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Black Survival 資料室

BLACK UNIVERSE_9

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BLACK UNIVERSE

各話セリフ/意訳

『 ジャッキー・クィルト 』
文:권나현 / 絵:사금
Part.1Part.2Part.3Part.4Part.5
Part.6Part.7Part.82010.ロンドン

▼ セリフ訳 下書き. 不明な一人称は暫定.

Part.1


「♬♩~」

  「♩.~」


「♪ ~」


「♬♩」

  「♪」


「♩」



「あれ?」


「なんで反応しないの?」



「死んでないはずだし、諦めちゃったの?」


ガタ ガタ...



「もっとジタバタあがくほうが好きなのに。」


ガタ ガタ...

 ガタ...


「もう静かになったらつまんないでしょう? お嬢さん?」



スッ


「まだミルフィーユの皮も剥いてないのに。」



「私はこれからゆっくりと」


「一枚」

 「一枚」

ツゥーー


「開けてみるつもりだけど、」



「お嬢さんはどう思う?」





2008年 4月。
英国の夜は いつもより
ひときわ寒かった。



陽が落ちると
人影は目に見えて
少なくなったし

誰もが皆 ドアを
閉めて鍵をかけた。



13名を殺害するも
未だ捕まらない
連続殺人鬼

ジャッキー・クィルト
のせいだった。


国籍不明、性別不明。

年齢不明。

誰もが知っているのは

その残酷な殺害方法だけだった。


まるでキルト(Quilt)のように
皮膚を細切れにする殺害方法

どんどん大胆になる手法と

だんだん短くなる犯行間隔。


そして用意周到な後始末。

警戒すべき人物像がわからないことが
人々をますます恐怖に陥れていた。

ジャッキークィルト 8人目の犠牲者



(だが、)


(それも今日で終わりだ。)



「状況は?」


「辺りを封鎖し、号令を待っている状態です。」


「現場には?」


「リバーと警官2名が入っています。」


「リバー?」



「どうしてリバーがそこにいる?」


「現場にいるのが本当に "ジャッキー” なのか」

「まず自分の目で確認したいからと...」


「身勝手にもほどがある!」


「確かに、これまでジャッキーの痕跡を探し出した件には感謝しているが、」

「それが勝手な行動をさせていい理由にはならんだろう?」


「申し訳ありません、あまりに頑なで。」



「あ、その、呼び戻しますか?」


「いや、いい。言って聞くような奴じゃない。」

「入ってからどれくらいだ?」



「すでに5分ほど...」


ダーーーン


「なんだ!!」


「何があった!!!」


「何が起きた! 状況を報告しろ!」


「ジャッキー...」

「...と思われる女が」


「リバーに銃で撃たれました。」



「銃撃後に本人も自殺を試みたようですが」


「現在はすでに制圧した状態です。」



「女を見るなり、すぐに引き金をひいたため...」

「制止する間はありませんでした。」



クルッ...



「女はその場で即死しました。」



「はい。」



「現場にはジャッキーの犠牲者と思われる」


「切り刻まれた死体と...」








パァー


「ニキータ・ペイジ。19歳。」


「10月9日 ドッディントンの草むらに遺棄された死体が発見されました。」


「1週間ほど経過していたと見られ、無残に損壊された状態でした。」



「コラライン・エディントン。24歳。」

「10月18日 ケドルストン公園で発見されました。」


「死後24時間は経過していないと見られますが、やはり身元特定が困難なほど損壊されていました。」



「次に、ファーガス・ホールトン。46歳・・・」


「もういい!」



「”ジャッキー・クィルト” がどれほど多く殺人を重ねてきたかは、わざわざ挙げ連ねなくてもよく分かってる。」


「おかげで外では」


「殺人犯の一人も捕まえられない無能警察だと猛批判されているのもな。」



「それで、」


「私を呼びつけた理由は何だ?」


「わかりました。」

「用件からお伝えします。」


ピッ!




「リバー・マクアダムス。」


「ジャッキーの5番目の被害者、リッチェル・マクアダムスの兄です。」



「妹を殺害されて以降ずっとジャッキーを追い続け、実際に彼の推理や予測の大部分が的中、
 一時は犯罪分析班と、また、私と共同で捜査したこともあります。」


「発見した被疑者をジャッキーと信じ込み、警察による逮捕を待たずに射殺、殺人罪で収監される前の話ですが。」



「うむ・・・ その後、警察への世論は一層厳しくなり、ジャッキーは更に犯行を重ねるようになった・・・」



「それで、今その話を持ち出した理由は何だ?」



「率直に申し上げますと、彼にジャッキー追跡を任せたいのです。」


「何だと!?」


バン!


「殺人犯を世に放つだと? 正気か?」



「・・・」



「ジャッキーは2年もの間、秩序を無視してあちこちで暴れてきました。」


「そのような非道な犯罪者を相手にしながら、」


「法や手順に固執していては、奴を捕まえられないかもしれません!」

「永遠に!」



「本部長殿。」


「一瞬の誤った判断が彼を殺人犯にしましたが、」

「彼こそジャッキーに最も近づいた人物なのです。」



「もはや手段や方法を選んでる場合ではありません。」






ギィーー・・・



「ここが...」



「俺が暮らすところか・・・」




(3ヶ月以内にジャッキーを捕らえれば量刑が1/3に減る・・・)


(監視用の発信機を付ける代わりに・・・ 必要に応じて警察に情報を要請できる・・・)


グッ



今回が本当に最後のチャンスだ。



「この資料を君に渡すのが」

「果たして正しいことか分からない。」


「...なぜだ?」



「なぜって?」


「言うならば、これは故意に残した痕跡のようなんだ。」



「楽しんでるのさ、君との鬼ごっこを。」


「...それで何か変わるのか?」



「ヒントであれ」

「ミスであれ」


「俺は奴が残した痕跡を追うだけだ。」


「追うこと以外に選択肢はない。」



「復讐するために、か?」



「...ああ。」


「"自分の手で" 復讐するために。」




「必ず。」


グッ!




コン コン



(なんだ?)


「誰だ・・・」




「リバー・マクアダムスさんよね? 荷物の整理は終わりました?」



「まだ少し散らかっていますね。」



「・・・・・・」


「どうして他人の家に勝手に入る? なぜ俺の名前を知っている?」



「貴方の名前はジャッキー・キルトに関心がある者なら誰でも知っています。」

「特に... 誰よりもジャッキーの情報に敏感な "犠牲者" の家族であれば尚更。」



「捜査本部の方たちは誰もが知っていますよね? 貴方が釈放されたこと。」

「遺族の中でも数人は知っているんですよ。」


「デマばかり流す奴等だと思っていたが。はて・・・」


「で。どうして分かったのかを含めて、なぜここまで攻めてきたのかだが。」


「いいえ。」


クルッ



「私は貴方を手伝うために来ました。」








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