ちずこ
Illustrator:夢ノ内
名前 | ちずこ |
---|---|
年齢 | 3歳 |
職業 | 女子アナウンサー |
- 2021年11月4日追加
- NEW ep.I - Side.Aマップ4(進行度1/NEW時点で95マス/MAP1から150マス*1)課題曲「Echoes」クリアで入手。
グンマ県サファリ市のテレビ局で放送している『あさジャン』の人気アナウンサー。
可愛い顔とおっとりした性格、そして予想外な事態があっても受け流す力が彼女の魅力なのだが……?
“その可愛い顔とおっとりとした性格は……”
犬のキャラクターであり、性格が一致している(というかほぼそのまんま)なことから、「とびだせ どうぶつの森」から登場する「しずえ」が元ネタと思われる。
なお、そちらのキャラは後に「大乱闘 スマッシュブラザーズ」のファイターとして戦うことになるのだが、その影響なのか後述説明するEPISODE 8のストーリーに絡む事になる。
EPISODE 2
日テレ系列で放送している「ヒルナンデス!」にて過去に起きた放送事故ネタ。お笑い芸人オープナーのワカモリとカスカベの元になったオードリーの若林氏と春日氏が調子に乗り過ぎてイケア社が販売している頑丈な椅子を壊してしまった。なお、その放送事故によって本当に数万回以上のテストに耐えたと証明されたのか、その後注文が殺到したとか。
EPISODE 3
お天気情報を特化した放送局「ウェザーニュース」にて起きた放送事故ネタ。子供向け番組「ひらけ!ポンキッキー」から誕生したガチャピンのゲスト回において、ゲストのガチャピンと全国の天気を伝える際、ガチャピンの色と合成するクロマキーの色が一緒だったため色が抜けてしまい、ガチャピンが透明になってしまう事態になった。この後、日テレ系列で放送している「月曜から夜ふかし」に取り上げる経緯も一緒である。
EPISODE 4
NHKの情報番組「あさイチ」の料理コーナーにて起きた放送事故ネタ。料理研究家のレリの元になった平野 レミ氏が、茹でたブロッコリーを皿に立ててたらこソースを添えただけの料理を作り、ブロッコリー自体が転倒しまくる事態になった。なお、肝心の味は美味しいらしく、その後タカラトミーの「トミカ」のエイプリルフール企画としてこの料理を皿ごと再現して登場するなど、色々話題になった。
『今日は何時から?』『朝の5時ちょっと前からっス』『なんでっスかね? アニキィたちは昼ぐらいに集合って言ってたんスけど、なぜかオレの集合時間だけ5時だったんスよ』
2014年3月で起きたとあるお花見インタビューを題材にした、俗に言う「花見トレス」というネットミームネタ。朝6時前から上野公園で花見の場所取りをしている男性がブルーシートに寝転がりゲームをしながらインタビューに応じるというもので、3枚の画像から構成されている。
あまりにもシュール過ぎるので直ぐにネタとされ、当時色んなアニメやゲームキャラなど使ってパロディネタが行われていた。
「でも幸せならOKですよね~♪」
2017年5月にニュース番組「報道ステーション」において、秋篠宮同妃両殿下の長女・眞子内親王殿下が御婚約なされることを発表した事で話題になり、その渦中のインタビューで現れたとある男性の一言「でも幸せならOKです」から。元から殿下のファンであることや、満面の笑みでサムズアップして話していたことからファンの鑑だとSNSを中心に話題になり、こちらも上述のようにパロディネタが行われていた。
EPISODE 6
上述と同じ番組のスポーツコーナーで起きた「熱盛」ネタから。詳細は歌詞にも使われている楽曲「足立オウフwwww」参照のこと。
森の映像はアニメ『SchoolDays』の放送が大人の事情で休止になった際に代わりに流された映像、通称「Niceboat」からか
EPISODE 7
NHKの子供向け番組「おかあさんといっしょ」のお絵かきコーナーにて起きた放送事故ネタ。2003年から2008年までうたのおねえさんを勤めたはいだしょうこ氏が、お絵かきコーナーにて当時番組内で放送していた「ぐ~チョコランタン」の主人公スプー、・・・のつもりで描いたあの絵。ちなみに、NHKでは基本的にリハーサルを数回かつ徹底的に行われているという。「おかあさんといっしょ」も例外ではなく、ちゃんとリハーサルしているので当時のリハーサルの様子も……お察し下さい。
はいだしょうこ氏の描いたスプーはその子供向け番組離れしたクリーチャーとしか形容できない見た目から、ネットでは大いにネタにされている。
なお、後に本人は「ふざけていたわけではなく、本気で描いていた」とバラエティ番組で発言している。
