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CHUNITHM攻略wiki

闇よりも深い黒に染まるバーニッシュ

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作成者: ゲストユーザー
最終更新者: ゲストユーザー

【キャラ一覧( 無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE / NEW / SUN )】【マップ一覧( NEW / SUN )】


Illustrator:御船麻砥


名前バーニッシュ
年齢23歳
職業ヴィジュアライズ・ロック・ミュージシャン
時代現代

人気絶頂のハードロックユニットのボーカルを務める人物。

バーニッシュ【 通常 / 闇よりも深い黒に染まる 】

彼はそれでも自分の未来を自分で切り開く。

例え、煉獄の悪神による呪いで自分自身を焼け失ってまでも──。

スキル

RANK獲得スキルシード個数
1勇気のしるし×5
5×1
10×5
15×1
25限界突破の証×1
50真・限界突破の証×1
100絆・限界突破の証×1

  • コンボバースト【NEW】 [ABSOLUTE]
  • 一定コンボごとにボーナスがある、強制終了のリスクを負うスキル。道化師の狂気【NEW】と比べて、コンボノルマが1.5倍になる代わりにJUSTICE以下許容+100回となっている。
  • NEW初回プレイ時に入手できるスキルシードは、PARADISE LOSTまでに入手したDANGER系スキルの合計所持数と合計GRADEに応じて変化する(推定最大49個(GRADE50))。
  • GRADE100を超えるとボーナス増加量が鈍化(+10→+5)する。
  • スキルシードは300個以上入手できるが、GRADE300でボーナスの増加が打ち止めとなる
  • CHUNITHM SUNにて、スキル名称が「勇気のしるし」から変更された。
効果
150コンボごとにボーナス +????
JUSTICE以下150回で強制終了
GRADEボーナス
1+6000
2+6010
11+6100
21+6200
31+6300
41+6400
50+6490
▲PARADISE LOST引継ぎ上限
61+6600
81+6800
102+7000
142+7200
182+7400
222+7600
262+7800
300+7990
推定データ
n
(1~100)
+5990
+(n x 10)
シード+1+10
シード+5+50
n
(101~300)
+6490
+(n x 5)
シード+1+5
シード+5+25
プレイ環境と最大GRADEの関係
開始時期最大GRADEボーナス
NEW+289+7935
NEW337+7990
~PARADISE×386
2022/6/9時点
GRADE・ゲージ本数ごとの必要発動回数

※NEW稼働時点でゲージ5本以降の到達に必要な総ゲージ量が変更。必要なゲージ量を検証する必要があります。

  • ノルマが変わるGRADEおよびGRADE300のみ抜粋して表記。
GRADE5本6本7本8本9本10本11本12本
1450
(3)
900
(6)
1350
(9)
1800
(12)
2400
(16)
3000
(20)
3750
(25)
41450
(3)
900
(6)
1350
(9)
1800
(12)
2250
(15)
2850
(19)
3600
(24)
56450
(3)
900
(6)
1350
(9)
1650
(11)
2250
(15)
2850
(19)
3450
(23)
76450
(3)
900
(6)
1200
(8)
1650
(11)
2250
(15)
2700
(18)
3450
(23)
87450
(3)
900
(6)
1200
(8)
1650
(11)
2100
(14)
2700
(18)
3300
(22)
114450
(3)
900
(6)
1200
(8)
1650
(11)
2100
(14)
2550
(17)
3300
(22)
131450
(3)
900
(6)
1200
(8)
1650
(11)
2100
(14)
2550
(17)
3150
(21)
142450
(3)
750
(5)
1200
(8)
1500
(10)
2100
(14)
2550
(17)
3150
(21)
179450
(3)
750
(5)
1200
(8)
1500
(10)
1950
(13)
2550
(17)
3150
(21)
202450
(3)
750
(5)
1200
(8)
1500
(10)
1950
(13)
2400
(16)
3000
(20)
245450
(3)
750
(5)
1050
(7)
1500
(10)
1950
(13)
2400
(16)
3000
(20)
281
(300)
450
(3)
750
(5)
1050
(7)
1500
(10)
1950
(13)
2400
(16)
2850
(19)
筐体内で入手できる所有キャラ
  • 登場時に入手期間が指定されていないマップで入手できるキャラ。
CHUNITHMマップで入手できるキャラクター
バージョンマップエリア
(マス数)
累計*2
(短縮)
キャラクター
NEWep.Ⅰ
side.A
6
(165マス)
480マス
(-80マス)
サルゴン
・フェルネス
7
(215マス)
695マス
(-110マス)
九十九 宗治郎
8
(265マス)
960マス
(-140マス)
ユグドラシル
ep.Ⅰ
sideB
3
(55マス)
95マス
(-20マス)
土呂城 ゆい
ep.Ⅲ3
(255マス)
535マス
(-20マス)
ミスラ
・テルセーラ
4
(375マス)
910マス
(-30マス)
ヨアキム
・イヤムル
NEW+ep.Ⅴ3
(375マス)
825マス
(-50マス)
エヴァ
・ラグエル
4
(455マス)
1240マス
(-90マス)
闇よりも深い黒に染まる
バーニッシュ
ゲキチュウマイマップで入手できるキャラクター
バージョンマップキャラクター
NEWイロドリミドリ
~僕らの学園フェス編
五十嵐 撫子
/僕らの学園フェス編
※1
萩原 七々瀬
/僕らの学園フェス編
※1
葛城 華
/僕らの学園フェス編
※1
小野 美苗
/僕らの学園フェス編
※1
オンゲキ日向 千夏※2
柏木 美亜※2
東雲 つむぎ※2
NEW+maimaiでらっくすしゃま
/UNiVERSE
みるく
/UNiVERSE

