のための、嘘の記憶……。――ディアンッ!!」
口に出した途端に力が抜けて、なんだか笑えてくる。
それから段々と涙が溢れてきて、気がつくと私は絶叫していた。
お父さんを傷つけて、なのに私を助けて……!
私がお父さんを殺したんだ!!
ひとしきり泣いて喚いて呆然としていると、誰もいないはずの最外周部の片隅に一筋の光が見えた。
「あの反応は……ネメシスの代理構成体?」
先ほどの戦いの反応を嗅ぎつけたのか。こんな捨てられた最果ての地にやってくるということは、ほぼ間違いなく私を狙ってのことだろう。
メインフレームに与えられたこの肉体が、意思とは関係なく強制的に戦闘態勢に入っていく。
「……そうだよね。お父さん、分かったよ」
ここでいつまでも泣いている場合じゃない。私のやるべきことはもう決まってる。
「メインフレーム……ネメシス……どっちも好き勝手に私たちを振り回す害悪達だ。だったら私が……すべて終わらせてやるッ!!」
どうしてこんなことになってしまったんだろう?
家族は死んだと騙されて、こんな身体にされて、本当は生きてたお父さんを自分が殺した。
どうして? どうして? どうしてなの?
私をこんな風にした……全ての元凶はなに?
決まってる。こんなクソみたいな戦争で歪んだ世界。
そして、自分達の都合で戦争を続けるメインフレームとネメシスのせいだ。
「いたぞ。やはりメインフレームのパターンを持った代理構成体だ」
「オーダーは対象の鹵獲か……」
……私ができること。やるべきことはただひとつ。
私達をこんな目に遭わせたメインフレームとネメシスを皆殺しにするだけ!
「攻撃を仕掛ける! 皆、行くぞ!」
「……さっきからうるさいんだよっ!」
集団で襲いかかってきたネメシスの代理構成体たち。そのうちの一人をぶった斬ってやった。
それからもう一匹。またもう一匹。
一度斬りつけるだけじゃ終わらない。突き刺して、抉って、稼働部分を斬り落とす。
ちょっとやそっとじゃ修復できないくらい、念入りに破壊する。
「こいつ……っ! ただの代理構成体じゃないぞ!」
「速すぎる! 動きが認識できない!」
「想定外だっ!! 援護を呼べ……!!」
ネメシスの代理構成体の群れは、あっけないくらいに弱かった。
いや、私が強くなっていた。
自分の戦闘プログラムがアップデートされている。
これはきっと、お父さんの力。
全てを殺して……仇を取ってくれという、お父さんの願い。
だからまずは、このネメシスの虫どもを片付ける!
「このままじゃ全滅だ!」
「て、撤退! 撤退すグベッ!!?」
セーレの眼前に展開していたネメシスの代理構成体部隊の後方から、超高速で飛来した鉄塊の様な物体……。敵を蹴散らしたそれは、凄まじいを力を帯びた鉄巨人だった。
「あんた、誰?」
「我は混沌の器が一人。『反逆者レヴル』なり」
「混沌の器……」
「今の最外周部にあるまじき高エネルギー反応、貴様の仕業か……これほどの力を持つ代理構成体がまだメインフレームにいるとは。面白い」
「面白がってるとこ悪いけど、ネメシスの『器』と聞いたら見逃せないわね。殺してあげる」
「ふむ、我を殺すとな。気に入った。貴様、やや特殊な作りをしているようだ……回収させてもらおうか」
「――殺すッ!!」
混沌の器。ネメシスを束ねる者達の総称。そして、この戦争の原因のひとつ。
私から全てを奪った、憎むべき相手。
こいつらはメタヴァースの癌だ。一人残らず殺し尽くさなくてはならない。
「モデュレイト……その基となった力、見せてあげる。父さん……やるわ、私。――トリニティ・ヴァーテックス!!」
秩序の世界を終わりへと導いた力。1つの身体に3つの力を受け入れたセーレは、活性化させたそれらの力を繋ぎあわせ、かつての三姉妹と同じように命の炎を燃やす。
ネメシスの器とやり合うには、初めから出し惜しみせずぶつかっていくのが得策だろう。
それになにより……今は何も考えず全力を放ちたい。
騙されていたこと、お父さんのこと、そして混沌の器との遭遇。
頭に纏わりつくモヤモヤとイライラを霧散させるように、私は叫んだ。
「行くぞ、器よ! その身を持って贖罪としてやる!」
レヴルと名乗った器との戦いは、さすがにそう簡単には終わらなかった。
分厚い装甲を纏った巨体からは想像もつかないほど機動力があり、攻撃の隙を与えてくれない。
