マリーメイア・クレスケンス
Illustrator:ni02
名前 | マリーメイア・クレスケンス (マリアって呼んでね!) |
---|---|
年齢 | 15歳 (可愛い盛りなんだ、いいでしょ!) |
職業 | 法王の騎士団 (こう見えても強いんだ! 本当だよ!) |
CV | 斎藤 千和※デュエルで入手可能なシステムボイス |
- 2019年1月24日追加
- AMAZON ep.IIマップ2完走で入手。<終了済>
- 入手方法:2021/7/8~8/4開催の「「夏色恋模様~短冊に願いを込めて~」ガチャ」<終了済>
- 入手方法:2022/3/3~2022/4/13開催の「「可愛さ指数は3000倍!?」ガチャ」<終了済>
- 対応楽曲は「Magic」。
法皇に仕える聖騎士団に所属するキジン流奥義の使い手のウェアウルフの少女。
「白薔薇の咎人」を討つという使命を帯びて、任務へと赴いていく。
CV:斎藤 千和
後述のマリア・ラーネッド役(ハーモニー オブ ディスペアー版)を担当している。
デュエル名「暁月城Try Again Speed」
STORY全体の元ネタであると思われる「悪魔城TAS」の捩りであると思われる。
ちなみに悪魔城の方のTASは「Tool-Assisted Speedrun」の略である。
「You can't hit me! ふっふっふ…当たらんよ!」(攻撃時ボイス)
元ネタは「奪われた刻印」の本編クリア後に使用できるキャラ「アルバス」がワープする際に発する声で、海外版での台詞「You can't hit me!」と日本版での台詞「フッフッフ…」「当たらんよ…」を掛け合わせたものとなっている。
「ちょwwwよくやったwwwwww」(システムボイス)
『悪魔城ドラキュラ ギャラリーオブラビリンス』における登場人物「エリック・リカード」のセリフ。
TAS動画において高速で処理するとこのように聞こえる。
ちなみに「ちょwww」の部分は本来は「調子はどうだい?」と言っているらしい。
(マリアって呼んでね!)
「血の輪廻」の登場人物「マリア・ラーネッド」より。
双剣『マクシム』『ステラ』 / 「キジン流奥義」 / 「ムンッ! ムンッ! ハァイ!」
「白夜の協奏曲」の登場人物「マクシーム・キシン」より。「ステラソード」という名の武器を持つ、キシン流という武術の使い手。特定の技において「キシン流奥義!」という掛け声がある。EPISODE3における掛け声以降の発言は大体元ネタの通り。ジャンプの際の掛け声は「ムッ.ムッ.ホァイ」とか表現されている。
赤月城
シリーズにおいて、悪魔城は同じような形容(神出鬼没など)をされている。
「Show Time!」 / 「マリア!」「テルミット!」
「ギャラリーオブラビリンス」のタイトル画面でボタンを押すと、「Show Time!」の掛け声が入る。本編では2人を入れ替えながら進むシステムで、入れ替わる際に仲間の名を呼ぶので、連続で入れ替わるとEPISODE9のような感じになる。
「空即是色!」 / 「トゥ、エィッ」
「暁月の円舞曲」の登場人物「ユリウス・ベルモンド」より。「Harmony of Despair」において、高速で横方向に移動する「色即是空」という技がある。「暁月の円舞曲」における飛び蹴りの掛け声が「ドゥエ!」と形容されている。
「IGYAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
シリーズの探索型作品の動画において、エンディングになるとこれと似たコメントが多数見受けられる。
宝剣アルダマンウェ
「月下の夜想曲」で初登場した武器「ヴァルマンウェ」より?
