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Black Survival 資料室

BLACK UNIVERSE_8

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BLACK UNIVERSE

各話セリフ/意訳

『 あなたの不幸を解決いたします 』
文:권나현 / 絵:아루
Part.1Part.2Part.3Part.4Part.5
Part.6Part.7Part.82013. ソウル

Part.8



あの子の言うとおりだ。



変われたと思ってたけど

何ひとつ変わってなかった。

変わったものも

変わるものもない

また元の場所に戻ってきただけなんだ。


(・・・。)






「いっしょに入ろ。」

「バス停まで送ってくよ。」


「・・・結構です。」


「それって噂のせい?」


「・・・」


「私も、あなたと不幸部の噂はあの後でちょっと聞いたの。」

あ、別に気にしてないよ


「その先輩の、」

「お見舞いに行く予定は?」


「行かないほうがいいのだと思います。」



「・・・本人からそうしてって言われたの?」


「・・・」



「違うんだ?」



「・・・」

「ついこないだまでね、」


「ストーカー・・・っていうのかな。」


「私の近くをうろうろしてる人がいたの。」


「その人なりに私を幸せにしようと色々してくれたんだけど、どれもちっとも嬉しくなかった。」


「そんなの望んでなかったから。」



「”私のことを思って” を言い訳に、」


「自分が思ったままをしてたんじゃないかな。」



「それって相手のためじゃなく、」


「自己満足なだけだもん。」



「そうです」



「先輩のためではなく」


「私が傷つきたくないからそうするのです」



「自己満足で何が悪いのですか」


キキーッ


「あんなに努力したのに」

「結局なにも変わらないじゃないですか」


「これ以上私に何ができるんですか」



「なにも変わらないって、なにが変わってないのよ!」


ビーッ



「あんたと先輩に動かされた人がどんだけいるか!」


ウィーン


ド ン



「私には後悔するような選択するなとか偉そうに言っといて。」


「自分は楽な道を選ぶってわけ??」


ムキーー



「あんた。」


「後悔しない自信あんの?」


「本当に最後かもしれないんでしょ。」



コ ン


ズルズルズル





「いいえ。」



「後悔しない自信なんてないです。」


「会いたいです。」


「私も、」


「最後のお別れを」


「伝えたいです。」



ウィーン


「乗りなさい。」


「病院まで送ってあげるから。」









「だけど」


「会えなかったのよね?」


「ちゃんと会えたのなら、あの日、」


「あんな様子でいなかったはずだもの。」



「そしたら私があなたに声をかけることもなかったし。」



「・・・はい。」


「本当なら私と先輩の運命はそれまでのはずでした。」



「私が着いたとき、」


「先輩はすでに意識のない状態でした。」



「もう体中の臓器が弱りきっていて。」


「二度と意識が戻ることはないだろうと。」



「先輩は・・・」


「私宛てに手紙を書き残していました。」


「こうなることが分かっていたみたいに。」




あー
やあ、ヘジンちゃん。びっくりした?
へへ、サプライズ!!

この手紙を読んでるってことは、
たぶん俺の状態が思ってたより悪化したんだろうね。


悔やまないで。
君のせいじゃない。

君がいつも言ってただろ?

定められた運命は変えられないって。

そう。これも運命なんだ。

どうにもできない、すでに決まってた結末。

何も悪くないし、

誰も悪くない。


君は誰とも繋がってはいけないと

皆を不幸にするだけだからと言ってたよね。

実は、俺も君に会う前までは、よくそんなことを考えてたんだ。

俺は長く生きられないから。

愛してくれる全ての人たちを傷つけるだけだから。

けど、俺は君と違って欲張りだったから、

「お父さん・・・ ぼく、とても寂しいから、」

「会社に行かないで、いっしょにいて?」


もっと大切な人になりたいと望んだ。



傷跡だとしても覚えていてほしくて。
いなかったみたいに忘れられるのは絶対に嫌だった。


だから君を見逃さなかったんだ。


独りで寂しい人であるほど


俺が占められる領域が大きいはずだから。



けど、
思ってたより俺たちはよく似ていて。

君に言ったことは、自分に言えることだったし。

君が変わるほど、

俺も変わってたんだ。


そしてわかった。俺が本当に望んでたのは、

誰かの一番になることじゃなく・・・




自分の運命を責めないでほしい。

君と俺の不幸な運命が

俺たちを逢わせてくれたから。



(・・・とはいえ、)