※1:入手には、同イベント進行度2までの全エリアのクリアが必要。

※2:入手には、同イベント進行度3までの全エリアのクリアが必要。

その他の条件を満たすことで入手できるキャラクター
  • 詳しい条件についてはキャラページを参照。
期間限定で入手できる所有キャラ
  • カードメイカーやEVENTマップといった登場時に期間終了日が告知されているキャラ。また、過去に筐体で入手できたが現在は筐体で入手ができなくなったキャラを含む。

▲ ページトップ

ランクテーブル

12345
スキルスキル
678910
スキル
1112131415
スキル
1617181920
 
2122232425
スキル
~50
スキル
~100
スキル

STORY


EPISODE1 時の進む世界「長い夢を見ていた。果てしなく長く、それでいてその場に留まりつづけているような、そんな悪夢を」

 「…………ぷはっ!!」


 水中から急浮上したかのように、俺の体は大きく息を吸いながら跳ね上がった。

 呼吸を整えながら状況を整理する。

 見慣れたベッド、ソファ、テーブル、床に散らばった楽譜の束。間違いない、ここは俺の部屋だ。

 壁にかかったネオン管があしらわれたデジタル時計に目をやると、『23:59』と示されている。

 しばらくそれを凝視していると、やがて『00:00』と表示されて日付が切り替わった。

 それを確認した俺は、強張った体をようやく弛緩させて息を吐く。


 ――なぜだ? なぜ俺は安堵している?

 時間が経ち、日付が変わる。こんな当たり前のことがどうしてこうも気になる?


 どうやら悪夢を見ていたらしい。

 額に浮かぶ脂汗を乱暴に拭いながらベッドを降りると、少しふらつきながらキッチンへと向かう。

 冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを一気に飲み干してから、先ほどまで見ていた“悪夢”を思い返す。