子どもたちの謎の詠唱はクトゥルフ神話における邪神を称える祝詞の「いあ!いあ!」と「うがふなぐる ふたぐん」の捩りか
EPISODE 8
上述の通り、彼女自身の元ネタが「大乱闘 スマッシュブラザーズ」でファイターとして登場している「しずえ」である事から、参戦PV(と思わしき字面)や使っている技がほぼ一致している。
「前に週刊誌でオンエア中に麦茶じゃなくてウイスキーのロックを飲んでたって噂も……あながち……」
「しずえ」が「あつまれ どうぶつの森」にてログイン時、麦茶を横に館内放送をするシーンがあるのだが、麦茶を知らない海外勢にとってはウイスキーのロックにしか見えないことから、彼女自身がウイスキーのロックを飲むという渋いファンアートが出回っている。
口癖のあながちはリス住民「ジュン」の口癖が元。言っているのクマだけど。
スキル
RANK | 獲得スキルシード | 個数 |
---|---|---|
1 | コンボエクステンド | ×5 |
5 | ×1 | |
10 | ×5 | |
15 | ×1 |
include:共通スキル(NEW)
- コンボエクステンド【NEW】 [COMBO]
- 一定コンボごとにボーナスがあるスキル。
- PARADISE LOSTまでのコンボエクステンドと同じスキル。
- 強化版であるコンボエクステンド・フォルテや特定のコンボ数を達成することでボーナスが得られるコンボエッジがなくなり、唯一TECHNICAL系のスキルで残った。
- NEW初回プレイ時に入手できるスキルシードは、PARADISE LOSTまでに入手したBOOST系スキルの合計所持数と合計グレードに応じて変化する(推定最大99個(GRADE100))。
- スキルシードは300個以上入手できるが、GRADE300でボーナスの増加が打ち止めとなる。
- CHUNITHM SUNにて、スキル名称が「コンボエクステンド」から変更された。
効果 | |||
---|---|---|---|
100コンボごとにボーナス +???? | |||
GRADE | ボーナス | ||
1 | +2500 | ||
2 | +2505 | ||
21 | +2600 | ||
41 | +2700 | ||
61 | +2800 | ||
81 | +2900 | ||
100 | +2995 | ||
▲PARADISE LOST引継ぎ上限 | |||
101 | +3000 | ||
141 | +3200 | ||
181 | +3400 | ||
221 | +3600 | ||
261 | +3800 | ||
300~ | +3995 | ||
推定データ | |||
n | +2495 +(n x 5) | ||
シード+1 | +5 | ||
シード+5 | +25 |
開始時期 | 最大GRADE | ボーナス | |
---|---|---|---|
NEW+ | 121 | +3100 | |
NEW | 277 | +3880 | |
~PARADISE× | 376 | +3995 | |
2022/7/21時点 |
(ゲージ5本~9本)
※NEW稼働時点でゲージ5本以降の到達に必要な総ゲージ量が変更。必要なゲージ量を検証する必要があります。
- ノルマが変わるGRADEのみ抜粋して表記。
GRADE | 5本 | 6本 | 7本 | 8本 | 9本 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 15 | 22 | 29 | 39 |
7 | 8 | 15 | 22 | 29 | 38 |
16 | 7 | 14 | 21 | 28 | 38 |
20 | 7 | 14 | 21 | 28 | 37 |
35 | 7 | 14 | 21 | 27 | 36 |
41 | 7 | 14 | 20 | 27 | 36 |
50 | 7 | 14 | 20 | 27 | 35 |
55 | 7 | 13 | 20 | 26 | 35 |
66 | 7 | 13 | 20 | 26 | 34 |
70 | 7 | 13 | 19 | 26 | 34 |
77 | 7 | 13 | 19 | 25 | 34 |
83 | 7 | 13 | 19 | 25 | 33 |
101 | 6 | 12 | 18 | 24 | 32 |
121 | 6 | 12 | 18 | 24 | 31 |
128 | 6 | 12 | 18 | 23 | 31 |
137 | 6 | 12 | 17 | 23 | 31 |
141 | 6 | 12 | 17 | 23 | 30 |
