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涼蝦・エピソード

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涼蝦のエピソード

釣具を持っている白い瞳の少女。

なぜか初めて会ったときから御侍のことを「お母さん」

と呼んでいる。普段はお利口な娘のように御侍の言う

ことを聞いている。たまに少女が肌身離さず持っている

魚カゴが白く光る。何かとんでもない力を秘めている

かのようだ。



Ⅰ 憂愛

(※誤字と思われる箇所は編集者の判断で変更して記載しています)

涼蝦涼蝦!!」


慌てた叫び声が部屋から遠いここまで聞こえてきた。

私が手を止めて振り向くと、お母さんが庭の入り口に

立っていた。


彼女は急いでこちらに走ってきて、私の手に持ってる洗濯物を気にせず、ギュッと私を抱きしめた。


「はあ……はあ、いてくれてよかった……」


お母さんは息を整えながら私の耳元で軽くささやく。

私は洗濯物をカゴに入れると、気持ちを落ち着かせようとお母さんの背中をさする。


「私はここにいますよ、お母さん」

「ごめんなさい……」


しばらくすると、お母さんは私を離し、顔に愛しさと申し訳なさを帯びて言った。


「痛くなかった?ごめんなさい……私はただ……」

「大丈夫です、お母さん」

お母さんを安心させようと私はおでこにキスをした。

「私は大丈夫ですよ」


お母さんはかなり気を揉んでいるようだ。

私はお母さんを抱きしめて、静かにその気持ちを

感じ取る。とても暖かい、私への愛が溢れている。

私も自分の気持ちを伝えるために、お母さんの胸に頭を擦り付ける。

「大丈夫、落ち着いてください。涼蝦はここにいます、いなくなりませんよ」


涼蝦はいなくなりません」


お母さんの話では、私はかなり前に召喚されたらしい。

私たちは長く一緒に暮らしていて、本物の家族みたいに幸せだった。


事件が起こる、そのときまで。


お母さんと一緒に旅をしていた途中、私は突然失踪したらしい。お母さんは必死に私を探し続け、ようやく近くの町で人波にさまよっていた私を見つけた。


お母さんはこの話を何度も私に聞かせた。

話す度に、お母さんの言葉にはいつも悔いと自責、そして今そばにいることの大切さに満ちていた。


でも、あの時の失踪以後、私は以前の記憶を全部なくしてしまった。だからお母さんの過度な心配を、あまりよく理解できない。


でも彼女の私に対する愛情だけはしっかりと感じ取っている。この愛情を通じて、私は時々頭の中をよぎる記憶の断片を見ることがある。


それは昔お母さんと一緒にいた頃の記憶だった。


一緒に過ごした昔の記憶をなくしたのはとても悲しいことかもしれない。でも、お母さんは今でも変わらずに私を愛してくれてる。それで十分じゃないかな。


Ⅱ 苦しみ

いつものようにお風呂のあと、お母さんはクシで私の長い髪を梳かしながら寝る前のお話をしてくれる。

お話は基本、お母さんの旅の途中のことと、旅の途中で聞いた怪奇な物語。


今日は瑠璃箪(るりたん)湖の水妖怪のお話。

話が終わり、私がそのお話の余韻に浸っていると、不意にお母さんの表情がいつもとちょっと違うことに気づいた。


「このお話、面白かった?」

お母さんはクシを止め、私の頭を優しくなでる。

「とても面白いです!お母さんは面白くないのですか?」

お母さんの顔を見て、私は少し疑問を覚えた。

「……そっか」


長い沈黙のあと、お母さんはようやく口を開いた。


「別に面白くないわけじゃないよ。もう遅いから早く寝よ、涼蝦

「あ……はい。」


よくわからないけど、私は少しばかりの疑問を抱えて横になった。



よく眠れなかった。

なぜだかわからないけど、今夜の夢には私のまったく知らない場面がたくさん出てきた。

その夢はまるで波のように私を飲み込んだ。


楽しみ、苦しみ、幸せ、悲しみ……


いくつもの気持ちが頭に詰め込まれて、私は夢から覚めた。


枕を抱え、私はぼんやりしながらスリッパを履いた。

お母さんと一緒に寝ようと部屋を出てお母さんの部屋に向かった。


途中で廊下のある部屋から伝わってきた話し声に私は気を引かれた。無意識に話し声がする方に向かうと、その内容に私は一気に目が覚めた。


聞こえたのは、二人の話し声だった。

一人はお母さん、もう一人は数日前お母さんを訪ねてきた妙な青年だった。


「あの子はまだ何も思い出せない……何も」

それはお母さんの声だった。苦悩に満ちて、まるで助けてと叫んでいるような声だった。

「他にどうすれば?昔、一緒にあった出来事は全部話してやっただろう。できるだけのこともした。それでも思い出せないなら、他にどんな手が?」


青年の口調に苛立ちを覚える。


「あの子を連れて昔の旅路をもう一度歩むつもりか?」

「……もしそれで思い出してくれるなら……」


「何を考えてるんだ?今ある情報では警戒を促すのに足りないというのか?ただ、昔の思い出のためだけに、あの子と一緒にわざわざ危険の中に飛び込むというのか?」

「なにが『ただの思い出』よ!『ただの』?私たちにとってそれがどれだけ大事な物なのかわかる?出会ってから今まで、私はどれだけの心をあの子に詰め込んだのか知ってる?あの子は私にとって娘も同然なのよ!」

