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リュウセイベーコン・エピソード

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リュウセイベーコンのエピソード

リュウセイ手中の提灯。死体の生前において一番重要だった時期を投影することができる。死体を追い払う玄術の継承者として、墓穴に巣食う恐怖の存在を制することができる能力を持っていると噂されている。偶然的に、「地府」に加入し、陪葬品やら、死体の"記憶"やらを探しだし、その屍の痕跡を探していた。古い屍に起きるストーリーを追求するのが好きで、にんにく、太陽、火炎が嫌い。原因に至っては、彼女は説明しないはまだしも、他の人も聞く勇気もない。


Ⅰ.魂の歌

(修正版)

「冥界から微かに声がする、魂が戻っていく」

生臭いにおいが漂う地下宮殿の中、蝋燭の光はいくつかの人影を映し出していた。ゆらゆらと揺れている影は幽霊のように見えた。

手に持っていた提灯をゆっくりと回す。蝋燭の光によって暗闇に投影された紙人形の小さな影が、抽象的な物語を黙々と上演していた。

静かすぎる墓場の中、竹簡を動かす音しか聞こえない。

提灯がゆっくりと回り、壁に映し出された小さな影は緩やかに動いていた。演じていたのは全て、言葉に出来ないような悲しい過去ばかり。

アタシは壁に映し出された物に見入っていたが、突然、竹簡を叩く音によって意識が戻された。

「記録は終わったのか?」

トンーートンーー

軽い音が二度鳴り、アタシは隣にいた八宝飯に視線を向けた。彼は頷きながら言った。

「終わった」

アタシは手招いて、ろうそくの上に落としていた提灯を手元に戻し、元の姿に戻した。アタシは長い息を吐いたが、横にいた八宝飯は悲鳴のような叫び声を上げていた。

「あああああ!鳳爪、急に肩まで飛んでこないで!あんたの姿はゾンビよりも怖いんだよ!」

相変わらず騒がしいヤツ…

音程が外れた鼻歌を歌いながら、アタシは地面に落ちた竹簡を拾い、軽く埃を叩いた。躍動感のある絵によって、先程の物語は鮮明に描かれていた。

アタシは手を伸ばして八宝飯の髪を掴んで放さない鳳爪を撫でた。

泡椒鳳爪の絵は相変わらず上手い」

鳳爪は喜びながらアタシの掌にすり寄った。奇妙な形さえ無視すれば、もふもふとした小動物のようにも見えた。

泡椒鳳爪は召喚された際、何か問題でも起きたのか、この柔らかく小さな手しかこの世界に現れなかった。絵を描くのが上手く、そして速い。

腐乳の奴が作ってくれた特製の墨汁を使えば、大切な物に宿っている過去を竹簡に残す事が出来る。

暗闇の中、白く柔らかい小さな手が寂しく空中に浮いている様子は……なんだか可愛らしい。

恥ずかしそうにアタシの掌にすり寄った後、また八宝飯の方に向かって、ヤツの髪をしっかりと掴んだ。

「いたたたたっ!鳳爪様、戻ったら新しい手袋を買いますから!十でも!二十でも!」

じゃれ合う二人の事を置いて、アタシは棺桶の蓋を開けた。背中に背負っていた長剣を、枯れた古い屍の手に掴ませた。

「生は死、死は生。天によって生まれ、そして天によって殺される。これが天地の真理である。肉体は死んだが、思念は残されたまま、二人の間にあるのは善い縁ではない。執念が消え去ったのなら、早く離れた方が良い」

掌に立てた呪符が燃え尽きていく。巨石をも切り裂ける鋭利堅固な長剣は、徐々に赤い錆で覆われ、最終的には砕け、価値がなくなっていった。

「……あんなに良い宝剣が……砕けてしまった……家計が!家を潰す気か!」
「は?守銭奴野郎、何か言ったか?」
「何も、何も言ってない!鳳爪!もう壁画を見るな!行くぞ!早く行くぞ!」


Ⅱ.地府

(修正版)

