Brave The Lion 2|N-7 Story
7-1 拒絶の真意
カティア
…………
ヨシュア
待って下さいカティアさん!
ミレイユ
おいてかないで!
カティア
…………
ヨシュア
僕たちにも<力>があります!
ミレイユ
それに、案内役も
必要だと思います。
カティア
……見損なったわ、あなたたち。
ミレイユ
え……?
カティア
子供は子供らしくなさい……
とは言わない。
カティア
だけど、私やオズマが
頼りない大人に見えるのかしら?
ミレイユ
そういうわけじゃ……!
ヨシュア
僕たちも力になりたいんです!
カティア
……自分が天才であることが
恨めしいわ。
ヨシュア
え?
カティア
術後の経過は完璧!
リハビリ明けで、よくそこまで
動けるもんだと思うけど!
カティア
私があなたたちを
治療したのは、
戦わせるためじゃないわ!
ヨシュア
……戦うことを選んだのは、
僕たち自身の<意志>です……!
カティア
私の嫌いなものを二つ教えてあげる。
嫉妬と復讐よ。
ヨシュア
そういうのとは違います!
カティア
『使命』にすり替えても
不細工なことに変わりはない。
カティア
帰りなさい。
ヨシュア
あ……!
ミレイユ
お兄ちゃん……
ヨシュア
……大丈夫。
このくらいのことは
想像していただろう?
ミレイユ
でも、カティアさまが
あんなに怒るなんて……
ヨシュア
まだ、力も見せてないし、
伝えてないこともある。
ヨシュア
ここで帰ったら、
なんのために来たのか
わからないよ。
ミレイユ
そうだよね……
ヨシュア
カティアさんを追うよ、ミレイユ。
ちゃんと話せば、
きっとわかってくれる……
ヨシュア
僕たちが……
やらなきゃいけないんだ……!
ミレイユ
うん……
7-2 天才のルール
廃れた工場の奥で、
ヨシュアとミレイユの二人が
魔獣の群れに囲まれた……!
ミレイユ
お兄ちゃん。
ヨシュア
いくよ。
ミレイユ
……うん!
――二人が目を閉じ念じると、
膨大な魔力が身の内で高まり――
ミレイユ
はあああああああ!
ミレイユの肉体から
光り輝く翼が浮かび上がると、
業火の嵐を巻き起こす!
ヨシュア
いっけぇぇえええー!
ヨシュアの腕に凶悪なまでの
力が宿る……!
変化した竜のような豪腕で、
群れなす魔獣をなぎ倒す!
ヨシュア&ミレイユ
うわああああああー!!!
――数回呼吸をするほどの間で、
動く魔獣は存在しなくなった……
ヨシュア
だいぶ使い慣れてきたな。
ミレイユ
お兄ちゃんより上手な自信あるよ?
ヨシュア
こいつ。
カティア
…………
ミレイユ
あ! カティアさま!
ヨシュア
見てくれましたか!?
これがいまの
僕たちの<力>です!
カティア
好きなように使えばいいわ。
ソレはもう、あなたたちの一部。
ヨシュア
じゃあ、僕たちを
認めてくれるんですね!?
カティア
――ガキが。
ヨシュア
――!?
カティア
科学は万人に平等。
運動には法則があり、
力には根拠がある。
カティア
あなたのソレは……なに?
自分で努力して得た力?
違うでしょ?
ヨシュア
それは、そうだけど……!
だったら、この力は
使うなっていうんですか!
カティア
違うわ。
『どんな信念に基づいて』
使うのかを聞いているの。
ミレイユ
……<意志>ならあります。
ミレイユ
これ以上、あたしたちのような
悲しみを増やさないために……
出来ることは小さいけれど……
ミレイユ
あたしたちは、
自分の中にある<絆>と、
手を取り合います。
カティア
兄より幾分マシね。
ヨシュア
……僕にも、想いはあります。
ヨシュア
命の恩人であるカティアさんの――
ヨシュア
力になりたい!
救われた命で恩返しがしたい!
そう考えるのはヘンですか!?
カティア
…………
カティア
下僕宣言?
ヨシュア
え?
カティア
なら……仕方ないわね。
史上最高の天才、かつ超絶美女の
プロフェッサー・カティアの魅力に
とりつかれてしまったのなら。
ヨシュア
え? え?
カティア
そういうことなら、
諸々目をつぶるしかないわね。
常人として当然の思考だもの。
カティア
ヨシュア、あなたを
私の下僕に認定してあげる。
これからキリキリ働きなさいな。
ヨシュア
うぇぇ……
なんか、歪んで受け取られた……
ミレイユ
結果オーライだよ、お兄ちゃん?
カティア
だけど、二人とも。
信念が醜く染まったら、
その瞬間に捨てるから。
忘れるんじゃないわよ。
ヨシュア&ミレイユ
は、はいっ!
カティア
さ~て、下僕が増えるなら、
こんな好都合なことはない……!
カティア
ガンガン進んで、
私の研究を全部取り返してから、
この島を沈めるわよォ――!
カティア
おっほォ――――!!!
ミレイユ
……お兄ちゃん……
ヨシュア
うん……若くして、
道を誤った感あるね……