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【白猫】メインストーリー 第11章 Story3

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん
2017/02/24 ~



目次


Story1-1 崩壊の記憶

Story1-2 後悔

Story2‐1 世界の理

Story2‐2 馬の背

Story2‐3 騎士の忠誠

Story3‐1 瞳の気配

Story3‐2 不条理

Story4‐1 我儘の暴走

Story4‐2 破壊者の残滓

Story5‐1 ただ忠誠あるがゆえ

Story5‐2 師と王子




story1-1 崩壊の記憶



……爆発……崩壊……

――大崩壊――


……数万年前。天地を滅ぼしたという、……大崩壊。

――あのとき、自分は――


――そう。約束を――

アイリスとの約束を――




――いつからだっただろうか。

地上から、天を舞う大陸を見上げ……憧憬を抱いたのは……



天と地……光と闇……白と、黒……

どうして世界は二つに分けられ――

自分は――黒いのか。


白は光を、黒は闇を――司り、世界の形を保つ――

二人の<王>として、天と地に分かれ、お互いを支え合うなら――

――それでも――よかった――

――なのに――


闇は、光を呑み込まんとした……



<均衡>の危機……自分は、王の後継者である立場をかなぐり捨て――

――天へと――アイリスの元へと、駆けつけた――



「そんな――

ごめん……なさい――」



――そう……だ――

――<約束>とは――


<決して会ってはならない>誓い――!

違えたのは……アイリスではない!

危機に瀕した彼女の責任では決してない!


――自分が――!

<闇の王>を止められなかった、自分の――

――罪――


「――さよなら、約束の人――」





メインストーリー 第11章 -HARD-




story1-2 後悔



主人公!そんな……!

クソが!しくじった……!俺があんなこと言わなけりゃ……!

俺様の責任だ……!俺様があいつを引き受けてれば……!

ダメだよー……それじゃあコジローがケガしただけでしょー?

……ちっ……

容体はどうなんですか……?

見てくれ。ヒヒヒンヒール!

……傷は、癒えてる……?

そのはずなのだが……

どうして意識を取り戻さないのよ!?

△※▲▼▲※△

フーム。

フムニール?

シルルのレンズを通して診ているのか?

闇の力を込められた武具に傷をつけられると、

通常の方法で傷を癒すことが出来なくなると、言うね。

じゃあ……!

でも、彼の症状はそれとは異なるかなあ。

え?

しっかり診てちょうだい!

彼は闇の王の後継者だ。その事実はみんな知っているね?

……うん。

闇の者にとって闇は力になる。ここまでは、いいね?

うん、それはわかる。

闇の王の後継者である彼は、自信に宿る、闇の力で戦ってきたわけだが……

その力が、彼を蝕んでいるのではないかな。

……っ!

監獄を封印していた闇の魔力は、行き場を失い、彼の肉体へ流れ込んだのだろう。

ここまではいい。彼とて闇の後継者だ。その程度の闇など、取り込める器がある。だが――

――彼は、葛藤している。拒んでいる、とも言える。

拒む……闇を……?

そうだ。闇に身を任せれば、強大な力を得ることも出来る。

だが、彼はそれをよしとしていない。自分の……意思で、闇に抗っているのだ。

……おそらくこれまでの冒険で、闇に屈してはいけないという、強迫観念が生まれたのだろう。

…………

……闇は自我を奪い、凶暴な衝動を促進する……

そうか、おめぇも……

己以外の全てを塗り潰そうとする、本能。

……闇の王の後継者である主人公が、その本能に飲み込まれたら……

私のときの比ではない。取り返しのつかないことになってしまうだろう……

……つまり、こういうことですか?

主人公さんがいま眠っているのは、自分の中の闇と戦っているからで……

……目覚めちゃったら、むしろ……暴走する?とか?

このままだと、すなる可能性も捨てきれないね。

じゃ、じゃあどうすればいいんですか!?

ハーティ、落ち着いて。

落ち着いていられますか!アイリスもさらわれて、この上さらに……!

……そうか……!アイリスです!

そうだな。アイリスなら、何度もこいつの闇を押さえ込んできた。

そうね……!悔しいけど、ここは白の巫女に頼るしか……

よし、そうとわかったら、こうしちゃいられない!

主人公が命がけで門を開いてくれたんだ!

行こう!

ああ!