目の前にあるこの邸宅、賑やかな町にあったとしたら、ただの豪華な邸宅に過ぎなかっただろう。しかし、何もない郊外の山の上にあるのは、少し奇妙なように思える。

邸宅の前に掲げてある「地府」の表札の文字と人気のない庭。初めてここに来た人は、この場所こそが本物の伝説の地府であると認識してしまうだろう。

しかし、アタシたちの本当の住まいは、この邸宅の下、この山全体の地下にある。

八宝飯は入口できょろきょろと見回した後、やっといつもの手足を大きく振って歩く姿に戻った。

その様子を見るに、出る前にまた高麗人参を怒らせるような事をしたのだろう。

ヤツが堂々とロビーを通り過ぎる前、背後から突然優しい声が聞こえてきた。

八宝飯さん、人参さまはあなたが万書閣に行って、前回壊した本を全て書き写すよう命じました。写し終えるまではあなたの分の食事はありません、武器も没収させて頂きます」

声が聞こえて来た方を見ると、猫耳はその小さな外見と一致しない真剣な顔をしていた。アタシは八宝飯を見て、思わず笑ってしまった。

先程のこそこそとした様子は、やはり何か悪い事をしていたからだった。

八宝飯が叫び声を上げると当時に、猫耳はヤツの八宝羅盤を取り上げた。アタシの目の前を通り過ぎる時、猫耳は軽く動き振り返った。

「遡󠄀回司さま、申し訳ございません。先ほどはあなたさまの声が聞こえませんでした」
「気にするな」
「あっ……少々お待ちください」

小さな少年は耳に手を当て、何かを聞いているかのようだった。

「遡󠄀回司さま、人参さまが一緒にお茶を飲まないかとお誘いしております。竜神さまから送られた新しいお茶だそうです」
「そうか、それは味見しなければいけないな。ありがとう、諦聴よ」

猫耳の頭を軽く撫でた、もふもふとした感触で思わず多めに撫でてしまった。アタシは提灯を揺らしながら、地府宮殿の最深部の門の前に辿り着いた。

宙に浮いている5-8歳くらいの少女──腐乳が足をぶら下げている。その妖しい雰囲気を纏う少女の顔には退屈の文字が書かれていた。

「あっ!リュウセイ姉様!」

小さな少女はアタシに飛び乗ってきた。自分がどれだけ重いのかもつゆ知らず、アタシの首にぶら下がって揺れていた。アタシは我慢できずに彼女の真っ白な顔をつねり、自分で塗ったであろう赤い頬紅が塗りたくられている頬をつついた。

「リュウセイ姉様やっと帰ってきた!今回は何か楽しい物を持ってきてくれましたか?」
「アンタってやつは〜。こんなに親しくしてくれるのはアンタだけだよ」
「彼らは見る目がないんです」
「さあて、人参は?」
「人参様は大方陣から出てきたばかりで、今着替えてます……」

腐乳がまだ話し終える前に、閉ざされた門から穏やかな声が聞こえてきた。

リュウセイベーコンですか、入りなさい」

重く黒い鉄の扉がゆっくりと内側から押し開けられ、地下宮殿は暗く、先が見えない。

アタシは自分の口を覆いもう声を発しない少女を下ろし、提灯を持って奥の部屋に入った。

「今回は、何か収穫はありましたか?」

香りの良いお茶がアタシの目の前に差し出された。アタシはお茶を持ち上げて一口飲んだ。指で湯飲みの模様をなぞり、何も言わなかった。

「その様子だと、収穫はないようですね。しかし、あなたが探していた事の手がかりが、いくつか手に入りました」


Ⅲ.迷路

(修正版)

アタシは彼から渡された竹簡を握って、自分の部屋に戻った。

「見るかどうかは貴方次第です。ここに残るかどうか、それも貴方自身で決めなさい」

アタシが竹簡を見てぼんやりしていると、あの声が再び聞こえてきた。

「この道を行くのは、死者のためであって、生者のためではない。死者の願いを叶える事こそ、我が一族の使命です」

時間が経ち過ぎたせいか、皆の顔はもう思い出せない。

ただ覚えているのは、鳴り響く魂を奪う鈴の音、そしてその音の後に、ゆっくりと動く体。

あの頃、この音が鳴る度、一族の誰かが仕事に出掛けた。そして住んでいた家の外では、いつも卵やら、野菜の切れ端やらが投げられ、覆われていた。

「出て行け!変人共が!」
「町から出て行け!怪物ども!」

アタシもかつては衝動に任せてヤツらに言い返そうとしたが、皆はいつもアタシにこう言った。

「大丈夫、彼らはただ恐れているだけ」

アタシは何度も尋ねた、何故この力を使ってもっと普通の事をしないのかと。誰がアタシにそう言ったのは覚えていないが、それは一族の若者だったのかもしれない。

彼は言った。「もしいつか別の土地で死ぬ事になったら、私を故郷まで連れ戻してくれる人がいる事を願っている」

この一族は、普通の人にはない力を持っているが、それに値する敬意を払ってもらえない。誰もがこの一族を不吉であると遠ざけた。生きることすら厳しいのに、皆からは不満な気持ちを一切見た事がなかった。