この作品においてはやたらと性能が高い。
ちなみに、テルミットのSTORYで先に名前が出ている。
ザガンファントム / 「ヴォーーッ!!」
「白夜の協奏曲」において、「ファントム」と名の付くボスが存在する。撃破時の断末魔が「ヴォーーッ!!」となっている。
「長く苦しい戦いだった……」
シリーズの動画において、最終ボス撃破時に見受けられるコメント。略称「NKT」。
1マクシム
「白夜の協奏曲」のマクシームによるT.A.S動画においてのスタート(電源ON)からクリア(操作最終入力)までにかかる所要時間が「1マクシーム」と呼ばれている。
マリアが追加された2019年1月時点での1マクシームは23秒弱であり、「20秒ちょいくらい」という記述に一致する。
ちなみに現在ではこの23秒弱が基準として扱われており、2022年5月現在の『キャッスルヴァニア』の日本最速記録は20.38秒、マクシーム換算すると0.89661マクシームである。
デレデレデェェェン
「白夜の協奏曲」のエンディング曲の出だしがこのように形容されている。
- デュエル進行中(状況:共闘中)
登場 | ねえ、どっちが先に敵を倒せるか、競争しようよ。このままじゃマンネリだし |
---|---|
攻撃 | 言うじゃん! Show Time!! |
ムンッ! ムンッ! ハァイ! | |
You can't hit me! ふっふっふ…当たらんよ! | |
撃破 | 長く苦しい戦いだった……デレデレデェェェン |
- リザルト
SSS | よし、これで完璧! たいへんよくできました |
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SS | ……とまぁ、余裕の勝利でハッピーエンド、わーいヤッター! |
S | かっこいいでしょー? こう見えても強いんだ! 本当だよ! |
A-AAA | 冗談。むしろようやく調子が出てきたところ! |
B-BBB | はは、息切れかい? ボクの華麗な身のこなしには遠く及ばないね |
C | あれ? おっかしいなー、あまりの出来事に何が何だかサッパリだったよ |
D | こんなことなら、ずっと1人で生きていればよかったー! |
- その他(NEW~)
マップ選択 | マップを選択しておくれよ! |
---|---|
チケット選択 | チケットを選択しておくれよ! |
コース選択 | コースを選択しておくれよ! |
クラスエンブレム更新 | クラスエンブレムを更新したんだけど、何それ? ザコラッシュ? |
ソート変更 | 〇〇順でソートしたのさ! |
クエストクリア | |
限界突破 | トドメだ! キジン流奥義! デヤァ! ハァイ! ハァイ! ハァイ! ハァイ! デヤァ! ハァイ! デヤァ! |
コンティニュー? | コンティニューする? |
コンティニュー | ちょwwwよくやったwwwwww |
終了 | シーユーネクストプレイ! |
スキル
RANK | スキル |
---|---|
1 | エアーライド |
5 | |
10 | |
15 |
include:共通スキル
- エアーライド [TARGET]
- AIR/AIR-ACTION成功時にボーナスが入る。
- AIR-HOLDにはボーナスが入らない点に注意。リザルトのAIRのノート数(この数値にはAIR-HOLDも含む)が有効回数を超えているからといって使い切れると早合点しないように。
- 91回消費すれば初期値でもゲージ5本が可能だが、そのためには譜面を選ぶ必要がある。どちらのマップでも、スキル入手したてであれば5本狙いの選択肢には入るだろうか。+3からはゲージ6本が可能になり(191回消費)、+12からは7本可能になる(300回消費)。譜面は選ぶが、即死系以外で6本を狙うスキルの選択肢になり得る。詳細はこちらを参照。
- 筐体内の入手方法(2021/8/5時点):
- 筐体内では入手できない。
プレイ環境 | 最大 | |
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開始時期 | ガチャ | |
PARADISE× (2021/8/5~) | 無し | × |
あり | ||
PARADISE (~2021/8/4) | 無し | +3 |
あり | +17 | |
CRYSTAL | 無し | +7 |
あり | +17 | |
AMAZON | 無し | +11 |
あり | +17 | |
STAR+以前 |
GRADE | 効果 | |
---|---|---|
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要 (2021/8/5以降では未登場) | ||
