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黄昏はろうぃん Story

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2016/10/31





5人の〈ロストメア〉との戦いが終わり、黒猫の魔法使いが都市を去ってその後起こった、ハロウィンの日の事件から、さらに数日後。

都市には再び、いつもと違う活気が満ちていた。


仮装した人々が都市の大通りを練り歩き、陽気なざわめきを振りまいている。自らも仮装に身を包んだアフリトは、その光景を見つめ、微笑ましげに目を細めた。


「先日めちゃくちゃになってしまったハロウィンのやり直しをしようとはな。人間というのは、たくましいものよ。」

「……それはいいんだけど。

どうして私たちまで仮装しなきゃいけないの、アフリト翁。」

またあんなことになってはたまらん、と市民に泣きつかれたのさ。だから警護を兼ねて〈メアレス〉に参加してもらっておるわけだ。」

「だからって仮装する必要はないでしょ。」

「いいじゃん、リフィル。みんな仮装してるんだし、普段着だったら浮いちゃうよ?」

「そういうことだ。ま、これもいい経験と思って楽しんでおくれ。」

「はあ……衣装のレンタル料金、出してもらうわよ。」


そんなことを話していると、ゼラードとコピシュが近づいてきた。


「よう、おまえら。お疲れさん。」

「こんにちは! リフィルさんのそれ、魔女の格好ですか?」

「世間一般におけるイメージ上のね。こんな格好した人、アストルムー門にもいなかったわ。」

「私はね、オバケ! オバケだぞー! がおがおー!」

「それ猛獣ですけど。」

「わしは死神さ。似合っておるかね?」

「ハマりすぎてて縁起でもねえわ……。」


「あなたたちは、おそろい?」

「はい! 吸血鬼です。」

「牙で噛みついて血イ吸うってヤツだな。」

ニヤリと口元の牙を見せてから――ゼラードはふと我に返り、首をひねった。

「待てよ。わざわざ噛みついて吸うのか? 間合いに入るのが大変すぎだろ。剣ブッ刺して、ついた血を紙める方が早えぞ。」

「お父さん、それもう、ただの猟奇殺人鬼ですよ……。」


「雑談もいいがね、おまえさんたち。ハロウィンときたら、アレをやらねばならんだろう。」

「おう、そうだったな。ほれ、コピシュ。」

「アイアイ!じゃあ、リピュアさんもいっしょに!」

「オッケー!せーの……。」


「「トリック・オア・トリート!」」


「おうおう、怖い怖い。では、いたずらされんように、このプディングをごちそうしようかね。」

「完全に孫持ったジジイだな、おい……。」

言いつつ、ゼラードもリピュアに飴を渡す。それを、リフィルが、じっと見つめていた。


「私の分は?」

「おまえ、お菓子やる側じゃねえのかよ! だいたいな、俺の手持ち、今のでスッカラカンだぜ。」

「本当にそう? ちょっと跳んでみなさい。ほら。」

「カツアゲか!!」


あわててコピシュが止めに入った。


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story2



人々の熱狂を感じながら通りを歩いていると、ルリアゲハとレッジに出くわした。


「珍しい組み合わせね。」

「ちょっとね。銃弾に刻む魔匠の相談をしてたの。レッジのウィールみたいに、いろんな効果を持たせて使い分けられないかなーって。」

ルリアゲハは、くるりとその場で一回転。ウィンクを飛ばしてみせる。

「それより、どーお? あたしの仮装。なかなかのもんでしょ。ウチの国の妖怪なんだけど、なんだかわかる?」

「人面虎?」

「化け猫よ!なんてそんなかわいくない方いくの!」


k「レッジさんは、悪魔ですか?」

j「ああ。せっかくなら、さる地方に伝わる”生首と内臓だけで空を飛ぶ吸血鬼”をやってみたかったが、準備する時間がなかった。」

k「マニアックですね……。」

z「”あいつ”もこの時期に来てりゃ良かったのにな。普段の格好が浮きまくってて、まるで仮装の必要がねえ。」