 ――確か俺は……何かと戦っていた。

 悔しいが、気合なんかじゃ太刀打ちできない、ブルッちまうほど巨大で強大な何かと。

 RPGのラスボスの如く、偉そうに眷属を連れたそいつに挑んだ俺は負け……そして取り込まれた。

 ヤツの中で、俺の身体はバラバラに分裂し細胞レベルで新たな肉体に作り替えられる。そんな感覚。

 その息苦しさに耐えかねて――俺は目を覚ました。

 荒唐無稽で笑っちまうような内容。

 だが、間違いなくそれは“悪夢”だった。


 「夢……だったんだよな。ただ、俺が俺じゃなくなるあの瞬間……何か光のようなものが……」


 五感、焦燥感、何もかもがあまりにリアルで、いまだに夢だと断定することができない。

 だがそんな夢の内容も、頭にモヤがかかったように急速に思い出せなくなっていく。

 よくある話だ。いずれすぐに日常は戻り、こんな夜があったことさえ忘れてしまうだろう。

 悪夢に飛び起きて焦っていた先ほどの自分を自嘲しながら、頭を振ったその時――


 「危ないところだった」


 さっきまで俺がいたリビング兼ベッドルームから、男の声がした。

 照明はついていない。冷蔵庫の明かりで瞳孔が閉じた俺の瞳は、闇の中にいるはずの姿を捉えられないでいる。


 「誰だ!!」


 窓が開いた感覚も、人の気配もなかったはず。

 ゴシップ記者か。それともイカレたファンか。

 どちらにしろ、俺の部屋に忍び込むなど真っ当なヤツじゃない。


 「そう警戒しなくてもいい。少なくとも私はお前に敵対するものではない」

 「なんて言われて納得するやつがいるのか?とはいえ……ゲストぶるならまずは挨拶でもしたらどうだ」

 「ほう。ヒトの子にしてはなかなかの胆力だな。オジーと対峙した上でこうして生きていられるのも、さもありなんと言ったところか」


 勝手に納得したような口ぶりでそう言った声の主が、悪びれるような様子も一切見せず堂々と続ける。


 「我が名はトリスメギストス。時にお前たちヒトからはこう呼ばれることもある。祝祭の神と」

EPISODE2 煉獄の呪縛「悪夢の次は神ときた。勘弁してくれ。俺はただバーニッシュとして歌を歌いたいだけなんだ」

 「神だと……?」

 「ああ。お前たちからすれば、そう定義したほうが理解しやすいのだろう」

 「ふっ。そこらの凡人と違って、俺はナチュラルでもトベると思っていたが……どうやら本気でイカレちまったのか」

 「お前の幻覚でも、私の狂言でもない。ふむ……どうやら肉体に意識が追いついてないようだ。ならば思い出させてやるとしよう」


 イカレた侵入者がそう言った瞬間、俺の部屋は目も開けられないほど眩しい光に包まれた。

 ステージを照らすスポットライトでもストロボでもない。どことなく太陽にも似た、暖かくも恐ろしい光。

 その光が、比喩表現ではなく実際に俺の体を突き抜けていったかと思うと、途端に猛烈な痛みに襲われ膝をつく。

 気づけば、いつの間にか俺の体には無数の生傷が刻まれていた。

 光を浴びたことによって生まれたものじゃない。俺は――この傷を知っている。


 「俺は……そうだ、俺は確か……」

 「思い出したか。お前の身に何が起こり、どんな結末を迎えたのかを」


 世界と俺との時間の流れを狂わせる“悪霊”によって、俺はひたすらに振り回されていた。

 反復、跳躍、逆行、消去。

 出来の悪いB級カルト映画のような反吐が出そうな時の果てに、俺は確かに見た。

 神々しさと禍々しさをその身に併せ持つ、煉獄の炎に焼かれる神を。

 俺は自分の世界を取り戻すため、この手で――


 「そう。お前は時の坩堝(るつぼ)から抜け出し、煉獄の狭間に迷い込んだ。そしてその地でG.O.Dに立ち向かい、飲み込まれた」

 「G.O.D……」

 「その肉体が無に帰す寸前、私が救い出したのだ。でなければ、お前は奴の眷族になっていたか、糧として食され、絞りカスへと成り果てていただろう」

 「……なるほど。あの夢は夢なんかじゃなかった。そして、俺はお前に命を救われたというわけか」

 「理解の早い者は嫌いではない。ただ、最悪の事態は免れたとはいえ、ひとつ問題がある」


 夜目が利いてきた。

 そこらのバンドなんか目じゃないほどド派手な姿をした神が、言いながらまっすぐ俺に向かって指を差す。


 「その体は、奴の残したG.O.Dの呪いに蝕まれている」

 「呪い……?」

 「ああ、時が来ればやがてお前は完全にG.O.Dに取り込まれてしまうだろう。今は私の力で封じている状態ではあるが」

 「……なるほど。他人事みたいに平気な顔で言ってるが、対策はあるんだろうな」

 「私ならその呪いを浄化することも容易い」

 「なら——」

 「そこで提案がある。私と契約しようではないか。呪いの浄化と引き換えに我が眷族となり、G.O.Dと戦うのだ。お前ほどの人間だ、やがて立派な戦士となるだろう」


 G.O.D、トリスメギストス、神、眷族、呪い。

 さすがの俺でも、それこそ悪夢みたいな話に多少混乱する。

 だが確かなのは、一連の話が事実である保証がないこと。そして、こいつが味方とは限らないことだ。


 「神を名乗る割には、呪いを人質にずいぶん卑怯な交渉を持ちかけるじゃないか」

 「人が神にどんな幻想を抱いているかは知らぬが、私としてはお前の力が欲しい。それだけだ」

 「ふん、ずいぶん物騒なスカウトだ」

 「すぐに答えを出さずとも良い。お前にも考える時間が必要だろう。心が決まったら私を呼べ」


 それだけ言うと、トリスメギストスは先ほどの光と共に部屋から消えた。

 部屋に残された俺は、窓に近寄ってカーテンを開け放つ。

 半月が放つ月明かり。そして、どこか遠くからサイレンの音が微かに聞こえる。

 何も変わらない、俺の住む見慣れた街。

 レコーディングにライブと、早く日常に戻りたいところだが、どうやらそれは許されないらしい。

 トリスメギストスによれば、俺は狂った時間旅行からやっかいな土産物を持って帰ってしまったのだという。


 「ふっ、笑っちまうな。どいつもこいつも胡散臭い。どうせ呪われるなら、音楽の神に呪われて欲しかったんだがな」


 俺は焦らない。生き方を変えることもない。

 何はともあれこうして現実に帰ってこれた。

 なら、俺は俺らしく歌い続けるだけだ。

 歌さえあれば、何が起きても構わないさ。

EPISODE3 最初で最後の3日目「絶好調で迎えるはずだった、3日目のギグ。だが、運命は動き出していた。俺の気づかぬうちに」

 翌朝。シャワーを浴びて身支度を整えてから、俺はスタジアムへと向かった。

 昨晩、時計の日付を見た時点で薄々そうじゃないかとは思っていたが、今日は俺のアリーナギグ3日目。つまり、俺が時間の渦に飲み込まれた最初の日だ。

 本来あるべきだった時間軸、その分岐点に俺は戻されたらしい。


 会場のセキュリティを顔パスで通り、まっすぐ向かった楽屋ではマネージャーとユニットメンバーがすでにやってきていた。

 これからリハーサルだというのに、緊張感のかけらもない。

 マネージャーはメンバーと一緒になって馬鹿話をしているし、このタイミングでしっかり飯を食おうとしているやつまでいる。

 今日のライブはいつも以上にうまくいく。俺はそう確信した。

 他のバンドがどうかは知らないが、俺たちはこれくらい抜けた空気のほうが性に合っているんだ。


 しばらくして、スタッフに呼ばれてステージへ向かうと、そこにはある意味“見慣れた”光景が広がっていた。

 バスドラムのヘッドに『Varnish』と書かれたドラムセット。スピーカーキャビネットを2台積んだギターのフルスタックアンプ。ベースアンプはこだわりを持って選び抜いたビンテージのレア物だ。そして、それらに取り囲まれるようにステージの中央には俺のマイクがスタンドで立てられている。