「私達がこのような力を持っているのは、天命です。この力を死者のために使い、彼らの最期を見送るようにと。今のような乱世では、生前は大変な思いをしているだろう。死後に安寧を求めるのは当たり前のことです。私達もそれぐらいしかしてあげられない」

しかし……このような人々が……何故あんな事をしたのか……

薄暗い午後、灰色の空はいつ雨が降ってもおかしくないぐらいだった。

「あいつらだ!あいつらが私たちの親族の死体を盗んだんだ!」
「一日中変な呪符を描いて、何か怪しい陣を作っているのかも知れねえぞ!」
「出て行け!」
「父を返して!」
「私の娘!あの子はわずか9歳だった!あなたたちは彼女の死体で何をするつもりなの!」

貧しかったがいつも元気な若者達は、この瞬間、扉の前に跪いて、怒っている人々の殴る蹴るを甘受していた。扉の内側で、アタシは外から抑えられた扉を必死に叩いた。

「おいっ!やってないよな!言え!アンタたち何か言えよ!一体何が起こっているんだ!アタシが調べるから!」
リュウセイベーコン……」

枯れた声がアタシを止めた。老いた目からはアタシには理解できない感情が見えた。老人はアタシの肩を軽く叩いた。

「お前はわしらと何年も苦しんできた。女子が毎日死体の側にいるのは、あまり良くない、早く行け」
「……アンタ、何を言ってるんだ?」
「あの日、わしは墓地でお前を見つけ、連れて帰った。その恩は、もう全て返してくれただろう。早く去った方がいい……
「アンタ…」
「これらの事は、確かにわしらがやった事だ」
「……」
「行け」

チリン──

魂を奪う鈴が鳴り、アタシは意識を失った。再び目が覚めた時、アタシは最初に目覚めた時の「あの墓地」に戻っていた。

アタシは夢中になって急いで町に戻った。しかし、町中の人々に怯えられてきたとはいえアタシの過去全てが詰まった屋敷は、廃墟になっていた。地面にはまだら模様の血痕と焦げた死体が転がっていて、アタシを混乱させた。

どうして?どうして?
何故?何故こんな事になったんだ?

手紙も残されていない。前兆も何もなく、それは全て予期せず起こった。この瞬間、アタシはこの一族について何にも知らず、故郷に送り返したいと思っても、故郷がどこにあるかさえ知らない事にやっと気付いた。


Ⅳ.前進

(修正版)

長年探し回っていた頃、アタシは人参に誘われ、地府の一員となった。そして彼の助けを借りて、アタシは死物に結びついた過去を遡る能力があると気付いた。

最初から、一族の経歴を探るために古墳への侵入を繰り返してきた。

今は、死物と死体と共にいる事は本能のようなものになっていた。

誰もがアタシを恐れ、畏怖した。生者と長く接していくうちに、ヤツらの言葉もより理解できるようになった。

「生者と接すれば接する程、生者は死者よりも恐ろしいと気付く」

この経験がアタシを変えたのか、それともアタシ自身が経験していく内に、生者と交流するのを嫌がるようになったのか。

アタシは死者の思念が強く残された死物を探し、執念を取り除き最期の見送りをする、この終わりが見えないような道を追求していきたい。

そして今、突然求めていた答えがこの手に。目の前の竹簡を見て、アタシはそれを開くのが怖かった。

「おっと──!」
「しっ──静かにして!」
八宝飯お前大丈夫か?」
「トンーートンーー」
「鳳爪、描かないと言いたい事が分からないよ!」

突然扉から聞こえてきた音がアタシの意識を引き戻した。八宝飯腐乳たちがアタシの部屋の扉の前に倒れていた。足元の小さな缶を見ると、覗いている時に誤って蹴ってしまったのだろう。

「どうしてここに?もしかして、遂にアタシのコレクションになる決心が?」
「……リュウセイベーコン……あなたはここから去るのですか?」

八宝飯は前に押し出された。怖がって慌てていた昔と違って、アタシを見る視線には離れがたい気持ちが込められていた。
「リュウセイ姉様……人参様から、あなたが探していた物が見つかったと言っていました。じゃあ……行っちゃうんですか?行かないでください!」

いつもわがままで無礼な少女は、アタシの服の角を優しく引っ張って、目は涙で濡れていた。

少女の髪を優しく撫でて、アタシは何も答えられなかった。

「彼女が自分で決める事です」

油条は相変わらず冷たいが、扉の外から乱雑に置かれた死物を跨ぎ、他のヤツらを連れ出した。ヤツの側にいる、いつも口が良く回る豆汁は振り返り、美しい目と眉は笑みと共に弧を描いた。