いるとすれば、監獄の最奥部か……みんな、油断するなよ。

そんなもの生まれてこのかたしたこともない。ヒヒーン。

…………

……???

あ、いや、なんでもねぇって……

(しかし……他の闇ならいざしらず……

こいつの闇は、いつまでも、抑えてるだけじゃいらんねぇやな……)


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story2‐1 世界の理


…………

…………

……何か用?

……随分、強気だな?己の立場がわかっているのか?

なら、ひと思いに滅してしまえばいいでしょう?

どうして私を、捕えたままにしておくの?

陛下の意向だ。私が言えるのはそれだけだ。

……そうかしら?

…………


***


――次は、誰を、あなたは取り込もうと――!

当然――!?

……?

……くっ……なぜだ……!

うぅ……ぐぅぁあああ……!

!?

陛下!?

――っ……!……連れて行け……!

……はっ……?

白の巫女……!貴様は、すぐに楽にはさせん……!

せいぜい……己の無力に絶望しながら、震えて待つがいい……!

…………


***


……主人公を……自分の後継者を、先に取り込むつもり?

…………

そうでもしなければ、これ以上の力をあの身に留めることは出来そうもなかったわね。

知った風な口を。

あなたも、知らない。

……なんだと?

<均等>とは何のため?それを崩したいというのは、誰の意思?

この世界には、誰が作ったのか知れない、<理>がある。

それに背くことは、誰にも出来ないのよ。

……フン。世迷言を。

(……そう…………理という、約束の上に……

誰もかれも……私も……あの人も――)



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story20 馬の背



ウマルス、大丈夫?

私のこの背には限界がある。いや、もしかすると、そんな地点はとうに過ぎているのかもしれない。

……でも、頑張って。あなたが彼を背に背負ってくれていると、とても助かるの。

ううむ……仕方ない。これが英雄の役目かと問われれば、疑問を差し挟む余地はあるものの。

そんだけしゃべる余裕がありゃあ大丈夫だろ。

……ありがとね、ウマルス。

キャトラの労いは納得しやすい。猫の背に人はおぶされぬからな。

うん。アタシが代わってあげられるなら、そうしてあげたいんだけど……

必要ない。レディの荷物をさりげなく引き受けること。

幼少期より、父王からはそれがマナーの本質だと聞かされ続けてきたのだから。

アラ♪アンタ、けっこうわかってきたじゃない。

ヒヒーンだとも。

……それにしても、火山の島とは思えぬほど、冷え冷えとした監獄だな。

入り口はてっぺんだったけど、下へ下へと潜ってるもんね。

このままどこまで降りるんだろー?

まさか……!嫌ですよ、あの世とか、そういうおどろおどろしいのは。

!△☆◆!??

え?

『そんな迷信に怯えることはない』って言ってるみたいね。

むぅ。いいですけど。ちょっとナマイキじゃないですか?

!◆!◆▲◆!

ちなみに真実を言えば、地中を果てしなく潜れば、また熱くなってくるのだよ。

えー!?アイリスが溶けちゃう!?

ヘンな脅し方すんなよ。そりゃあ、途方もなく地下の話だろうが?

失敬失敬。

はておかしいぞ。大地というものは、二頭の巨大なドラゴンによって支えられているはずだが。

それが嘘だってのはすぐわかる。

ヒヒィ~ン!


あんまし騒いでんじゃねぇつーの。

この先はどうなっていた?

同じような造りが、まだだいぶ続くみてぇだな。

そこら中魔物だらけだ……身を隠して進むのも、出来そうにゃねえなぁ。

そうか……

しかし、おめぇが斥候を買って出るとはな、コジロー?

俺様の失策だったからな。取り返せると思ってるわけじゃねぇがよ。

……そうだな。

判断を誤ったのは俺もだ。……気張るぜ。

ああ。

主人公……もう少しの辛抱だからね……

……アイリス……!無事でいて……!


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story2‐3 騎士の忠誠



…………

――陛下、御気分はいかがですか?

……気分、だと?

っ……!?

……身構えるな。先程の失態は、我の慢心が招いた。

バールの力を得、我に並ぶ者など、もはやこの世にはおらぬと思ったが――

――まだ、早い。そう――我は未だ、依り代に宿る身。

……左様で。

思いの他快適な肉体ではあるが……やはり、人のこの体よ。

すぐに抜け出てしまいたいところだが――そうもいかぬ。

……と、言いますのは……?