 何度も何度も繰り返したはずの光景。

 必死になってデモテープを作り、場末の箱でライブをこなしていた若手時代。

 やっと掴んだデビュー、『KOB』への参戦、ライブハウスからホール、ホールからアリーナ。

 楽な道じゃなかった。だが、輝かしい毎日だった。

 だからといって過去を繰り返したいとは思わない。俺は前に進み続ける。

 この光景もこれで最後だ。

 『今日というこの瞬間は2度と戻らない』。


 「では、そろそろリハ始めさせていただきまーす!」


 スピーカー越しにスタッフから声をかけられ、俺は軽く手を挙げて応える。メンバー達も各々の楽器を持ってポジションについた。

 自然と気持ちが高揚するのを感じる。

 たとえリハだろうが変わらない。歌を歌う、ただそれだけのことが、俺にとって最高に熱くなれる瞬間だから。 


 「ワン、ツー、スリー、フォー!」


 ――ドラムの4カウントで曲が始まる。

 疾走感のあるギターのリフを、ベースラインがしっかりと支えていく。

 複雑なリズムじゃない。あと1小節後にド頭から歌えばいい。

 …………来た。

 俺は丁寧に、だが小さくまとまりすぎないよう大胆さを入れて歌い出す。

 喉の調子は良い。ここ最近では最高といってもいいくらいだった。

 ああ、幸福だ。爆音にもみくちゃにされながら、歌を歌う。

 この瞬間を味わうためだけに俺は生きている。


 多幸感と全能感に満たされながら歌っていた俺が、異変に気づいたのは1コーラス目に差し掛かった時だった。

 初めは客席でリハをチェックしているスタッフ達の困惑する顔が見えた。

 そして、それと同様に戸惑いながら俺を見るメンバー達も。

 やがて曲の途中だというのにビートを刻むのをやめてしまったドラムを追うように、他のメンバーも音を止めてしまう。

 俺の気づかないうちに何かトラブルでもあったのか。そう思ってメンバーに声をかけようとしたその前に、誰よりも顔を真っ青にしたマネージャーが慌てて駆け寄ってくる。

 トラブルがあったのは、スタッフでもメンバーでも機材でもない。マネージャーは言った。「俺の声がおかしい」と。


 この日――俺は、ボーカリストとしての自分を失った。

EPISODE4 トランス「俺は歌える……だが、誰かに届くことはもうない。心を動かせない歌なんて、俺の歌なんかじゃねえ」

 セルフォンのモニターに次々と映し出される、ニュースサイトやSNS。そのどれもが俺についての話題で埋め尽くされている。

 『バーニッシュ、突然のツアー中止!』『まさかの失踪説! その真相は!?』

 そんな文句がひたすらに躍り狂っている。


 俺は、存在意義を失っていた。

 “音”としての俺の声は変わらない。録音して聴き直しても、間違いなく自分の声だった。

 だが“歌”としての俺の声は、何か別のものへと変質してしまったらしい。

 他人が聴く俺の歌は……何か金属を擦り合わせるような、それぞれが思う最大に不快な音を煮詰めたようなものになってしまったのだという。

 それは一時的なものではなかった。

 声は一向に治らず、ツアーは全て中止。当然その後の活動への目処が立つわけもなく、俺は無期限の活動休止を宣言した。

 ビジネスも考えなくちゃならなかったんだろう。マネージャーは休止にあたって本当の理由は隠し、休止さえもセンセーショナルなネタにしようと『バーニッシュは失踪した』とマスコミに発表していた。そのせいか、くだらない憶測やデマが無数に飛び交い、それは俺の元へもやってくる。


 「くそっ……歌えるものならとっくに歌っている!」


 セルフォンを壁に投げつけながらそうぼやくと、俺はベッドに身を投げ出した。

 歌わない俺を誰よりも一番嘆いているのは、マネージャーでも熱狂的なファンでもない。他ならぬ俺だ。

 歌うことはできる。でもそれだけじゃ意味がない。

 誰かが俺の歌を聴いてブチ上がる。そいつの心に取り返しのつかない爪痕を残す。ここまでがワンセットで俺が“歌う”意義なんだ。

 アルプスのなんたらかのように、誰もいないのどかな草原でひとり山に向かって歌えってか?

 冗談じゃない。


 ――オーケー、バーニッシュ。まずは冷静になれ。

 この世界でのし上がっていくにはクールさも必要だ。誰よりもそれを分かっているはずだろう?

