Brave The Lion 2|N-6 Story
6-1 旧知の大人
???
……変わってないわね。
ムナクソ悪い雰囲気、そのまんま。
カティア
……この天才科学者
プロフェッサー・カティア様を
呼んだんだから、相応の見返りを
用意してるんでしょうね、オズマ?
オズマ
そーゆー話は、
上と直接やってくれや。
カティア
嫌よ。あんたが繋いで。
だいたい、実在してるかどうかも
アヤシイもんだわ。
オズマ
無くはねーさ。
ギャラの支払いはいいぜ~?
カティア
フン……期待させてもらうわ。
指名手配を解く件も、
よろしく頼んだわよ。
オズマ
了解。
カティア
で、詳しい話を聞かせて頂戴。
オズマ
手紙に書いといたろ?
カティア
この天才の時間を
紙っぺらで奪おうだなんて
図々しいのよ。
オズマ
ヒュ~、おまえさん、
少しも変わってないねぇ。
オズマ
いや……
目元に小ジワが増えたか?
カティア
なわけないでしょっ!
永遠の十代のこの私に、
失礼よあんた!
オズマ
じょ~だんじょ~だん。
カティア
だからモテないのよあんた。
オズマ
冗談はさておき。
カティア
本気で言ったんだけど?
オズマ
……今度こそ、
ヨーゼフの奴を止める。
カティア
はぁ!? アイツ、
まだ生きてるの!?
私がいたときだって、
百歳超えてなかった!?
オズマ
死に忘れてるんだろーよ。
カティア
……凡人は哀れなもんね。
制限時間を過ぎたら、
大人しく退場すればいいのに。
オズマ
おまえさんがそれゆーかい。
カティア
美しさがないもの。
天才的思考と美意識は表裏一体よ。
オズマ
そーゆーことがわかんねーから、
ヨーゼフのヤツは
向こう側に片足を
突っ込んじまったんだろーよ……
カティア
笑い事じゃないわね。
オズマ
まったくだ。
6-2 カティアと双子
カティア
……誰を待ってるのよ?
オズマ
懐かしい顔さ。ピンと来ないか?
カティア
お生憎、他人のことで
脳内記憶容量を
無駄使いしたくなくてね。
カティア
――そういえば、
こんなところで、私は
花の青春を一年も
浪費させられて――
カティア
思い出したら
ムカっ腹が立ってきたわ!
むっきィ――――!
???
カティアさん!
???
カティアさま~!
会いたかったです~!
カティア
ヨシュア、ミレイユ!
オズマ
覚えてんじゃねぇか。
カティア
当然よ、大事な被験体だもの。
あなたたち、術後の経過はどう?
ヨシュア
おかげさまで、この通りです!
ミレイユ
カティアさま……!
本当に、その節は
ありがとうございます……!
――――
(回想)
カティア
オズマ!?
どーしたのよその大ケガ!?
オズマ
オレはいーんだ、寝てりゃあ治る。
おめぇさんに法外な治療費を
払いたくもねぇし。
カティア
……ちっ……!
オズマ
それよりも、こいつらを……
カティア
――この子たちは――!
オズマ
御明察。<あそこ>の出身だ。
おかげで、フツーの医者に
連れてくわけにいかなくてな。
ヨシュア
…………
ミレイユ
…………
カティア
これ……!?
この私が、見たこともない……!
なにを<混ぜ>られてるの?
オズマ
<神獣>だそうだ。
カティア
ハァ!? なによそれ!?
あそこ、いまそこまで
やりたい放題やってるわけ!?
ヨシュア
……ご……めん……
……ごめ……んね……
……君を……こんな……
ミレイユ
……ごめんなさい……
……あたしの中で……
……生き……て……
オズマ
…………
カティア
奥へ運んで。
オズマ
ああ。
カティア
あそこ潰しましょ。
オズマ
一人じゃキツかったもんでな。
準備を始めるわ。
時が来たら手紙送るぜ。
カティア
あまり女を待たせないでよ。
オズマ
そんな趣味はねぇさ……
――――
(現在)
カティア
……あれから三年も、
なんの便りも寄越さないで……
カティア
思い出した!
どんだけ待たせてんのよオズマ!
ヨシュア
あのぅ、オズマさんなら
もう行っちゃいました。
カティア
はぁ!?
ミレイユ
ここには『別の顔』でも
来てるとか、なんとか……?
カティア
あの男……!
相変わらず、顔に似合わず
クソ多忙なんだから……
カティア
……ま、いいわ。
ところでヨシュア、ミレイユ。
あなたたちはどうしてここに?
ミレイユ
……あたしたち、
二人で話し合ったんです。
ヨシュア
それで――僕たちが、
やらなきゃいけないだろう、って。
ヨシュア
――これ以上、
僕たちみたいな人を
生ませないためにも――