156 | 6 | 11 | 17 | 22 | 30 |
164 | 6 | 11 | 17 | 22 | 29 |
176 | 6 | 11 | 16 | 22 | 29 |
187 | 6 | 11 | 16 | 21 | 28 |
213 | 6 | 11 | 16 | 21 | 27 |
221 | 5 | 10 | 15 | 20 | 27 |
240 | 5 | 10 | 15 | 20 | 26 |
259 | 5 | 10 | 15 | 19 | 26 |
269 | 5 | 10 | 15 | 19 | 25 |
273 | 5 | 10 | 14 | 19 | 25 |
(ゲージ10本以上)
※NEW稼働時点でゲージ5本以降の到達に必要な総ゲージ量が変更。必要なゲージ量を検証する必要があります。
- ノルマが変わるGRADEのみ抜粋して表記。
- 水色の部分はWORLD'S ENDの特定譜面でのみ到達可能。
GRADE | 10本 | 11本 | 12本 |
---|---|---|---|
1 | 48 | 60 | |
10 | 48 | 59 | |
12 | 47 | 59 | |
19 | 47 | 58 | |
23 | 46 | 58 | |
28 | 46 | 57 | |
35 | 45 | 57 | |
37 | 45 | 56 | |
47 | 44 | 55 | |
57 | 44 | 54 | |
60 | 43 | 54 | |
68 | 43 | 53 | |
73 | 42 | 53 | |
78 | 42 | 52 | |
87 | 41 | 52 | |
90 | 41 | 51 | |
101 | 40 | 50 | |
114 | 40 | 49 | |
117 | 39 | 49 | |
126 | 39 | 48 | |
133 | 38 | 48 | |
140 | 38 | 47 | |
150 | 37 | 47 | |
154 | 37 | 46 | |
168 | 36 | 45 | |
183 | 36 | 44 | |
187 | 35 | 44 | |
199 | 35 | 43 | |
207 | 34 | 43 | |
216 | 34 | 42 | |
229 | 33 | 42 | |
233 | 33 | 41 | |
251 | 32 | 40 | |
271 | 32 | 39 | |
276 | 31 | 39 | |
291 | 31 | 38 |
- 登場時に入手期間が指定されていないマップで入手できるキャラ。
- カードメイカーやEVENTマップといった登場時に期間終了日が告知されているキャラ。また、過去に筐体で入手できたが現在は筐体で入手ができなくなったキャラを含む。
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
スキル | スキル | ||||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
スキル | |||||
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
スキル | |||||
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | |
スキル | |||||
~50 | |||||
スキル | |||||
~100 | |||||
スキル |
STORY
「おはようございます。○月×日、『あさジャン』の時間ですよ~♪」
朝、テレビをつければ、そこには可愛らしい女性の姿があった。
サファリ市のテレビ局に勤めているアナウンサーのちずこだ。
その可愛い顔とおっとりとした性格は一瞬で広まり、今や絶大な人気を誇っていた。
だが、彼女の人気の理由はそれだけではない。
「さぁ、それでは今日のオープニングに……」
「今日はありませんよ~」
「えっ、ないの?」
同じくアナウンサーのクマが進行しようとするが、ちずこは笑顔でそれを止める。
いつもは始まりに面白ニュースをひとつピックアップするのだが、どうやらこの日は違うようだ。
「そんな日もあるんだね」
「何かよからぬものが映っていたとかで~」
「えっ?」
予想外な事態があっても、動じずに流す力。
それもちずこの魅力のひとつだ。
「それじゃあオープニングは……そうだ、また新しい一週間が始まるけど、休日は何か楽しいことあった?」
「そうですね~……」
クマのアナウンサーに話題を振られ、手をあごに添えシンキングタイム。