 考えろ。こんなことになっちまったのは誰のせいか?そうだ、あのトリスメギストスの言うことが事実なら、それはG.O.Dとかいう炎野郎の仕業だ。

 だが、この際そんなことはどうでもいい。今重要なのは現状への対処だ。

 どうすればいい。考えろ、考えろ――


 とはいえ、何もかもがこれまでの常識がひっくり返ることばかりだ。考えたところで妙案は浮かばない。

 俺はため息をつくと、気分転換のため馴染みのバーに向かうことにした。

 まだ酒に溺れるほど落ちぶれちゃいない。ただ、気つけのためにも強い酒を味わいたいだけだ。

 マンションを出て、大通りへと向かう。

 オーバーサイズのパーカーのフードを深く被り、ポケットに手を突っ込んで街を歩く。

 やがて1台のタクシーを捕まえると、それに乗り込んだ。

 運転手に行き先を告げると、車はすぐに走り出す。バーまでは15分ほどで着くだろう。


 ――俺は車窓を流れる夜の街の風景を眺めながら、ぼんやりと考える。

 このタクシーに乗り込むまでの道中、通行人は少なくはなかった。だが、俺をバーニッシュだと気づいたものは誰ひとりとしていなかった。

 いつもの俺なら騒ぎにならなくてありがたがるところだが、今日は少し違う。

 歌を歌えない俺に価値はない。いつか俺も、気づかれないどころか忘れられた存在になってしまうのだろうか。

 認めたくはないが、確かに俺はそんな焦燥感を覚えていた。


 赤信号の手前でタクシーが止まった。後続車のライトがバックミラーに反射して、やけに眩しい。

 不快な表情を露わにする俺だったが、誰よりも眩しいであろうはずの運転手は微動だにしない。


 (そういえばこの運転手……まだ一言も声を聞いていないな……)


 普段の俺ならば、別に気にはならなかっただろう。

 キッチリと行き先まで乗客を届ける。それさえ守れば愛想があろうがなかろうがどうでもいい。

 だがこの日は、ほんの些細な気まぐれによって引っ掛かりを覚えた。

 俺は体を傾けてバックミラーを覗く。

 そこにはハイビームに照らされた運転手――の制服を着た白い髑髏。

 俺を時がねじれた世界にぶち込みやがった元凶である、“白骨の悪霊”が鏡に写っていた。

EPISODE5 ハイ&ロー「どちらかを選ぶ賭けだってんなら、迷わず進むほうを選ぶさ。それが2択だったらの話だけどな」

 間違いない。ヤツだ。

 俺は間髪入れずドアのロックを外すと、そのまま足で蹴飛ばしながら開け、タクシーから脱出する。

 ガードレールを飛び越え細い路地裏に入ると、振り返ることなく走り続けた。


 ビビっているわけじゃない。ステゴロでカタがつくならそうしている。

 ただ、またあのふざけた世界に送り込まれるのだけは御免なだけだ。


 ヤツが追ってくる気配はない。

 なぜヤツが現実世界にいるのか。それとも現実だと思っているこの世界はまだ夢なのか。

 気になることはあるが、とにかく今は逃げきれそうな事実に安堵しかけていた。


 「マジかよ……」


 細い一本道。後方にいるはずの“悪霊”が、突然目の前に現れた。

 急いで立ち止まり身体を反転させようとするも、今度は後方にも全く同じ骸骨がこちらにゆっくりと近づいてきている。


 「……チェックメイトってやつか?」


 目的は分からない。だが俺は、ジワジワと確実に追い詰められている。

 直感で分かる。ぶん殴ってどうこうできる相手ではないんだろう。

 かといって黙って好きにされるわけにはいかない。覚悟を決めて拳を強く握りしめたその時、どこかから声がした。


 「――バーニッシュよ、歌うのだ」

 「この声は……トリスメギストスか!? 歌えって、どういうことだ!」

 「歌だけがお前に勝利をもたらす。この先、あらゆる戦いにおいても、それは例外ではない」

 「俺の声はおかしくなっちまった。俺の歌に以前の力はない!」

 「否。“失った”のではない、“変化”したのだ。G.O.Dの呪いによって」

 「そうだろうとは思ってたさ! だが……ちっ、時間がねえ!」


 気づけば“悪霊”どもは、手を伸ばせば届くほどの距離まで近づいていた。もうトリスメギストスと問答を繰り広げている時間はない。

 俺はやぶれかぶれで言われるまま歌った。


 ――どいつもこいつも俺を無視して好き勝手なことしやがって。

 夢だの現実だの神だの悪霊だの、うっとおしいんだよ。

 まとめて俺が、ぶっ潰してやる!