「願いを叶えても、去る必要はありませんよね?あなたがそんなに無常だと、私と腐乳はとても悲しみますよリュウーセイー姉ーさんー」

ヤツらが去った後、アタシの部屋はいつもの静寂に戻り、死の息吹と断ち切れない思念が纏わりついた無数の死物だけが、アタシの傍にあった。

アタシは手を伸ばし、人参からもらった竹簡を開いた。


Ⅴ.リュウセイベーコン

(修正版)

リュウセイベーコンの記憶は、墓地から始まった。堕神に襲われた彼女が再び目を覚ました時、人間の美学からするとそれほど美しくない青年らの姿がそこにあった。

彼らの職業は、外見に欠陥がないと出来ないらしい。

彼女は彼らと長い間共に暮らしていた、彼らが死ぬその日まで。

彼女は長い間彼らの故郷を探していたが、見つける事は出来なかった。高麗人参が竹簡を彼女に手渡した日、彼女はやっと理解した。何故彼らが故郷について言及した時、いつも憧れのような表情を見せていたのか。

そう、自分がどこから来たのかわからない者しか、故郷に帰る事の重要性を理解できない。

彼らは、乱世の時代に身元がわからなくなっていた孤児だった。彼らはどこから来たのか分からないリュウセイベーコンのように、彼らの師匠によって養育された。

かつて失った家族のために出来なかった全ての事を、彼らはやってきた。

生前得られる事の出来なかった安寧を、せめて死後には望み通り得られるようにと。

しかし、生者と死者の間で、最終的に、彼らは生者を選んだ。

光耀大陸にある「天幕」と「山河陣」は、光耀大陸の幾千万もの生き物を守る巨大な障壁。

しかし、それは永久不滅な物ではない。

瘴気の侵食、堕神による破壊、人為的損傷、全てによって傷つけられてきた。

そして、その青年らの師匠こそが、これら二つの陣を守護する幻術の後継者であった。

記録によると、山河陣は何千何万もの英霊の自発的な犠牲によって作られた物。彼らは光耀大陸の見えない守護兵。深く暗い冥土から光耀大陸を守り、人々を傷つける堕神を退治してきた。

しかし、人々の欲望が高まるにつれ、堕神が増え、山河陣の英霊はますます弱くなっていった。

生は死、死は生。天によって生まれ、そして天によって殺される。これが天地の真理である。肉体は死んだが、思念は残されたまま、これは天地と相容れないものだと。

これは青年らとリュウセイベーコンが師匠によって教えられてきた事だ。

しかし、彼らはこの土地にいる生き物のために、数千年もの間閉じ込められた英霊たちにこの終わりのない守護を続けさせ、更には決して解放される事のない魂を送り続けなければならなかった。

リュウセイベーコンは竹簡の記録を見て、手から力が無くなっていた。いつも微笑んでいる口角がどうしても上がらなくなていた。

彼女は知っていた、だからこそ、その見栄えが良くなかった青年らは、自分らを身代わりにしたのだ。

山河陣を修復するには、条件に合う肉体が必要だった。そして、修理材料として使用された肉体の持ち主は、山河陣に入り、いつまでもこの土地の平和を守る事となる。

だから、彼らは自らを身代わりにした。成仏出来ずにいた魂を成仏させた。

リュウセイベーコンは手を上げて、目を拭おうとした。だけど、涙はなかった。目頭は熱くなっていたが、どうしても泣けなかった。

彼女は深呼吸をし、冷たい空気を肺に入れたが、喉元にせりあがってきた嗚咽を抑えられなかった。顔を上げ、部屋の梁で静かに揺れる提灯を見た。

徐々に、彼女の口角はゆっくりと上がり、いつものような、妖しいが自身に満ちた笑顔を浮かべた。

部屋から出たリュウセイベーコンは、扉の前で心配をしている猫耳を見て、いつものように彼の柔らかい髪を撫でた。

「人参さまは大方陣に戻られました。戻る前に、あなた様が次に何をなさるのかを聞くよう仰せつかりました」

「人参に伝えてくれ。アタシが歩く道は、死者のための道、生者のためではない。この答えは、最初から最後まで、変わる事はない」


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コメント (リュウセイベーコン・エピソード)
  • 総コメント数9
  • 最終投稿日時 2020/02/11 13:11
新着スレッド(フードファンタジー攻略wiki)
ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018/10/11
    • Android
    • リリース日:2018/10/11
カテゴリ
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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