初期値 | AIR/AIR-ACTION成功時に ボーナス +220 (150回=33000) | |
+1 | 〃 (165回=36300) | |
+2 | 〃 (180回=39600) | |
+3 | 〃 (195回=42900) | |
+4 | 〃 (210回=46200) | |
+5 | 〃 (225回=49500) | |
+6 | 〃 (240回=52800) | |
+7 | 〃 (255回=56100) | |
+8 | 〃 (270回=59400) | |
+9 | 〃 (285回=62700) | |
+10 | 〃 (290回=63800) | |
+11 | 〃 (295回=64900) | |
+12 | 〃 (300回=66000) | |
+13 | 〃 (305回=67100) | |
+14 | 〃 (310回=68200) | |
+15 | 〃 (315回=69300) | |
+16 | 〃 (320回=70400) | |
+17 | 〃 (325回=71500) | |
理論値:102900(6本+2900/22k)[+3] | ||
理論値:116100(6本+14100/22k)[+7] | ||
理論値:124900(6本+22900/24k)[+11] | ||
理論値:131500(7本+5500/26k)[+17] |
所有キャラ【 NEO / 天音エイジ(1,5) / ミミ / マリーメイア / 舞浜 優芽 】
AIRバージョンから有効回数が変更されている。
初期値では減少しているが、GRADEによる差分と所有者が増加したことにより、最終的には変更前より増加している。
初期値 | AIR/AIR-ACTION成功時にボーナス +220(165回=36300) |
---|---|
GRADE UP | AIR/AIR-ACTIONボーナス 5回増加(最大180回) |
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
スキル | Ep.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル | |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル | |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル | |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | |
スキル | |||||
~50 | |||||
スキル | |||||
~100 | |||||
スキル |
STORY
よし、これで完璧。
改めまして、ボクは『マリーメイア』。
みんなからは『マリア』って呼ばれてる。
それからこの両手の剣は『マクシム』と『ステラ』
かっこいいでしょー?
え、この耳?
うん、そうそう、ボクは『ウェアウルフ』!
人間のキミたちとはちょっと違うんだけど……。
まぁ、ちょっと力が強くて足が速くて可愛いぐらいの差だから、一緒に仲良くしてくれると嬉しいな!
そんなわけで、ここから始まるのは人間とウェアウルフと吸血鬼の大大大大大冒険!
え、そんなに長くないって?
まぁ、とにかく見ていっておくれよ、これは可愛いボクと不思議な彼女との一期一会、合縁奇縁のお話なんだ。
「白薔薇の咎人かぁ……」
辿り着いた町は、とにかく暗い空気に覆われていた。
町の人々も元気がなく、せっかく可愛いボクに会えたっていうのに笑顔も見せてくれないなんて。
とにかく、ボクに課された任務は難しい内容だった。
今からひと月ほど前、法皇様が逝去した……。
それは、世間には秘められているけれど自然死ではない。他殺なのだという。
そうしてボクのもとに来たのが『白薔薇の咎人を討て』という命だった。
『白薔薇の咎人』は、よりによって元教会のヴァンパイアハンターで、元子爵。
……それなのに、実は彼女はヴァンパイアで法皇様を殺したっていうから、驚きだよね!
(……『白薔薇の咎人』は、エリートヴァンパイアハンターだって聞いてたのに。……なんだかショックだなぁ)
とはいえ、吸血鬼であることが分かっているなら話は早い。ボクは吸血鬼狩りの精鋭だからね。
そこで吸血鬼の目撃情報のあった、この町にやって来たんだ。
どうもここの領主は圧政を強いるらしく、町全体が夏場に外に置きっぱなしにしたパンみたいにじめじめして、今にもカビが生えそうだ。
そんな中、怪しい人影が動いた。人影はそのまま領主の館に入っていく。
(……あの身のこなしは、人間じゃない!)
後をつけてボクもそのまま屋敷に入ると……。
そこにいたのはなんと、巨大な吸血鬼だった!
