明坂 芹菜／僕らの学園フェス編

　イロドリミドリのドラムス担当。

　楽しいことの匂いを追って、その明るさとパワーでメンバーを引っ張る、イロドリミドリのリーダー！

　「学園フェスでいい演奏をすると、単位がもらえる」という噂を信じてメンバーを集めた、バンドの発起人。

　小さな頃から「たいこ」と呼んで親しんできたドラムは、手数もリズム感も一級品。

　体力も腕力も恵まれた身体能力を持ち、抜群のパフォーマンスを叩き出す。

　またリズム隊を組むベースのなるとはいとこ同士の間柄で、多少走りがちではあるものの、幼い頃からの息の合ったコンビネーションを見せる。

　実家の「カレー喫茶あけさか」をよく手伝っている。

　３年生になって以来、七々瀬や軽音の仲間たちとの活動の中で、徐々に「自分がここに遺していきたいもの」への考えを深めてきた芹菜。

　夏合宿、そして裏・定期演奏会を経て見つけ出した芹菜の思いは、イロドリミドリの生まれたきっかけでもある、最高に楽しい「ライブ」を舞ヶ原に残すことだ。

　そして迎えた２学期…。

　イロドリミドリにとっての最重要イベントである学園フェスの新形態として、生徒会が企画する「体育館ジャック」の復活は、七々瀬の離脱で暗礁に乗り上げる。

　七々瀬、生徒会、軽音、それぞれの思いを汲んだ芹菜は、自分の思い描いた新しい「ライブ」の構想を磨き上げ、「まいまいのみんなが笑って参加できる、最高のライブ！」として、みんなへと再提案する。

　芹菜のアイデアを通じ、再び一つにまとまった軽音。

　準備は多いが、決して無理なことではない、と信じる会長。

　新しいフェスへ向けて、彼女たちは歩みを進める。

　カランカラン…

あーりん「ごめんくださーい！　芹菜～、来たよー！」

芹菜「あ、タイミングばっちり！　今できたとこ！」

　出てきたのは、一皿のカレーライス。

芹菜「これ！　実は昨日思いついてさ…まいまいの学校祭に合わせて、コラボメニュー！　作ってみたの！」

あーりん「コラボメニュー！？　すごい、あけさかでそんなのやるんだ！」

芹菜「まだ誰とも相談してないけどね、どうかなって！あ、でもこういうの、学校の許可とかいるのかな？」

あーりん「うーーーん、もし売り物にするんなら、いらないってことはないんじゃない…？　いやでも、写真に撮ってあげるくらいなら…？」

芹菜「売り物…はそうだよね、コラボなんだから、両方に利益がないと」

あーりん「芹菜、たまに言ってることが商売人になるわね…」

芹菜「うーん、そこまで考えてなかったな～。ま、明日会長に相談してみよっか！」

　カランカラン…

なずな「お待たせ～、ごめんね遅くなって。三者面談で進路の相談してて…」

芹菜「なずなちゃーん！　ちょうどいいところに！」

なずな「ふふ、いい匂いするなと思ったら、やっぱり。新製品試食会、だったね」

あーりん「じゃ、三人揃ったことだし。何はともあれ…試食会！」

　そして始まる、コラボメニュー試食タイム。

なずな「…ベースはあけさかのカレーだから美味しいんだけど、なんというか、その…」

あーりん「普通のカレー、かもね…パンチが欲しいな、っていうか。」

芹菜「パンチかぁ…高校生が食べるカレーって考えて、ちょうどいいコクと辛さを目指してみたんだけど。」

なずな「あ。トッピングとか、乗せてみない？　うちの生徒が好きそうなの。」

あーりん「おお！　コラボメニューっぽい！」

芹菜「うちの生徒が好きそうなトッピング…って？？」

なずな「高校生…例えば部活帰りのはらぺこ高校生が、食べたくなるような」

芹菜「あ。こういうのはどうかな？　運動部帰りの生徒を意識した、カロリーマシマシ！のカレー。」

あーりん「なるほど、それを盛り盛りのトッピングで表現すると」

「「「それだっ！」」」

芹菜「部活帰りの生徒が好きなトッピングって何だろ。タピオカ？って、もう古い？」

なずな「それなら、お肉じゃない？　ドカッ！てね」

あーりん「購買の人気商品はどうかな？　焼きそばパンにメロンパン…メロンパンカレー？　って何？？」

なずな「まいまいの生徒…まいまいの…トッピング…」

芹菜「まいまい…舞茸。香ばしく素揚げした…」

「「「それだっ！！！」」」

　そんなこんなで完成した、「あけさか特製・舞ヶ原学校祭開催記念スペシャルコラボカレー（仮）」。

　是非！　続報を、お待ちください！