j「常時ハロウィンみたいなものだからな。」


 黒猫の魔法使いが本気で仮装したらどうなるか、彼らには知る由もなかった。


r「あ、そうだ、リフィル。アレ狙わないの? アレ。〈ロクス・ソルス〉仮装コンテスト。優勝者には賞金が出るって言うじゃない。」

r「見世物になる趣味はない。

だいたい、そういうので優勝しようとするなら、仮装するにもそれなりの資金や時間が必要でしょ。この程度の仮装じゃ、出るだけ無駄よ。」

l「じゃ、代わりに私が出とこっか?『怪奇! 妖精オバケ!』飛んだり消えたり、やっちゃうよ一!」

j「お年寄りの心臓が止まったらどうする。」

k「”妖精オバケ”って、なに……?」

l「がおー!」

k「それ猛獣。」


A「コンテストには出んとしても、見るだけ見る分には面白いんじゃないかね。」

r「そうね。人の集まる場所なら、お菓子ももらいやすいでしょうし。ここは効率よく行きましょう。」

z「趣旨変わってんぞ。」

r「稼ぎ時なのよ。この時期は。」

k「まさか毎年!?」


まるで仮装の必要がないという。


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story



〈ロクス・ソルス〉仮装コンテストは、門のある広場で行われていた。

門の前にステージが設けられ、参加者たちが自慢の仮装を競い合っている。広場はほとんど、見物客で埋まっていた。


「おうおう、やっとるねえ。今年はどんな仮装が優勝するか、楽しみだ。」

「見物の人も、たくさんいますね。」

「さあ、リピュア。お菓子を巻き上げるわよ。」

「わーい!」

「……おい、いいのかアフリト。おまえ、あの子の保護者みたいなもんだろ。悪い影響受けるぞ、あれ。」

「今さらさ。いちばん悪い影響を与えたのは、ある意味、あの子の父親でねえ……。」


周囲に鋭く視線を走らせたリフィルは、その先に、見知った姿を見つけた。


「おう。みんな、ここにいたのか。」

「うすうす!お疲れさまでーっす!」


お菓子の詰まった箱を持ったラギトとミリイが、連れだってやってくる。

それを見て、リフィルは真顔でうなずいた。

「ご苦労。」

「なんの話っすか!?」

「これはやらんぞ、〈黄昏(サンセット)〉。孤児院に配りに行く予定だ。」

「へえ、そうなんだ。偉いじゃない、ふたりとも。」

「えへへ。あたしもラギトさんも、元は孤児ですから。このくらいやっとこうかなーって。」

「良い心がけだ。〈メアレス〉の評判も良くなろうというものさ。」

「菓子を巻き上げようとしてたどこぞの誰かさんとは大違いだな。」

「そうね。ところでセラード。〈巡る幸い〉亭にあなたがツケてる金額だけど。」

「今その話すんなよ!!」


「え一っと、ラギトさんは、狼男の扮装ですか?」

父の窮地を見かねたコピシユが話題を変えた。

「ああ。狼の、校滑ですばしっこいところが気に入っている。」

「あ、変身するからじゃないんですね。」

「ちなみに手縫いだ。」

「何気に多芸……。」


「ミリイの方は……、……。なにかしらねーこれ。わかんないわー。まるで想像もつかないわー、うん。」

「いやいやいやいやジャック・オー・ランタンすよ!どう見てもそうじゃないすか!」

「着てるが。」

「いやあ、カボチャかぶるなんてフツーすぎるかなーって。」

「料理で失敗するタイプね。」


と、ここで、壇上から高らかな声が響いた。


「仮装大会の優勝者が決まったようだな。」

「おっ! どんなのかなあ~。」


「優勝者は、この方!

”全ての夢を喰らう者”フムト・アラトさんです!」


「……え?」

「あ、パパ。」

「おや、本体。」


「なんでいるの!? というか、あれが!?」


導と現実の狭間なる都市、(ロクス・ソルス)。

〈見果てぬ夢〉が怪物となって現れ、〈夢見ざる者〉だけがそれと戦える地。

何が起こっても驚くなかれ。夢とは元来、そういうものだ――


「限度がある!!」





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