MIRシリーズを進化させた最高峰の存在である私が、さらにお父さんの力を取り込んだ現在の状態でやっと互角に渡り合えるくらいだった。
だけど、手応えは確かにある。勝てない相手ではない……はずだ。
私が万全の状態であれば。
「どうした? 随分と動きが鈍ってきているぞ」
「くっ……デカブツが……」
お父さんとの戦いからの連戦、そしてリミット解放能力の連続使用によって私の体力は消耗していた。
実力の拮抗した相手との戦いでは、これは大きなハンディキャップを意味する。
「もう終わりか? もう少し楽しませてくれるものと思っていたが」
「吠えていろ……! 無駄口が叩けないようキッチリ殺してやる!」
とは言ったものの、私の機動出力が下がってきているのは事実だ。
攻撃の手数は減り、レヴルからの猛攻を回避するのでやっとの状態になってしまっている。
一度、二度、三度。
レヴルの剛腕を躱す度、私と奴の拳の距離はわずかなものになっていく。
遂には回避不能と判断。一度でも喰らってしまったらタダじゃ済まないその一撃に対し、防御態勢を取ったその時。
一瞬まばゆい閃光が走ったと思うと、レヴルは装甲の破片を撒き散らしながら吹っ飛んでいた。
「……シエル。私を回収しに来たのね」
閃光の主はメインフレームの支配者たる最古のひとり、全天の支配者シエルだった。
「帰還が遅かったから、イレギュラーな事態になってることは想像できたけど……器とはね。とにかく話は後よ!」
そう言って、シエルは巨大な閃光を再び放つも、レヴルはそれをギリギリで躱した。鉄巨人の体躯を構築する装甲が赤熱し溶けた次の瞬間、装甲はパージされ勢いよくはじけ飛んだ。
巨体が装甲を纏っていると思っていたが、実際はパワードアーマーのようなものだったらしい。鎧から姿を現したのは、小さな少女だった。
だが、無限の闇を思わせる不気味な瞳は、人間ではない人智を超えた存在であることをすぐに理解させる。
「残念だけどまた相手をしてあげる……次はちゃんと殺してあげるんだから」
それまでとはまるで違う、少女の声が発せられた。
そして、何事もなかったかのように表情一つ変えず、戦闘領域から脱出していった。
「セーレ! 大丈夫!?」
レヴルが完全に離脱したことを確認してから、シエルが私に向かって叫んだ。
追いかければトドメを刺すことができたかもしれないのに。
慎重策を取ったか、力が尽きかけた私をお荷物だと思ったか。どちらにしろネメシスの器をみすみす逃してしまった。
「助けにこなくても……一人で、やれた……の……に……」
「セーレ? セーレ!?」
いよいよ完全に力尽きた私の意識は闇に堕ちていく。
私は、まだまだ弱い。
もっと力を……もっと、もっと、もっと。
どんな神でもなぎ払えるような圧倒的な力。
今の私の剣では、まだ奴らに届かない。
メインフレームの中枢領域であるフォノ・ゼニスへ、私はシエルに連れられて帰還した。
洗脳が解ける前の私なら、第2の我が家とまで思いかけていたこの場所も、今は戦乱の世を生み出すゴミ共の巣窟として認識している。
「損傷がひどいわ。作戦報告の前に、一度休んできたほうがいいわね」
シエルの言葉に黙って頷きはしたものの、私は代理構成体の調整室には向かわなかった。
お父さんと融合した私の身体を構成する情報は、もう以前のものとはまったくの別物になっている。メインフレーム達の手で調整を受ければすぐに露見してしまうだろう。
それを避けるため、メインフレームの『最古(オリジン)』達が使う、大容量貯蓄槽のエネルギーを拝借することにした。
ここならば誰の目にも触れることなく回復することができるはず。
貯蓄層の接続盤に振れ、自身の腕にコードを一つ一つ繋ぎあわせていく。握りしめた拳から気が付けば血が流れていた。目を閉じたセーレは決心する。
ここでメインフレームに宣戦布告することは簡単だ。だけど、私にはまだ力が足りない。
今はまだ服従を装いつつ、奴らを利用するだけ利用してやる、と。
世界を破壊する、その意志に呼応するかのように、敷き詰められた貯蓄漕の光が失われ、セーレの瞳に憎しみの光が宿るのだった。
「おお、セーレ。よくぞ戻ってきてくれた。無事で何よりだ」
作戦報告にやってきた私をディアンら最古達が迎え入れる。