器から解き放たれれば、後はもう、膨張し、全てを塗り潰すのみよ。

しかし――まだ、<濃さ>が足りぬ。

余白を残すなどという無様、晒すわけにもいかぬしな。そうであろう?

……は。

やはり――もう一杯、だな。

……!

我が後継者の様子はどうだ?

この最深部までは、いましばらくの時がかかるかと。

なんとも、心許ないな。ヴァルアス、貴様の教育の責任ではないのか?

……はい。……陛下。

ん?

その責を果すため、機会を頂けませんでしょうか?

ほう……よかろう。やってみよ。

はっ……!

長くはやれぬ。間が空き過ぎては、二杯目とは呼べぬからな。

……必ずや、この暗黒騎士ヴァルアス――

かの者の力を引き出し、そして――

――陛下のため、聖杯と成してみせます!



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story3‐1 瞳の気配



一体、どこまで続いてやがるんだ、この監獄は?

ハーティではないが……あの世まで降るのではないかと思えてくるな……

こんなことろに囚われて……早く、アイリスの元へ急がないと……

ねーねー、ちょっといいー?

あ、タビィの『ちょっといい?』だ。

え?なにが?

最近のおめぇさん、冴えてんなってことさ。で、どうしたんでぇ?

そんなに持ち上げられると話しづらいよー。

悪ぃ悪ぃ。で、なんだって?

あのさー、あの暴力おじさんの気配……なんか、なくなったー?

……!

!◆●○△!

言われてみれば……!

ずっとさー、見られてるカンジがしてたのに、なくなってるよね?

そうですね……あのときは、ウムを言わさず話しかけたりしてきたのに……

白の巫女と会ったのかしら?

それで、大人しくなるのかなぁ……?

あんましイイ予感はしねぇな。

うん……

心配はいらない。おそらく、私という存在に臆しただけであろう。

世界の我儘などなにあろう!我が名はウマルス!……その背に、叛逆の剣を背負いし勇者!

……合ってるかも。

そうだろ?ヒヒィーン!

最後のトコだけね。

主人公……

負けちゃダメよ……!



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story23 不条理



――アイリスに罪はない――

――アイリスとの約束を、破ったのは、自分――


…………

――!?……記憶が……!



――大崩壊――

崩落する世界の中で、自分が認めたのは……

<光>の直撃を受け、その力の大部分を失い、しかしそれでもなお――

――決して消滅しない、<闇>そのもの――


――闇の王――


――その時、自分は。――決意した。

闇との、訣別――



アイリスの意志を……その悲痛な決断を、無にするわけにはいかない……

割れた天空大陸の瓦礫に巻き込まれながらも、なお逃げようとする闇の王へ追いすがり……

……傷ついた己の最後の力で……闇の王を、封印した……

それが自分の……約束を破ってしまったことへの、罪滅ぼし………………


――そして――

気の遠くなるようなときが流れ――目覚めた。



それは、自分が果すべきことを、もう一度、為すため。

今度こそ、完全に闇の王を滅ぼし――

もう一度、約束を――

……約束を……?……もう一度……?



「くくくく……!」

「!?」

「矛盾、だなぁ?なぁ、闇の王、その後継者よ……?」

「…………」

「貴様は、儂に近かったのよ……なぁ、そうだろう?」

世界の理など、クソ喰らえ……!白にも黒にも囚われず、自由に生きたいよなぁ?」

――貴様は、ともにいたいのだろう?あの、光の王と?」

「…………」

「なのに、約束だと?

世界の均衡を取り戻す、それはいい。

だが、どうする?闇の王を討ち、己がその役目を継いだとして……

その後、あの娘と、再び天と地に分かれるのか?」

「…………」

「なぁ……どうする?貴様はどうしたい?

……素直になれよ……!」

「…………」

「屠ってしまえ……!己の眼前の、何もかも……!

その……理ごと……!」

「――!!」



!!

よかった!目覚めて……え……?

おめぇ……!?ちっ……まじぃな……!


――全ての理を――

――破る――!!



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24 我儘の暴走



――追うぞ、おまえら!

ああ!

ヒヒィーン!怖いのだが!?

あんな主人公さん、初めてです……

主人公様……!あの力、昔よりも遥かに増している……!

