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Brave The Lion 2|N-14 Story

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14-1 唯一の獅子


クロエ

ここは……?


液体で満たされた
怪しげな器具が立ち並んでいる……


キャトラ

ねぇ……

なんだか、キモチワルイのが

たくさんあるんだけど……


様々な魔獣がいる……
ガルーダやジャガーから、
見たことのないものまで……


ダグラス

合成魔獣の材料だな……

思えばこいつらも、

可哀そうなもんだぜ……


ダグラス

人間の勝手な研究で、

弄ばれるんだからよ……!


アイリス

――!!
ダグラスさん!


ダグラス

どうした……?


アイリス

――人間も……います……!


クロエ

――!!


ダグラス

なんだって……?


キャトラ

うぇぇぇぇ!
アタシはイヤだ!
そんなのはイヤだぁ!


キャトラ

主人公!?

よくそんなに

じっくり見れるわね……


アイリス

……見なければ、

わからないことも

あるわ……


――水の中の人間のような
シルエット……
気を強く持ち、観察すると――


――獅子のタテガミのような
――緑色の長髪――!


クロエ

――!?


ダグラス

……おいおい……

こりゃあ一体、なんの冗談だ……?


ダグラス

こいつはオレだ……!

まさか、オレの遺伝子から、

こいつらを作ったってのか……!?


ダグラス

ほかになんかねぇのか!


クロエ

落ち着いて、ミーチャ!
ミーチャ!


ダグラスは左目を光らせ、
付近にあった書類棚に走る。


何冊もの資料を、
まるで炎のように
読み散らかすと――


ダグラス

――<獅子複製計画>――


ダグラス

『オリジナルである

ミーチャの細胞を基に、

ミーチャクローンを

複製することに成功……』


ダグラス

『<瘴気>を喰らう、

ソウルを感知するなど、

特徴の継承も確認……』


クロエ

……そんな……!


ダグラス

――へっ……


ダグラス

くくくく……!

こりゃ――笑えねぇぜ……!


ダグラス

まさかこのオレが、

実験された挙句に、

コピーまで取られてたとはなぁ――


ダグラス

もう何年かすりゃ、

世界中の戦地で、オレと同じ顔の

剣士が戦ってたのかねぇ……?


ダグラス

――いま知れて、よかったぜ……!


ダグラス

申し訳ねぇが……

この研究所を墓場にする。


ダグラス

獅子>は一人で十分だ……!


14-2 なにもかわりはしない


メア

そんなの……!

混沌>が存在しないなんて、

そんなこと……!


バイパー

…………


施設内を走るメアを、
バイパーが無言で追う……


メア

! ここは……!


メア

混沌>!
混沌>の気配がする!


バイパー

…………


メア

やっぱりあったのよ!
嘘なんかじゃなかったんだわ!


再び駆け出したメアは、
何重にもロックされた
頑丈な扉の前で立ち止まった。


バイパー

……メア


メア

バイパー!
やっぱりあったじゃない!
この中にあるのが、私が
感じ取って>いた、<混沌>よ!


メアは、扉の横に
表示されていた文字を見つけた。


メア

……『貯蔵率80%』……

……『』……


メア

――いいえ! <>なんて、
そんな、<混沌>を
そう呼んでいるだけよ!


バイパー

自分でもわかってるんじゃないか。


メア

そうよ、
間違ってなかったんだわ!


メア

私は……


メア

間違って……


メア

…………


脱力していくメアの横を通り、
バイパーは貯蔵庫の前に立つ。


バイパー

……掴んだ……

やはり、ここにあったか……


バイパー

メア


バイパー

退魔士が討った<>は、

武器に備わるルーンに蓄えられる。


バイパー

お前も覚えがあるだろう?

退魔士は武器を与えられ、

ある一定の使用で交換する。


バイパー

この研究所に、蓄積された

>を卸していたんだ。


メア

……そう。

きっと……そうなんでしょうね……


バイパー

おそらく、この島に、

退魔の武具もあるはずだ。

それも押さえる。


メア

ねえ……?


メア

……退魔の一族って、

嘘だらけだったの?

ここと手を組んで、

こ……<>を売り渡していたの?


バイパー

そういうことだろう。


メア

そんなのって……

じゃあ私は……これまで一体、

何をしてたっていうの……


バイパー

過去の事実は変わらない。


メア

…………


メア

……そうだ……


メア

私は助けたわ……

あの子を……

襲われていたあの子を……



――――

(回想)


少女

――ありがとう……!


少女

助けてくれて……

……本当に、

ありがとうございます……!