「…………」


言い争いはまだ続いている。でもその声はもう私の耳には入らない。私の失った記憶がどれだけお母さんを苦しめてきたのか、今日初めて知った。


どうやって部屋に戻って、どうやって寝たのかは覚えていない。たった一つ覚えているのは、翌日朝起きて疲れ切ったお母さんの無理をした笑顔。

それだけだった。


涼蝦、なんでか分からないけど旅に出たくなってね。

一緒に来てくれる?」

「……はい、お母さん。」


お母さん、私は必ず失った記憶を取り戻します……

必ず。


Ⅲ 欺き

玉泉村は光耀大陸の中でも有名な街。竹製品と茶葉を大量に産出している。玉京の山泉から流れてきた水源は地元の一品だ。


私はお母さんとその青年と共に数日を費やしてここにやってきた。ここはとても賑やかで、人と馬車がひっきりなしに行き来している。


私はここを知っている。

当初私はここで御侍様に見つけられた。

私にとって、ここは最初の記憶だ。


「まず住む場所を探そう。ここは最近食霊と民衛司の間で衝突が起こったと聞いた。穏やかじゃなさそうだ」


街に入るなり情報収集に出かけた青年が、帰ってきてそう言ってきた。それからお母さんと青年は見た目は悪くない旅館を見つけて、私を連れてそこに泊まった。


荷物を置いて、私は一人で窓辺に座って街を見下ろす。

お母さんは買い物に出かけた。すぐに戻ってくるから部屋で待つように言われた。


この街を見て、変な情緒は波のように私の心を叩き続け、ちょっと不安になった。その時、青年は疲れてる顔をして部屋に入ってきた。

涼蝦、ちょっと出るぞ」

私は戸惑いながらもついて行った。


「どうしたの?お母さんは?」

「君の母親は用事があるから、飯に連れてってくれと頼まれた」

「あ……はい。」


ちょっと違和感を感じたけど、私は彼について旅館を出た。お母さんはこの人を信じてるから、私も彼を信じる。


青年は私の手を引いて、いくつもの街道を渡ってかなり歩いた。


「お兄さん。お母さんはいったい何処にいるの?」

ますます変に思い、私は更に戸惑った。

「何処に?俺も知らないよ」

青年の声が突然老けたようにかすれた。

彼は何かを確認するように手を私の肩に置いて、愚痴をこぼした。


「なんだ、廃品かよ?働き損したな……まったく宋の奴、挨拶もせずに」

そう言った彼は手を離した。

私が思わず振り返ると、そこにはもう青年の姿はなかった。


「お……にい……さん?」


知らない場所に身を置いて、私は慌てた。


「……お母さん……」


「お母さん……お母さん……」


そう呼びながら私は周りを見渡して、お母さんの姿や見知った景観を探そうとした。


何でこんなことに……


あのお兄さんはどういうこと……


お母さんは私が要らなくなったのかな……


混乱し始めた私は、この騒がしくて見慣れない場所に恐怖を覚えた。私はうずくまってすすり泣き始めた。


「……あなた……大丈夫?」


ふわふわした声がして顔を上げたら、白くて小さい手が目の前に差し伸べられた。そこには背が私とそう変わらない食霊がいた。


「お、お母さんがいなくなったの。」

私は泣きながら答えた。

「おかあ……さん?」


彼女は呆然としてそう繰り返した。


「御侍のことだよな」


その時、一人の男性の食霊が側に来て、しゃがんで優しい声で私に言った。


「泣くなって、大丈夫。何があったのか教えてくれ。」


Ⅳ ぼんやり

「お、お母さんは私が要らなくなったの」


涙を拭いて、私は怯えながらこのちょっと変な食霊コンビにそう言った。


「契約の気配はまだ残ってるか?」


男性の食霊は溜息をし、もう一度声を低くして、まるで私を慰めようとするように言う。


「慌てないで、落ち着いて」

「ま、まだある」

それを聞いて私はぽかんとしたけど、すぐ目を閉じて確認した。