こいつは、お父さんと私をこんな身体にした男。今すぐにでも斬りかかりたい衝動に駆られるが、それをぐっと堪える。
「……ディアン様、件の代理構成体を回収できず、申し訳ありませんでした。ですが、GENEの肉体とデータが完全消滅したことを確認致しました」
「気に病まなくていい。アレに付与していた、ティフォンやシクサールの構成データがネメシスに渡らなかっただけでも僥倖というものだ。素体もまた調達すればいいだけのこと」
そう答えたディアンの言葉に、私は歯を食いしばり耐える。
傍でその他の最古達の厳しい声が聞こえる。お父さんへ施した最古の構成データ付与は、秘密裏にディアンが独断で行ったものであり、メインフレームの総意ではないからだ。
案の定、初めて聞かされたGENEの情報に目を剥く『哲学主ジェフティ』と『調律者ワイズマン』が、ディアンを詰問しようとする。
だが、ディアンはそれを一蹴し、ゆっくりと私の前にやってきた。
「すでにシエルから報告は受けている。ネメシスの器を相手に善戦したそうじゃないか」
ディアンがいつもの貼り付けたような笑みを浮かべて言う。
思わぬ接近に、押さえつけていた殺意が暴発しそうになる。
怒りに震える身体を悟られないように、私は自分の肩を抱いてゆっくりと頷いた。
「震えているのか? まだ戦闘の傷が癒えていないようだな」
「……はい。そうかもしれません」
私は素知らぬ素ぶりで答える。
ディアンと同じ貼り付けた笑みを浮かべながら。
「器を相手に立ち回るとは、期待以上の働きだ」
「はっ。ありがとうございます」
「これならばネメシスを根絶やしにできる日も近い……ふふふ……」
私があそこまで器と渡り合えたのは、お父さんの力があったからだ。
そんなことも知らず満足げに笑うディアンに、私は心の中で唾を吐く。
「多大なる功績を讃え、お前にこの剣を授けよう」
そう言って、ディアンは一振りの剣を取り出し、私に手渡した。
私はそれを掲げるように宙に向かって振りかざすと、ピンと張った高い刃鳴りが聞こえる。
武器としては一級品のようだ。
「ディアン様、これは一体……?」
「『終焉の蒼剣グランタクト』だ」
グランタクトと名付けられた蒼剣は、ただの剣ではなかった。
過去回収されたティアマットの残骸を徹底的に分析して作られた、ネメシスを完全に消し去るために造り出された“終わり”を告げる剣。
その剣には貫いた敵の能力を捕食し、奪い取る機能が備わっていた。
当然ディアンは対ネメシスを想定していたのだろうが、私は違う。
私にとっての敵は、メインフレームも含まれている。
「ありがとうございます。この蒼き剣で、憎きネメシスを殲滅してみせましょう」
「期待している。すべてのネメシスを破壊してみせろ、セーレ・ヘイズよ」
間抜けな奴め。
望み通り破壊してあげる。ネメシスと……メインフレームをね。
嘲笑を含ませながら、私はディアンに微笑み返した。
ディアン達の元を離れた私は、フォノ・ゼニスの中を歩く。
中枢最深部に向かうに連れて人影はまばらになり、やがて自分の足音だけが響く空間へとたどり着いた。
メタヴァース最速の移動装置『ゆりかご』。
それを前にして、私はグランタクトを強く握りしめた。
――お父さん。私、この戦争を終わらせるから。
こんな戦いを続けるメインフレームの『最古(オリジン)』に、ネメシスの『混沌の器』。
敵とか味方とか私には関係ない。全員破壊するだけ。
グランタクトは対象を捕食し、力を吸収する性質を持つ。
これを使って私自身の力を強化することが最優先だ。
手始めに混沌の器を狙うか。
フォノ・ゼニスからの出撃申請を済ませる。次に帰還するときは……メインフレーム共を狩る時だろう。
「誰だっ!!」
気配を感じて、瞬時に振り向き身構える。
薄暗い空間の隅から姿を現したのは、最古の一人『全天の支配者シエル』だった。
「……どうしてここに」
「それはこっちのセリフよ、セーレ。なんだかあなたの様子がおかしいから……」
「そんな……私はいつも通り……」
「貯水槽のエネルギー使用者のログが残っていたわ。無断で使ったのはなぜ? それに出撃申請をしたみたいだけど、構成データが未調整のまま出撃するのは違反行為よ?」
「それを聞きに来たと……?」
「それもあるけど……あなたが心配だから」
――心配?