フムニールの悪い予言が当たってしまったな……!

!※◆!※!

そう言われても、僕のせいというわけじゃないじゃないか。

むしろ、心の準備は多少出来たと、前向きに受け止めるしかないよ。

前向きになんか受け止められないわよ!

早く早くー!見失っちゃうよー!


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4‐2 破壊者の残滓



「――!?

これは……!闇の王……じゃない……!

――まさか――!?

……っ……!」

「――なにをためらう?貴様の力はそんなものだったか?」

「――!?あなたは……取り込まれたはずでは……!?

「この監獄に何年いたと思う?あれが儂の全てなわけがなかろう?」

「くくく……!身から削られた力でも、これだけ溜まっておれば、な……!」

「……しぶといのね……」

「褒め言葉、だな、この場合。無論、貴様との共闘の件も、忘れてはおらぬぞ?」

「……私の力?あなたは、何のことを言っているの?」

「遥か天空に在ったからというだけではない――

始祖のルーンを操る光の王……それが、白の王国の、絶大なる力の象徴だった……違うか?」

「…………」

「まあ、貴様が忘れたままでも儂は一向に構わんがな。

あの小僧なら……くくく……!世界の<我儘>、その称号を、分けてやるのもやぶさかではない。」

「え……!?」

「儂はな、光の王よ。手段など、どうでもよいのだ。

均衡を崩す……その望みが達成できれば、儂自信が手を下さんでもな……!」

「――!?まさか、主人公に!?」

「燻っていたようだからなあ。ほんの少しばかり、諭してやったまでよ。

さぁ――どうする!?光の王よ!?

貴様の約束の相手が、破壊の化身と成り果てるぞ!?」

「……そうはならないわ。」

「……ほう?」

「あの人は……自分の中の闇に負けるような――

――弱い人じゃない――!」

「くくく……!貴様、何か勘違いしておらぬか?

それが……信じること、か?あぁ!?」

「…………」

「見殺し、だな?流石はかの大崩壊の実行者。実に怜悧な心だな。

なぁ――光の王よ!?」

「……いいえ。

私は私の使命を果すことが――

――彼への、償い――!」


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26 ただ忠誠あるがゆえ


ガァアアアアアッ!!!


――邪魔を……するな……!

立ち塞がる……全てを……

――屠る……!


闇も――光も……!障害となるのなら――

――容赦はしない――!



……なんだ……?その姿は……?

それではまるで――――あの<我儘>のようではないか……!

……いや……!


(陛下も……同じだ……

全てを黒く塗り潰した先には――

――安息の闇ではなく、無が広がるのみではないのか――

だが……それでも、私は――)


…………私には――闇への、その王への忠誠があるのみだ……

――来い!主人公よ!



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5‐2 師と王子



どうした!?その程度か!

踏み込め!もっとだ!


――ヴァル……アス……?



***



「……それまで!」



――闇に剣術など、不要と思ってはなりません。

王とは強者です。だからこそ、黒の王国は、安息の闇で満たされます。

貴方様も、いずれは闇の王となる身……

このヴァルアスにあしらわれているようでは、いつまで経ってもそんな日はやって来ませんぞ。


――よい眼です。

もう一本……?ふっ……!いいでしょう。来なさい――!



***



――では、行って参ります。

……

……ありがとうございます。私などの身を案じてくださるのですね……

なれど、私は暗黒騎士。この身に宿すは、闇への、その王への忠誠だけでございます。

陛下が天へと攻め上ぼるなら、異論などありません。

闇の切っ先として、先陣で剣を振るうだけです。

……こんなことを、申してはならないのですが……

私には、闇、その王への忠誠心があるだけなのです。

言葉の意味が……おわかりですね?

――万が一、私と貴方様が――――いえ。やめましょう。

強く、おなりなさい。この私よりも、陛下よりも、誰よりも、強く――


「――ヴァル……アス……?」


***



どうした!?それが貴様の全てか!?

ただの獣に成り下がった剣で……この私に勝てるかッ!!


――力が――

意思とは無関係に、力が溢れて止まらない!


御せぬか……!無様なものよ……!

こうなることはわかっていた……!だから、児戯だと言うのだ……!

闇に従うのが、黒の民の定め……!子供の我儘で、好きに生きようなどと!


――何故ッ

己の宿命を受け容れようとしないッ!!!



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