【白猫】オーバードライブ紅蓮 Story1
目次
story1 迫りくる脅威
ひ、ひいい……やめろ!来るな!
応戦しろ!
撃て!
無傷だと!
ぎぃやああああ!!
ぐあああああ!!
わ、私は評議員だぞ!
…………
……
ジャコモ警吏 | ヤコポ警吏 |
---|
これはヒドイな……
大型の魔物に、襲われたようです。ううっ……酷い……
??? |
---|
問題はそんな魔物がどうして街中にあらわれたか、ですね。
き、きみ!入ってはだめだ!
ああ、<彼女>はいいんだ……彼女は……
どうしてです、こんな……
こんなものを、見ちゃいけない……
被害者は16人。全員が、攻撃魔法の使い手。
<少女は、死体の傍らに転がるルーンを見つめた。>
稲妻のルーン……大抵の魔物に有効なはずね。
攻撃魔法の一斉射撃を受けても、逃げも倒れもせずに暴れまわった……
彼女は<花園>の一員だ。経験も豊富と聞いている。
では……この魔物は、禁忌の存在なんですか?
花園は禁忌を封じる。彼らが動いたということは、そういうことかもな。
逃走経路はあっちね。内側から壁が破られている。外側からは侵入の形跡なし。
この魔物……どこから侵入したのかしら?
…………
……
コーヒーおまたせしました。
あんがとね~レクトちゃん。
ごゆっくりどうぞ。
聞いたかねマスター。街中でえらい魔物が出たって。
そうらしいですね。
魔物!あら怖いわねぇ~。
噂じゃあ、魔術院から逃げたっていうじゃねえの……ブッソウな世の中になったもんだ。
あら、なかなかにロックなお店。
いらっしゃいませ。何になさいますか?
ロックな店員さんね。ネヴィルさんはいる?
私ですが。
私はリネア。魔法学園の生徒で、フィールドワーク中。
ええっと、ご注文は……
コーヒー。ネヴィルさんに、ちょ~っと伺いたいことがありまして。
マスターに?
プロの意見を、ほしいんです。プロの冒険家の。
story2 哀愁のカフェ
私がプロの冒険家だったのは、だいぶ昔のことですよ。
いえいえ。遺跡の発掘に貢献した、名うての冒険家って聞いてますよ?
買い被りですよ。お嬢さん。
そんなネヴィルさんに質問。魔法による攻撃に強くて、ドラゴンなみに力が強くて、人間を恐れない。
そんな魔物に、心当たりはありませんか?
ふむ……見当がつきませんな。
バイト君はどう?
ええっと、レクトです。それって最近話題になってる<クーリアの魔獣>ですよね。
当たり。魔法原理学部のフィールドワークなの。
フィールドワークで魔物を追うなんて、危なくないですか?
危険っちゃ危険だけど……あたしは鍛えてるからね。
魔獣を、甘く見ない方がいいですよ。お嬢さん。
ぼく……魔法工学部でよかったなあ……
あらら、バイト君も魔法学園に通ってたのね。
通ってるんです。コーヒー、どうぞ。
どもども~。ふー。
えっと……リネアさん。
リネアでいいわ。レクト。
マスターは……ネヴィルさんは、冒険家時代のことは、話してくれないと思うよ。
じゃあ、レクトが聞いてよ。
僕、魔法工学部なんだけど……
それって関係ある?
<リネアは、カウンターの写真に目をとめた。>
この写真、若い頃のマスター?隣のきれいな人は、マスターの奥さん?
そうだけど……あの……亡くなってるんだ。あまり聞かないでくれると……
ゴメン。あたしデリカシーゼロだったわね。おわびに何か頼むわ。
あ、ありがとう……ございます。
ところでオススメはなに?
…………
……
女の子と10分以上もしゃべってしまった。
明日は雨かな……?
レクト。
お、おじさんのことは……あんまりしゃべってないよ。
私のことはいいさ。ただ、冒険家時代のころは……なんだか気まずくてな。
ゴメン。
私の話で彼女との距離が近づくんなら、むしろ光栄だ。
きょり?あ、あの……えーと……
冒険と同じだ、レクト……人が何かに挑むとき、チャンスは必ず訪れる。
ホントに……?