 ステージ用の歌じゃない。俺の苛立ちの全てを込めた歌。

 瞬間、2体の髑髏が炎に包まれた。

 先ほどまで人間のように歩いていたのが嘘だったかのように、まるで模型のように直立したまま、カタカタと小刻みに震えながら燃え尽きていく。

 やがてその身体が消失すると、そこには闇夜に浮かぶ篝火のようなものが宙に残り、それは俺の身体へと取り込まれていく。

 一瞬、自分ではない何かが流れ込んでくる感覚を覚える。


 「やったのか……」

 「想像以上だったぞ、バーニッシュ。やはり私の目に狂いはなかった」

 「説明はしてもらえるんだろうな」

 「お前にかけられた呪い。それはG.O.Dの力の一部でもある。我が呪いを抑えていることによって、その力をお前が操れる状態になっているのだ」

 「俺の歌が変わっちまったのは、それが原因か」

 「G.O.Dの力は邪悪で醜い。かつてのお前の歌が持っていた希望の力は飲み込まれ、変容した。今はもうどこにもない」

 「くそったれ……!!」


 予想はしていたが、当たってほしくなかった。何か珍しい病気か何かで、そのうちあっさり治るんじゃないか。そんな考えを捨てられずにいた。

 だが、もう直視してしまった。どうしようもない現実を。

 俺の歌の力はあの巨大な化け物のものに変えられ、今その力に救われた。

 ……こんな皮肉があるかよ。


 「さっきの人魂みたいなものはなんだ。俺の身体の中に入っていったように見えたが」

 「それは時を追って話そう。今のお前には残された選択肢から道を選ぶのが先だ」

 「選択肢?」

 「歌を失ったまま落ちぶれ、やがて訪れる呪いによる死を待つか。我が眷族となりG.O.Dと戦い、歌を取り戻すか。ふたつにひとつだ」

 「……取り戻せる可能性はあるのか」

 「奴を討てば光はある」

 「G.O.Dを……倒せば……」


 もうトリスメギストスの声は消えていた。

 俺は路地裏の一本道に佇んで考える。

 目の前には、俺の生きる意義を取り戻すための、戦いの道。そして振り向けば、やがて来る消滅をただじっと待つだけの敗北の道。

 進むか、戻るか。


 「ふっ……どちらにせよ、勝利は確約されてないってところが皮肉だな」


 俺はそう自嘲気味に笑って歩き出した。

 手元に配られたカードは、たった2枚。

EPISODE6 再度、邂逅「G.O.Dの力の本質、そして一連の事実。全てが分かった今、俺が進む道はひとつしかない」

 その夜、俺は夢を見た。

 黒く煤けた岩に囲まれたような奈落の底に俺はいた。

 正確に言えば、そこにいたのは俺であって俺ではない。

 身体が燃えるように熱い。だが肉体が燃えているわけではない。

 燃えているのは俺の魂。俺は、炎そのものとなってその場所を漂っていた。

 聴覚だけが削ぎ落とされたように、何も聞こえない。

 ただ視覚だけを有しながら、ただただその場を漂っていた。


 ふと、闇の中に燃え盛る巨大な煉獄の炎が見えた。

 あの日ねじれた時の世界で見たおぼろげな記憶ではない。はっきりとその姿を現している。

 G.O.Dだ。一目見て俺はそう確信していた。


 その巨体のそばに、小さな人影がひとつ。

 スミレ色の装束に身を包み、やたらとデカイ帽子を頭に乗せている。

 例えるなら……そう、魔女だ。

 子供の頃に読んだ絵本に出てくるような魔女。そんな格好をしたガキがG.O.Dの後ろに付き従っている。


 (あれがG.O.Dの眷属ってやつか……? なら、あの“悪霊”はどこに……)


 魔女のほかにも、G.O.Dの眷属らしきもの達の姿がいくつか確認できる。

 だが、その表情は影になっていて見ることができない。

 それでも、そのどれもが血肉を持つ生物の形をしていたため、眷属どもの中に白骨の悪霊の姿がないことは分かった。


 (薄々そうじゃないかとは思っていたがな……)


 そう心の中で独りごちていると、奈落の様子に変化が表れる。

 G.O.Dの巨体の前にある空間が、まるで宙にハサミを入れたように切り取られた。

 その先には古いビデオテープのような粗い画質で、どこか別の場所が映し出されている。

 並んだテーブルとイス。壁一面が姿見となった部屋。まだあどけなさの残るギターを持った男。

 俺は、その部屋と人物に見覚えがあった。


 (あれはツアーの会場の楽屋……それにあのガキは確か……虎之助とかいう……)


 虎之助の前に一人の男が立っている。この男には見覚えがないが、なぜか俺はその正体が分かった。ヤツは、G.O.Dの分身みたいなものだ。

 ふと分身が虎之助の手を取る。するとたちまち、虎之助の魂が分身へと吸収されていく。

 残された“虎之助だったもの”は、人の領域を超えた邪悪な力を垂れ流す傀儡と化していた。

 それは、G.O.Dが“取り込む力”を顕した瞬間だった。


 (“悪霊”が俺の中に入ったのと同じ……G.O.Dの力は煉獄の炎を操るだけじゃない。ヤツはああやって、他人の力を取り込むことができるのか……)


 考えてみれば分かることだ。

 俺もまた、呪いによって“取り込まれ”ようとしていたのだから。

 点と点が繋がったような感覚。俺が俺なりにケリをつけるための、パズルのピースが揃っていく。

 そんな事を考えていると、ふと魔女がG.O.Dに対して何か話しかけていることに気づいた。

 音が聞こえないため何を話しているかは分からない。じっとその様子を眺めていると、G.O.Dが突然こちらへと振り向いた。

 その瞳は、確実に俺を捉えている。


 (な、なんだっ!?)


