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【意訳】ブラサバ記事.2

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翻訳元:http://www.inven.co.kr/webzine/news/?news=162689&site=blacksurvival

画像はすべて当資料室の画像で代用.

【コラム】ブラックサバイバル背景語り

2016.08/24(元記事の掲載日)

2章:ARCH細胞? なにそれおいしいの?

ブラックサバイバルはバトルロイヤル形式のサバイバルゲームで、

プレイヤーたちはキャラクター1体を選んで他のプレイヤーと戦うことになる。

これらのキャラクターは、設定上「ブラックサバイバル プロジェクト」という実験に参加した実験体だ。

彼らは様々な理由で実験の舞台となるルミア島を訪れ、他の実験体と戦っている。


では、ブラックサバイバルに参加した実験体は、どんなきっかけでルミア島を訪れ、命を懸けて戦っているのだろうか。

一体どんな組織が彼らを実験体として用いているのか。また、この実験の目的とは何なのか。


前回の1章では、ブラックサバイバル・プロジェクトに関する大まかな説明と背景となるルミア島、実験を行う組織アグライアの考察をした。

2章では、実験を継続できる原動力である「再生」という概念について考察していくことにする。


■ 果てなき実験の原動力 ─ 再生

ブラックサバイバル・プロジェクトでは、実験体間のサバイバルが終わると、死亡した実験体を再生して記憶をバックアップし、

再び実験に投入するという一連の行程が繰り返される。

より正確に言えば、負傷した身体を「回復する」という考え方よりも時間を戻して「元の状態に戻す」ことに近い。


実験体の肉体は、各細胞の「構造」を特定の時点を基準に(島に来て実験体として用いられた時点)情報が保存されていて、

どんなに重傷を負っても、果ては死亡に至ったとしても再生することが可能だ。

したがって、負傷した傷跡が残ることもない。ただ、島に来た時点を基準とするため、それ以前からある傷跡はそのまま残る。

例えば、アイソルは顔に十字の傷跡が残っているが、これはどんなに再生したとしても治療は不可能だ。


「再生」という概念を可能にしたのは、アグライアが特殊な細胞の開発に成功したからだ。

最初の実験体が生まれた1917年頃、人間が誕生するまでの初期段階である卵子と精子が出会い、

受精する段階で任意の操作を加え、一般人より回復力が数百倍速い実験体が完成した。


▲ ゲーム内の復活使用時の様子.


彼ら実験体は細胞が分裂しても末端小粒(テロメア)の長さが一定の水準以下にならない。

テロメアとは細胞の老化に関係するDNAの一部で、細胞が分裂する際に染色体とDNAをコピーする酵素を保管する部分である。

テロメアが無いと、細胞分裂したときに細胞に関する情報が消えてしまう。


だが、このテロメアは細胞分裂が行なわれるたびに少しずつ消滅し、一定回数以上の分裂時に完全に無くなってしまう。

すなわち、テロメアの長さが減って無くなることで細胞は老化して死ぬのだ。

人類でいうと、胎児は約100回、老人は20~30回の分裂後に細胞が消滅する。つまり、歳をとるほどテロメアが早いテンポで短くなるわけだ。


テロメアが一定の長さで固定されることで細胞分裂が無限に可能となり、理論上 永遠に生きることのできる不死の存在となる。

ただ、実験が初めて成功した1917年には細胞分裂で生まれる細胞をコントロールする能力が不足していたため、

ガン細胞のような不確定要素までは制御できなかったとみられる。


1928年6月22日の実験記録を見ると、脳が損傷した場合、細胞組織が回復しても精神異常が発生する問題と

臓器が損傷の域を越えて完全に失われる場合、再生が起こらない問題があったようだ。

この時点では完璧な細胞のコピーというよりも単にケガの回復が早い程度だったため、さらなる研究を要した。


▲ 復活に使用するARS48


■ 実験の維持手段 ─ ARCH細胞とは?

ARCH細胞はアグライアが開発した特殊な細胞で、実験体の再生に直接的な役割を果たしている。

内分泌腺細胞集合体 ARCH細胞は、実験体が着けている腕輪の下にある。

腕輪にARCH細胞があるため、腕輪を着用していないと負傷からの回復は不可能だ。

むしろ、ARCH細胞なしでは細胞の移動と分裂が行なわれず、一般人並の回復すらできない。


ARCH細胞は、A、R、C、H、4つの細胞をまとめた呼称で、それぞれが担う役割は異なる。

A細胞は全体の7~8%を占め、傷の周りの細胞を逆分化させて幹細胞に変えるホルモンを生成する。

R細胞は全体の70~80%を占め、細胞が失われたときに傷ついた細胞の複製を誘導するホルモンを生成する。


▲ ゲーム内の回復使用時の様子


C細胞は3~5%を占め、A、R、H細胞のホルモン分泌調整を担当する。

もしもC細胞が麻痺した場合、他の3つの細胞が暴走し、過剰な再生や細胞生成を行なうことになってしまう。

H細胞は全体の15~20%を占めていて、傷ついた部位が再生できるようにするホルモンを生成する。


つまり、負傷した場合、H細胞が傷ついた部位を再生し、

特定部位の細胞が消えた場合(修復不可能)はA細胞がその部位の細胞を新たに作り出す仕組みだ。

1928年6月22日の実験記録にあった臓器が完全に除去されると再生されない問題を解消したものだと考えられる。


だが、ARCH細胞も万能ではない。元の構造通りに戻ることができないと判断すると細胞分裂が停止する。

例えば、腕にケガをしたとき傷口に異物が入っていると、再生を進める途中で再生が止まってしまう。

したがって、完璧な再生を望むなら、傷をきれいに処置するか、完全に切除しないと元の状態に復元されない。


▲ 回復に使用するBE-765

■ 実験の統制手段 ─ 腕輪とナノロボット

ARCH細胞についての実験日誌を見ると、ARCH細胞があるのがブレスレットという内容がある。

すべての実験体が着けている腕輪は、単にARCH細胞がある場所というだけでなく、実験体のすべての記録を収めている一種の保存装置だ。

腕輪は身体の一部と言えるとの言及があり、実験体の状態、位置情報および脳波データの保存などの様々な役割を果たす装備である。


もしも実験体が腕輪を解除しようとしてネジを外した場合、脳に刺激を与えて強制的にシャットダウンするように作られている。

たまに無理に腕輪を外してシャットダウンした後、その衝撃で精神がおかしくなる実験体もいるという。

そうなった実験体はリセット──記憶を一定時点に戻して初期化する。

そういう事態に備えて、精神医学分野を担当する研究員もいて、Dr.Yという呼称で呼ばれている。

各キャラクターの(実験日誌の)プロフィールに登場するDr.Yがまさにこの人物である。


▲ すべての実験体が装着している腕輪


腕輪と共にもうひとつの実験統制装置であるナノロボットは実験体の脳に植えつけられている。

脳の感覚神経と連動していて、脳が受けた刺激を感知して腕輪に転送する。

つまり、負傷や死亡時の情報は腕輪に転送され、腕輪がそうした情報を保存する仕組みだ。


死亡した実験体を再生する際に記憶の復元が必要になるが、

腕輪に保存されたデータをもとに脳へと刺激を与え、神経網を構築する役割をナノロボットが担う。

ナノロボット技術は、記憶の永久保存や選別した記憶形成など、様々な応用ができると研究員は考えている。


▲ 14M-RFT04 スキン(ジャン・ヒョヌの実験体番号)






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