Brave The Lion 2|N-9 Story
9-1 公平なるへりくつ
ダグラス
この洞窟の先に、
研究所があるはずだ。
ダニエル
洞窟を通るとか嫌だなぁ。
絶対に魔獣の巣窟に
なってるに違いないもん。
ダグラス
しぶるんなら置いてくぜ。
キャトラ
ダグラスダメだよ、
コイツ一人にしたら
ソッコーのたれじぬと思うよ。
ダニエル
見くびってもらっちゃ困る。
この島の魔獣からは、
逃げ慣れてるんだよ!
キャトラ
ンなことで胸張るんじゃないわよ!
クロエ
ミーチャ、そうイライラしないで?
一緒に連れていくって
決めたでしょ?
ダグラス
……わかったって……
ダグラス
ダニエル!
自分の身は自分で守れよ!
ダニエル
男女差別はよくないぞ!
ダグラス
……あん?
ダニエル
アイリスさんやクロエさん、
キャトラさんを守るなら、
ボクも守ってくれたって
いいはずだ!
ダニエル
それがフラットで
フェアーな心ってもんじゃないか?
キャトラ
コイツは……!
ヘリクツばっかり
こねくりまわしてからに……!
ダグラス
…………?
アイリス
ダグラスさん?
どうしたんですか?
ダグラス
――ん!?
ああ、すまねぇ、
なんでもないさ。
キャトラ
ダニエルの話、
真面目に聞きたくないのは
わかるけどさ~。
ぼ~っとしすぎじゃない?
ダグラス
ああ、悪かった……
ダグラス
……ともかく、
全員なるべく固まって進むぜ。
それなら手間もかからねぇ。
キャトラ
おっけー!
9-2 正直な危機回避
――主人公一行は、
洞窟の奥で
魔獣の足止めを喰らった!
ダニエル
だから言ったんだよ!
絶対魔獣の巣窟だって!
ダグラス
――かぁっ!
ダグラス
……はぁ……はぁ……!
ちっ、なんだってんだ……!
キャトラ
どーしたのよダグラス!?
いつものキレがないじゃない!
ダグラス
そんなことねぇさ……!
このくらいの魔獣を全滅
させるくらい――
ダグラス
<できちまう>ッ!!
言葉とは裏腹に、
ダグラスの剣は明らかに
精彩を欠いている!
クロエ
ミーチャ!?
どこか具合が悪いの!?
ダグラス
だとしても……
敵さんらは、容赦しちゃ
くれねぇだろうよ……!
ダグラス
うおおおおおおお!
ダグラスが気力のみで
剣を振るう。豪快さはないが、
確実に一体ずつ仕留めている。
アイリス
主人公……!
キャトラ
主人公が、
がんばってるけど、
ダグラスが調子悪くちゃ……!
ダニエル
うわああああああ――――!!!
こっちへ来るな―――――!!!
撃ち漏らした魔獣が、
ダニエルに迫る!
ダニエル
クロエさん! 助けて!
クロエ
え?
ダニエルはクロエの背に隠れた!
魔獣の牙がクロエに迫る!
ダグラス
姉ちゃんッ!!!
うおおおおおおおお!!!
ギンと眼光を飛ばし、
振るったダグラスの剣が
衝撃波を生む!
牙がクロエの喉にかかる寸前、
虚空を疾った斬撃が、
魔獣の胴体を両断した!
キャトラ
ナイスダグラス!
かんいっぱつぅ~!
クロエ
……大丈夫、ダニエル?
ダニエル
あっぶねぇ~……
ダグラス
……ッ!
主人公!
まずはさっさと切り抜けるぞ!
9-3 ダニエルはダメラス
青息吐息のダグラスと共に、
なんとか魔獣を打ち払うと――
ダグラス
なにしてくれてんだテメェ!
ダグラスが
ダニエルの胸倉を掴んだ!
ダニエル
ひぃっ!?
キャトラ
ちょっとダグラス!?
ダグラス
よくも、姉ちゃんを盾に……!
ダニエル
だ、だって、そうしなきゃ
助けてくれなかったじゃないか。
キミちょっとおかしいんだもん……
ダグラス
あぁ!?
ダニエル
ボクだってクロエさんだって、
変わりはないのに……
ダグラス、キミはどうして
クロエさんにだけ過剰なんだ……?
ダグラス
決まってんだろ!
世話になった人だからだよ!
ダニエル
違う……
ボクがいいたいのは
そことは微妙に違う……
ダニエル
多少の私情が挟まるのは
仕方ないとしても……
外から見たキミは、
どこかが歪んでいる……
ダグラス
てめぇ、なにをぐちゃぐちゃと!
クロエ
ミーチャ! もうやめて!
私は無事よ、あなたのおかげで!
それでいいでしょ?
ダグラス
……姉ちゃん、こいつの
肩を持つのかよ……
クロエ
私はあなたの味方よ、ミーチャ。
だから、落ち着いて?
ダグラス
……冷静さ。もう。
キャトラ
ほっ……
ダグラス
悪かったな、ダニエル。
オレの実力不足を、
他人のせいにしちまった。
ダニエル
…………
ダグラス
先を急ごうぜ。
どうにもこの島にいると、
調子が出ねぇ。
クロエ
ミーチャ、本当に
大丈夫なの?
ダグラス
心配すんなよ、
オレはなんだって
<できちまう>んだって。
アイリス
…………
キャトラ
ダニエル。
アタシ、アンタのアダ名
おもいついた。
ダニエル
え?
キャトラ
ダメラス。
ダニエル
だ、ダメラスぅ~~~!?!?