 思わずその場から逃げ出そうとするも、金縛りに遭ったように身体が動かない。

 そうしているうちにも、G.O.Dは俺に向かって手を伸ばす。

 やがてその巨大な手が目の前までやってくると、一度大きく広げ俺を握り潰し――


 「…………ぷはっ!!」


 目が覚めると、そこは俺の部屋だった。

 あれは夢――じゃないと、もう分かっている。

 俺の中に組み込まれている“G.O.Dの一部”。そいつがあの場所へと連れていったのだろう。

 ――俺の魂ってやつを。


 「……もう答えは決まった」


 そう呟いて、身体を起こし姿見の前に立つ。

 昨日までと変わらない俺の姿がそこには写っている。

 だが唯一。青みがかっていた俺の瞳は――煉獄の炎のような深い赤に染まっていた。


 「いるんだろう、トリスメギストス。話をつけようじゃないか」


 ディーラー気取りのトリスメギストスも、そろそろ痺れを切らしている頃だろう。

 このまま焦らしても一向に構わないが、あいにく俺は心理戦が得意な方じゃない。

 とっとと始めようじゃないか。命を賭けたゲームを。

EPISODE7 Vanish「誰の飼い犬にもならない。道がないなら切り開く。シンプルだろ? いつだって俺はそう生きてきた」

 「いったいどこなんだ、ここは」

 「ここは現(うつつ)と隣り合う世界の狭間。私が作り出した空間だと思ってもらえばいい」


 トリスメギストスの名を呼んだ俺は再びあの光に包まれたかと思うと、不思議な空間へと転送されていた。

 どこまでも無限に続いているように思える、何もない空間。いや、何もないと言うよりも『白がある』と言うべきか。

 ペンキをぶちまけたような白色の世界の中で、俺はトリスメギストスと対峙している。


 「私を呼び出したということは、覚悟が決まったのだな」

 「ああ、決まったさ。その覚悟ってやつが」

 「お前ほどの男だ。むざむざ朽ちる道を選ぶことはあるまい。さあ、答えを聞かせてもらおう」

 「その前に、確認しておきたいことがある」


 どことなく答えを急いているように見えるトリスメギストスに、待ったをかける。

 どうせ腹づもりは決まってるんだ、話を進めても問題はないんだが……それじゃあ俺の気が収まらない。

 俺をコケにしたケリはキチッとつける。

 たとえそれが、神様相手だとしてもな。


 「まずひとつ。実はG.O.Dの呪いに連れられる形でヤツと接触した。魂だけだがな」

 「そう見える。お前の中のG.O.Dの力……昨日とは比にならぬほど膨れ上がっている」

 「お見通しってわけか、なら話は早い。ヤツが連れている眷属だが、その中に“悪霊”の姿はなかった。どうやら骸骨スタイルはG.O.Dの趣味じゃないらしいぜ」

 「ほう?」

 「“悪霊”を取り込んだ時、微かに感じたあの感覚……こうやってお前と面と向かうことで確信した。悪霊から感じた魂の匂いは、お前と同じものだった。あれはお前が作り上げた眷属か何かだな?」

 「何が言いたい?」

 「俺をクソみたいなイカれた時間旅行に飛ばしやがったのは――トリスメギストス、お前だってことだ」


 俺は思い込んでいた。あの無限に繰り返される悪夢の元凶はG.O.Dなのだと。

 だが、呪いによってヤツの力を得た今、何よりも雄弁に真実を語る存在を俺は感じ取ることができる。

 魂までは隠せない。


 「……バーニッシュ。お前はかねてよりG.O.Dからその身を狙われていた。奴の手から救うためには、無限の時の中でお前の力を高める必要があったのだ。G.O.Dと戦えるほどの力を」

 「それはお前の都合だろ。俺を眷属にするという目論見(もくろみ)ありきの話だ」

 「否定はしない。戦いに備えて、私は一人でも多くの逸材が欲しい」

 「だが俺は、そんなこと頼んじゃいないぜ」


 神様レベルのバケモン同士の喧嘩だかなんだか知らないが、俺には関係ない。

 G.O.Dに狙われていたというのが事実だろうが、こうやって俺から日常と歌を奪った原因のひとつであることは間違いない。

 俺の知らない未来を、勝手に決められてたまるか。


 「それはまあいい。お前に時間旅行をさせられなかったら、とっくにG.O.Dに取り込まれていた可能性があったのは確かだしな。それじゃあ、もうひとつだけ確認させてくれ」

 「聞こう」

 「他者を取り込むこの力……それは“G.O.Dも例外じゃない”のか? G.O.Dだけじゃない、やろうと思えば――お前でさえも」

 「……肯定しよう。奴に、そして私に匹敵するほどの力をもってすれば、であるが。だからこそ私にはお前の力が必要なのだ」

 「なるほど。なら決まったぜ。俺の進むべき道とやらが」


 こいつと一緒にG.O.Dを倒し、そして俺は俺の歌を取り戻す。そんな未来もあるんだろう。

 ――だが俺は、神になんぞ従わない。俺の未来は、俺が決める。


 細い一本道。前進するか、後退するか、選択肢はふたつしかない。

 だが、本当にそうか? ふたつしかないなんて勝手に決めつけるんじゃない。

 俺は、どちらの道も歩かない。壁をぶっ壊して、自分の道を作ってやる。

 ハイかローか? 関係ないね。

 ポーカーテーブルごとひっくり返してやるさ!