メア

いいのよ。

悪しき存在を、<断ち切る>のが

私の使命なんだもの――



――――

(現在)


メア

そして……


メア

自分のすべきことを……

……知った……


バイパー

…………


メア

……なによ、呼び名が

変わったくらいで。

人に害成す存在は、<

だろうと<混沌>だろうと――


メア

この<ルーンチェーンソー>で、
断ち切る>ッ!!
それ以外にないッ!!


バイパー

ガキが……

やっとわかったか……


メア

――そう思うなら、

子ども扱いはもうやめてくれる?


バイパー

フン……そうしよう。


バイパー

元・退魔士、メア

ここには退魔士の一族と

裏で手を結んでいる、

黒幕の一端がいる。


バイパー

潰しに行くぞ。


メア

了解。


14-3 研究者の歓迎


???

計測開始。さて、

どのくらいの誤差があるか?


ヨシュア

お前は……!



???

ん? 貴様ら、

そんなナリだったか?

――おやおや。


???

そうか、製作者同伴だったか。
なるほどなるほど、
気持ちはわかる……!
己の研究、経過を確かめねばなぁ!


カティア

覚えられてることが

これほど不愉快な相手が

いるとはね。


カティア

ヨーゼフ

あんた才能ないんだから、

とっとと引退しなさい。


ヨーゼフ

ふぅ……む。

カティア博士からの言葉は、

身に染みるものがあるなぁ。

なんせ――


ヨーゼフ

――いろいろと、
理論を拝借したからねぇ!


カティア

下衆が……!

あんたには科学者としての

プライドってもんはないの!?


ヨーゼフ

それが足しとなり、

研究が進むのなら持ちもしよう。


ヨーゼフ

だが大抵の場合、逆ではなぁ?

なんの価値もないよなぁ?


ヨーゼフ

あなたのように、

土壇場で善人ぶり、

振り切れない人種には

わからんかなぁ?


カティア

――なんでもやっていいなら

なんでも出来るわよ――


カティア

でも、そうじゃないからこそ

試行錯誤して、発展するのが

科学でしょうが。


ヨーゼフ

見解の相違だ。話にならんね。


ヨシュア

ヨーゼフ――――!!!


激しい気合とともに
斬りかかったヨシュア!
だが、両隣の男がそれを阻んだ!


ヨーゼフ

おぉ! いいぞ!
さすが魔竜合成人間!


ヨーゼフ

その怒りもいいぞ!
プログラムは順調に
機能しているようだな!


ヨシュア

わけがわからないことをっ……!


ヨーゼフ

お見事ですカティア教授!
私など足元にも及ばない!
クッハハハハハハハ!


ヨシュア

なにがだ!


ヨーゼフ

ガキが! キサマの感情なぞ
オレの仕込みだ!


ヨーゼフ

もう一度ここへ来させ、
そっちのガキと一緒に
被験体にするためのな!


ヨシュア

なっ……!?


ヨーゼフ

ジーントリガー>――
遺伝子に混ぜる強制的な命令!
カティア様の発明だ!


ヨーゼフ

その発現具合を確かめるために、

同行されていたんですよねぇ、

カティア様!?


カティア

違うわよ!


ヨシュア

何を言ってるんだよ……!
僕はお前が憎い!
殺してやりたいほどに!


ヨーゼフ

あ~~~~~ァ、
いい出来、いい出来!
クフハハハハハハハハ!


ヨシュア

笑ってんじゃねぇー!!!


怒りに任せて切り込むも、
再び立ち上がった男に阻止される!


ミレイユ

そんな、あの攻撃をくらって、

まだ戦えるの……!?


ヨーゼフ

さあ準備準備っと!
忙しくなってきたぞぉ!


ヨシュア

なんなんだよ……
なんなんだよっ!!!


ミレイユ

ダメ、お兄ちゃん!


ヨシュア

この怒りが、

僕のものじゃないのか!?


ヨシュア

じゃあ……!

これは……!


ヨシュア

くっそぉ――――――!!!


ミレイユ

ダメだよ、それじゃ

あいつのおもうつぼだよ!


ヨシュア

ならどこに
ぶつけろってんだよぉ!!!


カティア

私でもいいわ。


ヨシュア

! カティア様、

そんな、僕は……!!!


ヨシュア

僕は……


カティア

でもごめんなさい。

全てが済んでからでお願い。

まずはここを片づけないと。


立ち上がった二人の男が、
いびつな魔獣へと
その姿を変えていく……!


カティア

何も言わずに捨て駒に

なるなんて……

よく教育されてるわ……

本当に――


カティア

――ここにいるのは、
馬鹿ばっかりね!!!



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