その姿さえ絵になっている。
手元にある透明のグラスに入った茶色い飲み物を一口含むと、カメラに向かって笑顔を向けた。
「休日もお仕事が山積みで~。休日って何なのでしょうね~」
「ははは……週の始まりから黒いこと言うね」
飛び出てきた内容にアナウンサーは表情を引きつらせるが、ちずこは笑顔を浮かべたままだ。
これこそが、好きなアナウンサーランキングで堂々の一位を獲得している最大の理由。
笑顔のまま表情を変えず、歯に衣着せぬ物言いで、妙に見る人の心を掴むのだ。
「さて、それでは本日最初のニュースですよ~♪」
彼女を一目見なければ一日が始まらない。
そんなことを言う市民も、少なくないのだった。
「それでは最後に、お待ちかねの通販コーナーですよ~♪」
ちずこがメインキャスターを務めるニュース番組の最後には、毎回必ずあるコーナー。
人気も高いようで、放送後の電話はそれなりにきているようだ。
「今日はどんな商品なんでしょうか~? 紹介してくれるのはオープナーのお二人ですよ~」
パッと場面は変わり、コーナー用の特設スペース。
黒いスーツを着た平凡そうなカワウソが中腰で控え、ピンク色のベストを着たゴリラが頑丈そうな椅子に座っていた。
お笑い芸人オープナーのワカモリとカスカベだ。
「さぁ、今日はこちらの――」
「どちらだよ?」
「こちらだよ、今座ってんだろ」
ワカモリがカスカベの額をペチンと叩く。
ははは、と小さな笑いがスタジオからもれる中、ワカモリの軽快な声が響いた。
「こちらの商品をなんとあのイエア様が、視聴者の皆さんだけに特別価格を提示してくださいました!」
「あなたです!!!」
「ちょっとうるさいですけどもね。こちらはなんとグンマ県の――」
「どちらだよ?」
「だからこちらだって言ってんだろ」
またもワカモリがカスカベの額を叩く。
ちずこはいつもの笑顔を浮かべながらその光景を見守っていた。
「グンマ県のデザイナーさんが」
「カスカベではありません!」
「あ、違いますよ。30年以上に渡って売れ続けているロングセラーでございます!」
「ロング、セラー! フォーゥ!」
「さらにデザインだけではなく、耐久性にも優れております。お店で行われてる630万回以上のテストに耐えたということでしてね」
「だっはははは! 630万回!」
「今言ったんですけど、これ壊れないということで、カスカベさん試してみてください」
ワカモリに促されて、カスカベが椅子を大きく揺らし始める。
「おっ、全然余裕です! ほら!」
巨漢であるカスカベが激しく椅子の上で跳ねてもびくともしない。
これにはスタジオも驚きの声を上げた。
好感触に気をよくした二人はさらに調子に乗っていき、椅子に座ったまま飛び跳ねる。
ワカモリはそれを阻止しようと、グッと力をこめて体重をかけていく。
すっかり夢中になった二人は、商品の説明も忘れてひたすらじゃれあってしまい――
――バキッ!
その瞬間、スタジオは凍りついた。
カメラの切り替えも間に合わず、横倒しになった椅子の近くで倒れているオープナーの二人が、ただ映し出されているだけ。
明らかな放送事故である。
「テストは芸人お二人に任せた方がいいですね~♪」
だが、ちずこは笑顔で平然と言ってのけたのだ。
「あら~、スタジオの皆さんはどうして笑いをこらえているんでしょうね~?」
突然のキラーパスにスタジオにいるMCは大慌てでCMを入れるよう指示を飛ばす。
「お電話、お待ちしていますね~♪」
ちずこは淡々と、番組を締めるのだった。
ニュース番組でかかせないお天気コーナー。
今日は天気予報士のネルネとツムネを迎え、ちずこも一緒にコーナーにでることになっていた。
「よろしくお願いしますね~」
「よろしく~」
「固くならなくても大丈夫よ。基本的にはアタシたちが予報をするから、進行だけは任せるわ」
「はい、任されました~」
ゆったりとした雰囲気のちずこに、ツムネは既視感を覚えてネルネを見やる。
「ん? 先輩どうしたんですか?」
「……なんでもないわ」
一抹の不安を抱えるツムネ。
そうして迎えた本番で、事件は起きた。
天気予報は壁や床をグリーンで統一させ、そこに映像を合成するのだが……。
「あれ~? ネルネさんはどこに行ってしまったのでしょうか~?」
予報をしようと画面に出た3人だったが、なぜか画面にネルネの姿だけ見当たらない。
「え、僕はここにいるけど~?」
「わ~、ツムネさんが浮いてますよ~」
「ね、ネルネ……アンタまた……」
ネルネはたしかにそこにいた。
だが、偶然にも背景のグリーンとほとんど同じ色をしていたために、同じように透過されてしまっていたのである。
「画面で見ると服と目だけが浮いてます~。不気味ですね~♪」