 「答えはノーだ。誰であろうと首輪をつけられる気はないね」

 「……本気か」

 「ああ、本気だとも。俺はこのG.O.Dの力を使って、眷属とやらをぶっ倒しまくって取り込んでやる。誰にも負けないほどの力をつけるためにな。そしてこの手でG.O.Dの息の根を止めて、俺の歌を取り戻す」

 「…………」

 「言っておくが、邪魔するならお前も、お前の眷属も例外じゃないぜ。邪魔するやつは潰す。邪魔しないやつも後々潰す。俺は俺のために生きる。俺以外は全て敵だ」

 「その道が、地獄へ続くと分かっていてもか」

 「歌を失った俺にとって、これ以上堕ちるとこはないさ」

 「いいだろう。進むがよい、修羅の道を」


 話は終わった。これ以上戯れている必要はない。

 俺は“世界一醜くなった歌”を口ずさむと、真っ白な空間の一部に紙が焼けたような穴が開く。

 胸糞悪いトリスメギストスの世界から脱出した俺は、街へ出て、あてもなく歩き出した。


 俺は、バーニッシュだった男は、今この瞬間死んだ。

 そういえばあの悪霊が確か……『Vanish<消失>』とか言ったか。悪くない。

 俺が俺を取り戻すために消し去ってやるよ。

 神も、G.O.Dもな――!

EPISODE8 神とその眷属「眷属は語る。希望への共感を。神は語る。呪われし者の未来を」

 バーニッシュが去った、白の空間。

 トリスメギストスのそばに、気づけば一人の少女が立っている。

 背負った大きな背嚢の中には大小様々な楽器が詰め込まれており、身を動かすたびにガチャガチャと騒がしい。

 黙ってバーニッシュが去るのを見つめていたトリスメギストスに気を使ったのか、少女は所在なさげに頭の花飾りを触ったりしていたが、そのうちしびれを切らして声をかけた。


 「……行かせてよかったんですか?」

 「ああ、大丈夫だ。問題ない」

 「でもトリスメギストス様のこと、敵だって言ってましたよ。呪いの封印、解いたほうがよかったんじゃ……」

 「オジーの糧になるだけだ。みすみすくれてやるわけにはいかない」

 「それで『様子見』ってことですか……」


 少女は納得したようなしてないような顔を浮かべていたが、そのうち小さくぽつりと呟いた。


 「でも……何かを取り戻したいって気持ち、分かるなぁ……」


 トリスメギストスはそれに答えず、ただ少女の頭を一度だけ軽く撫でた。

 そして再びバーニッシュが開けた穴に目をやると、微笑みを潜めて言う。


 「G.O.Dの力が増せば、やがては己を保つこともできなくなる……その時初めて“本当に歩むべき道”を選ぶことになるだろう……バーニッシュよ」


 トリスメギストスが呪いに施した封印は永遠ではない。

 その事実をバーニッシュは、まだ知らない。

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■ 楽曲
┗ 全曲一覧(1 / 2) / 追加順 / 定数順 / Lv順
WORLD'S END
■ キャラクター
無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE
NEW / SUN
マップボーナス・限界突破
■ スキル
スキル比較
■ 称号・マップ
称号 / ネームプレート
マップ一覧

脚注
  • *1 マップ短縮90マスを含む
  • *2 エリア1から順に進む場合
コメント (闇よりも深い黒に染まるバーニッシュ)
  • 総コメント数5
  • 最終投稿日時 2022年09月12日 14:04
    • チュウニズムな名無し
    5
    2022年09月12日 14:04 ID:n0idu46a

    >>2

    オロチノチカラ(オロチの力)ではなくオロチノチ(オロチの血)かと…

    • チュウニズムな名無し
    4
    2022年08月20日 00:05 ID:fgqvf2sf

    なんか名前がドローデーモンのキャラみたい

    • チュウニズムな名無し
    3
    2022年06月10日 10:24 ID:ht74dmuk

    ああ、大丈夫だ。問題ない

    • 読みづらくて申し訳ない
    2
    2022年06月10日 10:06 ID:tpx5c6tf

    キャラクター名である「闇よりも深い黒に染まるバーニッシュ」は、KOBの元ネタのKOF(キング・オブ・ファイターズ、SNK社の格ゲーシリーズ)に登場する「ツキノヨルオロチノチカラニクルフイオリ(月の夜オロチの力に狂う庵)」と「ヤミノナカオロチノチカラニメザメルレオナ(闇の中オロチの力に目醒めるレオナ)」が元ネタかな?

    ※「オロチ」はKOFのラスボス的存在、詳細は省くので気になったら各自で検索

    • チュウニズムな名無し
    1
    2022年06月09日 20:00 ID:mhtqagbx

    なんか……バーニッシュが何者かも気になるけど、ソウル・ブラザーズが一体何なのかの方が気になり始めてきた

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