「良かった、お母さんは私を捨ててなかった」

「ほら大丈夫って言ったろ」

男性食霊が笑って立ち上がった。

「早く起きて、地面は冷たいから」

ちっちゃい食霊が再び私に手を差し伸べて、親切な声で言った。


「一緒にお母さん捜してあげるから」


それを聞いて私はぽかんとした。

突然目がぼんやりし始めて、周りの景色に虚影が浮かび重なり始めた。


それは知らないで知ってるような光だった。


「早く起きて、地面が冷たいから」


ぼんやりした中で、私は三人目の人が私に手を差し伸べてきたのが見えた。顔はよく見えない、でも同じような優しい声だった。


「私は甘酒団子、あなたと同じ食霊……」

甘酒団子は言葉が足りないと思い、こう付け加えた。

「私たちは……あなたを傷つけたりしないから」

「私は唐安、きみの御侍よ」


ぼんやりとしてお母さんの顔が現れて、徐々に甘酒団子の顔と重なった。


「これから私がきみの面倒を見てあげるから」


これが現実なのか、それとも夢なのかはわからない。

私はその手を取ってつぶやいた。


「おかあ……さん……」

「え?」

「ん?」


「あなた……本当に大丈夫?」


甘酒団子は私の手を引いて紹興酒と一緒に歩きながら、心配そうに私を見ている。その声には少しばかり違和感を感じた。


「だい……じょうぶよ……おかあさん……」


私はますます痛くなってきた頭を抑えて、頭の中に侵入

してきた記憶を整理しようとした。


お母さんの声が私の頭の中で響き渡って、時に近く、時に遠く。


突然、曲がり角から馬車が飛び出て、ぼんやりした私が轢かれそうになったその時、


「危ない!」


紹興酒が私と甘酒団子を引っ張った。

私は躓いて地面に座った。目の前がぼんやりし始めて、もう一つの画面が私の視界に現れた。

「危ないよ」

その画面で、お母さんが通行人にぶつかりそうになった

私を懐に引き寄せた。


涼蝦、歩くときはちゃんと前を見ないと駄目でしょう」

涼蝦……いつも私のことをお母さんって呼んでるよね……本当に私の娘になる?」

涼蝦、この服どう?」

涼蝦……」

「……」


私の周りではびこる欠片がますます増えていく。


ますます交わり乱れていた声が耳元で響く。


違う……お母さんとこんな場所に行ったことはない。


……いえ……ある……あ……


「ちび……」


「おい、ちび!!」


呼び声が遠くから伝わってきたようで、私はぼんやりとした感覚から呼び戻された。乱れた欠片と声がすべて消え去った。


精神を集中したら、目の前には紹興酒甘酒団子の心配そうな顔が現れた。


「……わたし……私は大丈夫よ」


少し無理をして笑顔を作って、私は心の底で長く息をついた。思い出したのだ、忘れた過去を、お母さんとの思い出を。



私の叙述を頼って、紹興酒は私がここに来た時に通った

城門を見つけて、それから印象を頼って泊ってる旅館を

見つけた。


旅館に着くなり、目に生気がなく疲れ切った顔をしたお母さんと、彼女を支えている青年に会った。


私はすぐさま走り寄って、お母さんの懐に飛びついた。

お母さんはびっくりして、すぐ私を抱きしめた。


泣きながら、私の名前を何度も呼び繰り返した。




それから私はお母さんから聞いた。青年はずっとお母さんのそばにいた。私を連れ去った人は、以前の私の失踪に関係しているかもしれない。


私の記憶が戻ったと知ったら、お母さんはすごく喜んだ。でも残念なことに、失踪したときの記憶はまだ戻っていない。けど、お母さんはもうそんな事を気にしていなかった。


私が語る記憶を聞いて、お母さんは久しぶりに笑顔を見せた。私もあれこれ考えるのをやめた。


お母さんは私を愛している、私もお母さんを愛している、それで十分だから。


Ⅴ 涼蝦

光耀大陸にはかつて一人の有名な旅行家がいた。

彼女は多くの場所を歩み、多くの見聞を記した。