チャンスは逃すな。レクト。逃さず、ものにしろ。
チャンス……!
story3 惨劇再び
……落ち着きなさい。リネア、落ち着いて――
すう……はあ……
<周囲には、魔術士たちの亡骸が転がっている……!>
グシャグシャだ……畜生……
人間の仕業じゃあないな。こいつは……
被害者たちは……冒険家のようですね。
<ベテラン警吏は、亡骸の一つに目をやった。>
こいつ、ゴビノーじゃないか……?
ゴビノー……?
…………
……
<リネアは、手帳を見ながら、悩んでいた。>
(ゴビノーはあたしたち花園がマークしていた、魔導書の密売人。
リブリから持ち出し厳禁の魔導書を持ち出した容疑がかけられてたわね)
<リブリとは、世界中の知識が集められたスキエンティアの国立図書館である。>
(あの評議員は、魔術の規制法案を進めてるって話だったわね。ゴビノーとどんな関係が?)
<リネアは、コーヒーを口にした……>
ふう……ひどい目にあった。おじさんは……?おっと、書置きがあるね……
なになに。買い出しに行く。戻りは夕方になるので、店をよろしく……?
ごめんよ~。おや、聞いたかねレクト。今度は海の方に<魔獣>が出たそうじゃよ。
魔獣!?
う、海に……?へえ、そうなんだ……
おじいさん!その話、詳しく聞かせて!
お、おう……すごいケンマクだねえ、お嬢ちゃん。
魔獣の姿を見た人がいるんですか!?
ああ、港のほうさ。なんでも飛行艇を沈めたらしい。
レクト、お勘定!こうしちゃいられないわ!
あっ、ありがとうございました!ってあれ!リネア、お釣り!お釣りは!
おーいレクト!店はどーするんじゃーい!
…………
……
<目の前には、巨大な飛行艇の残骸がある。>
……派手にやったわね。これでけが人ゼロってほんとかしら。
ほんとだよ!
でも、魔物に襲われたのよね。魔物はどうしたの?
<ひこうてい>といっしょに、海におっこちたの!
飛行艇を襲ったにしては、状況がおかしいわね……?
story4 魔獣咆哮
飛行艇を襲うのが目的なら、どうして一緒に海に落ちたの?
むしろ、墜落しようとしていた飛行艇を支えて不時着したんじゃ……?
おい、野次馬は向こうにいってろ。
あんたらは?
事故の調査を依頼されたものだ。現場から離れてくれ。
(あらあら、いったいどんな調査なのかしらね?)
…………
……
ええっと、港にいったんなら、多分あそこにいるはず……
あれ?どこにいくの?ちょっと!
…………
……
<リネアは魔術士を尾行する……>
あいつらが運んでるのは、飛行艇の残骸だわ。どうしてあんなものを?
<二人の男は、とある屋敷に入っていった。>
魔獣について調べてる連中なら、評議員やゴビノーと何か関係があるかもだわ。
ってことなら…………ちょっとお邪魔しなきゃね。
…………
……
今度は飛行艇とはな。あの魔獣だが……<闇>であるという可能性はないのか?
その前に、<闇>の定義を聞かせてもらいたいな。
無駄な議論をするな。あれは連邦の作った合成魔獣に決まっている。
<リネアは、物陰に隠れながら、様子をうかがう……>
評議員のゲルハルト?
しかし、合成魔獣なら瘴気が検出されるはずです。
だったらなんだというんだ?瘴気を出さない合成魔獣がいるかもしれないだろ!
上司にしたくないタイプね……えっ?
こ、こいつは……!?
どこから入ったんだ!?
クーリアの魔獣……!!
グォォォォォ!!
なんだ……こいつはっ!!
備えはしてあるとも。フフフ……この熱量に耐えられるか!
…………グルル
ぎゅええええ!?
バカな……無傷だと!?ぐはあああ!!
魔法が通用しない――どんな攻撃も――
は、ははは……いったい、こい、つは……何なんだ……!
逃げて!
くそっ!!退避する!!いいかお前たち、給料分は働くんだぞ!
<その場に……動くものはいなくなった。>
<魔獣と、リネア以外――>
その姿。その力……あんたのそれは<禁忌>ね。
だったら私は、それを狩る!
グオオオ!!
速い……それに、この動き……!
こうなったら――奥の手を――
!?
<それは――空から来た。>
ウソっ……魔獣が――二体!?
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