「ペポゥ……グルボァァァ!!!」
ボクの背丈の3倍はあろうかという吸血鬼が吠える。
「うーん、確かに吸血鬼だけど、これじゃ白薔薇っていうより牛肉のバラって感じじゃないか?」
ミノタウロス種の吸血鬼は目の前のボクに向かって、力任せに思いっきり突っ込んでくる。
こんな獰猛な吸血鬼がいたら周りの騎士団が見逃すはずはない。
となると、この町の領主であるハーゲンティがコイツなのか。
「準備体操がてら、討伐しておきますか!」
吸血鬼ハーゲンティはとにかく力強く、その体格から繰り出される拳や戦斧は大地を引き裂く。
けれど、ボクの華麗な身のこなしとこの両手剣、マクシムとステラには遠く及ばない。
「ウグルブゥ……ペポゥ……」
「はは、息切れかい? トドメだ! キジン流奥義! デヤァ! ハァイ! ハァイ! ハァイ! ハァイ! デヤァ! ハァイ! デヤァ!」
次々に繰り出したボクの剣閃はハーゲンティの強靭な肉体をいともたやすく切裂いていく。
気が付けばハーゲンティの肉体はバラバラに引き裂かれていた……、牛肉のバラだけにね。
……とまぁ、余裕の勝利だと思っていたんだ、少なくとも、この時までは。
「ペ……グ……ァ……」
「な、なにっ!?」
トドメを刺したかと思いきや、ハーゲンティはまだ生きていた。
いや、“死にながらボクの足を掴んでいる”、そういう状態だった。
「……ポゥ……ジ……ロ……」
「道連れにする気かッ!」
まずい、このままじゃ……。
――その時、ハーゲンティの動きが止まる。倒れた奴の胸を一振りの銀の剣が貫いていた。
灰となり朽ち果てていくハーゲンティ。そこに立っていたのは、白と黒の間に立つかのような美少女だった。
この可愛いボクが言うんだから、それはもうとびきりの美少女さ。
例えるなら、そう、まるで『白薔薇』のような……。
「……ってまさか、キミが白薔薇の咎人……。テルミット・ヴィエルジュ……?」
「咎人と呼ばれる覚えはないが、いかにも、私がテルミットだ……」
そこから先は話を聞いてなどいられなかった。
吸血鬼は討つ、それがボクの生きる意味だ。
ボクの育ての親である伯爵は、吸血鬼に殺された。人とウェアウルフの間に生まれ、捨てられたボクをここまで育ててくれた伯爵。
だからボクは、吸血鬼を討つ。討たねばならない……そう決めたんだ。
「くっ……この! 吸血鬼め……!」
それなのに、テルミットは戦おうとすらしない。逃げて、かわして、また逃げて。
……いや、違う!気がつけばテルミットに背後を取られ、組み伏せられていた。
「落ち着きなさい、ウェアウルフの騎士。私は貴方に、話を聞いてもらいたいだけ……」
それからテルミットは語り始めた。
「まず、私は吸血鬼の血は引いていますが……。あくまでヴァンパイア・ハーフ。そして、今でもれっきとしたヴァンパイアハンターであり、人間の味方だ。ウェアウルフの貴女なら、しっかり匂いを嗅げば見分けはつくでしょう?」
くんくん。
……本当だ、テルミットは完全な吸血鬼ではない。じゃあなぜ咎人に?
「先の法皇を討ったのは私だ。でも奴は、吸血鬼の王とされる『赤月の狂王』だった。そして倒れた今も尚、吸血鬼の牙は教会内部にまだ多く広がっていることでしょう。私はヴァンパイアハンターとして、残された吸血鬼たちを討ち果たさなくてはならない」
……にわかには信じられなかった。けれど、彼女が今でも人間の味方だというのは何となく納得できる気がした。
でなければ、彼女はとっくの昔にボクに止めを刺しているだろう。
「……わかった。キミの言うことは信じ……」
とその時、館の扉が開き、多くの軍人が押し寄せてきた。
彼らは……騎士団だ!
館に駆けつけた騎士団は、ボクが所属する聖騎士団だった。
「みんな……サブナック団長まで!」
単独調査を進めていたボクのもとにどうして団長たち騎士団が現れたのかはよくわからないけど……。
とりあえずよかった、ひとまずテルミットのことをみんなに相談できる。いくらボクでもあまりの出来事に何が何だかサッパリだったし、何より前法皇が吸血鬼だったって話も気になる。
「総員、配置につけ! 矢を構えよ!」
……あれ? なんかテルミットだけじゃなくて、ボクにも矢先が向いていないか?
「だ、団長? ボクだよ、マリーメイア・クレスケンスだよ!」
「……マズいわね……」
テルミットがボクの拘束を弱める。すると……。
「撃て!」
バババババ!! たちまち僕たちに向かって矢の雨が降り注ぐ!