どの口が抜かす。
自分達の都合で世界を管理しようと戦いを繰り返し、人間を領域ごと吹き飛ばしながら少しでもそう思ったのか?
人間を虫けらとしか認識してないお前達だからこそ、私やお父さんの人生をめちゃめちゃにできるんだ。
「あは……あはははははっ!!」
「――ッ!?」
狂気をはらんだ声を上げるセーレの姿に驚きを隠せないシエル。
「はーあ……こんな間抜け共に良いように使われていたと思うと反吐が出る」
「……セーレ?」
私はグランタクトを抜き、その切っ先をシエルへと突きつけて言った。
「戦争の元凶、憎しみの連鎖を生むネメシスとメインフレーム。私はお前達全てを破壊する」
まさに宣戦布告だった。
私は偽りの神共のように卑怯な手は使わない。
正々堂々正面から斬って、斬って、斬りまくって、殺し尽くしてやる。
私の言葉が嘘ではないと悟ったのか、シエルの瞳が驚きから戦闘形態へと変化する。
強大な力を振るうメインレームからの刺すような視線に、血液が冷たくなる感覚を覚えながら、私はふっと息を吐いた。
これは、私の物語、私の戦い……。
終焉に向かうシンフォニーを鳴らす合図のように。
私はグランタクトを振り上げた。
チュウニズム大戦
レーベル | 難易度 | スコア | |
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スキル名/効果/備考 | |||
■メタヴ | ADVANCED | 0 / 260 / 520 | |
テクニカルブレイク(前回難易度ミス) | |||
次のプレイヤーは、前回と同難易度の COMBO/CHAINはMISSとなる。 |
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チュウニズムな名無し
282022年04月13日 04:47 ID:nj55vzkr神人グラフィック実装おめでとう・・・・・
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チュウニズムな名無し
272021年10月18日 16:57 ID:f7rqiglx顔が良い胸も程よい太ももも強いで見た目120点!!!
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
252021年01月18日 13:36 ID:e2b1bhpi混沌の器に感情移入しすぎてこの人のことをあまり好きになれない問題
ジーンはただ生きて欲しいと願っていたのに復讐鬼になっていることといい、ストゥム、ネルガル、レヴルのストーリーといい、そのくせしれっと子孫繁栄させてることといい、平然とベルゲルミルに優しさを説いていることといい、なんだかなー
でも嫌いにもなれない……この感情は一体……。
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チュウニズムな名無し
242020年08月29日 01:50 ID:j6uo2iozなんでNEOに繋がるんやって思ったけど、順当にチュウニをプレイしてれば、メタヴァースキャラの中で一番最初に出てくる子なのがあの子なのね
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
222020年07月18日 22:37 ID:sr6h5ayd何とは言わないけど意外と大きい
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チュウニズムな名無し
212020年06月08日 01:09 ID:fhqvqxxvジーン・ザインは最期に「戦いなんてどうでもいい、逃げ続けて生きろ」と言ったのに、セーレが「全てを殺して仇を取る」ことがお父さんの願いだと言っているのあまりにも皮肉すぎる
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
192020年03月12日 16:35 ID:iqwb4ktpこれがメタヴァースのアヴェンジャーですか