「あははっ、たしかに」
「アンタ笑いごとじゃ……どうやって予報するのよ」
放送事故のようなものだが、映像はそのまま進む。
先ほどまでサファリ市の映像が流れていたが、天気図が映し出されると同時に、今度はネルネの身体が真っ青に染まっていたのだ。
「ネルネさんが青くなってしまいました~! でも、青くても可愛いですよ~♪」
「えっ、そうかなぁ。先輩はどう思います?」
「知らないわよ! 今はそれどころじゃなくて、どうやって予報を進めるかを――」
「あっ、そうでした~。それでは明日の天気です~。ネルネさん、ツムネさん、よろしくお願いしますね~」
「こ、この状況をスルー!? お、恐ろしい子……」
その後、この放送はある意味伝説の回として語り継がれることとなった。
さらに週初めから夜更かしするトークバラエティ番組でも取り上げられ、ますますちずこの知名度は上がるのだが……それはまた別のお話。
「ジャンジャンクッキング~♪」
この日、ちずこは番組内の料理コーナーでアシスタントをすることになった。
「本日の講師は、驚きのレシピを提案してくださる料理研――」
「おはようございま~す!」
「――究家のレリさんです~!」
紹介の途中だが勝手に登場。
しかし、そんなことを気に掛けるちずこではない。
「今日の食材はなんですか~?」
「ブロッコリーよ、ブロッコリー!」
そう言って、スズドリのレリはスタジオに設けられたキッチンに置かれているブロッコリーを指差す。
「ブロッコリーはね、ほんと身体にいいもんで、ビタミンAとかBとかCもあるし、とにかくいろんなものが詰まってんのよ。まさに栄養素の塊!」
「たしかに、これは食べなきゃ損ですね~」
「アンタわかってるじゃない!」
「ありがとうございます~。それでは、さっそく調理していただきましょ~♪」
レリのハイテンションぶりにも流されず、ちずこが調理開始を宣言した。
「まずね、このブロッコリーをボウルに入れるのよ」
「わぁ~」
「そしたらラップして、600Wで7分くらいチンします! そしてそしてー! チンしてあるものがこちら!」
「まぁ~美味しそうですね~♪」
茹だったブロッコリーが皿の真ん中にドン!
シンプルかつダイナミック。
料理とは一体なんなのかを問う、歴史的一品である。
「今日はもうね、そのままの~すがた~、みせ~るのよ~! ってことでね、そのままなの!」
「レリさん、なんというお料理なんですか?」
「まるまるブロッコリーよ! マヨネーズをかけてむしゃぶりついてもいいわ!」
「料理は自由ですからね~♪」
「アンタわかってるじゃない!」
――オススメ簡単料理「まるまるブロッコリー」。
もちろん、この回は伝説の回として話題になり、ファンの間で長いこと愛されるネタになった。
「世間はそろそろお花見シーズンですよ~♪」
ということで、ちずこの受け持つ情報番組もその様子を特集していた。
「それでは現場を見てみましょう~! そちらの様子はどうですか~?」
『はい! こちら大変賑わっております!』
そう言って、県内の公園に中継が繋がる。
インタビュアーの言葉と共に、咲き誇った桜の木々と花見客たちが画面に映し出された。
『せっかくのお花見日和だから、焼きたてのパンを持ってきたんだ』
『ここには毎年きているの。昨日は雨だったから心配だったけど、晴れてよかったわ!』
などなど、パンダやフクロウといった花見客たちにインタビュアーが次々と話を聞いていく。
と、そこで一風変わった花見客の姿が映し出された。
レジャーシートを3枚ほど使い、だいぶ広く場所を取っている。にもかかわらず、そこには寝そべってゲームをしているシベリアンハスキーの学生が一人、いるだけだった。
『今日は何時から?』
『朝の5時ちょっと前からっス』
『なぜそんなに早く?』
『なんでっスかね? アニキィたちは昼ぐらいに集合って言ってたんスけど、なぜかオレの集合時間だけ5時だったんスよ』
わいわい賑わい楽しそうにしている花見客を映した後のこれである。
スタジオはなんとも言えない空気に包まれていた。
「でも幸せならOKですよね~♪ それでは次のニュースです~♪」
それは、スルー力の変わらないただ一人のちずこ。
誰も何を言えばいいのか困惑している中で、笑顔でバッサリと流したのだった。
いつも笑顔を絶やさないちずこ。
だが、その表情は少しばかり強張っていた。
というのも、今日は初めての野球解説。
上手くやれるのか不安を抱えていたのだ。
「ちずこちゃん、野球解説期待してるよ~! いつも通りバンバンぶちかましていいからね!」
「わかりました~♪」
野球コーナー担当のウシアナウンサーに励まされ、ちずこは笑顔で頷いた。
ちずこの野球解説、果たしてどうなる……?