「なんでそうなるの~~!?」
気がつくとボクは走り出していた。いや、余程のバカか破滅願望のあるヤツでない限りは誰だってそうする! だって命が惜しいからね!
「ここは一旦逃げるべきだ!」
「もう逃げてる! これじゃ戻りようがないよ!」
何かが焦げている臭いもしてきた。サブナック団長め、館に火を点けたな!
これマジでボクたちを始末する気じゃん!
「こっちだ!」
「ひえぇ~~!」
こうして見事、ボクは白薔薇の咎人と一緒に追われる身となったのだった。
「あそこで攻撃してきたということは、団長のサブナックもまず吸血鬼側と見ていいでしょう」
逃げ込んだ先の洞窟でテルミットは語る。でも……。
「サブナック団長は、今までだってボクと一緒に吸血鬼から街や人々を守ってきたのに……」
テルミットの言葉をまだ少し信じ切れていない部分があったのだ。
だから、ボクはサブナック団長にもう一度だけ、会いに行こうと決めた。
日が落ちて、人気が少なくなった聖騎士団の詰め所にボクはこっそり忍び込んだ。
「おお、マリーメイア。よく戻ってきてくれたな」
団長は笑顔でボクを迎えた。……そうだ、これがいつもの団長なんだ。
「団長、日中の出来事はいったい……」
聞きたいことは山ほどある。そう思って聞いてみたけれど、返事がない。
「……ああ、本当によく帰ってきてくれたよ。おかげで、殺しにいく手間が省けた!」
そこにあったのは、明確な殺気。
「そんな、団長……」
サブナックは、自分の血液で作り上げた槍を持ち、同じく血液で作った馬に騎乗し、ボクに襲い掛かってきた!
ボクは、ただ逃げることしかできなかった。怖かったわけじゃない。ただ、ショックだった。
「死ね、マリーメイア!」
「こんなことなら、ずっと1人で生きていればよかったー!」
「……だから言ったのよ……」
その刹那、突如として幾多の風がボクの身体を掠め、空気が引き裂かれるような音が耳を叩いた。
「グ、あ……」
次に目を開けた時には、サブナックは切り刻まれていた。やったのはもちろん、彼女しかいない。
「テルミット……!」
「勘違いしないで、貴女に死なれると、私も目覚めが悪くなりそうなので」
「うぅ……ありがとぉ……」
涙が出てくる。テルミットは何を考えているのかよく分からない少女だったけれども、今は彼女がかけてくれる言葉が温かかった。
「あっ、私の服で拭かないでください! 涙とか鼻水とか、き、汚いので……! ほら、きちんと立ちなさい。まだやることは山積みなのだから……」
テルミットはハンカチを出しながら続ける。
「話によれば、最近騎士団長となった男に黒い噂があるとのこと。なぜか多額の寄付金を受け取っていると……」
その寄付金を出しているというのは、豪商ガミジン。この国で商いをしていれば知らぬ者はいない、有名人だ。
そうしてボクたちは、事の真相を確かめるためにガミジンのもとへと向かった……のだけど……。
「……なに、これ?」
ガミジンの屋敷は、いつの間にか黒く大きなお城へと変貌を遂げていた。
「あれは……赤月城! 神出鬼没にして千変万化、幻の吸血城……!……そんな、まさか、奴が復活したというのか!?」
テルミットは微妙に興奮した様子だ。どうも『赤月城』というのは、吸血鬼の王である赤月の狂王のお城なのだと言う。
「えっ!? 赤月の狂王って、先代の法皇だったんでしょう!? キミが倒したんじゃないの!?」
「……そのはず……とにかく中に入って確かめてみましょう」
もはやガミジンが吸血鬼であることは疑う余地がない。ということで早速、赤月城へ潜入していくボクらだったが……。
「こいつら、なんて数だ……」
「吸血鬼の眷属のようです……。また怖気づきましたか?」
「冗談。むしろようやく調子が出てきたところ!」
話ながらも、敵を踏み飛ばすように颯爽と城の中を進んでいく。
「ねえ、どっちが先に敵を倒せるか、競争しようよ。このままじゃマンネリだし」
「……いいでしょう。とはいえ、私が勝つと思いますが」
「言うじゃん! Show Time!!」
「空即是色!」
どれだけ進んでも、敵の数は尽きない。ボクらは硬いのから柔らかいのまで、全ての眷属をなぎ倒す。
テルミットは『トゥ、エィッ』と言いながら高速で移動するワザを使い、すごい速度で敵を切り伏せていく。
ならボクはキジン流の回転を加えた高速移動で『ムンッ! ムンッ! ハァイ!』とリズム良く敵を圧倒するのだ。
この掛け声は必要なのかって? もちろん、必殺技には声もなきゃ寂しいでしょ?