でも本当の意味で彼女のことを人々の記憶に刻ませたのは、彼女とその娘が一つの場所を訪れる度に、そこの風習と怪奇な言い伝えをわかりやすい物語に変えて記したこと。単に光耀大陸での話だけでも、百編以上あった。


彼女はきっと記した物語を出版し、文学旅行家として後世に名を残すだろうと、人々は思った。


だが突如起きた事件が、その書き手を壊した。


堕神の襲撃で、その旅行家は娘を失った。

夫を早くに亡くし、娘すら亡くした。


いくら強い人間でも、このような苦しみには耐えられないだろう。彼女は不幸ではあるけど、幸運でもあった。天は彼女の愛する家族を奪ったけど、小さな希望も残してくれた。


偶然にも彼女は一人の青年料理御侍に出会った。

その料理御侍は彼女の過去を知り、その苦痛から解放させるために、彼女を料理人ギルドに連れていってテストを受けさせた。


結果は喜ばしいものだ。


彼女に人生初の食霊――涼蝦が生まれた。


涼蝦は彼女の娘にとても似ていた。


お互い親しくなった後、旅行家は涼蝦を実の娘のように可愛がって、共に幸せな生活を送った。


でも運命はその苦しみに塗れた母親をただで見逃すつもりはないようだ。涼蝦は旅の途中で失踪した。

三人目の大切な人を失った旅行家は狂ったように捜し回った。


最終的に玉泉村で精神状態が不安定な涼蝦を見つけた。

失った家族が見つけられて、旅行家は大変に喜んで涼蝦を家に連れ戻した。


が、涼蝦が記憶を失ったことで、旅行家は心に病を抱えるようになった。

時間が過ぎるにつれて、彼女の心に変な考えが起きた。


昔の涼蝦と、今記憶を失った涼蝦は、本当に同じなのか?


その考えは彼女の頭に繰り返し現れて、本物の涼蝦はもう失って、今の涼蝦はただの代替品でしかないのではないかと思わせた。


それから、彼女は当時の事件を調査し始めた。


準備が整ったら、彼女は涼蝦と友人である青年御侍と共に玉泉村に戻った。


そして彼女らはもう一度事件に巻き込まれた。


結果だけを見れば円満に解決したかに見えたかもしれないが。その事件の背後に大きな暗流が流れていたことに、誰も気付いていなかった。


玉泉村、旅行家たちが泊っている旅館の裏庭。


酒場のオーナーは三人の怪しげな客を持て成している。

一人は笑顔を絶やさない中年男、一人は腕に鎖を巻いている少年、最後の一人は声がかすれている青年。


「もう処理したなら先に言えよ、宋」

青年が外見と合わないかすれた声でオーナーに愚痴った。

「あいつらにちょっかいを出せと言われた時、もうおまえにそれとなく伝えただろ」


オーナーが肩をすくめて、他の二人に問う。

「おまえら何か収穫あったか?」

紹興酒が入るから、迂闊に手を出せない」

中年は少年を一目見て、答えた。


「頼れる支援がほしいな」

「食霊二匹だけでは許可が降りないだろ」

「目標は三つだ」

涼蝦は廃品だが……」

「その御侍は違う」

「……わかった」



人類の生息のために頑張っている料理御侍と彼らの食霊たちは知らない。


敵は堕神だけではないということを。


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コメント (涼蝦・エピソード)
  • 総コメント数23
  • 最終投稿日時 2018/12/18 21:02
新着スレッド(フードファンタジー攻略wiki)
ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018/10/11
    • Android
    • リリース日:2018/10/11
カテゴリ
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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