「続いてはスポーツコーナーですよ~♪」
ちずこがそうコールし、野球の映像が流れる――はずだった。
しかし、代わりに流れたのは穏やかなBGMと共に緑が生い茂る森の映像。
遠くに見える湖には、城やボートが映りこんでいる。
それは、突然の事態に配慮して差し替えるために使うものだった。
「あら~、森、飛び出してしまいましたね~」
ちずこはこんなものでは慌てない。
いつものスマイルでなんなく進行する。
「それでは本日のハイライトを見ていきましょ~♪」
臨機応変な対応により、スポーツコーナーは順調に進んでいく。
切り替わった映像では、逆転満塁ホームランを打たれたピッチャーが、マウンドで泣き崩れているシーンだった。
「あら~、お水を注ぎにきたんでしょうか~?」
痛烈な皮肉を浴びせたちずこはまだ止まらない。
「バッティングセンターに向かうんですかね~?」
マウンドを去って行くピッチャーへと投げかけた言葉に、ウシアナウンサーも開いた口が塞がらなかった。
「な、何言っちゃってるの、ちずこちゃん!?」
「緊張しちゃってたみたいですね~♪」
初トークにもかかわらず過激なことを言ってのけるちずこに、当然のごとくお茶の間は沸いた。
その後、挟まれた森の映像は一躍有名になり、テレビ局は「森、出てしまいました」を商標登録し、またも話題に。
そして、ちずこはそれ以来スポーツコーナーでも引っ張りだこになるのだった。
「みなさ~ん、おっかさんと共にの時間ですよ~♪」
何の因果か、急遽有名な子供向け番組にアシスタントMCとして呼ばれたちずこ。
子供相手の番組は初だったが、ちずこは持ち前の笑顔とスルー力で十数人の子供を相手にしても問題なく進行していた。
だが、無事に放送を終えられると思ったその時、またしても事件が起こる。
「それじゃあみんなで絵描き歌を歌おうね!」
番組キャラクターのスプーン君を、絵描き歌で描こうというコーナー。
ネコの歌のお兄さんや子供たちはもちろんのこと、アシスタントとして参加しているちずこもペンを取る。
ショコランタンでへんてこピーマンとれちゃった♪
と歌い、お兄さんと一緒にホワイトボードに絵を描いていくちずこ。
意外と歌は上手いのだが、途中からカメラは何故かお兄さんばかりを映し始めた。
「スプーン君だ~♪」
という歌詞で絵描き歌が終わる。
子供たちがお兄さんの描いたスプーン君の可愛らしさに笑顔を浮かべた直後、突然子供たちの笑い声がかき消えた。
「ち、ちずこちゃん……それ……」
「頑張りました~♪ お兄さんのスプーン君も可愛いですね~」
ちずこが描いたソレは、スプーン君でありスプーン君ではない。
輪郭はぐずぐずに崩れ、何かの顔であることがかろうじてわかるレベル。
瞳のようなものはあらぬ方向を向いており、何を捉えているのかも一切不明。
口からは禍々しさを感じさせる尖った歯が見え、顔の両脇からは触手のようなものがウニョウニョと伸びていた。
明らかにこの世のものとは思えない、形容できないナニか。そんなおぞましい存在を目の当たりにした子供たちは正気を失い、一斉に奇妙な言葉を口にする。
「あえ……あえ……ぐん、ぐん……」
「ははっ……ち、ちずこちゃんも上手だね……」
お兄さんは、それ以外に言うべき言葉が見つからなかった。
子供が詠唱していても、スタッフたちが苦虫を噛み潰したような顔を向けてきても気にしない。
そのままちずこは笑顔をカメラに向ける。
「ありがとうございます~♪」
当然、放送直後から制作サイドへと苦情が相次ぎ、今後一切ちずこが子供向け番組に出演することはなかった。
この時のイラストのせいで、ちずこはネットで“画伯”や“教祖”などの名前をほしいままにし、いじられ続けることになるのだった。
「わたし宛にお手紙、なんでしょうね~?」
ある日、ちずこはペリカンの配達員から白い横長の封筒を受け取った。
それは中央に真っ赤なシーリングスタンプが押されていて、差出人は不明。
「え!?」
この時ばかりはいつもの笑顔が崩れ、驚愕の表情を浮かべるちずこ。
それもそのはずだった。
そう、手紙の内容は――
「わたしが参戦!?」
ちずこ
さん戦!!