でも確かに字で書くとちょっとかっこ悪いなぁ……。
「……ついに到着かぁ……」
「ここからが本番です。油断しないようにね」
釘を刺すように横目で注意してくるテルミットはまるでボクのお姉ちゃんみたいだ。
あれ? でもおっかしいなー、ボクの方がお姉ちゃんなんだけどな……。
「よくぞ辿り着いたな、ヴァンパイアハンターよ。我がネクロマンスで、もてなすとしようではないか」
玉座の間でボクたちを迎え入れたのは、顔色の悪い如何にも悪役って感じの大男、ガミジンだ。
ガミジンが手を一振りすると、部屋の中央、玉座の周りにあった死体や骨が動き出す。
「そうか、お前だったのか、ザガン復活を目論む噂の吸血鬼ネクロマンサーは……!」
「そ、そうだったのか! 許せないな!」
特に噂は知らなかったけど、ボクもなんとなくテルミットに合わせておく。
「フン、その通りよ。だがもう遅い! ザガン様の復活は間近に迫っている!」
どうやらマジでヤバい雰囲気が漂っている様子。こうなれば笑っている場合ではない。
「マリア、私と息を合わせられますか?」
「……いいよ。手を、繋いでくれるなら」
恥ずかしいけど、内心すごく怖かったボクは、テルミットに手を握って欲しいってお願いをしていた。
テルミットは迷うことなくボクの手を取り微笑む。
なんだか凄く勇気が湧き出てきたボクたちは道中よりも息の合ったコンビネーションでガミジンに怒涛の攻撃を仕掛けていく。
「マリア!」
「テルミット!」
「マリア!」
「テルミット!」
「マリア!」
「テルミット!」
ボクたちは瞬時に立ち位置を変えながら互いをかばい合い、着実にガミジンにダメージを与えていった。
「……これで!」
「トドメだ!」
2人同時の一撃が、ガミジンの心臓を貫いた。
「IGYAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
ガミジンが断末魔の叫びを上げると共にその身体は砂となり、闇に消えていく。
「や、やった!?」
「いいえ、まだよ!」
テルミットが言い終わるよりも早く、部屋全体が赤く光り出す。
そう、ガミジンは最期、己の命を触媒とし、魔法陣を完成させてしまった!
黒い、何かがそこに立っていた。
「何、この感じ……」
「ザガン、邪悪の化身とも言える赤月の狂王、かつて私が倒した吸血鬼であり、前法皇です。それが歪な形であれ、影として蘇った……!」
ザガン、いや、ザガンファントムは不完全な意思体のように見えた。
すると、近くにあった吸血鬼の骸がザガンファントムに吸収され、質量を持った触手として襲いかかってきた!