(顔が見れないのはやっぱり少し残念だけどね。)








「...この病院の屋上から落ちても、」

「どうにも死ぬには難しくないかしら?」


「それにここの屋上、閉まってるわよ。」




「・・・そんなこと考えてません。」


ストッ


「だって今にも死にそうな顔してるから。」



「ぜんぶ終わってしまいました。」



「こんな結末だったのですね。」



「亡くせばどんな言葉も伝えられません。」


「いつも」

「ろくにお別れもできずに失くしたことを、」


「今さら悟りました。」



「変われたのに、」


「後悔のない選択をしようと決めていたのに、」

「なんで。」


「なんで・・・」



「一番大切なときに、また昔に戻ろうとしたのでしょう。」




「全てを引き換えにしてでも変えたいものがあるのね。」



「なら、私が助けてあげるわ。」

「あなたは私が求めている子のようだから。」



「ただし、私たちの実験に参加するという条件で。」




「・・・」


「貴女は何ですか?」



「暗闇の光。」













あれ・・・?



「ミナ!」


「母さん?」

「・・・俺、確か」


「・・・死んだじいちゃんに会ってた気がするんだけど。」



がばっ



「母さん・・・」


「体中の臓器を入れ替える大手術でした。」


「実験的な手術でしたが、」

「結果は成功のようですね。」



「・・・あなたが目覚めたら、一番に連絡がほしいと。」


「・・・?」




「もしもし?」



「・・・」


「ヘジンちゃん?」




「・・・はい。」



「あ・・・はは。」

「たくさん心配かけちゃったよね。」


「こうなると分かってたら、あんな手紙書かなかったのに。」


「その気になって真剣に書いたから恥ずかしいな・・・」


「そこまで真剣に見えませんでしたよ。」

サプライズとか・・・


「ごめん。本能的に、つい・・・」



「ありがとうございます。」


「これを伝えられないままになることが怖かったのです。」


「短い時間でしたが、本当に多くを教わりましたし、」

「たくさんのものが変わったとわかりました。」



「これからはもう昔のようには戻れないくらいに。」


「あはは。どうしたの急に改まって。」


「そして、これからも多くのことが変わるはずです。」


「たとえどんな道を歩むことになっても、私はもう逃げません。」



「先輩が私をそう変えてくれたのですから。」



「素敵な友人を、ありがとうございます。」


「大切な思い出を、ありがとうございます。」



「後悔せず生きる方法を、」

「最善を尽くして生きていく方法を教えてくれて」



「ありがとうございます。」




「・・・ヘジンちゃん?」


「そのお礼に・・・ というのもあれですが」

「先輩の不幸はすべて私がお預かりしていきます。」


「仰せのとおり、私は不幸の専門家ですから。」


「・・・これが不幸部の、最後の活動になります。」



「ヘジンちゃん、今どこ?」


「ですから どうか、」

「私のぶんまで普通に、」


「幸せに」


「生きてください。」



「ヘジンちゃん!」


「ヘジン・・・」


ツッ




「・・・この先の人生を大切にするといいと思います。」


「あなたの手術代は」



「とても高くついたのですよ。」



コッ 


   コッ


 コッ


   コッ



ガラッ



トン


「・・・」



「お婆さまから人を近づけないよう言われていたのは、」


「こうなる運命があったからだと思います。」


「先輩と出会わなければ、貴女の提案を受けていないでしょうから。」


「それで、」


「後悔してるの?」




「いえ。」


「何があっても絶対、」


「後悔しない選択でした。」



「その気持ち、忘れずにいるといいわ。」


「これからあなたの向かう場所は」


「生半可な覚悟では耐えられないところだから。」



「運命に背いた代償は覚悟しています。」



「よろしい。」


「これからよろしくね、」





「14M-RFT12。」







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