体育会系バラエティ番組『スゴブラ』。
それはアスリートや芸能人、果ては一般人すらも参加できてしまう異種格闘技を行う番組だ。
優勝すれば賞金やら何やらが貰えるが、もちろん一筋縄ではいかない。
そもそも、参加権を手にすることすら難しいのだ。
しかし、ここ最近のちずこの活躍ぶりや、幅広い年齢層に知名度があることから、特別に参加権が与えられたのだろう。
「夢みたいですね~。せっかくですし、わたし頑張っちゃいますよ~♪」
そうして迎えたスゴブラ当日。
ちずこの電撃参戦に驚いた関係者やファンたちは、さすがに異種格闘技をやってのけるのは無理だろうと心配していた。
だが蓋を開けてみれば、まさかの好プレー。
「火気厳禁ですよ~?」
炎をまとって突進しようとするタカ選手相手に、バケツで水を浴びせて吹き飛ばし、
「大変です~助けないと~!」
と、海に漂うサル選手を釣り竿でぶん回す。
「綺麗な花火ですね~♪」
今度は地面に埋めたハニワのようなものを上空に飛ばし、ワニ選手を打ち上げてしまった。
終いには番組のADを呼び出して対戦相手を小屋の中に閉じ込める――などなど。
枚挙にいとまがないその破天荒っぷりは、視聴者の度肝を抜くと同時に釘付けにしていた。
「ちずこちゃんすごいじゃないか! まさか優勝までしちゃうだなんて!」
『あさジャン』のオープニングトークは、ちずこの優勝話で持ち切り。
クマアナウンサーから労いの言葉を貰い、ちずこは笑いかけた。
「ありがとうございます~! わたしもビックリですよ~♪」
「あんな常識外れな戦い方をするなんて……前に週刊誌でオンエア中に麦茶じゃなくてウイスキーのロックを飲んでたって噂も……あながち……」
「ふふふふふ……どうでしょうね~」
「そ、それはともかく! 今度番組でお祝い企画をするんだけど、スケジュール大丈夫?」
そう、スゴブラで優勝したちずこは、今や飛ぶ鳥を落とす勢いでいろんな番組に出演する人気者。
アナウンサーとしての仕事は続けているが、それ以上に他の仕事が舞い込んでいたのだ。
にも関わらず、ちずこは満面の笑みを返す。
「はい、もちろん大丈夫ですよ~! この番組がわたしの場所ですから~♪」
「ちずこちゃ~ん!」
ちずこはこれからもあらゆる場面に直面するだろう。
だが、持ち前の笑顔ですべてを解決していくはずだ。
「おはようございます。□月△日、『あさジャン』の時間ですよ~♪」
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チュウニズムな名無し
52022年02月03日 12:31 ID:jd6muyi6元ネタの概要読んだだけで笑うわこんなん
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チュウニズムな名無し
42021年12月25日 23:50 ID:qjjd85qsちゃんと若林が黒幕だってところも含めて再現してるしかなりオードリーに造詣の深い人が書いたとみられる
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チュウニズムな名無し
32021年11月15日 15:07 ID:d0gk20lf犬種はシーズーではなくマルチーズじゃないかな
マルチーズ→ちずこ
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チュウニズムな名無し
22021年11月13日 14:24 ID:d1mlpr14あの椅子の会社逆に儲かったらしいし放送事故では比較的ネタに出来る部類だと思い
というか、そんなん言ったらNiceboatが出たのもそもそもは殺人事件が原因だし言ってたらキリないよ
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チュウニズムな名無し
12021年11月07日 09:48 ID:qo9bwgi9椅子壊すネタはやって大丈夫なん?