「危ない、マリア!」
ボクを狙う触手の前にテルミットが立ちはだかる。だが……。
「うあ……!」
彼女の剣を持ってしても四方から襲い来る触手を全て捌ききることはできず、テルミットはあちこちに怪我を負っている。
「テルミット……!」
「……大丈夫。それよりも、奴に集中して! 一度ザガンを葬った、この宝剣アルダマンウェと貴方のキジン流の奥義であれば、きっと倒せるはず……。だから……」
「……うん、わかった。ボクが道を切り開く……テルミットはそのまま突っ走って!」
再び死肉の触手が襲ってくる。それら全てをマクシム、ステラの両手剣で次々と薙ぎ払っていく。
大丈夫、テルミットなら必ずやる。手を握ってくれた時に伝わった彼女の温もりがそれまでの不安を吹き飛ばしてくれた。
ボクは信じているのだ、テルミットのことを。
「再び眠りにつけ、ザガン!」
「これで終わりだよ、触手野郎!」
アルダマンウェ、マクシム、ステラがザガンファントムの身体を引き裂いた。
「ヴォーーッ!!」
最期に薄い叫び声を上げながら、影が闇に溶けていく。
ザガンファントムは、完全に消滅した。
――翌朝。
「長く苦しい戦いだった……」
なんて言いながら隠れ家で目を覚ましたボクを待ち受けていたのは、テルミットからの一報だった。
「……ダメね、街では依然としてマリアはお尋ね者になっているみたい」
「え、えええーーーーーーー!!!!」
ボクは1マクシムぐらい叫んだ。
(※1マクシムとは、ボクのマクシムで100匹の雑魚吸血鬼を倒すのにかかる秒数のこと。ちなみに現在は20秒ちょいくらい)
「えっ、ちょっと待ってよ!? なんで!? ボスの吸血鬼倒したんだから、普通ここはもとの生活に戻ってハッピーエンド、わーいヤッター! が筋じゃない!? 普通だったら今、エピローグとかでしょ!?」
心の中でデレデレデェェェンと鳴り響いていたファンファーレが、ピタッと止まる。
「私には、気の毒としか言えないわね……」
「そんなぁ……。街では結構いい暮らしができてたのに……」
「……よければ、私と一緒に来ませんか? お尋ね者であることには変わりないし、行く当てもなく、吸血鬼を狩ることのみが目的の旅ではあるけれど……」
「テ、テルミット……!」
優しく差し出されたテルミットの手をボクは両手で握り返した。
それは優しさへの感謝と、同行への同意、両方の意味を兼ねていた握手だった。
……こうして、万事ハッピーというわけではなかったけれども、ボクはなんだかすごく信頼の置ける仲間と出会い、旅に出た。
ボクとお姉……じゃなくてテルミットの戦いは、まだまだ終わらないのさ!
チュウニズム大戦
レーベル | 難易度 | スコア | |
---|---|---|---|
スキル名/効果/備考 | |||
●リレイ | BASIC | 0 / 130 / 260 | |
エアーフリック(カード入れ替え) | |||
自分と次のプレイヤーは今回と一番下のカードの 位置を入れ替える。一番下の効果は発動しない。 |
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チュウニズムな名無し
392022年05月26日 05:02 ID:rscf93c0HP表記(殴る方の演出)のデュエルが開催されたらキャラアイコンをマリーメイアにします
頑張ってクリティカルを出します
キジン流奥義!デヤア!ハァイ!ハァイ!ハァイ!ハァイ!デヤア!ハァイ!デヤア!
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チュウニズムな名無し
382022年05月22日 19:34 ID:bu35yqfhランクDボイス(正確版)
「ふぁ〜!こんなことなら、ずっと1人で生きていればよかったー!」
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チュウニズムな名無し
372022年05月22日 10:06 ID:ourebi3sストーリー読んでたらト○カイテイオーボイスで脳内再生された
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チュウニズムな名無し
362022年05月21日 18:02 ID:a0hh1mpzここがアタランヨオリンピック開催地ですか?
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チュウニズムな名無し
352022年05月18日 23:10 ID:cnht5tkg「当たらんよ」に対応するなら「You 『can't』 hit me!」じゃないかな
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チュウニズムな名無し
342022年05月15日 01:51 ID:k1o7kuf5ドゥエル、もといデュエルですらネタまみれで笑った
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チュウニズムな名無し
332022年05月14日 13:44 ID:spit4z2sムッムッホァイ!
って言ったあとの撃破ボイスがNKTでワロタ
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チュウニズムな名無し
322022年05月12日 23:57 ID:h57pp22iデュエルの被弾ボイス
「言うじゃん! Show Time!」
「You can hit me! ふっふっふ…当たらんよ!」
「ムン!ムン!ハァイ!」
です
真ん中のセリフはニンテンドーDSソフトの悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印の本編クリア後に使用できるキャラのアルバスがワープ(DSの下画面をタッチするとその位置にアルバスが移動)する際に発する声で、
海外版では「You can hit me!」、
日本版では「フッフッフ…」「当たらんよ…」と喋ります
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し